小咄

小咄

くろねこ太郎の落書き部屋 小咄ページです

10月26日

 

 

 

【町外れ 空き地】

 

 

 

子供A「一二三ちゃーん こっちこっち!」きゃっきゃっ

一二三「よっしゃ 行くだよー!」振りかぶりっ

 


子供B「なあ、毬って蹴ったりぶつけ合ったりする物だっけ?」

子供C「一二三ちゃんのなんだし 持ち主がやるならいんじゃね?」

 

一二三「だおりゃああ!!」ずびしっ!!


子供トリオ(何の競技なんだろ コレ)

 

 

 

子供A「Σあ。凄い所に飛んでっ


がしゃーん!!

 

 

 

親父「くおらあああ!!!!」

子供軍団「Σっきゃーーーっ!!!」ひえええっ


一二三「え?え?

あそこ人居たんだか?」えええっ

子供B「居たっつか 居ちゃダメな所だよ!

逃げろおおおおお!!」うわああっ

 

 


ーーーーーーーーーー

 


テオドール「で、毬取られちゃったので御座いますか」あちゃー。


一二三「ううっ お気に入りだったのに」しくしくっ

彬羽「人の家に蹴り込んだんなら怒られても仕方無い 諦めろ

で、そいつにはちゃんと謝ったんだろうな?」

 


一二三「それが あそこあの人のお家じゃねえらしくて

勝手に住み着いてて 近寄る人にこらーって言う人だって
んだもんで ごめんなさいも毬返しても言えなかっただよ」くすんっ

彬羽「・・それは

色々仕方無いな」ああうん。

 

 


家康「あー 川辺のボロ小屋の不法占拠かあ

回覧板で 気を付けろって回って来てたねえ」苦笑。

 

千様「色々危ないから もうそこで遊んじゃダメよー?」

一二三「Σええー!」がーん。


粋(つか、運悪く一二三の脚力で蹴られた毬とか当たったら オッサンの頭弾け飛ぶっての)背筋ぞわっ

 


家康「この時期に あんなボロ家に住み着くって行くとこ無い人なんだろけどねえ。

けど、地元の人を威嚇するからそろそろ番所の人等で強制撤去かな って事になってるらしいよ」

 

千様「あらー。そしたらその人どうなるの?」


家康「可哀想だけど、逃げて他探すならセーフ
そうじゃないなら牢屋 かなあ」うーん。

千様「やだそれも寒そう」ええー。

 

 


粋「なんか可哀想な話だよな
兄貴?」ちらっ

 

白「俺にはどうもならないぞ」ごろーん。

テオドール「で、御座いますねえ
魔王は慈善事業では御座いませんし」うんうんっ

 

 


一二三「おらの毬ーっ」うええーん。

白「・・・」

 

テオドール「しかし。意地はって我慢なさる事も無いかと思われます。」

 

 


ーーーーーーーーーー

 


【再び 空き地】

 

 


白「言っとくけど オッサンは知らないからな
俺は一二三の毬取り返すだけだ。」

粋「うん。それは良いんだけど

なんで石燕?」

石燕「さあ?あっしも説明無しに引っ張り出されたっす

あー、眠っ」あくびっ

 

テオドール「夜ふかししててきっちり寝られないからに御座いますよ?」

石燕「吸血鬼が言うんすか それ」ええー。

 


与一「で、あの家に住み着いとる親父から 毬を取り返すって話だが

このメンツで殴り込みでもするのか?」はて?

白「お前結構物騒だな

じゃなくて石燕。
毬の絵具現化頼む」


石燕「毬? あっしのは手元離れると一定時間で消えるっすよ?」

白「それで良い 残ると面倒だし」うん。


石燕「はあ。

えーと こんなもんっすかね!」


どろんっ!

 

テオドール「Σおお!これは見事なっ」

粋「あの兄貴?
別にオッサン毬コレクターとかじゃないと思うけど

白「誰もワイロにするとか言ってないぞ


よし、お前ら ちょっと離れろ」


テオドール「Σまさかっ!」はっ

 

 

白「せーの。」

 

 


どむズギャギャギャッ!!

 

石燕「Σ毬蹴る音じゃねえす!!」

与一「Σ当たったら抉れるぞおい!

あああ!ボロ家まっしぐらっ!!」ひええっ

 

 


ギャリドグシャアアアッ!!

 


親父「Σのわーっ!!!」うぎゃああっ

 

一同(Σだから当たったらどうすんだ!!)ひええっ

 

 

親父「ちょうわ Σえええ!?何じゃこりゃっ!! 」ひええっ


粋「うん。ワケ解んねえよな」うんうんっ

 

親父「Σあ、こらお前等か!
てめ人の家に何て事を!!」
うおおおっ!

 

 

ぶんっ!


てんってんてんっ

ころころっ

 


与一「Σお。毬だ」おおっ


親父「このやろ!向こう行けっ
しっしっ!!」

毬ぽいっ ぽーい!

 


テオドール「まあ。ボロとは言え半分くらい小屋吹っ飛ばされましたら

近寄りたくは御座いませんよねえ」成る程っ


白「毬、後から回収するつもりだったんだけどな。」うん。

 


親父「このっ!こんのっ

ん?」すかっ

 

石燕「あ。全部投げ終わったらしいすね」

粋「あ。一二三の毬これじゃね?」ころんっ。

テオドール「あーこの柄の趣味は確かに彬羽さん好みの。」はいはいっ

 


白「よし。投げるの無くなったな。

なら 落ち着いて聞け」ずいっ

親父「Σひいっ!」びくっ

 


白「崩れるぞ 屋根見ろグラグラだ

そのまんま居たらぺしゃんこだ。」

親父「Σ早く言って Σうおおおお!?」

 


屋根どっしゃあああ!!!

 

 

ホコリもうもうっ

 

 

 


粋「えっと。

非常識な兄ですんません」

親父「Σワシの家ー!!」うわああっ!

 

 

白「あのな。勝手に住むのは仕方無いとしてもな。

目立っちゃダメだぞ
ばれるから」しーっ

与一「要らん事教えるなこら」

 

親父「Σそ そうは言っても
あああこの冬どうやって過ごせばっ!」頭かかえっ

石燕「まあ死活問題っすよねえ」ふむ。

 


白「だな

で、毬取り返す為とは言え 家壊しちゃったし
今回だけは口聞いてやる」

親父「Σえ!?」


粋「Σまじか!
うお兄貴さすがっ」おおおっ

テオドール「ツンデレに御座いますねえ」おやまあ。

 

 


ーーーーーーーーーー
ーーーーーーー

 

 

一二三「なんか増えたべ」

毬ごーろごろっ


与一「結局持ち主が見つからんかったらしい

近所の子供等で共有したらどうだ?」


一二三「んだな。
おらは彬羽さんから貰ったの1個あれば充分だしなあ」にこっ


千様「あら保護者様 嬉しそう」のほほーん

彬羽「煩い。」

 

 

家康「で、そのおじさんにも家紹介してあげたんだって?
何だかんだで親切だよねえ

しかしまた 急に受け入れてくれるよな所が何処にあったの?」

石燕「あー


めちゃ優良物件すよ?」

粋「お前から見たらな」うん。

家康「へ?」

 

 

 

 


【廃寺】

 


坊主の霊「おお。よく来なさった
困った人をもてなすのも僧侶の役目
まずは たんとお上がりください」お粥ぐつぐつっ

親父「えっと その

え?何ここ 違う意味で寒いんだけど

Σうお粥うめえええ染みるっ!」じーん。

 

坊さんの幽霊「おー。それは良かった」にこにこっ

 

 

 

くろねこ太郎の落書き部屋 [フォレストページ+] 夢小説対応・簡単オシャレな創作サイト作成サービス <サイトトップへ戻る