小咄

小咄

くろねこ太郎の落書き部屋 小咄ページです

10月23日

 

 


【町外れ】

 

子供「うう。 良い人に人に拾われてね」ずびっ

子犬「きゅーん。」

 

 


白「こんな人気の無い所に捨てて 拾われるわけないだろ」

木からぶらんっ

子供「Σっぎゃーーーっ!!」ひいいっ

 

 

白「お前な そんなちっさいの生きてけるワケ無いし
飼い主が捨てる様なの 拾う奴がそこらに居ると思ってるのか 泣きたいのは犬の方だぞ。
せめて町で貰い手見つけて来い」ぷんすかっ


子供「Σうわーん!!」びええっ

白「子供はすぐ泣く」むう。

 


粋「Σそら泣くわ!!
ムカつくのは解るけど ガキ相手に正論叩きつけねえの!」ああもうっ

 

 


間。

 

 


テオドール「はー と言うと
親御さんが此処に棄てて来いと

増えたは良いが飼えないと」ふむ。

 

子供「おいらだってこんなの捨てたくないよ
けどっ 小さい内なら可愛いから拾ってくれる人も居るかもって。

で、情がうつるから 二度と此処には来るなって」ぐすっ

 

テオドール「本音言ってよろしゅう御座いますか?」挙手っ

粋「うん。言いたい事は解るけど
親御さんにも事情が有るから つか子供に罪ねえから これ以上はやめてやろうな?」冷や汗っ

 

 

テオドール「しかし」むうっ

白「野良はキツいぞ」ボソッ


粋(Σいや兄貴確かに三歳から1人で山でサバイバルしてたらしいけど!

やっべ おかしいと思ったら色々思い出して気がたってんのか!! )ひえっ

 

テオドール「御心配召されなくても
こんな小さいのではサバイバルする程の体力も御座いません

3日と持たないで御座いましょう」ボソッ

白「なおさら嫌だ」むっ

 

 

子供「あの、 何かちらほら不吉な単語が聞こえるんだけど」顔面蒼白っ

粋「Σごめんね! うちの兄貴犬派なもんで過敏に「思い切り猫派だ」

粋「Σややこしくなるから 兄貴ちょい黙ってて!!」ああもうっ

 

 


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【割烹春一】

 


彬羽「お前等 前に俺がタヌキ拾った時散々バカにしといてそれか。」困惑っ

 

テオドール「タヌキは世間一般の方は普通拾われません故。」

彬羽「何言ってんだ

蒼月の熊に比べたらマトモだろうが。」

白「あの親熊が突進して来た奴か」ああうん。

 

粋「えーと。
ほら タヌキも犬も似たような物だしさ
拾っちゃう気持ちは解るだろ?
んで、お前のツテで飼えそうな所無いかな?」苦笑

子犬「きゅーん。」ぷるぷるっ

 

彬羽「ツテと言ってもな
ここは飲食店ばかりだしな」うーん。

 


ひな「うちも飲食店なんですけどね?」

朱禅「ごめん。今日外ヒヤッとしてるから 子犬が可哀想で」ううっ

庵「店長がほだされてるなら良いんで無い?」

 


子供「えっと。
此処で番犬で飼って貰えない? でかいあんちゃん」おずおずっ

彬羽「すまん。俺はバイトだ」

子供「Σバイトぽさゼロ!!」えええっ

 


庵「店長こっちこっち」ほれほれっ

朱禅「番犬なあ。


この町の治安で 子犬で番犬勤まるかなあ」うーん。


入り口がらすぱーん!

ちんぴら「おうおうおう!!
うちの舎弟が世話になったそうじゃねえかっ
この店のメシに虫が入ってたって言っ Σごぶはああ!!!!

 

シロ「すまん。少し遅れた

で、これは燃えるゴミで構わんか?」木刀すちゃっ

ひな「あー 調度ゴミ捨て場まで吹っ飛んでるんで そのままで良いですよー」にこっ

 

 


粋「番犬 間に合ってるみたいだな」ああうん。

テオドール「はい。その子に番犬出来ると思われますか?」

子供「無理無理無理無理無理いいーっ!!」首ぶんぶんっ

 

 

シロ「ん? 何だその犬は」


白「お前の仲間だ。よし飼い主探してやってく「無茶な理由で押し付けようとするな。
誰が犬か」

 

テオドール「犬・・ 小太郎さんのツテでどうにかならない物に御座いましょうか?」ふむ。

粋「小太郎のツテって
あいつ 裏山の野良犬軍団のボスだろ?
飼い犬の知り合い居んのかな」

 


彬羽「普通に考えて 日本最後の人狼の英才教育を受けた 野良軍団のボスが誕生するんじゃないのか?」

粋「Σうっわ 熊とか倒しそう!」ひえっ

 

 

子供「あの、相談にのって貰って何なんですが

その、図々しいお話ですが普通の家で普通の飼い犬になって貰いたいな とか思わなくも無いのですが」冷や汗だらだらっ

庵「Σこんな子供が大人みたいな口調で!」

 

 


彬羽「仕方ない。
今日の瓦版のコラム欄に載せてやる。

これから犬を飼いたい奴等への 注意事項、食わせちゃならん奴なんかの一覧つけりゃいけるだろ」

粋「Σおおお!さすが執筆系カラス!!」


テオドール「意外と好き放題コラム欄使われておりますよね」へー。

彬羽「数字出してるからな」きっぱり。

 


白「今日のって事は昼過ぎか
え?お前 今日のまだ版元に出してなかったのか?」あれっ


彬羽「ここの所忙しかったんでな」こみかみに青筋っ

白「俺のせいなのか?」えー。


ひな「何足もわらじ履くからですよー」ほんとにもー

 

 

 

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粋「で、早速貰い手見つかったと
カラスの影響力すっげええ」ひええっ

白「だな。
此処のはずなんだけどな」犬かかえっ


子犬「きゅーん?」


子供「あの、こんなでっかい御屋敷

と言うか これ何の建物なんですか?」おそるおそるっ

テオドール「陰陽連に御座いますね」


子供「Σ陰陽師のわさわさ居る所!?」えええっ

 


テオドール「職場の皆で犬飼いましょう的なアットホームな所なので御座いましょうか?

あまり陰陽師にはそう言うイメージ無いので御座いますが」うーん。

白「どうなんだろうな

けど、飼いたいってんなら話しても良いとは思う」

 

子供「すみません

あの人なんで急に黒髪になってるんですか?」ひそっ

粋「ヅラです」きっぱり。

 

子供(なんで陰陽連入るのに ヅラ)ええー?

 

 


テオドール「成る程 そのお姿は貴方様の血の人の方のお姿。
それなら陰陽師に人外バレせずとも済むやもしれません」おおっ

白「バレて面倒な事になるのも嫌だしな」うん。

 

粋「俺は普通に妖怪扱いされないから良いとして

えーと。

テオ、此処で留守番な」

テオドール「Σえ」

 

 

白「お前100%妖怪だろ?」

テオドール「Σえええ!そんなっ」がーん。

 


子供(さっきから何の話してるの この人達!
うわ考えたらダメな気がするっ)耳塞ぎっ

 

 


粋「パパッと行ってくるから
な?」苦笑

テオドール「うう。ちび犬様 此処でお別れやもしれませんね

お元気で」握手

子犬「おんっ」お手っ。

 

白「赤ん坊犬なのに賢いな

よし 行くか」

 

 

がしゃん!

 

門番「Σ待てい! 此処は幕府の管轄ぞ

許可無き物を通すわけにはっ!!」 くわっ

 

 

白「お前等が 犬飼いたいって言うから連れてきたんだろ

何様だ下っ端 早く上の奴連れてこい」くわっ!

門番「Σはいっ!すんませんしたっ」ひいっ

 


粋「兄上、犬飼って貰おうって奴の態度じゃないそれ」あーもう。

 


門番「すんません!すぐ来るそうなんで!

あ。敷地内危ないんで子供は立ち入り禁止です
すみません!規則なんで!!」ぺこぺこっ


子供「Σええええー!!」

 


粋「Σ敷地内危ないって大丈夫かよ此処!」ひえっ

白「ダメなら連れて帰るし」うん。

 

 

テオドール「一緒にお待ち致しましょうね」苦笑。


子供「ううっ

兄ちゃん達 チビをお願いしますっ」うううっ

 

 


間。

 

 


陰陽師A「ほう これはこれは
良い子犬じゃ。
ほうほう 前足も大きい
これは大きくなるのう」ほうほうっ

陰陽師B「まことに
これは良い犬じゃ」にこにこっ

 

 


粋「あれ? なんか和やか?」おおっ

白「虐める気はなさそうだな」うん。


陰陽師C「おーよしよし 
おお 懐っこいのう。

これは大事にせねばバチが当たる
此方で貰っても問題ないな?」よしよしっ


粋「Σへ?

あー うん。 だよな?兄貴」

白「ちゃんと可愛がるって言うんなら」うん。


陰陽師B「案ずるな
愛でる為にほしいと言ったのじゃ
我等に見初められるとは 幸運な犬ぞ」にこにこっ


粋(なんか鼻につくけど

まあ、可愛がってくれるなら良いか) ほっ。

 


白「じゃあ任せて良いんだな?

こいつの親犬の飼い主にもそう伝えるからな?」


陰陽師C「うむうむ。
ただ、通常部外者は入れぬ場所ゆえ
親犬とて会えなくはなるがの」


粋「そこはワガママ言えないよなあ
すんません。よろしくお願いします」ぺこっ

 

 

白「・・・。」


粋「兄貴、今更自分が飼いたかったとか無しだからな?
ほら ちゃんと御礼言って」ほれ。

白「別に 犬なら煩いの何匹か飼ってるみたいな物だし」ふんっ


陰陽師A「弟御 苦労しておられる様じゃな」引。

 

 


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子供「そっかあ あのチビ
此処で飼われる事になったんだ

こんな大きな所なら大事にしてくれるよね」ぐすっ

粋「大丈夫だって
良い着物着た偉そうな奴等が 可愛がるって約束してくれたしよ」頭わしゃわしゃっ

 

 

テオドール「そうで御座いますか

陰陽師がそんなに犬を」ふむ。


白「ん?」

テオドール「あの、今更ながら

私1つ思い出したので御座いますが」

 

 

 

 

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見習い陰陽師A「なあなあ、先輩方に犬の世話任されたんだけど。」困惑っ

見習い陰陽師B「お。良かったな。そりゃ大任だぞ

ありゃある意味『御犬様』だ」


見習い陰陽師A「御犬様?

そりゃどういう?」へ?

 

見習い陰陽師B「あ。お前知らないのか

陰陽道の強力な呪に『犬神』ってのがあってさ

大事に大事 信用させて懐かせて育てた犬を 地中に埋めて飢えさせ

ん? 何だあれ」

 

 

 


白「約束間違えた

『一生きっちり大事にする』のが条件だ!」


陰陽道A「Σぐっはああ!!」どがしゃーん!!

 

 

陰陽師B「Σうおお橘殿っ
何だこの白髪 うおツノが!もののけかっ」ひええっ

陰陽師C「Σ皆の者 出あえええ Σぐぼはあっ!!」 げふっ

 

 

 

見習い陰陽師コンビ(Σ化物怖っ!転職しよっ)ひええっ

 

 


テオドール「確か あの犬神さんも
そうやって作られた哀れな生き物だと 座敷わらしさんが仰られておられたので御座いますよ。」ほら


粋「あー そう言う

つか あの犬神はどう育てたら 犬があんなでかくなったんだろなあ」冷や汗っ


子供「Σうわーん!チビ おかえりいい!!」がしっ!

子犬「きゅーん。」しっぽぱたぱたっ

 

 


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晴明「構わんぞ

犬の1匹2匹。
式神が増えるより楽ぞ」瓦版読みごーろごろっ


座敷わらし「だ、そうだ。」

粋「Σおお!さっすが!!」

 


山本五郎左衛門「世話は我がやらされるのだがな。」溜め息っ

白「頑張れ 飴玉やるから「いらん。」

 

 

テオドール「だそうで御座いますよ?
ほら 此処には大きいワンちゃんもおられますし
心配は Σあ!ちょ犬神さん どっわああ!!!」


灰ざらあっ!

 

晴明「おい!子供が見ておるぞ」ぎょっ

子供「あーいえ。何か慣れました」遠い目っ

 


座敷わらし「こら犬神
飛び付きは禁止だ。」めっ

犬神「きゅーん。」ちまっ


粋「此処なら躾もしっかりしてくれそうだしな。」うんうんっ

 


子供「そこはその 大丈夫と思うんですが

 

そこの陰陽師さんは本当に大丈夫なんですか?」ジト目っ

晴明「私はそんな信用ならんか。」おい。

 

 

座敷わらし「安心せい
陰陽師と言えど 隠居した爺じゃ。
で、うちの犬神は 他所が作って放って置いたのを拾った」

犬神「わんっ!」しっぽふりふりっ

 

子供「Σこれを!?」えええっ

 

山本五郎左衛門「安心せい童。

犬のエサから散歩まで 我が責任持ってやってやるわ」ふふんっ

子犬「きゃんっ」しっぽふりふりっ

 

 

テオドール「よくよく考えたら
物凄い穏やかな空間なので御座いますね 此処。」わお。

白「晴明が 外疲れるからって 作った結界の中だしな」うん。

粋「ちっせえ楽園かよ

マジもんの陰陽師凄え」わおー。

 

 

 

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