【芝居小屋】
白「通り魔?」
見習いA「そうなんです! 昨日の帰り道 こいつが後ろを歩いてたんですけどっ」
テオドール「うわー。バッサリ行かれておられますねえ」ひええっ
見習いB「みっともないいいっ」ほっかむり被りっ
粋「あー確かにキッツイよな
ほら見してみ? 整えて切るくらい出来るからよ」ほれ
見習いB「Σお願いします敏腕スタイリスト様ーーっ!!」涙腺決壊っ
見習いA「そう言う事なんでくれっぐれも気をつけて下さい
トップなんですからっ
最近こう言う事件頻発してるらしいですから!」
白「俺そんなボケッとして見えるか?」
見習いA「・・・。」目そらしっ
粋「兄貴は背後に立たれると脊髄反射で相手蹴り倒すから問題ねえって
ほい。出来た」よしゃっ
見習いB「Σはやっ!」
見習いA「あ、凄っ
つつじさんと同じ様な いかにも芸やってます感」おおっ
粋「普通におかっぱだけどな」髪はらいっ
テオドール「あの短時間で切り揃えるって至難の技に御座いますよね?」わお。
白「あいつ色々慣れてるからな」うん。
間。
白「て話だったんだけどな?」
彬羽「成る程。
普通に人間の変質者なのかもしれんがな」出前のお重よいせっ
粋「ん? て事は 妖怪の仕業の可能性もあんの?」
彬羽「有るには有る。
もっとも妖怪の仕業と言う証拠もないがな」
テオドール「こちら 捨てておく様頼まれました 先程の見習いさんの髪の毛に御座いますが。」
妖気のカスべーーったり。
白「あ。間違いないなコレ」ああうん。
彬羽「よし。次の犠牲者が出る前に取っ捕まえるか」ふむ。
粋「つーか 人間にちょっかい出すなって散々言われてるのに
どいつもこいつも何でやるかな」はーやれやれっ
テオドール「せっかく今現在 人とモノノケの間にさほど軋轢が無いので御座いますのにね
晴明さんから平安京のお話とか聞くと ドン引き致しますよ」ため息っ
間。
地獄太夫「ほう、それでわちきに手伝いをと」ほうほうっ
白「被害者は皆黒髪らしいからな」うん。
地獄太夫「日本人は大概黒髪にござんすがなあ」
白「後 黒い綺麗な髪とか「主さんの頼みと有れば 頑張りんしょう」きらーん。
粋「Σえ。地獄の姉ちゃんを囮にすんの?黒髪なら兄貴髪色変えれるじゃねえかよ!!」えええっ
テオドール「後ろに立たれた時点で蹴り倒してしまわれますので 現行犯逮捕が出来ないので御座います」
粋「じゃ!じゃあカラスとか!!」
彬羽「通り魔の背が届けば良いんだが」困惑っ
粋「Σ2メートルは狙い辛い!」成る程っ
地獄太夫「まあまあ わちきがやりやんすから」にこにこっ
粋「でも 髪だし!
万一ジャキッ!て行かれたらっ」
地獄太夫「おんや こうして当たり前みたいに女を労るお人だと言うのに
何故に女っ気が無いのやら」あらあらっ
粋「Σさらっとメンタル抉るのやめてくんね!?」
テオドール「で、あのこちらの方は?」
芸妓「おこんにちはー。」ぺこりっ
地獄太夫「わちきの三味線の生徒に御座んすよ
綺麗な黒髪にありんしょ?
2人なら更に目立って良うござんしょ?」
粋「それはそうなんだけどさ」ええー。
地獄太夫「で、カラスさん 容疑者なんぞの絞り込みは?」
彬羽「一応してはいるが あくまで憶測と言った所か
もちろん証拠は無い」
テオドール「おお!さすがお早いっ」
地獄太夫「ほな、その容疑者さんの目の前でウロウロしてみやんしょか。」
芸妓「へえ。」にこにこっ
彬羽「いや、それがウロウロは無理な気がな」うーん。
地獄太夫・芸妓「?」
ーーーーーーーーーーー
【髪結い処 (美容院)】
彬羽「通り魔の出没場所を地図に書き出して見るとだ
ほぼ真ん中に此処が有るんだが」うーん。
粋「Σいやいやいや! 髪結い処なら髪足りてるだろ!」えええっ
白「髪結い処開いちゃうくらい 病的な髪マニアか」成る程。
テオドール「Σあ!そう言う!
さすがで御座いますっ」おおおっ
粋「Σすんげーザックリ推理!!」
地獄太夫「しかし 可能性はござんすよ
男さんのマニア魂と言うのは 時々常軌を逸する物にござんす
百聞より一見 様子を見てみなんしょ。」
芸妓「おこんにちはー。開いてはります?」のれんめくりっ
店主「はいはいはーい
Σややっ これは綺麗所がお二人も!
さあ奥へ どうぞどうぞっ」ささっ
白「じゃ俺等はこの辺で待機か」
彬羽「だな。仮にアレが犯人だとして 店内でハサミを持った。くらいじゃ証拠にならんのがちとキツいが」
テオドール「万一危ない様で御座いましたら、お二人に何か有る前にお助けしないといけませんね」ふむふむっ
粋「姉ちゃん等の髪がかかってるとか 責任重いっ」くうっ
地獄太夫「結い直しをお願いしやんす
あ、願掛けの最中にありんすので くれぐれも切ったりは無しで」にこっ
店主「Σ承知しましたっ!」びくっ
一同(あ。強い) 窓から覗き見っ
芸妓「わちきも姐さんと同じで。
あ、姐さんを先にお願いします
何でも 良い人と逢い引きだそうですんで」にこにこっ
テオドール「一瞬地獄太夫さんの目がハンターの目に」うわあ。
彬羽「お前 この後気を付けろよ」引。
白「うん。また座敷の奥に引きずり込まれそうになったら嫌だし」
粋「羨ましくねえ」うわー。
店主「いやーしかし 見事な髪で
さぞかし手入れも大変でしょう」櫛でとかしとかしっ
地獄太夫「髪は生き物にござんす
大事にしてやれば 応えてくれるものでござんすよ」ほほほっ
店主「ほう。それはそれは」
テオドール「あれ?確か地獄太夫さんて」おや。
白「髪の毛巻き付いて相手締め上げたりするな」うん。
粋「成る程 マジで髪が生きてんだ」へー。
彬羽「あの女自体死人だがな」
粋・テオドール「Σ元気すぎて忘れてた!!」
芸妓「待ち時間暇なんで わちきも髪の毛とかしておきましょ
こちらの櫛御借りします」髪ぱさっ
店主「はいはーい Σおお!こちらさんもやはり見事な髪ですねえ」ほうほうっ
芸妓「そうですか?」にこっ
店主「ええ。ほんとに
とても美味しそうな髪で」にやりっ
粋「Σ化けた!」はっ
彬羽「案の定髪切りか!!」
白「まんまだな」扇子すちゃっ
テオドール「Σお待ちを!地獄太夫さんが髪捕まれたままに御座います! 今動くと
髪の毛うにょにょっ
しゅるんっ!!
髪切り「Σわーーっ!!!」ひいいっ
地獄太夫「はい。利き手は封じんした。
主さん出番に御座んす」キリッ
テオドール「Σ手慣れておられる!!」
地獄太夫「無体な男さんの相手には慣れとりんすから」ぎりぎりぎりっ
髪切り「Σいだだだだだっ
ええい!離せこのアマっ!!」カミソリぶんっ
粋「Σうお 危ねえっ!」ひいっ
白「テオ頑張れ」襟首がしっ
テオドール「Σえ。」
ぶんっ!!
テオドール「Σっぎゃー!!」灰ざらああっ!
髪切り「Σ目があああっ!!」うぎゃあああっ
しゅるんっ!
地獄太夫「おお危ない危ない
女の命を切られてしまう所にござんした」ひょいっ
髪切り「コイツも妖怪か!
ええいこっちの女の髪だけでも!!」だっ
粋「Σぎゃ 芸妓の姉ちゃん危ない!!」
地獄太夫「双葉ちゃん。やっちまいなんし」
芸妓「はあい。」後頭部の口ぐわっ!
一同「Σえ」
髪切り「Σ!!!」
ばくんっ!!
もっぐもぐっ
粋「・・二口女?」ひええっ
芸妓「はい。髪の毛結ってればまずバレませんけどね
調度小腹空いてたんで良かったです」にこっ
彬羽「すまん。そいつには説教しないといかんので吐いて貰えるか?」
芸妓「えー。」
白「そいつよりよっぽど旨いの奢るから
ぺっしろ ぺっ。」
芸妓「それでしたら。」にこっ
ぺっ!
髪切り「Σぐは!?」べしょっ
粋「え? 皆 あっちの姉ちゃんも化け物って解ってたの?」
ざらざら復活っ
テオドール「その辺は あの髪切りとかの様にお間抜けで無い限りは 妖怪なら解る物で Σあ」
粋「うん。全っ然解んねーよ」ずーん。
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【割烹春一】
ひな「で、事件解決ですか?
お疲れ様です」にこにこっ
彬羽「だな。
店では普通に髪を切るだけで 普段はあんな真似はしないそうだが
相当髪切り好みの髪だったんだろ」
地獄太夫「そりゃあ 妖気たっぷりの髪に御座んすからなあ
髪を食らう妖怪には魅力的にござんしょ」くすくすっ
粋「すっげえ物食ってんなあ」うええっ
地獄太夫「で、双葉ちゃん 大食らいで御座んすけど。
大丈夫にありんすか?」
芸妓「おかわりー!」ぷはーっ
朱禅「よしゃああっ これで今月は黒字確定っ」揚げ物じゅわわわっ
ひな「まいどー」にこにこっ
粋(兄貴より食うんじゃね?この姉ちゃん) ひええっ
テオドール「あの、さすがにお財布厳しいのでは?」ひええっ
白「大丈夫だ。
たぶん」
彬羽「やはりコイツ 腹の足しにさせるか?」
髪切り「Σだあああ すんませんしたあっ!!」ボコボコすまきっ
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