小咄

小咄

くろねこ太郎の落書き部屋 小咄ページです

10月17日

 

 

【芝居小屋】

 

 


つつじ「あんた等なあ
此処は遊び場ちゃうんどすえ?」ほんまにもー

 

与一「すまん。石燕が最近筋力着いてきた気がすると 
調子に乗ってちと遠くまで出掛けて途中で疲労困憊で動けなくなり」ううっ

石燕「モヤシが急に日向に出ると枯れるんすよね」ぐっったり


粋「いや 結構育つんだけど」困惑っ

石燕「Σそうなんすか!?」えええっ

テオドール「まだモヤシのが逞しかった様に御座いますねえ」おやまあ

 


皐月「体力配分の下手な子供かいな。
チビッ子は全力で遊んだら寝るもんやから それでエエんやけどな。」

石燕「三十路男でそれはキッツイすね」うっ

皐月「せやで だからとっとと帰って寝ろ 掃除出来へんやろ」けっ

石燕「Σ邪魔してすんません!」ひいいっ

 

 

つつじ「皐月はんがキッチリ怒ってくれはるから 
石燕はんの1人二人転がってるくらい なーんやもうどうでも良くなって来てもたわ」苦笑。

白「俺めちゃめちゃ気になるけどな?」えー。

 

皐月「ったく しゃーないなあ。

ほれ 今日の仕事終わった所やし
あっきーに出前頼んどるからあんたも栄養つけて帰り
大ぐらいが多いから 多めに頼んどるしな」


テオドール「キッチリ叱った後はちゃんと甘やかすと」ほう。

粋「ここのちっせえ女将さんとか言われてるぐらいだしな」うん。

 

白「あんまちっさいちっさい言うと怒られるぞ」

皐月「あんたは何処の話をしとんの?」指ばきっ

白「ん?だから違うって
そっちじゃないない」首ふるふるっ

 

 

与一(純粋に背丈の話ではなかろうか) えーと。

石燕(つか そっちじゃない言ってる時点で 少なくとも二つの意味でおちょくってる事になってんすけど。)

 

 


裏口がららっ

 


彬羽「ったく 毎度毎度とんでもない量頼みやがって

ほれ毎度 出前の品


何やってんだ」

 

白「刃物は反則 反則だぞこら」白羽取りっ

皐月「安心せえレプリカや。
ただの小道具や気にすんな」ぎりぎりぎりっ

 


つつじ「あ。すんませんなあ

いつものどす。
手前の其処ら置いとってんかー」にこっ

 

彬羽「またか。」はーやれやれっ

石燕「いやツッコミ無しっすか

Σん?」ぴくっ

 

粋「へ?何?」

 

 


白「何か居る」飛び退きっ

彬羽「Σ何処だ!?」ずさっ

テオドール「Σあだだ ちょ彬羽さん引きずりはちょっ」べしょっ

 


鬼門ばんっ!!

 

 

粋「Σうおお いきなり門生えた!!」


与一「Σうお石燕逃げろこら!」袖引っ張りっ

石燕「Σちょい待っΣあだだこむらがえりがっ!!」ひええっ

 

つつじ「皐月はん!!」


皐月「はいよ! うりゃあっ!!」刀ぶん投げっ

 

 


扉ばたんっ!!

 

 

テオドール「へ?

 

あれ? これって。」え?え?

彬羽「連れて行かれたな」冷や汗っ

 

白「あ。しかも
向こうから鍵かけられてる」鬼門がちゃがちゃっ

皐月「Σマジか」うげっ。

 

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 


【鬼門内】

 


つつじ「で、こげな真似が出来る言うたら普通の御人やあらへんな

お宅のお兄はん 最近何かとやり合ったりせなんだ?」

粋「えーと

どれ  かなあ?」苦笑っ

 

石燕「人間の術者とかの可能性も有るっすよ
つか あっし等基本敵だらけなんで 思い当たる事しかねえっす」足さすりっ

与一「して、何故にこのメンツなんだろうな?」

 

 

つつじ「いや、あんさん等以外上手く逃げただけや。

石燕はんはともかく、あんさんまで簡単に取っ捕まるって
彬羽はん ええって顔してはりましたえ?」

 

粋「Σぐ!
お!お前だって捕まってんじゃねえかよっ
普段神速とかなんとか言ってる癖に!」

つつじ「わてはあんさん等を担いで逃げるん無理、と判断したんで 
エモノ持ってあえて同行したんどす。」真顔っ


与一「さすが元アサシン
冷静だ」おおっ

 

 

粋「同行って
つか此処鬼門の中だよな?

真っ暗で何も見えねえんだけど。
あ、灯りつけ
石燕「Σしっ! 火はダメっす」

粋「へ?なんで?」

 

 

石燕「あんた等には見えないかもしれないっすが

化物の存在自体を映すのがあっしの目っすから。」冷や汗っ
 
与一「へ?何か居るのか?
 鬼門の中は妖気が充満していて どれがどれやらなんだが」きょろっ

 

 

石燕「例えるなら

夏場の暗くてジトジメっとした山奥の 池のほとりのヤブ蚊の様な。」

粋「Σ居るどころじゃねええ!!」ひええっ

 

 


石燕「大声もヤバいっすよ
この数に一気に来られたら さすがにどうにもなんねえす」

与一「だな。 鬼門内では化物の能力は格段に上がるしな」冷や汗っ

 

 

粋「あの 与一って特殊な霊体だよな?
お前は鬼門の中でパワーアップとかしてねえの?」

与一「弓使いに暗闇で何を期待する
一応 ほれ 鬼門パワーで実体化してるから普通に物は触れるぞ」ぐいぐいっ

 

石燕「いやアンタ はぐれない様に袖掴んでるだけっすよね?」

 

 

粋「Σつっかえねええ!!」あもうっ

 

与一「Σうっさい真っ暗な中で迷子になったらそこそこ厄介だろ!!
お前こそ! 魔王の弟の癖に何かパワーアップしとらんのか!」むかっ

粋「俺に妖怪としての何を期待するってんだよおお!!」うわああっ

与一「Σなんかすまーん!」

 

 

つつじ「あんさん等
静かにせい言われた所やろ。

暗闇でフクロにされたいんどすか?」

粋・与一「Σはっ!!」口塞ぎっ

 

 

石燕「どうしやしょ?

あっしが与一さんを憑依させて 与一さんに『目』だけ貸すって事も出来るっちゃ出来るんすが」ちらっ

 

つつじ「せやなあ。
それも悪くは無いんやけんど

何せ数が数や。 
鬼門の中なら 怖いヒト等がおるのは当たり前。

ただの通行人、住人なら下手に怒らさん方がエエとは思いますえ?」

石燕「それはそうなんすけど」うーん。

 


つつじ「ただ。なんや明確な殺意持っとる人もおるみたいやけんどな。」

粋「Σえ。」きょろっ


与一「Σどどどどこに!?
あああ何も見えん!」ひええっ


つつじ「石燕はん。ちょいその子黙らせてえな
集中削げるわ」むう。

石燕「Σあっすいやせん」びくっ

 

 

与一「え?殺気って此処は空気全てがピリピリしておるのだが?
なんであいつは解るのだ!?
鬼門にそんなに慣れているのか!?」あわあわっ

粋「いや慣れてんのは鬼門じゃねえっつーか。」えーと。

 

つつじ「元アサシンやからなあ。
見えへん所での命のやり取りは慣れとるんどす

鬼師匠に 目に頼んなと目隠しされた上で任務こなしてこいとかやられたりもしたしなあ。」遠い目っ

 


石燕「あの、なんでそんなで 今普通にお役者さんしてるんすか? 」困惑っ

つつじ「ん?

そや、わて以上に荒んでグレた危なっかしいお人がおったからやろな。

 

いや やたら懐っこい癖に1度暴走するとホンマ後先考えへん。
大丈夫やろかと 関わっとったら なんやこっちのがオモロそうやなー?と。」

 

 


与一「確実にお前の事だな。」

粋「え?俺 そこまで?」ええー。

 

つつじ「まあ、こっち側に来るに辺り
一族やらお師さんやら まとめて裏切る事になるから ちょい覚悟行ったけんどなあ」

石燕「ちょいなんすか。」困惑っ

 


つつじ「ま、わてかてアホと違う
その辺お宅のお兄はんにも 相談したんどすえ?」

粋「Σへ?そなの!?」


つつじ「せやで。
そんで 大人なんだから自分の事は自分で決めろて スパーンと言われてスパーンと出奔したわ」けろっ

与一「本当に 心の底からそれしか考えてなさそうな言葉だな。」ああうん。

 

粋「Σうちの兄貴 あっちやこっちで人の人生左右し過ぎてねえ!?」ひええっ

 

 


つつじ「そらあんさんもや。いやホンマ おっそろしい兄弟やわあ。


と言う事で お客はん。
楽しんで貰えたやろか?」

 

一同「Σえ!?」

 

 

 


ずるりっ

 

どさっ どさどささっ

 


ごとん。

 

与一(Σ切り刻まれた何かが崩れ落ちる音が!!)ひええっ

 

石燕「Σいつの間に!?」ひええっ

つつじ「せやから『神速』の二つ名有る言うてるやん。

けんどまあ 今のわては神速のアサシンやのうて役者やからなあ
普通に斬るんやオモロないやろ?

芸はきっちりお見せせな」にやっ。


粋「普通のアサシンよりタチ悪くなってね?」えー

 

 

つつじ「せやろか?

ま、ええわ
お人か化物かは知らんけんど これで殺気はのうなったわ。

さーて出口捜し

Σぐぼはあっ!?」


どんがらがらどしゃーん!!!


石燕「Σつつじさーん!?」ひええっ

与一「Σ何だ!?害意の有るのが他にも居るのか!?」ひええっ

 

 

 

彬羽「成る程。

確かに 鍵はかけられていても
鬼門の向こうが あいつ等が連れてかれた所に繋がってる事は間違い無いと」


門の瓦礫しゅううううっ。

 


白「だな。 鍵が開かないなら強行突破だ」うん。

テオドール「さすがに御座います!

あ!粋さん達おられました
ドンピシャに御座いますね」わーい。

 

 


与一「いやあの」えっと。

石燕「救出はありがたいんすけど」冷や汗っ


白「ん?」

 


つつじ「あんさん等 もうちょい丁寧に生きれんのか」よろろっかはっ!

 

彬羽「Σんなっ!お前がそんなボロボロに!?
いったいどんな奴に

つつじ「Σおどれじゃ馬鹿力がっ!!」うがあっ!

 


テオドール「ありゃ。巻き込み事故に御座いますか?」

白「案外どんくさいな」 

 

つつじ「Σ多少なりとも避けたからこれくらいで済んどんのどす!

お宅の副官のぶちかましモロに食らったら 内臓ふっ飛んどるわ怖いわホンマ!!」うがあっ

 

与一「あ。元気だな」ほっ

石燕「さすが元アサシン
さすがっす。」ぱちぱちっ

 

 

粋「いやあの
救出は良いんだけど その、


此処って明るいとヤバいんじゃ無かった?」冷や汗っ

石燕・与一「Σあ。」

 


白「ん? 暗いと不便だろ」火の玉ぼぼぼっ

テオドール「おや?
何か変なのがわらわら此方に」おやまあ。

 

 

彬羽「問題ない。

鬼門の中では『化物』は能力が増すからな」

 

つつじ「せやな。 ほな後は任せたわ
化物大将」タッチ。

白「だな。

よし お前ら 鬼門閉じて伏せてろ」

テオドール「鬼門の扉は彬羽さんが破壊しまして御座いま「よし、外で伏せてろ。」

 

 

与一「Σ巻き込まれるぞ 逃げろおおお!!」ひええっ

粋「Σ石燕!晴明印の防御符とかねえの!?」ひええっ

石燕「あるっちゃ有るっすけど

ん!? ちょ アンタ
微妙に避けたとは言え 鬼門ブーストかかった彬羽さんの1撃受けて何で生きてるんすか!?」えええっ

つつじ「元アサシンやから ちゃうの?」

石燕「Σいやさすがに無理が有るっす!!」えええっ

 

 

テオドール「良いからお早く!

ただいまに御座います 伏せて下さいませええっ!!!」ずざざざっ!


皐月「おーおかえり。

やから 壊すのんは鍵だけにせーちゅったんやで」座布団かぶり伏せっ

 

 

 

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