小咄

小咄

くろねこ太郎の落書き部屋 小咄ページです

1月17日

 

 


【割烹春一】

 


ひな「と言う事で

彬羽さんが胃の治療の為 急遽お休みとなりまして」ため息っ
 
粋「兄貴、今度は何やったの?」

白「どれだろう?」うーん。

 


ひな「で、更にタイミングの悪い事に
この人もこんなになってまして」


朱禅「面目無い」ううっ

三角巾で腕吊り包帯まみれっ
 
粋「Σげ!お前それどうしたんだよ!!」ひえっ

 


庵「なんかやらかして派手な夫婦喧嘩の結果ボコられらしいよ。」チラッ 

ひな「つい カッとなって。」ふっ

テオドール「それ、根絶的な意味でやっちゃった系の人が言うセリフに御座いますよ」引。

 

 

白「お前 あの女の何処が良いんだ?」

朱禅「独りモンには解らねえよ」ふっ

テオドール「ミイラ男に言われても 解りたく御座いません」きっぱり。

 


ひな「と言う事で
いつものお料理担当が二人共負傷。

これでは店が開けられないので なんやかんや器用な方々に代打して貰えないかと」

粋「Σ駄目だろ!
素人が板前コンビの変わりとか出来ねえよ!!」ひえっ


ひな「大丈夫です。 
食べ物屋なんて席に着かせてそれっぽい料理出したら こっちの勝ちですから」にこっ

白「大人しく休業しとけ。」

 

 

シロ「俺もそう言ったんだがな」うーん。

テオドール「そう言えば シロさんも此処のバイトはそこそこ長いので御座いますよね?

何か簡単な物なら作れるのでは?」

シロ「大根のかつら剥きなら
ほれ、向こうが透けて見えるくらいには」大根べろんっ

粋「あ。何も作れねえなコレ」

 

 


白「本気でやめた方が良いと思う
1日2日休んでも客逃げないぞ」真顔っ
 
ひな「うちの板前の胃袋破壊した人にお説教される筋合いはありません。

と言うか 八割自分が原因なの自覚してますよね?
なら 詫びとして損害出ない様尽力するのが筋じゃないんですか?魔王様」 
  

 

白「・・・。」うーん。


粋「あ。負けた」

テオドール「今回は珍しくマトモな事しか申されておられませんのに 
おいたわしいっ!」くううっ

 

 

白「・・・物焼くくらいなら 出来る
かな?」えっと

ひな「いいですね!
良し。 本日炭火焼きで行きますか!」おおっ

シロ「炭使っとらんぞこいつは。いいのか?」おい。

 

ひな「大丈夫です!本日のみなんですから
見える所にに炭置いときゃそれっぽくなりますし

 

お正月も終わって何かこうダルーイ時期ですから 皆さん外食しがちなんですよ
この機会逃す手はありません!!」拳ぐぐっ


粋「稼ぎ時は解ったけど
営業停止食らわね?コレ」

朱禅「迷惑かけてごめんな」

テオドール「んな『うちの嫁可愛いだろ』的なデレッとした顔で言われましても」あーはいはい

 


庵「じゃ本日炭火焼きデーと。
表に張り紙しとくね」すたすたっ

粋「Σうお躊躇なし!!」ひいっ

シロ「いい加減スタッフも鍛えられるわ」ふっ

 

テオドール(あれ? クッソ真面目な彬羽さんなら これも胃を傷められる理由になりそうな) おや。

 

 

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客「ほー。炭火焼きねえ

良く冷えてっし 今日は此処にすっか」

入り口がらっ

 


粋「Σい、いらっしゃいませ!」びくっ


白「なあなあ。人間が食べるんなら
猪って血抜きてのしないとダメじゃ無かったっけ?」

シロ「Σむ!?確かに!」

庵「えーと確か首の血管切って逆さ吊り?

そいや!!」

びしゃあっ!

 


客「Σ失礼しましたあっ!!」

入り口ぴしゃん!

 


ひな「Σあああ!店に1歩も入る事無く!!」

 


朱禅「んーまあ 
下ごしらえも出来てないわけだし
こうもなるか」苦笑。

ひな「すみません 
流血沙汰は店の外で

ってテオさん やめて下さいやめて下さい
店の梁に猪ぶら下げないで」

テオドール「Σえ!でも血抜きを致しませんと

うお!ちょコレやっぱ重っ!」ずるんっ

 

どっしゃあああ!!!

 


庵「あーあ。室内で灰」あちゃー

ひな「Σ鍋に入る!
外で潰れて下さい!!」いやああっ

粋「Σさりげに酷え!」

 

 

白「灰って炭火焼きぽくて良いんじゃないか?」真顔っ

ひな「ひょっとして炭火焼きって
店内でファイヤー!ってのだと思ってます?」冷や汗っ

 


粋「まあまあまあまあ

ほら、素人がでかいのやろうとするから無理があんだよ

普通に家でメシ作るのの丁寧なのだと思えば。」

 

シロ「うむ。猪1頭はこの際冷凍して奥に置いて置いてだな」

氷ぱきーん。


ひな「どこに保存するんですか そんな物。」えええっ

 


庵「料理かあ

普段私は厨房入んないけど」がっちゃがっちゃ


朱禅「お!意外なのが意外と作れたり?」おおおっ

 

 

庵「はい、野菜の活け造り」どんっ!

粋「安全ちゃ安全だけどよ。」うん


テオドール「お客様がウサギさんなら百点だとは思うので御座いますがね。」ざらざら復活っ

 


庵「・・下手に危ないのよりマシだと思うんですけど」ずーん。

シロ「Σ拗ねた!!」

 

テオドール「ふむ。
日本料理はイマイチで御座いますが
私も吸血鬼のはしくれ!
おもてなし料理の1つ2つ!!」包丁ちゃきっ

 

ひな「すみません

なんか見るからに危ないんで
テオさんは大人しくしてて下さい。」

テオドール「Σいえこれでも結構「とか言いながら何持ってんですか、魚丸1匹とか確実にザクッと行きますよね? 
絶対派手に怪我しますよね?灰になりますよね?
お客さん逃げるんでやめて下さい」


テオドール「Σそ、そんな真似は

 

ざくっ。

 


シロ「タイの背鰭が刺さったか」あーあ。


灰さらさらっ

 


粋「あのー。俺 魚くらいなら捌けるけど?」おそるおそる挙手っ

朱禅「Σマジか!!」

庵「相変わらず地味な事は大概出来る!!」おおおっ


粋「Σうっせ!地味な事すら出来ねえ女に言われたかねええ!!」むかっ

 

 

シロ「また拗ねたぞ」おい。

 

粋「え。えーと
まずは鱗を取ります」見ないフリしょりしょりっ

テオドール「くうっ!私もそのくらいならっ」

 

 

白「ん?炭火焼きだよな?
タイを焼くって
あんこ挟んで焼くのか?」はて?

ひな「そのタイ焼きじゃありませんね。」うん。


シロ「調理に火力が要るのは解らんでも無いが

こやつだけは 厨房に入れるの間違いではないか?」おい。

 

 


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ーーーーーーー

 

 

粋「よっしゃ出来たあ!!!」

庵「Σおおお!立派な手鞠寿司!ちゃんとかわいいっ!」拍手ぱちぱちっ

 


ひな「成る程 ちまちました作業の繰り返しなら粋さん向きですね!

これなら充分商品として通用します!!」おおおっ

 


シロ「問題は

既に 日没だと言う事だな」


とっぷり日暮れっ

 


粋「Σしゃーねえだろ!素人だもんよ!
半日そこらで此処まで出来る様になっただけで奇跡だろ!!」ほらほらっ


庵「・・まあ、お客さん来なくて良かったよ。

うん。」

 


ひな「大人しく今日は店じまいですかね。
お客さんが注文してから お品出せるまで何時間って話になりますし。」苦笑。

朱禅(客の為にも始めからそうするべきだったよなあ。)うんうんっ

 


庵「じゃ のれん降ろして来まーす」たたっ


シロ「まあ、普段からあまり客入りは良くないしな。


ある意味正解・・  ん? おい。
此処にあった猪はどうした?」きょろっ

白「ん? 邪魔だから退けといた」

シロ「へ? 何処に?」

 

 

 

庵「Σうっおおうっ!?」びくっ

入り口前に 巨大猪の氷漬けでんっ!


通行人ざわざわっ

 

庵「Σそう言う事!?
え。こりゃお客入るの躊躇するわ!!」ひええっ

 

 

 

【その頃 幕府公営診療所】

 

 

飛天「ほい。治療完了。

明日から普通に仕事出れるけど
ストレス溜めたらまたナンボでも穴空くからなー?」のほほーん。

彬羽「助かるが
どんな治療すれば 1日足らずで胃の穴が塞が「企業秘密です。」

 

彬羽「麻酔の聞いてる間に 改造とかしてないたろな

ふむ。ストレスか
極力溜めんように 明日からも頑張るか」

 

 

 

 

庵「Σちょ!これ 床に張り付いて取れないんだけど!!」ふんぬっ

シロ「微妙に溶けて 外気の寒さで凍り付いたか

あーこりゃいかん。
彬羽が出勤してきたらもぎ取って貰うしかなかろ」

 


粋「こんなん見たら 
また胃袋悪化すんじゃねえ? 」ひええっ

テオドール「普通にショッキングな風景に御座いますからねえ」おやまあ。

 

 

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