小咄

小咄

くろねこ太郎の落書き部屋 小咄ページです

12月18日

 

 


【裏路地】

 


家老「あの、天海様
お忍びでこの様な所に来られるのはどうかと」きょろっ

 

ちんぴらギロッ!

家老「Σひっ!」びくっ

 


魄哉「問題有りませんよ
うちの地元も結構こんなんですし

それより 女中さん達に選んで貰った衣装おかしくないですかね?」すたすたっ

 

家老「おかしいおかしくないと言いますか

天海様は金髪で有らせられるので どちらにしても目立ってしゃーないと言うか」うーん。

 

魄哉「ですよねえ
もっと深い笠 いえ、いっそ丸出しのが違和感は無いかも


どちらにしても 着いて来ない方が安全でしたよ?」

ちんぴら「そこの外人!金目の物置いてけえええ!!」うおおおっ!

 

 

 


間。

 

 


家老(Σこの人 僧侶じゃなかったっけ!?)ひええっ


魄哉「覚えておきましょう。
人に拳向ける時は 万倍にして返されるのが常識です」にこっ

ちんぴら「」


家老「いえ聞こえておりません

てか 律儀に万倍にして返すのはあなた様様くらいです」冷や汗っ

 

魄哉「こそはきっちりカウントしてましたし」

家老「Σ御自分は当たってないのに!?」

魄哉「襲撃税です。

さて、さっさと行きましょうかね
これくらいじゃ死なないでしょ」すたすたっ

 

 

家老(Σえ。仮にも民衆ほっといて良いの!?
慣れてるって 本気で何処にお住まいなのですか!!)ひええっ

魄哉(抜け出し見付かったのは痛いですねえ

御老体に着いて来られると色々やりにくいです。)うーん。

 

 


家老「で、天海様

向かうとは何処に?」

魄哉「あーいえ。その、ぼつぼつ年末ですしねえ」

 

家老「師走。つまり坊主も走る時期に御座いますな。
その様な時期に政務を放り出してと言うのは

ん?」

 

 


どどどどどっ!

 

引ったくり「おらおら退け退け!!
ケガしたいのかこらああ!!」どどどどっ

女「Σああっ!それがないと年末の買い物がっ!!」ひええっ

 


べりっ!

 

引ったくり「Σおうっ!?」

 

へたりっ。

 

 

女「追い付いた!あたいの銭返せこの野郎っ!」ぜーぜー!

引ったくり「Σうおおすんませんでしたあっ!」ひいいっ

 

 

 

家老「あの、すれ違い様に
あの暴漢から 何ぞ剥がされませんでしたか?」えええっ

魄哉「所謂『魔が差している』状態でしたので
魔をひっぺがしました」真顔っ

家老「Σはいい!?」

魄哉「坊主ですから
それくらい出来ますよ」すたすたっ


家老「Σそうなんですか!?
坊主って 皆そんなん出来るんですか!?
え。ちょ 何処に向かわれるので!?」えええっ

 


魄哉「向かってるてかもう着いてます。
しっかし これは汚い」うーん。

家老「はい?

え? あのさっきより万倍危なさそうなのが 其処らにたむろしておりますが」冷や汗っ

 

魄哉「こう言う吹き溜まりってのは 空気の流れ悪いんで さっきみたいな『魔』
つまり悪い物も溜まるんですよ

ですんで、今年の汚れは今年の内にと言いますかね」

家老「んな 風通し悪いとカビが生える的な物なのですか?」困惑っ

 


魄哉「あ、その例え良いですね。
そのまんまそんな感じです」にっこり。

 

家老「それは良う御座いますが

あの ひょっとして掃除って
ここのゴロツキ共をですか?
そう言うのは同心や其処らの仕事では」

魄哉「あ。いえいえ違います。

さっきも言った様に こう言う所に居るとヤバいのが憑きやすいんです。

ので、掃除すると言うのはその手の

家老「Σ説明中すみません!後ろおおおお!!!」ひええっ

 


ずばんっ!!

 

どしゃあっ!

 


家老(Σ今 勝手に真っ二つに!?)きょろっ

 


ちんぴらA「Σうお! 何だこの化物っ」びくっ

 

魄哉「はいはい 危ないですよー
貴方方 年末だからと押し込みとか泥棒とか 良からぬ画策してたんじゃ無いですか?」


ちんぴらB「Σな、何を根拠に!

無礼にも程があるぞこの外人!たたっ斬ってくれるっ 」刀すちゃっ

魄哉「ですから。こう言う場所で 物騒な言葉を吐くと危ないんです

『鬼』が出ますよ」

 

 


ちんぴらB「Σうお!何だお前 その顔!」ひいっ

ちんぴらA「へ? 何

Σぎゃあああ!!!」めりめりめりっ


家老「Σごろつきの顔が!!」ひええっ

 

 


魄哉「出ました。

お願いします」


シロ「それが親玉か」鬼切すちゃっ

 

ずばんっ!

どしゃあっ!!

 

 

家老「Σおお!さっきの太刀筋は貴殿の!!」おおおっ

シロ「む? バレておったか
さすが徳川の家老」刀チンッ!

 

 

ちんぴらB「なななな何なんだよ!
てか え?躊躇無く人を真っ二つに!?」ひええっ


シロ「失礼な。人斬りみたいに言うでないわ
ほれ、斬ったのは魔の部分のみよ」

頭掴みほれっ


ちんぴらA「う。ううっ」げほっ

魄哉「シロ君すみません

若干本体にも当たってますねそれ」

シロ「Σむ。勢い余ったか」

 

家老「え?あの

すみません 
今確かに真っ二つにしたのに、化物のみ斬れとるとは この子供はいったい?」えっと

 

魄哉「うちの えーと。
下から3番目辺りの子です」

家老「Σその見た目で何人お子がおられるので
つかアンタ坊主じゃないんですか!?」ひええっ

 

 

 

魄哉「ま、これならシロ君1人で充分ですねえ

では 此処等の大掃除はお願いします。
僕は他の様子も見て帰りますんで」

シロ「うむ。任せよ

と言うか とっととこの国の治安をもっとマトモにして欲しいものだ」

 

魄哉「すみませんねえ。
ちょっと前まで戦国だったもんで

さ、次 行きますよー」苦笑。

 

家老「Σこんな所が他にも有るんですか!?」ひえっ

魄哉「ええまあ。

人手足りそうにないなら徳川から派遣しないといけませんし

なんせ、人の邪気が要らん物呼び寄せてますからねえ。
これはこちらの管轄でしょう」

 

家老「Σこちらって何ですか!?

てか先程 鬼とか何とか言って呼び寄せておられませ「口に出したら憑かれますよ?」

家老「Σ!!」口ふさぎっ!

 

 


シロ「徳川関係者も大変だな」

ズバッ!

ちんぴらC「Σうおお!!」

 

 


粋「お。やってるやってる」

テオドール「申し訳御座いませーん
私達 芝居小屋のお手伝いが御座います故」荷物よいしょ

シロ「構わん。
この程度 子供の使いみたいな物よ」ふんっ

 

 

 

ーーーーーーー

 

 

 

【割烹 春一】

 

 

ひな「今年は 12月に入ったのに物騒なお話が少ないですねえ」しみじみっ


白「家で暇してた コマと石燕と鏡子も バイトしてるし」うん。

ひな「はい?」

 


朱禅「ん? 鏡子って
鏡の付喪神だろ?
ただの平安娘が 荒事どうにか出来るの?」


彬羽「そう思うだろ?」

白「鏡子の世界は鏡の中だから

ほら、これ見てみろ」手鏡っ

 

魑魅魍魎「助けてえええ!」うぞうぞっ

朱禅「Σすんげー閉じ込められてる!!」ひいっ

 


白「こんな特技が有るとは思わなかった」うん。

ひな「あら凄い」うわ。

彬羽「頼むから うっかり落として割るなよ」鍋ぐつぐつっ

 

 

くろねこ太郎の落書き部屋 [フォレストページ+] 夢小説対応・簡単オシャレな創作サイト作成サービス  <サイトトップへ戻る