小咄

小咄

くろねこ太郎の落書き部屋 小咄ページです

11月29日

 

 

 


家康「ごめん!暇じゃない子もヘルプ!
江戸近郊に猿が出たっ」襖すぱーん!!

 


粋「猿? あーたまに山からおりてくるよな」

白「今なんで俺を見た」

 


彬羽「大して珍しい事でもないだろ
何だ 今年は山に餌でも少ないのか」ふむ。

 

家康「普通の猿なら私が網持って追っ掛けてるよ
お前達に頼む時点で ねえ、ほら?」

シロ「む? と言う事は化け猿の類か?」


テオドール「動物捕獲には餌に御座いますよね?
えーと 日本の猿はお芋辺りで あれっ」きょろっ

粋「うん。そこらに餌置いてると兄貴に食われっから。」

 


彬羽(猿の妖怪か。  やまこ辺りか?)すたすたっ

 

 


ーーーーーーーーーー

 

 


テオドール「本日の月は 三日月のはずなので御座いますがねえ」見上げっ

大猿「キエエエエッ!」くわっ!

粋「Σそう言う猿じゃないんじゃないかなあ!?」ひええっ

 


シロ「想像の数万倍デカイな」 うわ。

白「こんなの江戸に来たらそりゃ困るよな」納得


粋「Σめちゃ冷静!
つか何!?これ何っ!?」あたふたっ

彬羽「猿とは言えニホンザルとは基本的に違う形状。
そして赤い毛の猿妖怪
大陸の猩々 か?」ふむ

テオドール「外来種に御座いますか 
道理で日本産にしてはアクが強いと」成る程っ

シロ「お前が言うか?」

 


石燕「あー あっしが呼ばれたの納得っす。
デカさにはデカさっすね」ほうほうっ

与一「成る程 お前のがしゃどくろなら大きさで負けんと言う事かっ」おおっ


石燕「動物ってのは ケンカする時自分をデカくみせて相手を怯ませ様とするもんっすから

て、事でちゃっちゃと山にお帰り頂くっすよ!!」懐からがしゃどくろの絵がさっ!

 


白「あ。ちょいたんまだ 石燕」

 

にわか雨どじゃーっ!!

石燕「Σあああ墨がっ!絵がああっ!!」ひいいっ

与一「Σうおおまさかの弱点!!」がーん!

 

粋「いや 今まで気づかなかったの?」えー。


与一「くっ! ここは任せろっ
妖怪相手なら 私の弓もまともに聞くはず!」くわっ

 

 

ぴしぱしっ。

ぱらぱらっ

 

与一「・・サイズ差考えとらんかった」冷や汗っ

シロ「Σ大馬鹿者ーーっ!!」

 


大猿「・・・。」ギロッ。

テオドール「Σぎゃー 今ので気付かれましたっ!」ひいっ

 


白「バカラス踏ん張れ」

彬羽「Σ無茶言うな! Σうおっ!!」


ずずんっ!!

 

粋「Σすっげ!あの巨体を止めた!!」おおおっ

テオドール「Σさすがに潰れませんか!?」ひええっ

 


白「バカラスでも長く持たないだろうし
仕方無いから殴り倒すか?」扇子すちゃっ

粋「うん。それで仕留める自信あるんだ」ああうん

白「冬場は火事になるから火はやめろって言われてるし」

 

シロ「危なっかしくて聞いとれんわ! 俺が行く!」たたっ

石燕「Σえ。シロさん!?」ひええっ

 


白「大丈夫だ。あいつ鬼切持ってるし。」うん。
 
彬羽(Σ良いからとっととどうにかしろっ!!) ぎりぎりぎりぎりっ


与一「コイツ 良く耐えとるな」うわー。

 

 


テオドール「Σあ!凄い
猿の肩まで一気に走り登られておりますっ」おおっ

粋「バランス感覚すっげええっ!!」

 

シロ「己に恨みは無いが こちらも縄張りを荒らされるわけには行かん!
成仏せいっ」鬼切振りかぶりっ

 

猩々「あああそう!人間はいつもそう!!」うおおおんっ!

一同「喋った!?」びくっ

 

白「まあ妖怪だし」うん。

 

 

猩々「ご主人様だって昔は可愛がってくれたのにっ
大きくなったら餌代がかかるしお前もう怖いって
あれだけ可愛がってくれたのに酷いいいいっ!!」ぎゃおおんっ!

粋「Σおおお落ち着けよ」わたわたっ


テオドール「まあ、現実問題 人が飼えるサイズには御座いませんよねえ」真顔っ

猩々「Σうっ!」ぐさりっ

 

石燕「テオさん ごもっともだけど容赦ないっす」

 

 

 

彬羽「道理で国内に海外の猿が居るはずだ。
どこぞの金持ちが 外国の珍しい猿と思って買ったら妖怪だったって所か」 肩ごきごきっ

与一「おお。無事だったか」

彬羽「若干 本気で潰れるかと思った。
語りに入ったんで少しは大人しくするだろ」やれやれっ

 

 

猩々「しかもっ、しかもねっ」ぶるぶるっ

シロ(俺は何を愚痴られてるのだろう)困惑っ

 

猩々「ご主人様!棄てる時に 別に私の事好きじゃ無かったって!
珍しいから 皆に見せびらかすのにいいやって 買っただけだって!

大好きだったのに許せない!!
許せないけど何処に居るか解らないから この島国の人間皆殺しにするー!!」きしゃあああっ!

 

粋「Σ大人しくなるどころか悪化したーっ!!」ひいいっ

石燕「人間なんぞに期待するからっすよ」あーあ。

与一「Σ言うてる場合か!こんな何とかコングみたいなのどうするのだっ!?」ひいいっ

 


シロ「甘ったれるなーっ!!」

ばちーん!!

猩々「Σぐはあっ!」


一同(Σ大猿平手打ち!!)えええっ

 

 

シロ「贅沢を申すな!
確かにその人間はクズ中のクズだが
餌を与えられ ホイホイと己が勝手に懐いて慕っておっただけであろうが!!」くわっ

大猿「Σえ。あの 普通動物ってそう言うものじゃ?」

 

 

シロ「俺なんぞな!
拾われ今ここに居るが その理由が『よく吠える犬が欲しかった』とかそんなんなんだぞ!!」くわっ

 


粋「兄貴?」ジト目っ

彬羽「百歩譲って そう思ってたとして本人に言うか おい。」

 


白「ごめん。よく考えたら
俺そもそも猫派だった」きっぱり。

シロ「ほれ見ろ 更にトドメ刺してくるであろう!」けっ


猩々「なんでそんなのと一緒に居るの?」ドン引きっ

 

 

 

シロ「この際 理由動機、その他の経緯はどうでも良いのだ
結果として今現在己が居る場所が心地好いのでな。 アホの思惑とかもうどうでも良いわ」

猩々「同じ人間なのに 酷い話」へー。


粋「いや、どっちも人間じゃねえから。」

テオドール「お猿さんから見たら人に見えるのかもしれませんね
我が主 ツノ生えておられますけど」ふむ。

 

 

猩々「確かに 確かに狭い檻の中より良いけどっ」ぷるぷるっ

シロ「む?」

 

猩々「小賢しい猿だから その辺割り切るとか無理ーーっ!!」しゃぎゃーっ!

与一「Σうおお また荒ぶり出したっ!」ひいっ

石燕「Σこの猿情緒不安定過ぎっしょ!」あたふたっ

 


彬羽「気の毒ではあるが 仕方無い」指ばきっ


シロ「Σ待てい!お前がやると絶命する!
俺が話をつけるので少し待ていっ」

粋「Σいや待ても何も 後ろ後ろ!!」ひいっ


テオドール「仕方御座いません!
ジビエに致しますっ」血液アンプルすちゃっ

 


シロ「ほれ見ろ 野生に戻されたなら野生の掟に従わんか食われるわ馬鹿者ーーっ!!!」

カウンターばっちーん!!

猩々「Σ二発目っ!」ぶほあっ

 

石燕「Σそういやこの子強いんした!!」おおっ

粋「つかなんで毎度ビンタ?」

与一「教育的指導 なのだろうなあ」うわあ。

 

 

シロ「今まで飼い猿だったとは言え これからは野生で生きて行くしかない
何、悪い物ではないぞ
俺も昔は堅苦しい家柄であってな」ふっ

猩々「Σえ。そこまでお仲間!?」はっ

シロ「うむ。俺の場合は 養子に入った本家に跡取りが産まれたので御払い箱だがな」

猩々「ごめん。猿だからわからない」えーと。

 


石燕「あ、そう言う」納得。

彬羽「自分に近しい者が有るんで見捨てられなかったか 解らんでも無いが

しかし 今、猩々が一瞬止まったような?」ちらっ

 

白「うん。攻撃はしてない
ちょっと尻の毛毟っただけだし」しれっ

粋「Σ心身共にダメージ受ける奴!」ひいっ

白「毛むくじゃらだから毟りやすかった」どや

与一「Σもうちょいマシな助け方は無かったのか エグい!!」

 

 

シロ「うちのアホがすまん。」

猩々「うう。心もお尻も痛い
もうお嫁にいけない」しくしくっ


一同(Σメスだったのか!!)

 

 


シロ「ほう、それは難儀な


しかしほれ 物は考え物ぞ。

嫁に行けなくなったなら 嫁に行けん様にした男に責任を取ってもらえば良い。」にやあっ

白「Σえ。」

 

 

石燕「なんだかんだと猿さんに御高説垂れてたっすが
ぶっちゃけ 犬ころ扱い引きずってるっすよね?」

シロ「当たり前だ。」即答っ

 

 

 


猩々「ふつつか者ですが」三つ指っ

白「え?  え?」きょろっ


彬羽「すまん。どう助けりゃ良いのか解らん」困惑っ


粋「また九尾や地獄太夫の姉ちゃん辺りが血の雨降らせそう」うわー。

 

 

 


家康「おかえりー 皆ケガ無 Σうわおっ!?」びくっ

 

猩々「舞も舞えます。」ちんとんしゃん どすどすっ

白「ああうん。」えーと。

 

一二三「猿回しだべか?」

千様「んー。良く解らないけど まーた裏山の住人が増えそうねえ」あらあらっ

 

 

 

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