小咄

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くろねこ太郎の落書き部屋 小咄ページです

9月28日

 

 


【恐山】

 

 

魄哉「いやー 標高高いともう雪降ってるんですねえ」

リザードびゅごおおおっ


粋「下はどっちかつと暑いのに!」ひいいっ

彬羽「頼むから迷子になるなよ。洒落にならん」

白「また紐付きか。」タスキ状に散歩紐っ

 


蒼月「ううう寒っ!ヤバい冬眠しちゃうう」うとっ

魄哉「君はまた何で来たんですか」

蒼月「だって 女の子捜してんだろ?
どう考えても俺の出番じゃん」歯ガチガチっ


シロ「アホは強いな。」ジト目っ

テオドール「さすが氷使いに御座いますねえ
これぐらいでは動じないと」がくぶるっ

シロ「ふっ。心頭滅却すれば火もまた涼しと言うであろ」どやあっ

白「お前 冷え性だろ」きっぱり

 

晴明「これふざけるで無いぞ童ども
遭難でもしたら洒落にならんぞ」よいこらせっ

粋「あれ? お前山登りとか出来るんだ」へくしっ!

晴明「言うて狐じゃからな」ひょいひょいっ

魄哉「有る意味僕らより適任なんですよ

しかし 今回は人手が要りますからねえ
あ、こら ちょっと耳元ブンブンしないで下さい」霊しっしっ!


白「ホントにオバケがいっぱいだな」へー。

彬羽「成る程。
人間じゃ捜索出来んわけだ」


粋「ひいいいいい」あわあわっ

テオドール「オバケより寒さがあああっ」

シロ「人手が必要とは言え こ奴らは置いて来た方が良かったかもしれんな」うーん。

 

蒼月「で?えーと 何だっけ?

人間の世襲制の霊能者の家系のやんかの修行だっけ?」うつらうつらっ

魄哉「ええ。いわゆる伝統って奴ですよ 古来から続く風習らしいんですがね

巫女さんをこの山に1人登らせ修行をって奴なんですが あーもう退いて下さいってば!」霊散らしっ

晴明「登らせたは良いが 今年は異常気象だからの。
急にドカ雪積もりおって迎えに行くにも行けん様になったそうな

で、捜索願出されたが 幕府としてもどないせえと と言う話での。」はーやれやれっ

蒼月「家の奴等バカじゃないの?」引。

 

シロ「まさか9月に積雪とは思わんかったのであろ」

彬羽「自然を舐めすぎだな」すたすたっ


魄哉「カラス天狗が言うと説得力凄いですねえ」苦笑。

粋「つーかお前 なんで袈裟?
よくそんなで登山出来るよなあ」

魄哉「ええまあ 『恐山』ですし。
坊主らしくした方が良いかと」


晴明「いや、雪山に着流し1枚のあのカラスには誰も突っ込まんのか?」

白「バカラスめちゃめちゃ暑がりだし」

テオドール「むしろ生き生きされてますよね」

粋「暑がりって マジで大変だな」うわあ。

 

 


蒼月「あーもう オバケうざいなあ 寒いしうっといよ
陰陽師ならどうにか出来ないの?」イラッ

晴明「バカを言うな
その辺ウロついてるだけのを片っ端から調伏なんぞしてみろ
それこそ大事になるわ」

蒼月「は?なんでさ」

晴明「例えるなら アリやハチなんかの虫ぞ
鬱陶しいからと無闇に駆除し それらが居なくなれば 自然界のバランスが崩れ、その後どんな災いが降りかかるか」

テオドール「バタフライエフェクトに御座いますね」へくしっ!

晴明「あー まあそんな物じゃ」適当っ

 


白「ばたふらい?」はて?

魄哉「結論から言いますと 無駄な殺生は良くありませんよって事です」南無。

 

蒼月「けど、視界悪いな

一応山小屋に居るんだよね?」

晴明「の、はずじゃの
この雪で潰れておらなんだなら じゃがの」


白「やっぱ石燕連れてくれば良かったかな?」

彬羽「あいつは秒で力尽きるだろ」

シロ「霊的探知能力は優れておれども体力は無しか。
ままならんな」雪ざくざくっ

 


魄哉「色んな意味で殿達置いて来て正解でしたね
えーと。地図だとこの辺りに」きょろっ

 


白「あ。なんかあった」

粋「お!」


彬羽「Σおい!ウロウロするな」タスキ引っ張りっ!

白「痛い痛い」ずるずるっ


晴明「うむ。有るには有ったが」

 


巨大クレパスっ (氷の谷)


彬羽「此処は日本だよな?」確認。

魄哉「異常気象って怖いですねえ」おやまあ。

粋「Σ異常にも程があんだろ!!」

 


蒼月「うええ。どんだけ雪降ったんだよ
カッチカチじゃん 下見えないよこれ」ひええっ


テオドール「ひょっとして此処を幅跳びするので御座いますか?」冷や汗っ

シロ「滑ったら終わりではないか?」


白「風強いから朧車も呼べないしな
事故るし」うーん。

粋「カラスはよ?」

彬羽「さすがに風に煽られるな」

 

晴明「ふむ。

のう、雲が厚くて良かったな
吸血鬼よ?」

テオドール「はい?
え、あ はい 日光が遮られておりますので 日傘が要りませんし そもそもそんなのしてたら進めませんし

で、何故にいきなりその話を?」えーと。

晴明「いや お主

吸血鬼なのじゃから霧とかなれんのか?」

テオドール「Σあ」


粋「Σそういや灰になるだけじゃ無かった!!」はっ

テオドール「成る程!水蒸気なら渡れるかもしれません
万一 クレパスに落っこちても気体なのでノーダメに御座います!!」おおっ

シロ「Σノーダメなのか!?」ええっ


テオドール「はい!では早速」くわっ


魄哉「Σえ、ちょっと待っ

 

突風で霧吹っ飛ばされっ!


彬羽「だろうな。」

 


晴明「やはり駄目か。」ちっ

魄哉「Σいやアンタ これ回収どうするんですか!!」ひいいっ

晴明「恐山の外側にぐるりと特殊な結界貼っとるでの
その内引っ掛かるわ」しれっ


蒼月「1人脱落かよ
何やってんだよ あの間抜け」あーあ。

シロ「お前も大概顔色悪いが大丈夫か?」

蒼月「気を抜くと意識飛びそう
駄目だったら回収よろしくね」ふっ

彬羽「蛇には戻るなよ
あんなデカいの担いで下山出来ねえからな」

蒼月「あんま自信無い「気張れ。」

 


晴明「こやつなら頑張れば運べそうじゃがのー」

魄哉「暴風雪がなければ出来ますよ。
前にそれで創世神話みたいになってましたね」

粋「あー 外国の神話ってやたら何か担ぐよな」さむっ


白「馬鹿話してないでどうしよ?」ふむ。

魄哉「ふむ。
橋が出来れば問題無いんですが

この辺に適当な木とか無いですしねえ」きょろっ

彬羽「有ればとっくに倒してるんだが」うーん。

 

魄哉「仕方有りません。
白君 ちょっと危ないですがよろしくお願いします。」袖からクナイしゃきんっ!

粋「へ?」

 

白「外すなよ」むう。

魄哉「前向きに善処します せいっ!!」 


向こう岸にクナイずかかかっ!!

 


シロ「おい。まさか」

 


晴明「ふむ。細い糸が付いとるのう」

白「じゃ。行ってくる」ひょいっ


粋「Σぎゃー!糸の上!
兄貴危ない危ないってえええ!!」ひいいっ


白「大丈夫だ

うっかり落ちたら この山が溶けて無くなるだけだし」糸渡りひょいひょいっ


一同「Σ!!」背筋ぞわっ

彬羽「よし。死んでも落ちるな」真顔っ

 

 


晴明「しかしいくらあやつでもキツかろ
横からの風がキツいでの」

魄哉「ですねえ
場所が場所ですし」

粋「え?」


蒼月「解んないの?
此処はこの世であの世に一番近い場所だよ?

あの世の奴等ってこの世の奴をやたらと仲間にしたがるじゃん?」

粋「Σって事は まさかっ!!」はっ

 

シロ「あやつに近寄った奴等は問答無用で燃やされとるがな」うわ。


オバケ「Σあっづああああ!!」ひいいっ

粋「Σ微塵も心配要らなかった!」


魄哉「でも有りませんよ
気が散ったら危険な状況には変わり有りませんし。

と言う事で
やれそうなのはシバきますよ」数珠じゃらっ!

晴明「この風の中で符を真っ直ぐ飛ばせるかのう」はーやれやれっ


粋「Σやっぱやんの!?」ひいっ

シロ「ごちゃごちゃ抜かすな
後で兄貴に怒られるぞ」オバケ氷漬けパキーン。

粋「Σ早えし!

あ!そうだ ドンパチやらなくても蒼月の静御前の笛ならまとめて大人しくさせられるんじゃ!」はっ

 

晴明「吹けるか? コレ」

蒼月「あれ?何だか暖かい」ふふふふうとうとっ

粋「Σ蒼月いいい!!!」うわああっ

 

彬羽「シロ!かまくらを作れ!!」

シロ「Σ俺の能力はこの様な使い方をするものではっ だおりゃあ!!」

かまくらパキーン!

粋「Σ速い!」おおおっ

 

魄哉「彬羽君中で火起こしよろしく」かまくらに蒼月ぽいっ

彬羽「乾いた木は「君なら多少湿ってても筋肉でどうにか出来ます」べしょべしょの木片っ

 

 

 


粋「Σうお凄え!早くも煙がっ」おおおっ

シロ「Σ良いからこっち手伝え!
八つ当たりされても知らんぞ!」

オバケわらわらわらわらわらっ

 

晴明「あの童 確かモノノケがダメであったの」

魄哉「あ、怖がってるんですか

まあ これだけ集れると慣れてても嫌ですしねえ」

オバケうじゃうじゃうじゃうじゃっ

晴明「暴れれば暴れる程寄ってくるのう」ふむ。

 


魄哉「仕方有りません

彬羽君 蒼月君の荷物から笛捜して下さい!」

彬羽「ああ"!?」イラッ


シロ「煙は出ても火は付かずでイライラ極まりないな」うわ。

魄哉「すみません。着火は一旦置いて
てか君の熱気で大概かまくら暖かいと思います!」冷や汗っ

 

彬羽「ったく 笛?これか?」ごそごそっ

晴明「お!それじゃ!」


粋「いや笛は良いけど 誰か吹けんの!?」あわあわっ

 

 

晴明「忘れとらんか?

こやつの昔の名は 源博雅ぞ?」

粋「ごめん。何者だっけ?」

晴明「Σえええええ!!」カルチャーショックっ!

 

 

シロ「すまん。ヒロマサとは?」ひそっ

彬羽「平安京にて 晴明と共に暴れまわった表向きは帝の歳上の甥。

多少間抜けなエピソードも残っては居るが笛の名手だ」

 


魄哉「この手の物は久々ですが
ま、行けるでしょう」息すうっ


ピリリリリリっ!!


粋「うっお何この音」耳塞ぎっ!

彬羽「Σ妖怪にはキツい!」うわっ

 


シロ「おお!霊共がポトポト落ちておる!!」おおおっ

晴明「さすが桁違いよのー」わははっ

 

 

 

 

白(俺 もう渡りきってるんだけどな) 声掛けづらっ

巫女「あああのっ!ひょっとして救護の方ですかっ!!」ぶるぶるっ

白「あ、居た。
そうなんだけど 
なんか盛り上がってるから ちょっと我慢な

あ、火要るか?」炎ぼぼっ。

巫女「Σああ!どうやってるか解らないけど生き返るううっ!」うわーんっ

 

 

 

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小太郎「あの、それってさ」わおんっ

挿音「最初から笛と親父1人で良かったんじゃね?」※念の為待機してた 捜索第二班。

 


魄哉「えー。だって普段蒼月君が使ってる笛ですよ?
普通に嫌じゃないですか」ぺっ

小太郎「気持ちは解るけど ガラ悪いぞ僧侶」わおんっ

 


テオドール「私達そんな理由で死にかけたので御座いますか?」えええっ

蒼月「お前は自爆じゃん
あーもう 結局巫女ちゃん見れなかったなー」けっ。

 

 

千様「何かしら

白君よりコイツのが 万倍周り振り回してると思うの」

家康「うん。人当たり良いから騙されてるだけだよ皆」真顔。


魄哉「処世術ですよ」ふっ

晴明「お前 心底邪悪よな」

 

 

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