小咄

小咄

くろねこ太郎の落書き部屋 小咄ページです

2月10日

 

 


【芝居小屋】

 

皐月「ほんまかー
うわ。ほな代打頼まななあ」ふむ

 

 

粋「ん? どしたの」ひょこっ

 

皐月「あ。アンタ手先器用やったな
実はなー 大道具のおっちゃんが 作業中に梯子から落ちて怪我してもたんよ

で、明日までにアレ直さなアカンねんけど」指差しっ

 

粋「Σげ。なんであんな高い所壊れてんの!?」ぎょっ

 

皐月「そこはアンタの兄ちゃんに聞いて」真顔っ

粋「Σ全力で修理させて頂きます!」ひえっ

 


白「不慮の自己だ。
あ、饅頭いるか?」

粋「うん。悪いと思うんならあっち行っててくんね?
直した先から壊しそう」


テオドール「おや。学習能力のお高い」のほほーん。

粋「Σお前ちょいちょい トドメ刺しにくるよな!」むかっ

 

テオドール「冗談で御座きます。

では、お先に引き上げると致しましょう
みたらし団子の1本2本置いておけば 機嫌の直る方に御座いますよ」すたすたっ


粋「おい。丸聞こえ

Σあ。兄貴ちょい待って!
俺の部屋の机の上の手紙出しといてくんね!?」

 


白「手紙? 」ん?


粋「頼むよ。急ぎなんだよ
ホントは昨日出すはずだったし」

白「それくらい良いけど。
ん? お前 そんな手紙書くような友達とか 遠くに居たのか?」はて?

 


粋「友達つか いわゆる文通?」

一同「Σは!?」

 

 


ーーーーーーーーーー

 

 

 

白「あったあった。
手紙これか。」がさっ

テオドール「驚きまして御座います

あの方 意外とマメに御座いますねえ」

 

白「だな。
文通って言うから驚いたけど」うん。

 

 

 

【回想】

 

粋「いやー。上流から手紙乗った笹舟流れてきてさ
沈む前にって拾ったのも何かの縁っての?

で、山奥の村のボンらしいんだけど 体弱くて外の事わっかんねえって言うからさー」へらっ。


白「で、町でのあれこれ書いて送ってたのか?」

粋「あー それが。
その、いざ書くとなるとすぐにネタ切れ起こしちゃって
で、主に 兄貴の奇行つか
今日は何壊してました 的な?」苦笑。


テオドール「何故に 他人に兄上様の観察日記送りつけてんので御座いますか」ええー。

粋「兄貴だと ネタに事欠かねえもん

近所のゴン太よりごんたくれなのって居るんだなーって
めちゃウケてんだぞ?」

 


白「ゴン太。」

 

テオドール「おそらく犬か何かで御座いましょうねえ」うん

白「いぬ。」

 

粋「んな 目カッ!と開いて言わなくても。

ほら、山里の寂しい子供が それでウケてんだから良いだろ?」なっ?


テオドール「まあ、文面だけでも人を喜ばせられてしまう 
我が主は真のエンターティナー と思えば?」ふむ。


粋「そうそう、
やっぱプロの役者様はすっげえや

て、事でよろしくなー!」手ひらひらっ

 


白「・・ごんたくれ」

テオドール「あの、 辞書にその様な言葉は載ってなかったので御座いますが
そんな凹む言葉に御座いますか?」

 

 


【回想終わり】

 

 

 

テオドール「女の子とラブラブ文通ではない辺りが さすがと言うか何と言うか」うん。

白「変な所面倒見良いよな
友達少ないから 寂しいのかもな」うーん。

 

テオドール(Σえ。ひょっとして私友達ノーカンに御座いますか!?) ガーン。

 

白「で、これ出しとけば良いんだな

ん? 
手紙出すって どうやるんだ?」あれっ

テオドール「えーと 西洋だと
魔女さんが副業でやっておられますので 使いのクロネコさんが「人間の話な。」
 

 

テオドール・白(え。どうしよう )困惑っ

 

 


ーーーーーーーーーー

 

 


白「って事で ここに書いてるの 何処か知らないか?
俺読めないけど」手紙の裏ぺらっ

大嶽丸「うっわ。また面倒そうなので面倒なのに捕まった」うええっ

 

 

テオドール「どうせ暇なので御座いましょう 構ってほしくてウロウロしてたので御座いましょ?

ならばこのお手紙を届ける大役、自ら買ってでたら良いではないですか」


大嶽丸「うっわ。常識的なのが居ないと歯止め利かんなお前ら
ん?手紙? 直に届けるのか?」


白「受取人は山奥って言ってたし
お前なら知ってるかなって」 手紙の裏ちょいちょいっ

大嶽丸「この国に山奥がどれだけ有ると思ってるんだ。

さすがに縄張り外は案内できな

知ってるし!!」ううっ

 

 

テオドール「まあ、笹舟が沈まぬ程度の距離に御座いますからねえ」

 

大嶽丸「くっ!仕方ない案内してやる。

で、その 今日はお前の副官カラスは
白「一二三と買い出しデートだ。」


大嶽丸(マトモじゃないのを2匹引率か) くっ。

 


テオドール「めちゃ嫌そうなのに 案内はしてくれるので御座いますねえ」ほう。

白「大嶽丸 いっつも暇してるからな」うん。

 

 


ーーーーーーーーーー

 

 

【山里】

 


女の子「Σええ!文を町からわざわざ届けに!!」えええっ


大嶽丸「あれ?人違いか?
聞いた話じゃ どこぞのボンボンと」

女の子「Σあ。いえ その、

すみません 合ってます!」あたふたっ

 


テオドール「文通と聞いた時点で そんな気は致しましたが」うーん。

 


女の子「金持ちの坊っちゃんって言えば 町の人も相手してくれるかなって」そのー。

白「あいつそんな打算無いぞ
出来てたら もっと器用に生きれてる」うん。

女の子「Σそうなんですか!?」えええっ

 


大嶽丸「おい。これどうするんだ
何だか とてつもなく気まずいんだが」えーと。

 

テオドール「ここからロマンスに と言うのが王道に御座いましょうが

あの方じゃ それは無しに御座いましょうねえ」ふむ。

 

 

女の子「ん?弟さん?

Σあ。じゃあやっぱり!ゴン太!?」はっ

白「ゴン太じゃない
やめてくれ」首ふるふるっ

 


女の子「うわ。いつも読んでます!

うわー ゴン太に会わせたいなあ
けど、今ゴン太はっ」ううっ

白「なあ、人の話聞いてるか?」

 

 

大嶽丸「ん? ゴン太とやらに何かあったのか?」

 

女の子「それが、昨日から行方不明で」

テオドール「其処らを散歩しておられるのでは?」

 

女の子「Σこの寒い中!?
そっちのが大事でしょ!?」えええっ

テオドール「Σへ。あ、はいっ
寒う御座いますもんね」びくっ

 

大嶽丸(田舎の割に 偉く犬を大事にしとるんだな。)ほー

 


女の子「これから調度 ゴン太の捜索隊が出るんです!

良かったらゴンちゃんも協力して下さい!」真っ直ぐな目っ

白「ゴンちゃんって俺に言ってるよな?
え? お前の中でそんなあだ名ついてるのか?」えええっ

 

 

大嶽丸「ふむ。
じゃあ 俺も協力するか

山の中なら庭みたいな物だしな
すぐ見つかるだろ。」伸びっ


女の子「Σ本当ですか!
猫っぽい人!!」おおっ

大嶽丸「まあな。
生き物をぞんざいに扱う人間は好かんが
こう言う事なら良いだろ」

 

テオドール「これ、放置して帰ったら
粋さんが煩そうで御座いますねえ」苦笑。

白「ゴンちゃん・・」


テオドール「そう言うの NGなので御座いますね。」ああうん。

 

 

 


ーーーーーーーーーー
ーーーーーーー

 


大嶽丸「えっと。

見付けはしたんだが」葉っぱまみれっ

 

 

権太「よう。世話になったな兄ちゃん等。

オラがゴン太 5歳だ。」ふんぞりっ

白「5歳」えー。

 


女の子「ゴンター!
良かった無事で!!」うわーん。

権太「なんだ姉ちゃん泣き虫だな。
オラが迷子になるのはいつもの事だろ」よしよしっ

 


テオドール「あー 成る程。

こう言う感じで」はいはいっ

 

 

白「帰る。」くるり

大嶽丸「おい。若干足元フラついてないか?
どんだけショックだったんだお前」


テオドール「プライドの高い方に御座います故」ぷくくっ。

 

白「今 笑ったか?」

テオドール「くしゃみに御座います」真顔。

 

大嶽丸(コイツの価値観ホント解らん。)

 


女の子「ゴンちゃんも ありがとねー !

お手紙また書きますって伝えておいてねー」手ふりふりっ

 

白「ゴンちゃんやめろ」けっ。

 

テオドール「しかし、どうするので御座いますか?

文通相手が ちょいロリ女子だと 粋さんにお伝えするので御座いますか?」

大嶽丸「ん? 伝えたらまずいのか?」

 

白「相手が女と解ったら あいつ変に気を遣って 絶対文通やめるぞ。
そう言う奴だ」真顔っ

大嶽丸「うん。解る気がする」頷きっ

 

 

テオドール「・・ 元気の良いお子さんと その弟さんにお会いしました。

とでも申しておきますか」

白「だな。」うん。

 

 


大嶽丸「しかし 性別隠してか 上手く誤魔化せるだろうか

・・あ、5歳児トークで乗り切るか」よしっ

白「やめろ。」

 

 

 

くろねこ太郎の落書き部屋 [フォレストページ+] 夢小説対応・簡単オシャレな創作サイト作成サービス <サイトトップへ戻る