小咄

小咄

くろねこ太郎の落書き部屋 小咄ページです

4月25日

 

 

 


雨どじゃーっ!!!

 

 

ちんぴらA「だああ冷てええっ!」

ちんぴらB「やべえ ブツが濡れちまうっ
かと言って 其処らの飯屋に入るのも」くっ

ちんぴらC「お!おあつらえ向きの小屋がある!
あそこで雨宿りだ」

 

ばしゃばしゃっ

 

 


扉ぱたんっ

 


ちんぴらA「あー 助かった」着物絞りっ

ちんぴらB「しっかし何だこの小屋。
なんで町中にこんなもんが有るんだよ

助かったけど」きょろっ

 

 

 


魄哉「おや、御相談ですか?」

ちんぴらC「Σなんか居た!!」

 

 

魄哉「あ。すみません いきなり声をかけまして
大丈夫ですよ、この建物の中の声は 決して外には聞こえませんので」

ちんぴらA「あの、何が大丈夫なんすか?それ」おそるおそるっ

 


魄哉「何って 貴方がた
人生相談、もしくは懺悔に来られたのでは?」

ちんぴらB「Σまさかの江戸の町中に懺悔室!?」えええっ

 


魄哉「普通に愚痴吐いてスッキリして帰られてく方も多いですがね」にっこり。

ちんぴらC「つか、坊さんが懺悔室待機って シュールだな」うーん。

 

魄哉「坊主は説経かまして来そうで嫌だと言う人の為に
神父服も用意してますが?」

ちんぴらC「Σ要らん要らん!
何その変な所に行き届いた心遣い!」

 


魄哉「そうですか。

で、どうしましょう?
お1人ずつお話しますか?
もちろん 3人御一緒でも構いませんよ」

 

ちんぴらA「あ、いや 俺等はそう言うのじゃなくて」そのー。


ちんぴらB「此処がそんなんと知らなくってよ。
雨宿りに駆け込んじまったのよ」

ちんぴらC「そうそう。
商売の品届ける途中だったんで 濡らすわけにも行かなくてなあ
雨がやむまで居させてくれよ」

 

魄哉「はあ。それは大変でしたね

構いませんよ」にっこり。

 


ちんぴらA(よっしゃ!人の良さそうな坊主で良かった!)

ちんぴらB(金髪で袈裟がド派手なのが気になるけど

坊主は坊主!お人好しでチョロいもんだ!)

 


魄哉「でも世の中ギブアンドテイクです。

雨で誰も来ないだろうしで暇なんで
その間 話し相手になって下さいね」にっこり。

ちんぴらC「Σえ。 やっぱ話すの!?」げっ

 

 

魄哉「いつもいつも此処に居るワケでも無いと言うのに おのれ季節の変わり目ですよ。
こちとら市政の皆さんの声を聞こうと 必死こいて仕事片付けて来てると言うのに」ふかーい溜め息

 

ちんぴらB「おい。坊さんが愚痴り出したぞ」

ちんぴらC(つか市政の声って
この坊さん 偉い奴?)えー

 

 

魄哉「と言う感じで愚痴どうぞ
吐けばスッキリしますよ?」

ちんぴらA「アンタどんだけ愚痴聞きたいんだよ」

魄哉「人の心を軽くするのも 僕の仕事ですので」

 


ちんぴらC「あー 解った解った
実はよ うちの上司?が偉いパワハラ野郎でよー。」

ちんぴらB「Σえ!おい!」


ちんぴらC「外には聞こえねんなら問題ねえだろ。
坊さんにゃ守秘義務とかってのが有るだろし

なあ?」

 

魄哉「はい。他言はしませんよ」

天海大僧正

 

 


ちんぴらB「ま、まあ 名前とか具体的じゃないなら」

ちんぴらC「んでよ
そのおやぶ 上司がよー

今日中に品物運べって指示して来たんだけどよ
俺等それ聞いたの今朝よ?

 

ドタバタ半端ねえっての
しかも雨まで降ってくるしよ

やってらんねえわ」ため息っ

 

 

魄哉「そこでやってらんねえなら 転職しては?」

ちんぴらC「事も無げに言うんじゃねえよ」イラッ


ちんぴらB「辞められたら苦労ねえよな」ため息っ

ちんぴらA「つーか。辞めたら辞めたで 俺等みたいのは食ってけねえよ」

 

魄哉「ふむ。負の連鎖ですねえ

しかし、此処で嘆いて居ても 何も変わらないんですよ?」

ちんぴらC「いやここ 愚痴吐く所じゃねえの?」えー。

 

魄哉「話に寄ります

3人寄れば文殊の知恵と言いますが
3人揃って現状維持しか無いと思うと言う事は なかなか由々しき事態です。

この辺も整備していく必要が有りますね」ふむ。


ちんぴらA「いや、何の話?」

 

魄哉「すみません 年寄りなんで思考が口から漏れるんです」

ちんぴらB「アンタいくつだよ。」おい

 

 

魄哉「気にしないで下さい

さて、この暇な年寄りにもっとガンガン愚痴聞かせて下さいよ」

ちんぴらA「いや めちゃ気になる
ガンガンて言われてもなあ。」困惑っ

 

ちんぴらC「転職・・か。」ぼそっ

ちんぴらB「Σうお!ちょっと真面目に悩み出してる!
懺悔の力凄え!!」おおおっ


ちんぴらA「懺悔か?これ。」

 

 

魄哉「では、お話されないなら こちらが話しても良いですか?

狭い小屋の中、無言でひたすら雨がやむのを待つと言うのも何ですし」

 

ちんぴらA「あー。それなら」うん。

ちんぴらB「大した相づち打てねえけどなー。」

 

 

魄哉「では、今を遡る事 数十年の話なんですが ーーー」

 

 

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家康「おー。晴れた晴れた

雨の後は綺麗に晴れるねえ」

挿音「おう。天気は良いんだけどよ


何が有ったよコレ」

魄哉「将来有望な公務員の卵さん達です」どやっ。

 

ちんぴらA「マジか! 俺でも知ってるあの武将にそんな苦労がっ」

ちんぴらB「生まれてこの方 ずっと運がねえ運がねえと思ってたが 
そうか、逆境は力になるっ」くううっ

ちんぴらC「採用書類なんざ初めて貰った
しかもこの俺が公務員っ」じーん。

 

 

家康「あの、これ多分
3人共同じ事の話してるんだよね?
何? 何を話したんだか見当つかないんだけど」えーと。


魄哉「守秘義務が有りますので」ふっ。

挿音「また口先三寸で何誑かしたんだよ。
坊主怖えな」

 

 

魄哉「いやー。 城下に来てて良かったですよ
だから懺悔室やめられないんですよねえ

あ、此方は こっそり持ち主に返しておきますね」盗品の包みっ

 

ちんぴらC「Σお!お待ち下さいっ
貴方様は何者で!?」


家康「知らない方が良いと思うよ?」苦笑

挿音「アンタが言うか」

 

 

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