【大江山】
粋「うっわ やっぱ此処はまだセミ凄えな」
ミーンミンミンミーン!!じょわわわっ
テオドール「喧しゅう御座いますねえ」むう。
茨木童子「虫の声に風情を感じるのは
東洋の奴だけって言うからなあ」苦笑。
粋「Σえ。そうなの?」
茨木童子「西洋の奴等には鈴虫でも雑音、騒音にしか聞こえないって話だぞ
脳の作りが何とかーって」頭指差しっ
白「お前去年、鈴虫の声が風流とか言ってなかったか?」あれ?
テオドール「Σぐ
その、1人だけ やっかましいとは言い辛くてっ」
人魚「そう言う 風情もクソも無いマイペースな所が素敵ですぅ」きゃっ
茨木童子「て、事で悪いな。
ダミアン回収して貰って」よいせっと
灰こんもりっ。
白「うん。灰にしたのテオだし」
茨木童子「やっぱし?」うわあ。
人魚「でも今は賑やかなセミも もうすぐ居なくなっちゃうんですよね。
今年も一気に静かになっちゃうんですね」しんみりっ
酒呑童子「まあ、7日しか生きられねえって言うからな。
今元気に鳴いてる奴等もなあ」
粋「なんか、夏の終わりのしんみり感、
此処に居ると凄そうだなあ」
茨木童子「だな。
そこら一帯にセミの亡骸転がるしな
足の踏み場も無いくらい」遠い目っ
人魚「気を抜くと踏んじゃうし、何とも言えない メシャア。みたいな音と感触しますし
嫌でも意識しないとダメなんですよねえ」ため息っ
粋「Σ思ってたのと違う!!」ひいっ
人魚「セミってあんま美味しくないですしね」ぼそっ
テオドール「Σそう言やこういう方で御座いました! 」ひいっ
人魚「でも、魚の頭に比べれば まだ柔らかくて丸齧りしやす「Σ申し訳ありません!もう結構に御座います!! 」
粋「秋口の大江山 ほぼ地獄じゃねえかよ
屍累々どころじゃねえだろ」引っ。
茨木童子「まあ夏の間中 そこらの木から樹液啜ってた奴等だ。
俺は何とも思わないけど」ふっ
粋「Σあ。
茨木ってそうか 半分植物みたいな物かっ」
ダミアン「夏の間友人達か生き血を啜られて続けておった
みたいな物か」ざらざら復活。
人魚「あら思ったよりエグい」
茨木童子「毎日毎日毎日毎日そこらでうめき声が」遠い目っ
酒呑童子「うん。俺には何も聞こえてねえわ。
お前よく精神持つな」
白「けどな。
セミも土の中で長い事過ごして、
やっと出て来て 7日しか生きられないってバカラスが言ってたぞ
そこは許してやってもいいんじゃないか?」なあ
茨木童子「その地中の数年前も
根っこからチューチュー吸い続けてんだけど?」
白「あ。無理だ
テオ、パス。」
テオドール「Σえええ!?」
粋「兄貴やめたげて
こんなのカラスでも無理だろ」
人魚「でも 生まれつき樹液しか受け付けない体って事ですよね
肉食獣が草食獣を食べる みたいな
分かり合えなくて当然ですよー?」
ダミアン「人魚殿、のほほんと核心突くタイプであるな」
酒呑童子「あー。ダミアンも血しか無理だから 診療所で血液貰ってるもんな」ふむ。
茨木童子「・・・。」じーっ
テオドール「私が普通に物を食べられるのは 多種との混血だからに御座いますよ。」ひええっ
茨木童子「ま、いいか
どちらにしても 俺はセミ苦手だわ
煩いし」すたすたっ
テオドール「おや?東洋の方には良い音なのでは?」はて?
白「音量に限度があるぞ」真顔。
粋「あ。兄貴もセミ好きじゃねえんだ」
ダミアン「しかし、特定の液体しか受け付けぬ体とは
他人事に思えんな。
そう思うと 地べたに転がる亡骸も
セミ「じーっ!!ジジジじっ!!」
ぶばっ!ボバババババボッ!!!!
ダミアン「Σだーっ!!」
テオドール「あ。セミトラップに御座いますね。」
人魚「落ちて召されてるかと油断してたら
近く通った時に鳴きながら弾け回るアレ
ビビりますよねえ」あちゃー
ダミアン「Σいだだだだ!活きが良すぎるっ!
なんだお前ホントに死にかけか!!」あだだっ
テオドール「全力でセミに話しかけるのおやめなさいませ。」
粋「この山だぞ。返事したらどうすんだよ。怖えよ」真顔
ダミアン「そうかお前、
暗い土の闇の中より出でたこの世界で
最後の最後まで全力で生き抜こうとっ!」はっ
白「なんか自分と重ね出したぞ。」
人魚「オタクは感受性豊かですから
ダミアン「Σ人魚殿 私にだけ当たりキツくないか!? 」
茨木童子「まあ、その辺も 吸血鬼と似ては居るのか」ふーん。
白「あ、戻ってきた」
テオドール「なんやかんやで お人好しな方に御座いますね。」ひそっ
酒呑童子「怒らせなきゃな」うん。
茨木童子「コイツ等が居なくなったら この山もやっと静かになるんだよな。
嫌いは嫌いでも 少し物寂しくは有るか」ふむ。
粋(話聞く限り 土の中にまだまだ居るから居なくならねえけど
まあいっか。)うん。
茨木童子「ま、最後の最後までキッチリ生を謳歌しろ
そう言う生き物だって言うなら 叩き潰したりしねえわ」ふんっ
人魚「誰もやるとは思ってませんよー」にこにこっ
粋「鬼って やっぱそこらの人間より穏やかだよな?」
酒呑童子「俺に言うか それ。」えー
セミじじっ!
ぶばばっ
ダミアン「Σどわっ!こらいだあだだだだだっ!!!」ひいいっ
ぶすり。
白「Σあ。」
茨木童子「何で 人の腕から直で樹液吸ってんだ この害虫は。」青筋びききっ
ぶっすり。
粋「Σさ、最後まで生を謳歌しろって言われたから!?」ひええっ
白「あれ?茨木の血って樹液なのか?」へー。
テオドール「ひょっとしてセミって
私達の遠縁とかに御座いますかね?」うわ。
茨木童子「・・もうこれ パーンとやっても
酒呑童子「我慢しろとも やれとも言いづれえなあ。」うーん。
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