小咄

小咄

くろねこ太郎の落書き部屋 小咄ページです

3月10日

 

 

 

【芝居小屋】

 


粋「うー寒っ 寒の戻りかな」火鉢当たりっ

 

テオドール「そもそも やたらと寒かったり暖かかったり交互に御座いますが

日本の冬はこんな物なので御座いますか?」


白「いつもは もちょい解りやすいと思う」

テオドール「あー。今年が異常気象と。

貴方様も 室内だと言うのにモコモコ身につけられ

Σん?」

 

 

粋「兄貴 あの、その襟巻き」

テオドール「九尾さんで御座いますよね?」うわ

 

白「めちゃめちゃ暖かいぞ」どやっ

 


粋「Σそりゃ生きてる冬毛の動物巻いてたら暖かいだろうけど!!」

テオドール「Σ自らストーカーを巻き付けるって どんな心理状況に御座いますか!?」ひええっ

 


九尾「なんぞ問題が有るのか
だーりんは暖かくて幸せ
わちもとろける幸せ 皆幸せぞ!」どろんっ!


粋「Σ実の兄がストーカー着用してる時点で 俺が精神的にキツイ!不幸だっつの!!」

九尾「お主は わちが何もせんでも 結構普段から悲惨じゃろ

てかストーカーストーカーと ストーカーの何がいかんか 1度も何からも被害に遇ってない御主に何が解り説明出来る?
はい、他所は他所 うちはうち。」こんっ

粋「Σぐっ!!
だああ 言い返せねええ!」ああもうっ

 


テオドール「暖かいのが御所望なら手っ取り早く 本物の襟巻きに致しましょうか?」

鎌じゃきんっ。

 

九尾「お前 変化せんでも血の鎌出来たの?「おかげ様で ムカつくと出来るようになりまして御座います」

 

 

白(襟巻き無くなった。)火鉢に当たりっ

 

 

テオドール「普通にストーカーは犯罪に御座います!
我が主に犯罪行為など 300年程早う御座いますケダモノ!!」鎌だおりゃあっ!

九尾「Σおのれは300年も生きとらんだろが!
なんでそげに偉そ  Σ室内で巨大凶器振り回すでないこら!!」ひええっ

 

 

皐月「ちょい。アンタ等どたばた煩いでー。

もうすぐ昼の部や 気合い入れや

ん?」

 


粋「あの、ストーカーって何が駄目なんだっけ?

被害者が あんま被害受けてる感無いんだけど」頭かかえっ


皐月「・・不法侵入とか プライバシーの侵害とか
法的にアカンのちゃうん?」

粋「Σあっ」はっ!

 

皐月「アンタ 変な事で考え込んで煮詰まるタイプやな」ああうん。

 

 


テオドール「今日の晩御飯は狐汁に御座いますね」ふふふふふふっ

九尾「Σぎゃー!なんじゃこの網! 抜けぬ!からまるぞおおっ!!」こーんんっ


テオドール「もがけばもがくほど締まりまして御座いますよ
その網は 粘着質な私の血液で出来ております故!!!」どやあっ

 


粋「Σうっおテオ凄え
伝説の妖狐相手に!」ひえっ

白「そういや出来たな。
血を糸みたいにして 相手追跡したりとか」火鉢ぬくぬくっ

 


テオドール「あ。貧血」どたーん。

九尾「Σひ弱で助かった!」おおっ

 


皐月「はいはいはーい。
ほんじゃ幕開くで 午後も気張ってやー」手ぱんぱんっ

 

 


間。

 

 

 

九尾「あー 酷い目にあったわ
小僧が灰になると 血は普通にべちゃっとなるんかい」毛繕いっ

 


見習い「あのー、何か こちらの部屋から動物の声が」

粋「Σうおおごめん! 猫が!野良猫がちょっと
すぐ追い出すから!!」ひええっ

見習い「いえあの

皐月さん達には内緒にしときますね
楽屋は遅かれ早かれバレるんで 早めに家に連れ帰られた方が良いですよ」しーっ

粋「Σいや拾ってねえよ!?」

 


テオドール「こんなデカ狐、見つかったら騒ぎになるので 大人しくしておいて下さいませ

もしくは 何かに変化をお願い致します」


九尾「何かにのう
さて、何に化けるか

ん?」こんっ

 

 

野良猫「なーん。」


粋「Σうお。マジで猫来ちゃった 
こらしっしっ 食われるぞ」あわわっ


九尾「食わんわ そげなちんまいの。
腹の足しにならん」

 

粋「Σえ。そうなの

良かった コイツ兄貴が名前つけて地味に可愛がってんだよなあ」ホッ

九尾「やはり食うとくか」むかっ

 

テオドール「猫にジェラシーおやめ下さい

それこそ 我が主に嫌われまして御座いますよ」

九尾「Σぐ」

 


テオドール「では 私は入り口の九官鳥さんの世話をして参ります」よいせっ

 

粋「あーそっか
近所で飼えなくなったの引き取ったんたっけ?

よく喋るから お客のウケも良いんだよな 九兵衛」

テオドール「キュー太郎では御座いませんので?」おや

粋「Σえ? 誰かんな名前つけてんの! センスねえっ」

テオドール「私に申されましても
我が主が そう呼んでおられましたし」困惑っ


粋「兄貴相変わらず 地味にセンスねえな」ひえっ

テオドール「九兵衛はセンス有るので御座いますか?」

 

 

九尾「・・・」

 


粋「ん?どしたの 九尾」

 

九尾「いや
猫や九官鳥には名前あるのに

わち、名前無いなと思って。」

粋「Σあ」確かにっ

 

 

テオドール「?  
九尾さんは九尾さんなのでは?」

九尾「それ お前を吸血鬼と呼んどるような物ぞ?」

テオドール「Σ種族名だったので御座いますか!?
日本語難しいっ」えええっ

 

九尾「正式名は 金毛白面九尾の狐 じゃがのう

それも 人間には狐火でそう見えたってだけじゃし」うーん。


粋「マジかよ お前名無しかよ」

九尾「その時代その時代で 化けた女の姿で呼ばれては居たが

わちの名前と言われると」うーん。

 

 

白「ん? 何だ?
何揉めてるんだ?」よいせっ

テオドール「Σあ!出番お疲れ様に御座います」

 

粋「それがさ 九尾の奴
名前が無


九尾「だーりん わちに名前つけて
名前は誰かに呼ばれる為に有るでの。
そんなら わち、だーりんの呼びやすいのが良い」ずいっ

白「へ?」

 

 

テオドール「まあ 『へ?』ともなられますよね」うん。

 

白「名前? 今更か?」

九尾「そうじゃそうじゃ
わち、だーりんの着けてくれるのなら どんなのでも良いぞ」わくわくっ

 

白「んー。

今から急に呼び方変えるのか
何つけても変な気がするな」困惑っ

テオドール「シロさんが やはり改名したいとか申されて
今更 武士らしい名を名乗られるみたいな物に御座いますよね」うーん。

 

粋「いや、シロは兄貴が適当に名前つけたから・・


おい 九尾。兄貴に名前つけて貰うのだけはやめた方が良くね?」

九尾「ほい?
ありゃ適当に名付けたんじゃろ?
本気で考えれば絶対素敵な名前になると わち信じてる」きらきらっ

 

白「本気?」困惑っ

テオドール「知恵熱など出されませんように。」

 


白「真面目に考えると難しいな

いつもノリでつけるしな」うーん。

粋(いや ノリはやめたげて。
今後それで呼ばれる方の身にもなってやれよ)

 


白「なあ?お前もノリだよな

錆尾縞。」

猫「なーん。」ごろごろっ

 


九尾「・・なんて?」

白「さびおじま。」

 

 

テオドール「サビ猫で 尻尾に縞の有る猫 と言う事だそうに御座います」

九尾「え? 名前が毛色情報?」ええー。


粋「Σあ、シロも 毛色か」はっ

 


白「そうだぞ。
九官鳥は 黒くて黄色い変な模様だし 
どう呼ぶか解らなかったから出前に来たバカラスに
粋「Σカラスの趣味かよ 九太郎!!」えええっ

 

 

粋・テオドール(Σあ。 毛色情報なら) はっ


九尾「わち、結局 金毛白面九尾の狐やん」えー

白「だな。しっくり来る」うん。

 


九尾「ええー。
だーりん どうにか絞りだせんのかの?」お願いっ

白「絞り出すって言われても
名前ってそもそもどうつけるんだ?」


九尾「えーと。
その者のイメージとか」
白「襟巻き か?」

 


九尾「わちのイメージ防寒具なん?

えーと。そうじゃの
あ、 昔呼ばれておった玉藻。
この辺から 文字ってみたりとか 可愛くなるんでないかえっ」ほらほらっ

 

 

白「襟藻?」首かしげっ

九尾「どこの岬?」ええー。

 


粋「兄貴に普通の名付けはムズくねえかなあ」うーん。

テオドール「で、御座いますよねえ」苦笑

 

九尾「なんでじゃ 諦めたらそこで終了ぞえ!」むっ

 

 

白「だって
俺の名前も 色情報だし。」白髪っ

九尾「Σうお!贅沢言ってごめんじゃ!!」ひええっ

 

 

テオドール「何故に親御さんは あの御名前にされたので御座いましょうねえ。
いえ、お似合いでは御座いますが。」しみじみっ

粋「生まれた時 うお白っ!てなったんじゃねえ?」


テオドール「いきなりアルビノがお生まれになられたら
それもそうに御座いますか」ふむ。

 

 

 

九尾「あれっ 
つまり 毛色で呼ばれとるわち
だーりんとお揃い!?」はっ

テオドール「あ。ストーカーがいらん事に気がついてしまわれました」

 

九尾「そっかそうか。
だーりんと同じなら 毛色ネームも悪くないのう」ほほほっ

白「ん?名前 もう良いのか?」あれっ

 


九尾「むしろ今のまんまが良い。

よし おのれ等
これからわちの事は 略しても九尾でなく毛色で、えーと金毛白面 とか」

粋「いや長い長い
言いにくいって」

 

 


九尾「ほな 白面で。」きりっ。

テオドール「ややこしくなるのでやめて下さいませ」

 

 

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