粋「ん?」
テオドール「粋さん そこ退いて下さいませええええっ!!」だだだっ!
粋「Σうっお何なにっ!?」飛び退きびくううっ
丸い物体どどどどどどっ!!
しーん。
粋「何あれ」ひええっ
テオドール「月見団子に御座います」ぜーぜーっ
粋「Σなんで月見団子が群れを成して爆走してんの!? ネズミか何かの集団引っ越しかと思ったけど!?」えええっ
テオドール「例えがいまいちピンと来ないので御座いますが
何故か意思を持った様で「Σ今度は団子の付喪神!?食いづれわ!!」
テオドール「何故に御座いましょうね
家康さんが捏ねておられましたし、あれって水と粉のみで御座いましょう?
粉? うーん。 普通に飛天さんから頂いた物なので御座いますが」
粋「うん。どう考えてもそれ」
ーーーーーーー
【幕府公営診療所】
飛天「あっれ 殿様どしたの?」ありゃ
粋「お前のせいで団子に襲われたんだよ!!」
家康「ふっ 団子に襲われるのとか初めて過ぎて 狙撃して良いのか迷っちゃったよ」ボロッ。
テオドール「普通に生きればまず襲われないと思われます」
飛天「団子?
ん? あの粉やっぱヤバかった?」あちゃー
粋「やっぱて おい。」
飛天「いやー 毎月食料難に陥るからさ
原価安くて腹にたまる物作れないかなーって。」わははっ
家康「何を使ったら団子が走り回る様になるの」えええっ
飛天「お前等 錬金術って知ってる?」真顔。
粋「うん。飯なら奢るから2度とやんな頼むから」
テオドール「おや? 錬金術と言えばホムンクルスとかと同じに御座いますよね?
確か魄哉さんもホムンクルスだと聞いたような」ふむ。
家康「Σうちの軍師を月見団子と一緒にしないで!」ひいっ
飛天「アレに比べたら団子が動くくらいどうって事無いだろ
で、その団子は?」
粋「へ?
あー なんか群れを成して逃げてったような」
飛天「Σへ」
粋「ん?
ひょっとして野放しにしてるとヤベえの?」あれっ
飛天「いや普通に 団子が団体で走ってたら騒ぎになんね?」
粋「Σ出だしから非常識過ぎて忘れてた!!」そりゃそうだっ
飛天「うん。だから町の方とかで悪さしなきゃ良いなあって」
粋「Σ他人事感半端ねえな!!」どちくしょおおっ
家康「で、なんでよりによってそんなの渡してくれたの?」
飛天「いやー アンタ等なら何かあっても対象出来るかなって」へらっ
粋「Σ何かある前提の食い物を人に寄越すなよ!
ほらテオ とっとと捕まえに行くぞっ!」だっ
テオドール「うわああ確認不足で申し訳ありません!」ひいいっ
ーーーーーーーーーー
【町】
白「・・・?」首かしげっ
団子「Σ!?」びくっ
ひな「あの人何やってるんですかねえ?」買い出し中
朱禅「さあ? あ、今日中秋の名月だろ?
それで月見団子 いややっぱ解んねえわ」すたすたっ
白「生き物か?」じーっ
団子「Σ!!」団子おろおろぷるぷるっ
更に団子ちょろちょろっ
白「ん?」
ぴょんっ ぴたっ!!
こねこねこねこねっ
白「? ?」
粋「あ!兄貴!」
テオドール「お団子も一緒で御座いま Σ ん!?」びくっ
巨大団子が現れた!!
粋・テオドール「どこのRPG!?」えええっ
白「ん?ん? なんだこれ?」きょとんっ
テオドール「見ての通り御団子に御座います!」
粋「Σはっそうだ兄貴
兄貴なら食えんじゃね!? ほら胃袋デケえし頑丈だし 何より甘党っ!」
白「食べるってコレをか?」えー
テオドール「お団子には違い御座いません! 騒ぎになる前にさあペロッと!!」
白「凄く罪悪感が有るんだけどな」
団子レベルアップ! ウサギ団子モードっ!!
テオドール「Σあ 可愛い」
粋「Σ食いづれえええ!!」
団子兎「・・・。」じーっ
粋「やめろ!そんな目で見るな!!」ひいいっ
団子兎「・・・。」ぷるぷるっ
白「うん。食べない食べない」よしよしっ
テオドール「Σまさかの御兄弟揃って懐柔されておしまいに!!」えええっ
粋「いや可愛いじゃん! こんなのに危害加えるとか人としてアウトだろ!?」きらきらっ
テオドール「くっ!!このファンシーヤンキーっ!」くううっ
白「ん?お前はこう言うの嫌いか」
テオドール「お気に入りのところ申し訳御座いません
私、このような自分は可愛い自覚ありの愛でられて当たり前系はムシが好かないので御座います」けっ
団子兎びくっ!
白「蒼月がお前も大概あざといって言ってたけどな」悪気なしっ
テオドール「Σえ」ガーン。
粋「Σなんで本人にそう言う事言うの!?」
白「自覚なしで人の事ばっか言ってたら友達無くすだろ?」
粋「Σそうだけど世の中には知らない方が幸せって事が ああもう良いや!!
とにかく団子! ほれ騒ぎになる前に帰るぞっ」虫かごっ
白「入らないだろそれ」
テオドール「てかもう既に野次馬が様な」ひええっ
野次馬ざわざわっ
ぴょこんっ
一同「ん?」
3匹目の団子が現れた!
粋「Σうおおこの展開は!!」ひいっ
白「またくっつくのか?」
テオドール「Σはっ! この調子で逃げた団子が全て合体したりしたらっ」背筋ぞわっ
彬羽「町がベッタベタのドロッドロになるだろうな」
粋「Σおおお!調度良い所に頭脳担当!!」おおっ
テオドール「Σ毎度ナイスタイミングに御座います!!」感激っ
白「で、どうしたら良いんだ?
そもそも何だコレ」
彬羽「知らん だが団子ではあるぽいな
また飛天の奴か」ため息っ
粋「うん。心強いけど 即座にそこまで解っちゃうの悲しいな「解らいでか。」
彬羽「ともかく相手が動く前に動けない様にしちまえ
ほら、手前も手伝え」桶とひしゃくっ
白「ん?」
彬羽「団子の表面は粉でコーティングしてあるが 水に濡れると粉が溶けてただのベタベタした餅になる!
ほれさっさと水ぶっかけて地べたに張り付かせちまえ!!」くわっ
テオドール「成る程!さすがは板前さんっ」おおっ
彬羽「菓子は専門外だ」
白「水か 俺にかけるなよ」むすーっ
粋「Σあああ!言ってる間に山程来たああ!!」ひいっ
彬羽「好都合だ まとめてやっちまえ!!」
間。
彬羽「なんで固まってる所に水かけた大馬鹿野郎!!」
白「団子に水かけろって言うから」
テオドール「見事に融合されましたね」うわ。
粋「キングウサギダンゴ
どうするよコレ」
巨大兎ダンゴぶるるんっ!
粋・テオドール(Σ団子の擬音じゃない!!)ひいっ
白「跳び跳ねたら地面揺れるしベッタベタだし どうしよう?」うーん
彬羽「そもそも質量おかしいだろ
なんでこんなに団子が有るんだ」
テオドール「家康さんが張り切ってた様で御座いまして」
彬羽「またはしゃいだか あの馬鹿殿。」ちっ
粋「うーん。やっぱ兄貴が食って処理?」
白「ここまで色々巻き込んでドロドロだと嫌だな」むう。
彬羽「その辺はまともな様で安心した
さて、下手に触ると取り込まれそうだし困ったな」うーん。
ひな「あら?まだやってる」ひょこっ
朱禅「Σうっわ何だこりゃ
でっかい兎の えーと 何?」
テオドール「団子だったものに御座います」
朱禅「Σえ。さっきのあの団子!?
うわ育ったなあ」まじまじっ
粋「団子に言う言葉じゃなくねえ?」
兎団子「?」じーっ
朱禅「ん?」見上げっ
破呪の蛇眼発動っ
団子ぽんっ ばらららっ!!
朱禅「Σうおお何なになになにっ!?」ひいっ
ひな「あら?何かの呪いだったんですか?」あらあらっ
朱禅「Σ呪いって何!?」
ひな「あ、ひょっとして気がついてない?」
朱禅「Σ何が!?」
一同(蛇凄っ!)おおおっ
ひな「あらあら勿体ないですねー
ほら こんな所で散らかさないで
ちゃんと拾って持って帰らないとダメですよ?」団子拾いよいしょっと。
粋「Σやっぱ俺等が引き取んの!?」
ひな「当たり前です
食べ物を粗末にするんじゃありません」むっ
テオドール「食べ物と言われましても」えええ
白「ドロッドロだな」うん。
ーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーー
挿音「ダメになった分はしゃーねえ
月見が終わったら 畑の肥料にするとして だ。」キセルすぱーっ
家康「残った粉のは責任持って食べてね」
飛天「Σあああ可愛い 食べ辛いっ!!」ひいっ
団子ぴょんこぴょんこっ
白「出番あってよかったな 団子。」うんうんっ
山盛り団子お供えっ
シロ「お前等なんて物を供えとるのだ」引。
粋「ただ肥料にってのもナニだし
せめて晴れ舞台をって思ってさ」苦笑。
テオドール「日本の御団子にとってはこれが晴れ舞台なので御座ますねえ
ともあれ疲れまして御座います」ぐでっ
千様「まあ良いじゃない
これなら誰もつまみ食いしないしー
あ、月出てきたわよー」ほらほらっ
一同「・・・・Σはっ!!」
飛天「お宅の吸血鬼 なんか変化してるけど?」もぐもぐっ
小太郎「うん。被害が有るとしても白が噛まれるくらいだから」わおんっ
シロ(Σあの団子を食っとる!!)ひえっ