小咄

小咄

くろねこ太郎の落書き部屋 小咄ページです

7月21日

 

 

 

 


家康「お 何それ西洋の写真機?」おおっ

千様「あらー珍しいわねー」あらあらっ

 

 

蒼月「何でも処分に困って持ち込まれたらしいよ。
で、ジジイからくり好きだし どうにかして使えないかなー?ってさ」


家康「Σえ。 こんなのを粗大ゴミ扱い!?」

千様「確かに何処にどうして捨てたら良いのか解らないけどー」えー。

 

 

テオドール「おやこれは
写真機自体がまだまだ珍しいと言いますのに またレトロな

壊れてしまったので御座いますか?勿体ない」ひょこっ


魄哉「あーいえ 使えるっちゃ使えるんですが」手拭き拭きっ


家康「Σえ。じゃ何で捨てられたの!?」

魄哉「ちょっと不具合が。

あ、粋君 ちょっとそのまんまあの鳩時計が鳴くまでそのポーズでお願いします。」

粋「Σえ゛」

 

魄哉「コレじっとしてないとブレるんですよ。
お願いします」写真機よいしょっと。

粋「Σえ?え?ちょっと待って!!」ひええっ

 

 


白「アレ 茶瓶置いてからで良いんじゃ無いかな?」

一二三「粋さん御人好しだからしゃーないべ
あ。中腰だから更に辛いだな」あちゃー。

 

 

魄哉「あ。ツッコミとか無しでお願いします。
表情ブレますよー」にこにこっ


粋「Σ!!」


家康「天海 遊んでない?」ええー。

 

 

 

 

間。

 

 

魄哉「はい。この様に

どんだけ頑張って動かないで居ても
顔だけモザイクになるんです。」


現像した写真ぺらっ

粋「Σそんなら俺動いて良かったんじゃねえかな!?」えええっ

 


魄哉「元から動いてたら比較出来ないでしょう?」えー。

 


千様「あーこれは確かに嫌だわ」うんうんっ

家康「長い時間頑張ってこれって。
でも何で顔なんだろ?

ひょっとして ちょうど人の顔の部分辺りに汚れとかキズいってるとか?」

魄哉「その可能性も有りますね。


では 粋君そのまんましゃがんでて下さい
画面の下の方で映してみましょう」よいせっ

粋「Σいやしゃがんだまんまも結構つらい てか何で俺!?」ひいっ


魄哉「はいはーい 動かないで下さいブレますよー」

粋「Σ!!」ううっ

 

 


白「俺等だとじっとしてらんないからだろうな」ああうん。

テオドール「あー。御人好しかつ我慢出来るのなんて粋さんくらいで御座いますよね」成る程っ

 

家康「Σえ。私もそっちの分類!?」ガーン。

一二三「んだべな。」うん。

 

 

魄哉「いやー辛そうですねえ
あと少しですんで頑張です」にこにこっ

千様「アンタ 仕事で嫌な事でもあった?「バレました?」

 

 

 

間。

 

 


魄哉「案の定ブレっブレです」おやまあ。

 

蒼月「アンタ体勢キツくて表情筋ピクピクだったんじゃないの?」

粋「Σそうなんねえ様に気をつけたわ!」むかっ

 

蒼月「えーでも、


試しにジジイの盆栽撮ったらめちゃ綺麗に写ったよ?」

写真ほれ。

粋「Σなんで!?」えええっ

 

 

魄哉「人の顔だけ認識して ぼかし入れてるんでしょうか? この写真機。」

千様「なんでまた?」

魄哉「肖像権に考慮   的な?」はて?


家康「それ軍隊が暴力反対をモットーにしてる様な物じゃない?」

 

 

白「ワケ解らないな
叩いたらなおるんじゃないか?」扇子すちゃっ

魄哉「やめて下さい 君が叩くと直るどころか2度と動かなくなります。」


家康「挿音もからくりは解らないしねえ」うーん。

 

 

一二三「あ。ちょうど良い所に

おかえりなさいだー」ててっ

彬羽「ん?何だそれは」

 

白「えーと。顔だけ勝手に修正入れて来る 丁寧な写真機だ。」

粋「兄上 俺が修正必須の顔面してるぽいから その言い方やめてくんね?」

 


千様「あー 彬羽君なら解るかも。

どうも人の顔だけ自動モザイク処理するぽいのよー
何でか解らない?」

 

彬羽「ふむ?顔だけ?

撮ってる間に何か変わった事は無かったのか?」

魄哉「さあ?
待ち時間暇なんで 固定して本読んでましたし」

家康「だね。私等も飽きてその辺でごろごろって」

 

 

粋「あれ?何だろ 泣きたくなってきた」ふっ。

テオドール「粋さん首も動かせないんで 周り見えておられませんでしたしねえ」

 


彬羽「よし。 ならもう一度撮ってみろ
今度は終始異常がないか見ててやる」

粋「Σまだやれと!?」えええっ


コマ『御安心下さい モデルは私がやりましょう』カタタッ


魄哉「おやコマ 写りたいんですか?」

コマ『写りたいと言いますか
私もからくり、壊れていると判断されて この子が処分されるのは可能な限り阻止したいと思うのです』 カタタッ

 


家康「うん。何言ってるか解らないけど さすがコマちゃん」うんうんっ

千様(コマちゃん 基本木彫りだけど
その辺ちゃんと人の顔として認識されるのかしら?) うーん。

 

 

白「空気読めよ?」ギロッ

写真機「Σ!」びくっ


テオドール「今 写真機ビビられませんでしたか?」おや。

 

 

 

 

更に間。

 

 

 

 

蒼月「何も起きないねー」

家康「だね。やっぱ見てて解る様な何かは無いのかなあ?」うーん。

 

 

粋「いや何で皆 コマだとガン見?」

蒼月「野郎の静止とか 面白いの持って数分じゃん。
女の子が体はってモデルやってんだから 見なきゃ失礼だろ」きっぱり。

粋「Σまんべんなく酷えなお前はよお!!」ちくしょおおっ

 

魄哉「は? 蒼月君
うちのコマも範囲内なんですか?」がしっ。

蒼月「Σうおおストップストップ!!
後ろから頭がしっとかやめてやめて!アンタ大概怪力だろ! 頭グシャッくらい行け「質問に答えなさい。」


千様「やめなさいよー
コマちゃんめちゃ気になるのにこっち見れなくて可哀想でしょ?」もー。

魄哉「Σうっ」

蒼月「Σそう言う問題!?」えええっ

 


彬羽「しかしだ
コレ どう思う?」

白「ん?さっきのモザイクか」

 

彬羽「顔だけ不自然にボヤけてるのは確かだが
俺にはこれ ボヤけてると言うより 何か他の物に見えるんだが」


粋「あー 確かに。
ひょっとして落ち葉とか 何か通ったりしたのかな?」ふむ。

テオドール「二回共 顔の部分ピンポイントで御座いますか?」

粋「Σう」


白「もしそうなら相当運良いなお前

テオ 合図したらすぐ動ける様にしとけ」

テオドール「へ? かしこまりまして御座います。」きょとんっ

 

粋「?」はて?

彬羽「顔が動くとブレて写るって事は
さっき手前が言ったみたいに 何ぞ写真機と手前の間を横切ったと考えるべきだろ

しかも顔の部分を狙ってな」


粋「なんでわざわざ顔?」えー。

彬羽「知らん

その辺は捕まえて聞いた方が早いだろ」

 


白「出た。」指差しびっ!

テオドール「Σだおりゃあああ!!」タックル!!


爺さんの幽霊「Σげふうっ!!」かはっ!

 


一同「Σ何か出た!!」ひええっ

 

 

 

テオドール「よっしゃあ! 速さが売りの吸血鬼で良う御座いましたっ!!」ガッツポーズ!

白「うん。偉い偉い」うんうん

 


魄哉「Σ何か変な気配がすると思ったら
つかどんだけ高速で横切ってられたんですか!?」えええっ

爺さん霊「ちっ。まさか見切られるとは」ちいっ!

 


家康「え?幽霊? 写真機に取り憑いてたの?」ひええっ


爺さん「ばあっ!!」がばっ

家康「Σっぎゃーーっ!!」ひええっ

 

 


千様「はいはいはいはいお爺ちゃん
脅して逃げようとしても無駄よー
ほーら。能力無効化」


爺さん霊「か、体が重くっ」べしゃっ

 

 

彬羽「Σいきなりやるな! 俺等もガクッとなるだろが!!」

白「髪の毛黒くなった。」うわ。

テオドール「」灰っ。


魄哉「Σああっ テオ君が前触れ無し過ぎて灰にっ!」ひえっ

蒼月「ジジイ アンタも尾羽出てる」あーもうっ

 

 

千様「はいはいはいはい。そう言うことで 地味ーな嫌がらせの理由を聞かせてちょうだい

言っとくけど 妖怪成分無しになっても うちの皆は純粋に喧嘩強いわよ?」ずいっ

爺さん霊「Σうおお爺虐待反対!」ひええっ

 


魄哉「こら千様やめなさい。

あの、手荒な事する気はありませんから 事情を聞かせてくれませんかね?
なんか顔だけモザイクって気持ち悪いですし」

粋「いや気持ち悪いつか不快なの俺だけどな」

 

 

爺さん霊「嫌じゃ」 あかんべーっ

魄哉「どつき回しますよ」イラッ。

 

家康「天海落ち着いて。
せっかく今日は仕事御休みなんだから 穏やかな心で行こう?」どうどうっ


コマ『幽霊も頭を吹っ飛ばしたら 消滅するのでしょうか?』ランチャーがこんっ

爺さん霊「Σうおお 年寄りは大事にせんかいっ」ひええっ

 


白「意外とペラッと喋らないな。」ふむ。

彬羽「生前はそこそこ猛者だったのか
それとも相当の理由が有るのか

いや他人の顔モザイクにする相当の理由ってなんだ。」困惑っ


白「理由ってなんだろな ボコられる前に話せば良いのに。


あれ?なんだこれ。」がささっ。

 

 


魄哉「ああそれは
写真機と共に処分頼まれた モザイクまみれの失敗写真の山ですね。

 

写真はこの国ではめちゃ珍しいんで商売にしようとしたしいんですが
これじゃお客に渡せなくて仕事にならない ムカつくから一緒に処分してくれと。」

爺さん霊「Σ何い! あのクソガキャ自分で始末せんかい!!」えええっ

 

 


一同「・・・。」

 

 


魄哉「彬羽君蒼月君、政務手伝いの要領で 片っ端からチェックお願いします。

何か他と違うのあったら教えて下さい」

 


彬羽「だな。解りやすい。」まとめてペララララッ

蒼月「なんか知んないけど この爺ムカつくから手伝ってやるよ」パラララッ

 

爺さん霊「Σあああやめろこら!!」ひええっ

 

 

 

蒼月「ん?あれ コレ顔写ってる」おっ

家康「お?ほんとだ

コレって誰?」


爺さん霊「・・・。」ぷいっ

粋「だよな。」ああうん。

 

 

 

一二三「うっわー凄いイケメンだー!
このお兄さん何処の誰だべっ」きゃっ

爺さん「わし。」どやっ

 

 


家康「Σおお一二三ちゃんさすがっ!!」おおおっ


蒼月「お前 一二三ちゃんの教育間違ってない?」

彬羽「言うな。」ずーん。

 


千様「え?これお爺ちゃんなの?
やだホントにカッコいいじゃない。

えー じゃあ すっごい不細工だから他の人の顔なんか写してたまるかとかじゃなかったのねー」あらあ。

 

爺さん霊「あの姉ちゃんさりげに酷くねえ?」

白「今がそこらの妖怪より妖怪ぽいからかな。」うん。

 


魄哉「ふむ。まとめると あなたはこの写真機の持ち主で有り、ちゃんと顔の写った数少ない人物。でもってこれを捨てた方をあのガキ呼ばわり

 

と、なると この写真機は家で長年大事にされてたと言う事に」ほう。

爺さん霊「Σぎく。」

 

 


彬羽「ん、こっちにも1枚 顔の写った物が有るな」ぺらりっ

爺さん霊「Σわー!見るな見るな!!」あわあわっ


粋「へーどれどれっ」写真奪い取りっ

爺さん霊「Σわーっ!!!」

 


千様「え?何々?すごくお爺ちゃん嫌がってるけど」いそいそっ

 

粋「知らね 俺も嫌だったし。

ん? これって 子供?」ん?

家康「何?お爺ちゃんの息子とか?」覗き込みっ


蒼月「えー 似てなくない?

なんかゴロッとしてるし 冴えないし量産型の鼻垂れ小僧じゃん

さっきの無駄に気取った野郎と血縁に見えないよ?このジャガイモ。」

 

 

 


白「本人ぽいな。」うん。


爺さん霊「しくしくしくしくしく。」めそめそっ

一同「Σ泣いた!!」えええっ

 

蒼月「Σぎゃっ なんかごめん!」ひいっ

 

 

 

家康「え?え?
これとこれ 同一人物?」見比べひええっ

魄哉「第二次性徴 前と後  
ですかねえ?」冷や汗っ

 


爺さん霊「いや 量産型ジャガイモが嫌で
めっさ頑張って おしゃれ頑張って肉体改造したんじゃ」しくしくっ

魄哉「人間てここまで化けるんですか」わお。

 

 


爺さん霊「頑張ってイケメンデビューしたのに
消したい過去なのに あのババア 許さん許さん許さん」ぶつぶつっ


千様「つまり お爺ちゃんのお母さんが息子の写真大事にとっといたのね」成る程っ

家康「お母さんにとっちゃ イケメンでもジャガイモでも可愛い息子だろうしね」ああうん。

 

 

白「あのな 爺さん

 

他の奴の顔ボカしても
お前の昔の顔は変わらないぞ」ずばりっ

爺さん霊「Σううっ!」ぐさっ

 

家康「Σそんな理由なの!?」えええっ!

粋「Σ年寄り相手に容赦ねえ!!」ひええっ

 


白「だってこれ八つ当たりだろ?
爺さんの癖に大人げなさすぎだし」

彬羽「こいつに大人げ云々言われるか」えー。

 

 

家康「えっとあの

ほら 頑張ってここまで自分を変えたってのも凄い事だし
誇って良いんじゃ無いかなって 天海助けてー」ひええっ


爺さん霊「ううう。このまんまじゃ成仏出来ない」しくしくっ

魄哉「じゃあ 昔の写真処分すれば満足なんですか?」あーもう。


爺さん霊「いや それで終わりも何かモヤッとする」

蒼月「面倒だなあ。

ジジイ 数珠でぶん殴って強制的に閻魔の所送ったら?」ほんとにもー

 

 

 

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シロ「で、 奇跡の1枚を撮って 満足して去って行ったと」困惑っ

 

 

石燕「正統派イケメンは無理でも 妖怪ジジイをちょい悪ジジイに仕立てるのはさほど難解じゃないっすからね。」どやっ

粋「うん。ドス効いた絵描きのセンスさすがで助かった助かった」はーやれやれっ

 


テオドール「妖怪絵師と芝居小屋敏腕スタイリストの奇跡のコラボ作品に御座いますね」へー。

 

 

シロ「で、コレは ちょい悪なのか?」ひそっ

白「めちゃ悪?」うーん。

 

一二三「極悪だども カッコいいから良いんでねえだかな?」

最後の写真ぴらっ

 

 

 

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