小咄

小咄

くろねこ太郎の落書き部屋 小咄ページです

3月25日

 

 

 


【花街】

 


花魁「あら姐さん
お客さんにありんすか

これは失礼を」ぺこっ

 

テオドール「おや。これははじめまして に御座いますね。
御休みのお時間に失礼します
お邪魔しております」ぺこりっ

花魁「これはこれは御丁寧に

日本語がお上手でありんすなあ」ほう。

 

 

粋「テオの奴 初対面の相手にも きっちり挨拶出来るようになったなあ」しみじみっ

白「で、お前は なんで俺の後ろに隠れてるんだ?」


粋「Σか、隠れてねえし!」

 

 

テオドール「すみません 
あの方 キラキラした綺麗なお姉様方を目にすると萎縮してしまうタイプらしく」

花魁「あらまあ」くすくすっ

粋「Σ鬼かお前は!!」ひええっ

 


地獄大夫「主さんの弟さんは わちき等みたいな女達に育てられたと聞きんしたが、

それで着飾った女が駄目とはどういう?」おんや?

 

白「一言で言うと マザコンだ。

そう言う女達に可愛がられて育ったから そう言う年上の女が好きなんだけど
変に思春期引きずってるから 緊張して気まずくなるって Σあいた」

粋「Σわーわーーっ!!!!」大声っ

 


白「・・お前 今 頭ぶったな?」

粋「Σあああ兄貴が変な事言うからっ!!」顔真っ赤っ

 


地獄大夫「つまりは わちき等の様なおなごと仲良くしたいのや山々ながら

なかなか出来ないシャイな人にござんすな」成る程っ

花魁「あらまあまあ」ほー。

 

粋「Σやめて!追撃やめて!!」ひいいっ

 


花魁「何故にそんな御人がこの様な所に・・

ああ、成る程。付き添いにありんすな」にこっ


白「凄い勘違いされてないか?」

地獄大夫「何が勘違いにござんしょか?」うふふふふふっ

 

テオドール「まだ真っ昼間に御座いますよ?
我が主に無体な真似をすると 本気でぶった斬りまして御座いますからね」じりっ

地獄大夫「おやおや この国に来たばかりの頃はあんなにオドオドビクビクされておりんしたのに
偉く逞しくなられんしたなあ」じりじりっ

 


粋「うん。室内でやめような」

 

花魁「歳も性別も違うのに 仲良しでよござんすなあ

わちきも あんな風に仲良い友達が出来たら良いのでありんすが」ほう。

粋(いや  一触即発なんだけど。)ええー

 

白「ん?何だ 友達居ないのか お前」ずばりっ

粋「Σ兄貴!失礼失礼っ!!」ひえっ

 


花魁「実はわちきは ワケ有って他の見世から移ってきたのでありんす

しかしその、一応は大夫の身の上
そもそもこのような所では 他の者はライバルでありんす。

 

故に気軽に語れる者もなく
こうして姐さんの所に来ては 相手をして頂いているのでござんすよ」苦笑。

 

 

テオドール「ん?なら粋さん
お話相手になって頂いては?
一石二鳥いえ 渡りに船と言う奴で

粋「Σお前はちょい黙ってろ!頼むから!!」

 

 

白「そうか。大夫なら話上手だろうし
コイツみたいな挙動不審のにも慣れてるよな」

粋「Σあああ兄貴まで!!」ひええっ

 

花魁「ホントに?
わちきとお友達になってくれるのでありんすか!?」ぱああっ

粋「Σえ。あ、 はいっ!」


地獄大夫「大概即答にありんすな。」

 

白「よし。良かった良かった
じゃ 俺等先帰るから
『友達』同士 仲良くやれ」すたすたっ

粋「Σえ。帰んの!?

仲良くって 何をどう!?」おろおろっ

白「さあ?」すたすたっ


地獄大夫「ああっ主さん 
お帰りが早すぎにありんす!」とたとたっ

 

 

粋「え?

あの・・ どうしたら?」ぽつんっ

 

 

 

 

 

白「で、『大夫』ってどういう意味なんだ?」すたすたっ

テオドール「さては 頭はたかれたの ムカついておられただけに御座いますね?」あーあ。

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

彬羽「今日もまだまだ冷え

ん? どうした」


家康「あ、おかえりー。

いやね。酷いお兄ちゃんが また偉い所に弟置き去りにしたって言うから 迎えに行ってきたんだけどね」うーん。

 


千様「なんか粋君
儚げ美人の花魁と仲良くなってー

話に花咲いてて 殿声かけらんなくて帰ってきたんですってー」けっ。

彬羽「何がどうしてそうなった。」おい

 

 

 

白「簡単に言うと ぼっちの花魁が友達欲しいって言うから置いてきた。」

テオドール「あの方のコミュ力をなめておりましたねえ 」苦笑。

彬羽「全く解らん。」うん

 


蒼月「うわ寂しい花魁とか羨ましい
俺にも紹介してよ」

 

白「花街炎上しそうだから駄目だ。」

テオドール「普通にお金払って お客としてどうぞで御座います」

蒼月「100%無理だろ」おい。

 


千様「あーもう! 粋君はアタシの可愛い えー・・なんだろ

他のに取られるとか何かいやー!」きいいっ

家康(可愛いオモチャかなあ。)うーん。

 

 

彬羽「状況がよく解らんが

普段からこんなんだしな
蒼月よりは安心出来るか。」ふむ。

白「大丈夫だろ
あいつ あんな感じの女達に育てられたんだし 慣れてる」うん。

彬羽「いや どう考えても 花魁とはタイプが違うとは思うが」

 

 

地獄大夫「あのー。おこんにちはー?」

 

テオドール「あれ? あの声は」

 


家康「はいはい。あれ?地獄大夫さん

何かあったの?」


地獄大夫「いえ、主さんが忘れ物をされておりんしたので

はい。妖怪温泉のフリーパスにありんす
こんなの他に持ってる方はおりんせん。」


白「あれ?落としてたか?」

テオドール「Σあ! 私のに御座います!
わざわざ申し訳ありませんっ」


彬羽「ん? 粋の奴はどうした?

わざわざ届けんでも
帰りに持たせれば良かったんじゃないのか?」

 

地獄大夫「それが
例の彼女と 仲良く花街内の名所巡りで」そのっ

蒼月「Σまさかの逢い引き!?」

 


地獄大夫「いえ。弟さんは 見事に懐いて着いてってるだけにござんすな

ビビる程無邪気に。」

 

テオドール「あくまで、育ての親の方々と同じノリなので御座いますね」ああうん。


蒼月「あの人 違う意味で凄いな」引っ

 

 

地獄大夫「なんでござんしょ
あの御人も、色々あって見世を移ってきて寂しかったので まあはしゃいではしゃいで

微笑ましいと言えば微笑ましいのではありんすが」

彬羽「だいたい察しはついたが

不穏なのか?」

 

 

 

粋「たっだいまー!
いや遅くなってごめんごめん

なんか、あの姉ちゃんが 団子やら何やら奢ってくれて

でもって どうせならいつでも気軽に話せる様に 花街近くの長屋で暮らさねえかって 家賃持つからって凄い頼まれてさあ」

千様「粋君 ちょっと待ちなさい」


粋「へ?」きょとん。

 

 

家康「あのー。これってひょっとして」

地獄大夫「花街の女は
他にやり方を知りんせんからなあ。」ため息っ

 


彬羽「お前 それはいわゆるっ」ドン引きっ

粋「え? へ?」きょろっ

 

蒼月「あ。マジで駄目だこの人
全く解ってない」うわ。

家康「普段から 自分はそう言うのと縁遠いと思い込んでるフシがあるからねえ」うーん。

 

 

粋「え?歳上の友達ってのは こう言う物って言われたんだけど」あれっ?

 


千様「これ。保護者がちょっとお話した方が良いと思うわ」

 

白「うん。とりあえず

バカタレ。」真顔っ

粋「Σなんで!?」えええっ

 

 

地獄大夫「何だかんだで タラシ体質なのは 兄弟共通なのでありんすなあ」

テオドール「我が主は違う と言いたいのでございますが
いまいち否定しきれないのは何故に御座いましょう」困惑っ

 

 

 

白「俺のせいだけど

物凄い バカタレ。」ふかーいため息っ

粋「Σだから なんでだよっ!!」えええっ

 

 

 

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