【遊郭】
テオドール「今日は満月なので御座いますねえ」ほー。
白「Σ!」びくっ
粋「冷静に言ってる辺り大丈夫じゃね?
そうそう噛まれねえって」どうどうっ
彬羽「普段の餌用採血で 血を取られる事自体が苦手になってるぽいからな。
で、資料はこれで全部か?」
地獄太夫「全部にありんす。
皆さん此処だとペロリとあれこれ喋ってくださりんすので 情報ダダ漏れに御座いますよ」ほほほっ
粋「で、今回は何の情報貰ったの?」覗き込みっ
彬羽「テロだ。」きっぱり。
テオドール「え。よりによって彬羽さんにそんな情報を?」真顔
彬羽「Σぐ」 ※元テロリスト
地獄太夫「吸血鬼さん。人の黒歴史をほじくりかえす物ではござんせん」
白「世話になってるし 幕府にやる情報だと思う」襖の影こそっ
地獄太夫「主さん そげに怖がっては可愛そうにござんすよ
吸血鬼さんもそこまで堪え性の無い方にはありんせんでしょう」くすくすっ
テオドール「申し訳御座いません
我が主が1番警戒しておられるのは貴女様に御座います。」
地獄太夫「主さんは意外と照れ屋さんにござんすからなあ」おやまあ。
粋「Σ相変わらずポジティブ強い!!」
彬羽「こいつを連れてこんと情報も何も渡さんと言われてるからな。
お前等を連れてきたのも少しでも犯罪抑制になればと思っての事だ。
あ、最後まで気を抜くなよ
帰るまでがコイツの縄張だ。また奥に引きずり込まれるぞ」
粋「いや犯罪抑制で未成年を遊郭に連れてくんなよ」
テオドール「大丈夫に御座いますよ
ここの女性の方々はプロなので御座いましょう?
ならば お客でも無いのに何かしでかすなんて真似は
遊女A「Σあらやだ姐さんこの子外国人!?」きゃーっ
遊女B「Σえ。日本語うまっ!
ちょっとお姉さんと向こうで国際親善してみない!?」
テオドール「Σえ" ちょ
Σだああああーー!!!」ずーるずるずぞぞぞっ!!
粋「Σテオオオオ!!!うわ光の速さで奥に連れてかれたっ!」ひいいっ
彬羽「Σここの女共は手前の英才教育でも受けてんのか!!」
地獄太夫「女は愛のハンターにありんすので
こら!あんた等よしなんし!それはわちきの良い人のお付きにありんす
てか未成年に無体は許さんでござんすよ!!」だだっ
白「俺いつの間にいい人になったんだ?」座布団かぶりっ。
彬羽「諦めろ。
こう言う所の女は思いたったら暴走する物だ」
白「・・多分 一番こういう所苦手なお前が言うか」えー。
彬羽「Σ慣れてる方が爛れてるだろがこんなの!!」むかっ
地獄太夫「カラスさん
人の仕事を悪く言うと女の情念で悶死する事になりんすよ?」
彬羽「Σ!」背筋ぞわっ
テオドール「日本の女性怖い怖いコワイコワイコワイコワイ」がくぶるっ
粋「Σ助けたけど壊れたあ!!」ひえっ
白「満月でパワーアップしてる吸血鬼が負けるのか
やっぱ女怖い」ぼそっ。
彬羽(こいつの怖い物ピラミッドの
一番上が 採血と女になりつつあるな) うーん。
間。
テオドール「しかし 本日は偉く警備が厳重に御座いますね」
粋「そなの?
外真っ暗で見えねえんだけど」ん?
テオドール「吸血鬼は夜目が利きます故
いつもより見回りが多い様に思えるのでございますが」チラッ
地獄太夫「主さん はい。あーん」うふふふっ
白「・・自分で食べるからいい」
地獄太夫「心底照れ屋さんにござんすな」きゃっ
彬羽(いや。何か盛られてんじゃないかと警戒されてんだ)
粋「兄貴 あんだけ警戒してたのに 餌につられて出てくるし」あーあ。
テオドール「ここのご飯は豪勢
と申しますか 我が主の好みに合わせた物を出してこられます故しゃーないかと」
粋「マジかよ どんだけ研究済み?」ひえっ
彬羽「で、警備云々だが
何かあったのか?」
地獄太夫「あー・・
まあその 此処ではよく有る事にありんす。」
粋「?
足ぬけとか?」
地獄太夫「いえその
皆様もご存知のとおり
此処はお偉いさんが多く通い集う場所でもありんす。
それ故 遊女とお偉いさんのご子息がそういう仲になる。というのも少なくのうござんして」
彬羽「つまり どこぞの若様が忍んで来るのを阻止する為に 親が手を回したって所か」
地獄太夫「慣れておられん割に さすがの理解力にござんす」わお。
白「どんまいだ。
慣れても良い事無いぞ」
テオドール「そそそそうで御座いますよ」がくぶるっ
彬羽「Σ説得力エグいなお前ら!」
粋「まあ 姉ちゃん等も仕事だからしゃーねえんだろけど
仕事の営業で んな大事大変だな」苦笑。
地獄太夫「おんや。営業だったと何故決めつけるので?」
粋「へ?」
地獄太夫「だから気分が悪いのでござんすよ。
人の庭で人の恋路を邪魔する様な真似。
元から上手く行く事のが少ないのでありんす 本人達に任せやがれでありんすよ」はんっ
粋「Σあ、そういう事!?」
白・テオドール「?」
彬羽「揃って無言で説明を求めるな
人間は家柄を異常に気にする物だ。
つまり、遊郭の女なんぞを本気で嫁に迎えたくない家の奴等が そこの息子が入れん様に警備を配置してるって事だ。」
テオドール「成る程
人間のそういう所は西洋と同じなので御座いますねえ」
白「演目で良く有る奴か。
そういうのだと大概駆け落ちしてるけどな」
地獄太夫「だからでござんす。
あの娘の相手さんは駆け落ちくらいなんぼのもんじゃのド根性の人にありんす。
だから跡取りを逃がさぬ様 女を見張ってるのでありんすよ」ため息っ
粋「Σえ。酷っ」
地獄太夫「此処は女の国
無体な殿方にはご遠慮頂きたいのでござんすが
何せ相手はお偉方。 さすがに花街の住人でも強制撤去出来ないのでありんすよ」
テオドール「仮に あの警備の方々ぶん殴ったらどうなるので御座いますか?」
地獄太夫「普通に犯罪
と良いんすか、重罪人にでっち上げられるのが関の山。
騒ぎを起こしてはいけんせんよ?」
襖がらっ。
挿音「おう 邪魔すんぜ。
悪い悪い わざわざヤベエ奴等の情報くれるって言ってくれてんのに遅刻してよ
いや ちっと入り口で頭固そうなのに絡まれて
粋「Σうおお早速騒ぎ起こしてる!」
挿音「あ?」キセルすっぱー。
彬羽「ん? 俺は知らせてないはずだが?
後から持ってしゃ済む事・・」ん?
白「そうか。やっちゃった物は仕方無いな
公務員。」にやっ
粋「Σ兄貴 まさか!!」はっ
挿音「あのー、ひょっとしてだけどよ
俺 何ぞに捲き込まれた?」キセルすっぱー。
地獄太夫「いえあの
普通は 絡まれても即殴り倒さない物にござんすし
半分くらいは自業自得ではと」えーと。
挿音「なんでどつき倒したの知ってるんでえ」
地獄太夫「あ。やっぱやったんでござんすね」
白「よし。仕方無いな
公務員の仕事邪魔したあっちが悪いんだもんな
俺からもそう言ってやる」肩ぽんっ
挿音「煩え。 毎度ワケ解んねえ時は頭の回転早くなりやがって。」ちっ
テオドール「で、外大騒ぎになっておりますが どう致しますので?」
白「向こうは家のメンツも有るから 普通に喧嘩売ってくるだろ
でも俺等は
幕府のテロリストの情報貰いに来たって大義名分があるからな」どやあっ
挿音「お前等この魔王に 普段どんな教育してんだよ」
粋「普通教育するもんじゃねえだろ
なあカラス またこれややこしい事になる気がするんだけど大丈夫
彬羽「ああ"?何だ手前等
無礼者?人の座敷に土足で入り込む方が万倍無礼だろうがあっ!!」
ズバキャッ!!
警備兵「Σぐはああ!!」
粋「Σちょっとカラス!?」えええっ
テオドール「あの方、人情派に御座いますからねえ」おやまあ。
挿音「ほー 遊女と坊っちゃん会わせねえ為にねえ
んな事知らねえな
こちとら葵の御紋の元でこの国の治安維持してんだ
逆らうなら粛清すんぞオラ」
煙玉どむっ!!
警備兵B「Σぎゃー待て待て!葵の御紋って!
違う治安とかそういうのげほっ!単にその話聞いてげっほごほっ!!」
挿音「あ?聞こえねえな」
どむっ!!
警備兵C「Σ聞こえないじゃなく話聞い Σぎゃあああぁっ!!!」
挿音「あー?何言ってんだかさっぱわっかんねえなあっ!」
どむっ!ぼむむっ!!
坊っちゃん「よかった! 向こうで騒ぎが起きてるから 見張りが手薄だったよ!!」
花魁「ああ!天が味方したのでございますねっ」
坊っちゃん「さあ!今宵は満月だ。
月の明かりが足元を照らしてくれる 共に参ろうっ」
手に手を取ってすたたたっ
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地獄太夫「さすがは主さん!
わちきが見込んだ男さんにありんす!!」感激のがばっ
ひょいっ。
ぼふっ
地獄太夫「Σ丸めた布団!!」うっ
挿音「あの野郎 変わり身の術上手くなったじゃねえの」ほー。
粋「つか お前 こんな派手にやって大丈夫かよ?」冷や汗っ
挿音「大丈夫じゃね?
他所の坊っちゃんの色恋より テロリスト名簿のが優先だろ
慈悲ぶかーい親父も許してくれらあ」にやっ
テオドール「こっちも大概確信犯に御座いますね」
白「人の人生に他の奴が口出しするの違うからな」畳めくりひょこっ。
粋「Σ!」びくっ
彬羽「手は出しまくるお前が言うか?」
白「殴りまくってたお前に言われたくない。」しれっ
彬羽「Σぐ」
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