小咄

小咄

くろねこ太郎の落書き部屋 小咄ページです

7月12日

 

 


遊郭

 

地獄大夫「そんなこんなで 治外法権な此処にも格によっての『相場』と言う物はありんす。

で、ござんすが 最近そこらをお考えでない不心得なお店がありんしてな」ため息っ

 

粋「あのー。凄く質問しづらいんだけど
その、ほっといても高いのに好んで行く客のが少ないんじゃ?」おそるおそる挙手っ

 


地獄大夫「でござんすから
『格』によって と申してござんしょ?

いきなり新参者が 自分大手ですが何かの顔して アホみたいな営業かけてボッタクリ経営にござんすよ?
そろそろ血の雨が降りそうで いや何ともキナ臭い話にありんすなあ」はーやれやれっ


テオドール「絶対この方 首謀者に御座いますよね?」ひそっ

粋「うん。思ってても言うなよ」冷や汗っ

 

 

地獄「しかしここは花街。
お客さんの興が冷めてしまう様な事はしとうござんせん。

手荒い事になる前に 水面下でちょちょっとカタをつけるのが定石と

あの、主さん。何故にそんな遠くに?」

白「なんでだろうな。」警戒っ

 

テオドール「あのー毎度毎度 我が主を奥座敷に引きずり込もうとして大騒ぎになってるのは お客さん的にOKなので?」

地獄大夫「此処で色恋沙汰での騒ぎならなら むしろ『ああ。』となるのでは?」

 


彬羽「色恋と言うか。お前のは単純に犯罪だ」真顔。

地獄大夫「結果的に合意にしてしまえば問題ありんせん。

そんな事より」


粋(Σいや、さらっと怖い事言ってる!!)ひえっ

 

 

地獄大夫「カラスさん ちいっとそのボッタクリの証拠を掴んできてくりんせん?」

彬羽「Σは!?なんで俺が「主にガタイと 喧嘩売ったらいかんオーラで適任かと。」

 


テオドール「喧嘩売ったらダメなオーラなら我が主も負けておられませんが?」

白「Σ!」びくっ。

粋「うん。此処で兄貴に話ふらないでやって」

 

地獄大夫「主さんは 此処では有名になりすぎに御座んすからなあ」ふっ。

白「お前のせいでな」

 

粋(今回も 兄貴が居ないと情報くれないって言うから渋々来てるもんなあ )苦笑。

 


地獄大夫「と言う事で

世の中ギブアンドテイク!

お宅の家主さんがめーーちゃ助かる というか知らなんだらあら?これ幕府ヤバイんでござんせん?ってなっちゃう御偉方の密談の情報

欲しくば一肌脱ぎなんし!」びしっ

彬羽「Σ手前!実質国を人質にとってる様な物だぞそれは!!」むかっ

地獄大夫「わちき達にとっては 此処が『国』にありんす!!」

彬羽「Σくっ!」

 

 

白「コレ バカラス負けるな」あちゃー。

テオドール「口喧嘩のお弱い方に御座いますからねえ」あーあ。

粋「そこは否定しねえけど

あの、ボッタクリの証拠掴むって
それってつまり」そのー。

 

 


間。

 

 

遊女A「いやー。改造のし甲斐があったわ 」ふー。

遊女B「姐さんのオーダーどおり
どっから見ても 堅気に見えない遊び人風に仕立てておきましたっ!
着物の丈が足りないのはコーディネートでカバー!」どやっ

 


粋「Σやっべ凄い参考になった!」おおおっ

テオドール「Σ芝居小屋の敏腕衣装さん まさかの此処でスイッチオンに御座います!!」

 


地獄大夫「いやー人ってのは化ける物にござんすなあ。

さて、果報は寝て待てにありんす」ほほほっ

 

白「バカラス ハゲないと良いな」あーあ。

 

 


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【ボッタクリ疑惑の見世】

 


彬羽(さて どうした物か。
店の中に入らん事にはどうにもならんとは思うが) うーん。

 

 


お店の遊女A「Σあのっ あの眼光エグい兄さん 何してんのっ
殺意駄々漏れなんだけど」びくっ

 

番頭「Σえ。何あれ怖っ!」

お店の遊女B「ちょっと番頭さん どうにかしとくれよ!
誰か粗相したんじゃないかい!?あれ御礼参りって奴じゃ!?」ひええっ

 

 

彬羽(ん?さすがに店の前棒立ちはまずかったか
入る前から不審がられてる気が。)

 

 


白「見た目遊び人ってより 本業だなあれ」こそっ。

粋「何着てもあいつはあんなんだよ。」あーあ。

テオドール「眉間の皺が余計にヤバいので御座いますよね

近眼なだけに御座いますが」あちゃー。

 

 

彬羽(まずい 客らしくしないと
Σ って客らしくってどんなだ!?

なんだ適当に誰か指名とかすればいいのか!?地獄大夫の所は顔パスだし 入り方なんざ知らねえぞ!?) 

 

 


粋「あ。困ってる困ってる」あちゃー。

白「そりゃ こう言う所で遊ぶ奴じゃないし」うん。

テオドール「Σなんでそんな方に丸投げなんで御座います!
地獄大夫さん まさかのノープランに御座いますか!?」えええっ

 

 

蒼月「あっれー 珍しい所に珍しい奴居るじゃん」下駄カランコロンっ

彬羽「Σえ゛」


蒼月「なに?この店入りたいの?見る目有んじゃん

あ、皆やっほー。 今日も遊びに来たよ」へらっ

 

番頭「おお!お得意様のお連れ様でしたか!!」おおおっ

 


彬羽「Σ違っ!俺はだな
蒼月「しーっ 入れなくなったら元の木阿弥だろ
ちょっとは合わせろよ」ひそっ


彬羽「Σと言う事は!」

蒼月「そう言う事。
地獄ちゃんからお願いされちゃったよ」にやりっ

 

 


白「助かったけど

蒼月 ボッタクリの店の常連なんだな」へー。

テオドール「Σあ!この前の請求書って この店ので御座いますか!?」はっ

粋「いやどれだよ
多すぎんだよ」引。

 

 

 

 

3時間経過。

 

 

 

 


彬羽(何をどう調べたら良いのか解らん!!)くわっ!

 

お店の遊女C(あのお客さん ずっと殺気立ってる)びくびくっ

 

 

蒼月「あのさー

お前不審過ぎるよ?
俺的には時間かかった方が長く遊べて良いけどさ

女の子達怖がってるし、 調べるなら調べるでさっさと動くとか
取っ掛かりがないなら とりあえず遊んでるフリするとかさあ。」ひそっ

 

彬羽「そもそも 何をどうすりゃ良いんだ
この手の店の相場って何がどのくらいなんだ?」ひそっ

蒼月「は? 何言ってんのお前。

えー何!? その歳で こう言う所来た事無いとか!? うわウケる!!
どんだけ堅物?」だっはっは

彬羽「Σその歳でって 手前俺をいくつだと思ってんだ!!」むかっ

 

蒼月「あ。ごめん
お前 老けてんだもん。」ぷーくすくすっ

彬羽「Σんなっ!」かちーん!!


※彬羽君は 人間換算すると19かそこらです。

 

 

 

テオドール「乱闘が始まった様に御座いますね」望遠鏡っ

粋「お前それ何処から出したの?」ええー。


テオドール「こんな事も有ろうかと 地獄大夫さんに持たされまして御座います。
しかし、案の定と申しますか」

粋「まあ 真面目なカラスには無理が有るよなあ。
俺でもキッツイって」苦笑。

テオドール(微妙に上から目線の気も致しますが
御自分も似たような物では?)ジト目っ。

 


粋「あー店の周り人集り出来てら」うわ。

テオドール「そりゃ高級店で『怖い人』が乱闘騒ぎとなると 人も集まって参りましょうね

でもって彬羽さんを取り押さえられる人間等居るはずが御座いません。」

 

 


粋「じゃ、後は」 

テオドール「時間との勝負に御座いますね」

 

 

 

 

【ボッタクリ店 廊下】

 


お店の遊女D「乱闘だってさ
やだねえ。あんたもあの座敷近寄るんじゃないよ」ひそひそっ

お店の遊女E「寄らない寄らない!
なんでもカタギじゃないらしいじゃないか
命がいくつあっても足んないよ

ん?」


お店の遊女D「あれ どうしたよ?」

お店の遊女E「いや

あんな姐さん 居たっけ?」あれっ?

 

 

 

 


襖すぱーん!

 

 

白「まずった。漢字読めなかった

おい。『ちょうぼ』ってのコレで良いのか」 店の帳簿べらっ。

彬羽「Σ合ってるが何だお前その格好!!」ぎょっ


白「お前がダラダラ終わりそうにないから 
地獄大夫に相談したら 黒髪になれって言われて塗られて着飾らせられた」むっすー。

蒼月「Σうおお 誰かと思ったら!!
思いっきり花魁衣装だけど魔王様的にどうなのそれ!」ひいいっ

 

 

白「安心しろ
普段の役者業と服装大差ないから問題ない」どやっ。

彬羽「Σ塗ったくられてる時点で大問題だ普通は!!」

 

 

番頭「Σああ居た!! 帳簿泥棒ー!」だだっ

白「見つかったか」ちっ

蒼月「そりゃあね。」うん。

 

 


彬羽「荒っぽいことになる前にって話だったのに
結局 こうなるのか」頭がりがりっ

白「俺等に頼む時点で無理だろそれ。」


蒼月「それもそうだね。
はい。御開き御開き

お姉さん達 わきに退いててケガするよー」

 

 

 

 

 

 


テオドール「あ。 片付いた様に御座います」望遠鏡っ


粋「お。さすが
役人呼ぶ?」

テオドール「んー。お医者もお願い致します」

 

 

 

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地獄大夫「いやーさすがの手際にござんした

此処等の楼の皆 気分スッキリにござんすよ
頼んでようおした」にこにこっ

 


彬羽「ひょっとしてお前

全部筋書き通り「何の事にござんしょう?」ほほほっ

 


粋「Σえ?ええっ
何処から!?」えええっ!

蒼月「カラスがグダる辺りからじゃない?」

テオドール「Σ初めからでは御座いませんか!!
やっぱこの国の女性怖っ!」ひいっ

 


地獄大夫「いやはや
どさまぎで主さんに可愛らしい格好させられんしたし
楽しゅうござんした。」ほほほほっ

 

 

白「ひょっとして 俺もハメられたのか?」ん?

彬羽「・・・だな。」鳥肌っ

 

 

 

地獄大夫「女の国で 女に勝てると思ったら大間違いにござんすよー」おーほほほほほっ

 

 

 

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