小咄

小咄

くろねこ太郎の落書き部屋 小咄ページです

1月19日

 

 

 


  【台所】

 

彬羽「じゃあ俺はそろそろバイトの時間だ。
後はこっちの手順どおりに頼んだぞ」

テオドール「お任せ下さいませ!」

 


粋「お?カラス今から出んの?午後出ダっリいよなあ。

おっ 晩飯茶碗蒸し?」おおおっ

テオドール「レシピは託されまして御座いますので ご安心下さいませ!」どやっ

 
粋(ドイツ語だとメモすら何かの学問書みたいに!)うおうっ

 

 


彬羽「メインはあっちの魚だが 少し小さいんで物足りんだろ。
じゃ頼んだ。」

テオドール「はーい。行ってらっしゃいませ」手ふりふりっ

 

 

粋「あいつホント細かいよなあ。

つか物足りなさそうで茶碗蒸しって 確かめちゃ手間かかるんだろコレ

そんでバイト先で板前って うわ肩凝りそう」

 

テオドール「よく一二三さんが肩叩いておられるので
バキバキで御座いましょうね。

さて、こちらを揺らさない様に蒸すと。
あ、八割終わってるので御座いますね」メモほうほうっ

 


粋「なあ。どうせならもっと豪華にしねえ?」わくっ

テオドール「素人が変な思いつきでアレンジするとろくな事にならない物で御座いますよ?」真顔っ

 

粋「アレンジじゃねえよ

ほら、カラスも疲れてんだろし
そこらの何か余り物とかを入れて具沢山にしてさ
もっとこう 栄養!つか食いでの有る奴にさ」わくわくっ

テオドール「茶碗蒸しってそう言う物で御座いましたっけ?」


粋「そう言え物で御座います!
よっしゃ このカマボコ入れちまえ!  」わははっ
 
テオドール「Σちょ!
手荒に扱うと表面がボコボコに!」ひいっ

 

 


家康「台所楽しそうだねえ」おや。

千様「なんかー
割烹のお手伝いとかして、お料理スイッチ入っちゃったぽいわよー?」 

蒼月「食えりゃ何でも良いけどね。
この寒いのに わざわざ寒い所でよく遊べるよね」コタツに潜りっ

 

 

 


間。

 

 

 


粋「兄貴いいい!
卵が固まらないーーっ!!」

襖すぱーん!!

 

白「お前 泣きつくにしても  俺にどうにかなりそうなのにしろ
頼むから」ええー。

 

 

 


粋「どどどどうしようっ

要らん事して食べ物無駄にしたとかバレたら カラスに挽き肉にされる!
あああ明日の晩飯は嫌だあー!!」うわああっ!

白「誰も食べないから安心しろ
ただの燃えないゴミだ」すたすたっ

粋「Σいや普通に燃えるって!」

 


白「細かいうるさい

で、 卵って何がどうなっ・・・」

 

 

テオドール「Σあっ!調度良い所に
ここここの卵液の山っ どう致しましょう!!」あわあわっ

桶に山積み 卵どっぷり。

 

 

白「この家 人数多いもんな
そりゃこんななるか」うわ

粋「Σこれ全部ダメとか やべえミンチ待ったなしいいい!!」頭かかえっ


白「うん。うるさい

で、固まらないって何でだ?
何変なの入れたんだ?」

テオドール「卵液自体は彬羽さんが作って行かれた物ですので問題は無いかと

そうなると 問題は粋さんのトッピングだと思うので御座いますが」うーん。

 

 

白「卵って 火入れたら固まる物だろ?
お前どんな呪い投入したんだ?」

粋「Σんな器用な真似出来たら 
兄貴みてえにとっとと完全な妖怪になってるての!」


テオドール「いえ。我が主も普通に半分人間のまんまに御座いますから。
この方は 産まれた時からメンタルまで魔王のだけに御座います

つか 八つ当たりすると燃えないゴミに致しますよ」

粋「Σなんで頑なに燃やさねえの!?」

 

 


晴明「落ち着け 何の話しとんじゃ。

で、呪いがどうとか聞こえたが?」ひょこっ

白「出た。晩飯時に生える妖怪」

 


晴明「気にするでない
あのカラスの事じゃ
予想して多めに用意しとるわ。

で、何があった?」

 


粋「俺が要らん物入れたせいで 茶碗蒸しが固まらねえっぽいんだよ。」ううっ

晴明「前から思っておったが

定期的に 地味かつ確実に嫌な失敗するよな 童。」

 

 


粋「・・色々とすんません」ずーん。

 

 

晴明「ふむ。卵が固まらんとな

よし、何を入れたか言ってみろ
1つ残らずな」ほれ。

テオドール「え?あの晴明さん料理が出来ますんで?」

 

晴明「おむすびくらいなら
握れるぞ
丸いののみだがな」どやっ

白「あ、思ったより マシだった。」

 

テオドール「マシなので御座いますか。

えーと、順番に。

まずはカマボコ、それから人参、糸こんにゃく、がんもどき それから

晴明「おでんでも作ろうとしたのか。」おい。

 

 

白「よくこの茶碗蒸しの中にそれだけ入れたな」

粋「具が多い方が 嬉しいかなって」ううっ

晴明「うむ。味噌汁に全力で具材入れるタイプよな

物事はほど程が1番ぞ。

しかし、今の所卵に悪さをしそうな物は」ふむ。


テオドール「私としてはこんにゃくがヤバ気かと。」

晴明「糸こんにゃくは意外と無害ぞ
むしろ腹の具合が良くなる。 若い奴はもっとこんにゃくを食えい」

 

 

白「じゃあ何なんだろうな

ん?これ椎茸か?」あれっ

粋「椎茸は元からカラスが入れて ってか 蒸す前に乗せろって置いてたんだよ。

あ、そんでキノコ系ももっと入れたら旨くね?って 茨木に貰った舞茸も

 

晴明「それじゃ。」

粋「Σえ!茨木のヤバかった!?」ひえっ

 


晴明「いや 茨木童子は関係ない

普通に舞茸は 卵に突っ込んではいかん食材なのだ」

粋「Σそうなの!?」えええっ

 

 

テオドール「え?マジで御座いますか?」驚愕っ

晴明「うむ

えー 簡単に説明するとだ、

卵が固まるのは 卵に含まれるタンパク質と言うのが熱で固まる性質が有るからでの。

 

舞茸にはそのタンパク質をバラけさせる成分が含まれるので 混ぜるな危険と言う奴じゃ」

粋「Σマジかよ!キノコってあれこれ入れがちなのに!」がーん!

 


白「お前 なんでそんなの詳しいんだ?」

晴明「いや、陰陽師は本来学者ぞ?
妖怪とのバトルや呪いがメインではないのだぞ?」


テオドール「すみません。晴明さんが言うと 説得力がマイナスに御座います。」

 

 


粋「え?じゃあその

俺が片っ端から舞茸突っ込んだ この桶全滅?」冷や汗っ

晴明「待て。 茶碗蒸しの容器でなく そっちに入れたのか?」


粋「その方がダシ出て良いかなーって

物凄い良く混ぜちゃった」涙目っ


晴明「お主はもう マニュアル以外の事はやるな」あーあ。

 

 

 

白「いやでも待て。
頑張れば 表面だけ固まるぞ」
炎ぼぼっ

晴明「おい。食器を直で炙るな

魔王の炎どうなっとんじゃい。
タンパク質にも脅しは聞くのか?」うーん。

 


テオドール「しかし ホントに中身は生
完全に半生に御座いますねえ

茶碗蒸しがデフォルトでプルプルなのを差し引いても これは無理が御座います」うーん。

 

 

 

粋「・・燃えないゴミの日 いつだっけ?」ふふふっ


晴明「おい。あっちも面倒な事になっとるぞ」

 

 

テオドール「よっしゃ!まとまりまして御座います!


粋さん ボサッとしないで下さいませ!!
此方の玉ねぎを微塵切り!で、私の私物のフライパンで炒め倒して下さいませ!」フライパンどんっ

 

粋「Σえ。 玉ねぎってタンパク質破壊しね「ビビり過ぎに御座います!
んな取扱注意なら此処まで普及して御座いません!!」くわっ

 

白「 何する気だ?」

テオドール「和食だから解らんので御座います。

あ、貴方様は 此方の挿音さん特性の中華鍋で 卵の表面のみ 気合いで固めて下さいませ」卵液びしゃっ

白「Σえ。良いのか?」

 

テオドール「献立チェンジ!
ご飯は美味しけりゃ結果オーライに御座います!!」くわっ

 


晴明「うむ。良く解らんが気張れー

さて、出来上がるまでコタツ待つとしよう」さむさむっ

 

 

 

ーーーーーーーー
ーーーーーー

 

 

 


彬羽「・・何故に 焼き魚にオムライス?」 困惑

オムライスほこほこっ。

 


テオドール「和風お出汁と 洋のふわとろオムライスの共演を是非ともと思い立ちまして御座います。


勝手に献立を変えてしまい申し訳御座いません
遅くまでお仕事お疲れ様に御座います」ぺこりっ

 

彬羽「いや、大した物だが。
良く出来たな」ほー。

 

 

白「普通に要らん事したのは 謝った方が良いと思うけどな?」こそっ

粋「いやそこは
食べて悪くないってなってからじゃねえと。

さすがにワンクッションねえと俺が無理 怖え」ううっ

 


晴明「確かに味は悪くなかったがの」ふむ。

 

糸こんにゃくびろんっ

彬羽(Σ何故に卵から 糸こんにゃく!?) びくっ

 

晴明「まあ ビビるな。あれは」うむ。

 

 


粋「Σうっ 奇抜な料理で 審査員の反応見てる グルメもんの登場人物の気分っ」

テオドール「貴方いらんの投入して 玉ねぎ刻んだだけに御座いますがね。」きっぱり。

 


彬羽(和風アレンジ?確かに日本の食材まみれだが

そもそもオムライスってのは 卵に具材入れる物だったか?
何だ 蒼月辺りが銀杏嫌だと駄々でも捏ねて急遽変え

 

・・・Σん? この味は!)はっ

 

 

白「あ。バレたぽい。」

晴明「おお。さすが板前
舌も確かよのー」

 


一二三「早めにごめんなさいした方が良いだよ。
今ならまだマシ。おらが保証するだ」

 

粋「すんませっんしたああーーっ!!」スライディング土下座っ

彬羽「Σぶふぉ!」ごほっ

 

 

 


千様「まあ。ぷるぷるフワフワで美味しかったしー」のほほーん。

家康「だね。また作ってよ」

粋「Σ絶対嫌だ!!」涙目っ

 

 

 

くろねこ太郎の落書き部屋 [フォレストページ+] 夢小説対応・簡単オシャレな創作サイト作成サービス <サイトトップへ戻る