小咄

小咄

くろねこ太郎の落書き部屋 小咄ページです

2月8日

 

 

 

テオドール「こんな所に異国人のお墓に御座いますか?」ぶるっ

 

彬羽「らしいな。
海流の関係か まれにそこの海に漂流者が流れ着くらしいからな」

 

テオドール「このキッツイ風は 海風に御座いましたか」へくしゅっ!

 


粋「Σつか雪ー!! この大雪の中 なんで墓あばき!?」さむさむっ

 

白「墓の持ち主が最近悪さしてるらしいから  かな?」

粋「Σえ。それって」

 

 

テオドール「更に寒くなられまして御座いますねえ

顔真っ青に御座います」おや。

 


白「夜になると地面からブツブツ声が聞こえるとか、光ってたりとか
あと、家畜が中身抜かれてたりするんだっけ?

 

で、俺がやると 墓も何も灰になっちゃうしさすがにそれはどうだってなって お前の出番だ。

よし頑張れ」肩ぽんっ


粋「Σいやいやいや!オバケ嫌いに墓あばく協力しろって無茶苦茶すぎんだろ!!」

 

 

白「俺だってダルいんだ。
バカラスに やいやい言われて仕方なく来てるんだ。 
早くしろ 兄ちゃんは帰って転がってミカン食べたいんだぞ」真顔っ

彬羽「せめて座って食え」

 


粋「Σどいつもこいつも馬鹿野郎おおおお!!!」どちくしょおおお!

 


テオドール「文句良いながら キッチリ発火されておられますね」おおっ

粋「Σマジで寒いんだもんよ!!」ヤケクソっ

 

 


白「行き先言わずに引きずってきて良かった」うん。

彬羽「ああ、それであんな薄着・・
弟グレても知らないからな。」引。

 

 

 

間。

 

 

テオドール「石作り?」ほう。

彬羽「また断面が綺麗に真っ直ぐだな。
どうやって切り出したんだ」ふむ。


白「なんだこれ 1枚岩なのか?」ん?

 


粋「へ?何かおかしいの?」ぜーぜー

白「暖まって良かったな」

 


テオドール「結構大きさ御座いますよ?
このお墓 なかなか古そうに御座いますが」ふむ。

彬羽「だな。この下の奴等はどうやってこんな物を作った?
どう見ても自然物じゃないしな」

 


白「中入れば解るんじゃないか?
どうせ夜中騒いでるんだろ。起こせば良い」せーの。


彬羽「Σ待て馬鹿! 人の墓を問答無用で壊すな!!」

粋「Σそれやんねえ為に俺連れて来られたんじゃねえの!?」えええっ

 


白「あ、そうか
うっかり」

彬羽「うっかりで死者を冒涜するな馬鹿野郎!!」

 

テオドール「しかし、入り口は何処に御座いましょうかねえ

墓が荒らされない様、エジプトのピラミッド並にややこしく作ってるので御座いましょうか?」ふむ。

 

粋「何?外国の墓ってそんな難解なのかよ」

テオドール「国と宗教にも寄るかと。」

 

 

白「けど、家畜とか夜中に騒ぐの迷惑だしな。
迷惑な事したら 家に殴り込まれる物だろ?

入り口無いなら やっぱ作

Σあ。」


床くるんっ!

 

 

一同「Σえ」

 


ぱたん。

 

 


粋「ちょっ

Σ兄貴いいい!?」えええっ

テオドール「Σ落とし穴に御座いますか!
え?え? 穴が無い!!」ひええっ

彬羽「どうなってんだこの岩」きょろっ

 


粋「ひょっとして 
壊される前に招き入れられた。 とか?」冷や汗っ

彬羽「穴も無い所に入り口作ってか?」


テオドール「Σいえ一瞬穴空きまして御座いますよ!?

うわああ ご無事で居て下さいませっ!」岩ばんばんっ!

 

 


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【墓 内部】

 

白「なんだ此処
狭いな」ほふく前進ずりずりっ

 


水チョロチョロっ

 

白「?
なんだこの水

飛天の薬みたいな臭いがする。」むっ

 


水ちょろちょろっ

とぽぽぽっ

 


白「あっちに流れてってるのか

向こうは広そうだな 」ずりずりっ

 

 


ぴょい すたっ。

 

 


白「ん?なんで明る 

 

Σ!」ぎょっ

 

 

発光水に浮かぶ脳ぷかぷかっ。

 

 

白「・・・

あ。飛天の持ってた ほるまりん漬

脳『一緒にするでない。』むかっ

 


白「?」きょろっ

脳『いや 目の前。目の前だ
王道だろうが』こぽぽっ

 

白「ん?お前か 

えーと、 何かぐちゃぐちゃした奴。」

脳『いやぐちゃぐちゃはしているが。

お前 脳の形状も知らんのか?』

白「知らない
脳ミソなのか お前」真顔。

 


脳『うむ。我が墓所を壊されるよりはと思ったが
変なのを招き入れてしまったな』困惑っ

 

 

 

白「招き入れた?
あ、落とし穴お前か。

そのぐちゃぐちゃから生えてるビロビロしたのって手みたいに動くのか?
ん?足か」へー。

脳『ビロビロ言うな 脊髄な。
くっ コイツと話をしているとこっちまで頭が悪くなりそうだっ』こぽぽっ

 


白「ん?コレ脳ミソなんだろ?
じゃお前 頭が悪くて死んで墓に」えーっと

脳『私に肉体があったらシバきまわしとるぞ貴様。』イラッ

 


白「???」

 

脳(いかん。せっかく栄養を蓄え 準備も整った所だと言うのにっ
要らんエネルギーを使うな私っ) くううっ

 

 

白「ん?お前がここの墓の主って事は

お前か? 鶏の中身抜いたり夜中に光ったりブツブツ煩かったの。
煩いのもだけど、人の家の物取っちゃダメだろ」


脳『苦情?


この私の復活の為の贄だ
むしろありがたく思ってほしい物だ』こぽぽっ

 


白「いや、ダメだからな
外国の奴は知らないかも知れないけど
この国は『近所付き合い』ってのが有るんだぞ?」

 

脳『ふむ?何か違う気もするが

して、お前は その近所の者共の代表か?王か何かか?
確かに肝は座っているな』こぽぽっ

 


白「いや。近所の奴等じゃなくて一応この国の魔王だ。
じじいに押し付けられたけどな」

脳『すまん。理解が追い付かん』こぽぽっ


白「えっと。解りやすく言うと

あ、 破壊神もやってる」

脳『んなサイドメニューも御座います的に言われても』こぽぽぽっ

 

 

白「もっと解りやすくか?
どう説明すれば良いんだろうな?
俺も流れでこんなんだし

あ、役者もやってる『サイドメニューはもういい。』

 

 

白「・・・。」えーと。

 


脳(なんだこいつ
物凄いアホの様だが 魔王?魔王と言ったか?
確かにこの国には 変な物が多い様だったが、アレを統べて要るのか?

コイツが?) こぽぽっ

 

白「?」

 

 

脳(ふむ。ならば調度良いではないか。

私が此処から出るには 私に見合った器が必要。
いくつか試してみたが 簡単に捕まる家畜ではどう考えても納得いかんし

ふむ、王か。
コイツの空の脳を取り出し、この私が成り代わってやるのも悪くない) こぽぽっ

 


白「あれ? 頭?おーい」ぺちぺちっ

脳『やめろ容器を叩くな。割れたらどうしてくれる

それより 折り入って有るんだが』

 


白「ん?」

 

脳『そのだ。少し耳を貸してくれんか?』

 

 

 


テオドール「我が主に何晒してんで御座いますか!! こんのブヨブヨ水膨れ臓器があああーーっ!!」


飛び蹴りばきゃん!!


脳『Σうおお容器に穴が!!』ひええっ

 

発光水どぼばばっ!

 

脳『お、お前っ なんて事を!!』あわあわっ

 

 

粋「Σうお!何だこれ!!」ひえっ


脳『Σなんだ貴様等 ぞろぞろと!!
いったい何処からっ』

 

 

彬羽「すまん。
そのアホが出てこんので
中で迷子になられてもと思い 入り口を作らせて貰った」拳ぐっ。

脳『Σ待てい!!
古代科学の叡知の塊とも言える あの人口壁をか!!』えええっ

 

テオドール「何を言ってるのか存じませんが
彬羽さんの拳に砕けぬ物など御座いません」ふんっ

脳『くっ!野蛮人共めっ』ぐぬぬ

 


粋「え? 何だよこれ
思ってたのと違うんだけど」 うわ。


彬羽「だな。なんだこりゃ

脳から脊髄まで 一気に引き抜いたのか?
いや。普通千切れる、となると開いて取り出し・・
どちらにしても余程の手練れの職人の仕事か

粋「うん。 板前として こりゃ凄えなってなるのかもしんねえけど
論点ズレてるカラス。」

 

脳『Σイカのワタ引っこ抜くみたいに言うな!!』むかあっ

 


テオドール「で、結局貴方何者なので御座いますか

てか、めちゃ水びちゃびちゃ流れ出てますが よろしいので?」

 

脳『Σいやお前が壊したんだろが!
ええいっ疲れるっ

おい!白髪のアホっ 時間がない!
ほれさっさと耳を貸せい!!』うがあっ

 


白「よく考えたら
お前、口どこだ
何処で喋ってるんだ?」びっくり。

脳『Σこう言う形状の者にそう言う事言うな!!
えーと。何かこう テレパシー的なアレだ!』

白「てれぱ? 」へ?

 


脳『Σだああアホに解る様に説明面倒臭い!!
こちとら命かかってるんだぞおい!!』


粋(なんか知らないけど
うちの兄貴がごめん。)

 

 

 

白「ん?命危ない?
あれ お前まだ生きてたのか。
中身丸出しだから死んでると思ってた

ちょっと待て。話聞けば助かるのか?
耳? えーと口何処だ

あ。めんどくさい。」


ばしゃ

がしっ。


脳『Σあ。ちょっ』

 

 


白「大事な事は近くで話せ
ほら。」


ざばっ!


脳『Σあ! あ゛ぁぁぁあああーーーっ!!!』

 


しゅうううううっ!


白「Σえ」

 


おしおしお


ポソッ。

 

 

 

 

白「・・・え?」えっと。


彬羽「やるだろうとは思った。」うむ。

粋「えっと。ごめん
どういう事 コレ」困惑っ

 


テオドール「えーと。
この水が生命維持装置で

脳だけになってその中で生き永らえていた。という感じに御座いますかね?」ふむ。


白「Σえ。俺が出したから死んだのか」

 

テオドール「どちらにせよ 私が入れ物破壊しましたので 時間の問題かと。

まともな者とは思えませんでしたし 貴方様が気を病まれる事は御座いません」にこっ。

 

粋「Σいや 普通気にする 気にするって!
お前怖えよ!!」引っ

彬羽「まあ、悪魔だしな」

 

 

 


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【幕府公営診療所】

 

 

 飛天「へー。
古代にそんな文明がね

アステカとかそんなの?」ほうほうっ


脳『あんな物と一緒にするな

すまん。それより もうちょっと広い容器は』こぽぽっ

飛天「ごめん。良さげなのがホルマリン浸けのしか無くてさー。」わははっ

 

 

 

白「水持ってきたら
すぐ同じの作れるってさすがだな」うん。

粋「つーか。しおしおに乾いても あの水に浸けたら戻んのかよ。」ええー

 

テオドール「あのまんまぐしゃっとした方が良かった気が致しますがねえ」むう。

彬羽「そう言うな
土の底で暇して病んでただけだろ。
もう害が有るようには見えん」

 

 

ダミアン「おお?飛天殿
変わった金魚であるな」


脳『Σ金魚だと!?』むかっ

飛天「あ。金魚か
金魚鉢いいな。今度買ってこよっか」わははっ

脳『Σ誰が金魚か失礼な!!』イラアッ!

 

 

テオドール「あの、本当に大丈夫に御座いますかね?」

彬羽「カチカチの脳ごときが マッドの飛天に勝てると思うか?」

テオドール「あー それは」うん。

 


飛天「よし! 今すぐは無理だろけど
少しずつ薬液の成分変えて ナマモノじゃなくても対応出来るように頑張ろう。

でもって 知り合いの生臭坊主に義体作って貰おうな」


脳『Σなにっ それはつまり!』

飛天「そしたら文字通り アンタの体が出来ちゃうぞー」へらっ

脳『Σおおおおお!!』感激っ

 

 

粋「あ。手懐けた」

白「マッド医者って 凄いな」うん。

 

 

 

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