【芝居小屋】
粋「ん？兄貴はよ？」
テオドール「へ？
あれ？ 帰り支度が終わるまで そこで通り眺めておられると」きょろっ
粋・テオドール「また迷子か。」ああうん。
ーーーーーーー
【町外れ 野っ原】
白「はぐれた。
あいつ等 落ち着きないなあ
ん？」
地面に五芒星ぐおっ！！
新米陰陽師「すみません避けて下さ
Σ痛い！！」
べしゃっ。
白「避けるより術者殴る方が早いかなって」ありゃ
新米陰陽師「て、的確ですっ
あの、今の見て動じないとは
ひょっとして 名の有る陰陽師様であられるとか！？」きらきらっ
白「は？」
間。
粋「あ、居た居た おーい兄貴ー！」
テオドール「派手な方で良う御座いましたねえ。
目撃情報だけで充分に追いかけて
ん？ 御一緒なのは どちら様に御座いましょう？」
新米陰陽師「ーーと言う事で
昔から 霊感だけは有るのですが 全くそれに対抗する力は無く
常に もののけに怯えて暮らして居ましてっ」ううっ
白(やり返せない石燕みたいな物か) ふむ。
陰陽師「で、思ったのです
幕府には陰陽連と言う組織があると！
そこに入れるくらいになれば 私も化け物に怯える事もなく
また 人を脅して喜ぶ下賤なもののけ共に鉄槌を下せるのでは無いかと！！」拳ぐぐっ！
白「何かごめんな」
新米陰陽師「何故に謝るのですか
師匠。」
白「は？」
新米陰陽師「先程の見事な術式破壊！ 普通の方のわけがありません！！
ぶっちゃけ私、ビビりな物で 色々覚えては居るのですが いざとなるとワヤワヤしてしまってっ
と言う事で あなたのような何処からどう見ても百戦錬磨の方に 色々と御教授願いたいのです！！」ずいっ
白「気が弱いって割にぐいぐい来るな」おい。
新米陰陽師「こうと決めたら止まらない部類のビビりです！！」
白「止まれ。
そして話聞けって
どう説明したら良いんだこれ」うーん。
粋「なんか すっげえのに絡まれてんなあ」うわー。
テオドール「お困りの様に御座います。
早くお助けしま
ん？」えっ
ーーーーーーー
【割烹春一】
ひな「で、帰れと？」あら？
粋「うん。身振りで 来るな戻れってさ」怪訝っ
テオドール「何を考えておられるのでしょう。
私ああいう 人の話も聞かず 勝手に相手を崇拝したりの ワガママな押し掛け弟子的傍迷惑は嫌いに御座います」むすーっ
朱禅(同族嫌悪か。) 食器拭き拭きっ
彬羽「しかし 何のつもりだろうな あの野郎。
確かに妖怪には 害意は無くとも無駄に人間を脅かす奴も居るとは聞くが」ふむ。
ひな「魔王様として 責任感じたとか「いやそれはない。」
朱禅「めちゃ食い気味で否定したよ
魔王の副官」
庵「単純に可哀想と思ったとか？
そもそも 慕われて嫌な気はしないだろうし
結構前に登場の遺産相続で命狙われてたお嬢様「お姉様ー！ご機嫌うるわしゅうー！！」入り口がらすぱーん！
粋「Σうお まだ付きまとわれてたの！？」
庵「店長ごめん！ 食中毒で早退します！！」だっ
朱禅「うん。大声でやめてな
うち食い物屋」
久しぶりのお嬢様「逃げないで お姉さまあああっ！」たたたっ
ひな「慕われるのも 時と場合に寄るかもしれませんねえ」あーあ。
テオドール「我が主は大丈夫に御座いましょうか？」不安っ
粋「いや 庵も少しは心配してや「ゴリラがメス猿に好かれた所で 今更何が問題だと言うので」
粋「・・双方メスな辺り？」えっと
ひな「今の時代そんなの言ってたら怒られますよー？」えー。
新米陰陽師「へー。ここがお師匠様の行きつけのお店で」ほうほうっ
白「こいつに何か適当に。
昼食べてないらしいし」
粋「Σ噂をすればのいきなり同伴！！」えええっ
庵「相手の都合も少しは考えろやあああ！！」
頭パカーン！！
新米陰陽師「Σぐほあ！！」
テオドール「Σお帰りが早い！！」ひえっ
ひな「こら庵さん！
言いたい事が有るなら そこのお嬢さんに言いなさい
八つ当たりしないのっ」めっ！
庵「Σこんなんシバきにくいでしょー！！」
久しぶりのお嬢様「お姉様あ。」べーったり。
間。
朱禅「うちの店員が ホントすみません」ぺこぺこっ
新米陰陽師「あー いえ
その、確かに お師匠様の都合も考えないでぐいぐいと
殴られて 冷静になれました」包帯ぐるっぐる巻きっ
粋「そこ、たんこぶじゃねえんだ。」
彬羽「ゴリ・・ 庵だからな」
テオドール「で、御座いますよ
我が主も迷惑なら迷惑とビシッと言って差し上げればよろしいのです
慈悲深いのも大概にして下さいませ」むっすー。
一同(自分が言われたら灰になる癖に。)
白「いや、慈悲とかじゃなくな。
えーと、
さっきの もう1回話してくれるか？」
新米陰陽師「はい？
あ、お師匠様が偉く気にされてた事ですね。
あれは私がまだ子供の頃、夜な夜な現れる化け物共に泣かされて居た時
やったらガタイの良い 赤毛のド派手な妖怪が現れまして『おいお前等 んなガキ虐めて何が楽しいんだ』と。
その１声で 魑魅魍魎は散り散りになり
あれ？皆さんどうされました？」ん？
白「これ、やっぱうちのじじいだよな？」ひそっ
粋「うん。 あのじじい ちゃんと妖怪束ねてたんだ」へー。
新米陰陽師「で！思ったのです！
妖怪には悪いのも居るが良い奴も居る！
なら、やみくもに恐れるのではなく
悪い奴はきっちり滅し、良き者とは友になれるのではとっ」拳ぐぐっ
白「で、一流陰陽師目指して頑張ってるらしくて」ぜんざいずぞぞっ
彬羽「確かにスルーしづらいな」ああうん。
白「って事でどうしよ？
お師匠様って言われても
俺 陰陽道とか教えられないし。」
テオドール「成る程。
人間側にもこう言うのがおれば
我が主の『可能な限り人と妖が争わぬ』共存の道も歩みやすいやも？」
白「そこまで ガチガチに考えてないけどな。」うん
彬羽「ふむ。
そう言う特例と言う事なら 紹介して良いだろ
おい、お前
残念ながら こいつは人に物を教えるのは向かん。
と言うか 下手すりゃ1発で手前は燃えカスだ」
彬羽「深く考えるな。知らん方が良い。
と言う事で 一流を目指すなら 良さげな師匠が居るんだが 頼んでやろうか？」
新米陰陽師「Σ是非お願いします！！」ぺこっ
ひな「あら即答。」
朱禅「真面目な良い奴ではあるっぽいのがまたなあ」苦笑。
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ーーーーーー
晴明「言っておくが 私は基本しか教えんぞ。
後は自分で昇華させよ。
出来なくば 陰陽道の才は無いと思え」ふんっ。
新米陰陽師「安倍晴明様っ！
ほ、本物っ！！」おおおおっ
晴明「おーい。人の話を聞けい」困惑っ
山本五郎左衛門「また変なのが来やがったなあ」こそっ
座敷童子「気にするな。
晴明は面倒も人間も好かん
ホントに基本だけ叩き込んだらさっさと 叩き出すだろう」
山本五郎左衛門「それ 心配いらねえのかよ？」
晴明「ま、良いわ
大体の話は聞いておるでな。
せいぜい励めよ
えー。 お主、名は？」
新米陰陽師「申し遅れました！
私わ 土御門 泰澄 と申します！」ぴしっ
晴明「ん？ 土御門・・
Σはああ！？」えええっ
座敷童子「あ。晴明の子孫だ こいつ。」
山本五郎左衛門「Σえええ！？」ひいっ
土御門泰澄「よろしくお願いします！ 御先祖様っ
陰陽道も極めると 不老長寿になるのですねっ」きらきらっ
晴明「あーいや 私はその、
ちょい待て待て待て」頭かかえっ
土御門泰澄「うわ。おっきい。
何犬ですか？
よーしよし、お手出来るかなー？」
犬神「おんっ？」しっぽふりふりっ
山本五郎左衛門「おい。
こいつ 陰陽師として大丈夫なのか？」冷や汗っ
座敷童子「かなり微妙か ・・ん？」
座敷わらし・山本五郎左衛門(あの魔王の祖父さん
陰陽師の家で何してたんだ！？) えええっ
土御門泰澄「あ。お茶が無くなっておられますね
今淹れて参ります師匠！
あ、御先祖様のが 良いのでしょうか？」
晴明「Σ何呼びでもええからちょい黙っとれ！！」頭かかえっ
土御門泰澄「はあ。
では
おじーちゃ「それだけはやめよ。」
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