小咄

小咄

くろねこ太郎の落書き部屋 小咄ページです

10月16日

 

 

 

彬羽「涼しくなって来ると こう言うのが沸いてくるな」眉間に皺っ

千様「なにー? 家庭内害虫?」

 


彬羽「家庭内害虫のビラって何だ。
あ。床下に毒団子仕掛けてるからな
拾って食うなよ手前」

白「俺を何だと思ってるんだ」むう。

 


テオドール「で、結局何のビラなんで御座いますか?それ」背伸びっ

 

 

 

 

間。

 

 

ざわざわっ

 


粋「ん?何ここ

普通の飯屋じゃね?」きょろっ


店員「へい らっしゃい!!
空いてる所座ってくんなっ」


テオドール「で御座いますねえ
またフランクな感じの
Σうお 申し訳ありませんっ」どんっ!

客「おう 外人さん
入り口で止まんなよ」ったくよー。

 


白「流行ってるみたいだな。

なんだ、他の店の偵察か?」きょろっ

彬羽「そんなでわざわざ手前等に声かけるか。

少し気になる噂が

 

白「とりあえずお任せで。」

店員「お!お初の人だね
はいよお任せ1丁!!」

 


彬羽「人の話を聞け」

白「食べ物屋に来たなら食べなきゃ失礼だろ」もぐもぐっ

粋「Σもう何か食ってるし!!」

白「隣の席の知らないおっちゃんがくれた」

テオドール「Σ色々お早い!!」ひええっ

 

 

粋「あーでも 言われてみたら確かにそうか

おっちゃん俺もお任せで」

店員「はいよっ!」

 


テオドール「あの、呑気にご飯でよろしいので御座いますか?」

粋「何も注文しねえで摘まみ出されたら元も子もねえだろ?」


店員「へいお待ちっ」

粋「Σうおはやっ!

で、ここに何の用なんだよ カラス」

 


彬羽「いやな。
最近この店で 出された料理が激辛の物とすり替えられると言う事件が

粋「Σごふっ!!」

 

店員「Σうおおまたか!!」ひええっ


お客一同「Σ!?」ざわっ!

 

 

 

白「?

俺の何ともないぞ?」もぐもぐっ

テオドール「相手を選ばれるのでしょうか?」ふむ。

 

彬羽「粋の奴と同じ物か。

やはり 途中ですり替えられていると」ふむ。

 

粋「Σいや冷静に調べんな!!
水くれ水!!」げっほげほっ

 

 

店員「Σあああお客が逃げちまった!!
商売上がったりだ!」ちくしょおおおっ

粋「そう言う問題?」水ぐびーっ

 

 

 

テオドール「こう言うお店はお値段第一。

数が入ってなんぼで経営されておりますので
サービス等まで求めるのは酷に御座いますよ」

白「お前よく知ってるな」へー。

テオドール「ひなさんが仰っておられましたので。」


彬羽「うちの職場はそんな安さが売りでも無いんだがな」複雑っ

 

店員「言われる通り
数入ってなんぼなんで 正直キツイ

あ、水おかわりどうぞ。」ため息っ

 

 


白「でもおかしいな。

俺とコイツ同じの頼んだって事は鍋とか同じだろ?

なのに片っ方だけ辛いって
そこから出てくる間にすり替えられたのか?」はて?

店員「すり替えるって
見た目同じなんですがねえ。」うーん。

 


テオドール「わざわざパッと見わからない様に作っている 愉快犯でも居るので御座いましょうか?」

彬羽「居たとして どうやって厨房から ここまでの間にすり替えるんだ?」


テオドール「え? 

あ、つまりそれは」

 

 


粋・テオドール(また ワケの解らん怪異か。)うわー。

 

白「あれだけ人居ると
何か紛れてても良く解らないしな」なる程っ

店員「あの? 何の話で?」困惑っ

 


彬羽「同じ飲食店勤務として 見過ごしておけん。

こう言うしょうもない事をする奴は取っ捕まえなきゃならんだろ」

テオドール「なる程。そう言う事で御座いますか」

 


白「じゃ、ちょうど他の客逃げたし。
今何か注文したら 辛いのになる時何が起きてるか見易いな」


粋「ねえ、なんで俺を見んの?」嫌な予感っ

 

 

彬羽「忘れたか。手前の兄貴はお子様舌だ」

粋「Σ兄貴 辛いのダメだったの!?」えええっ

白「ダメじゃない。嫌いなだけだ」真顔。

テオドール「あまり追及しないであげて下さいませ。」

 

 


粋「えー。
確かにいつもワサビとか付けねえけど 好みの問題かと思ってた

え?カラスはよ 言い出しっぺだろ?」

彬羽「すまん。一応板前なんで、舌をバカにするわけにはいかん」

粋「Σう。確かに!


えーと。 一応聞くけど テオは?」チラッ

 


テオドール「未成年の内から辛い物を食べると頭パァになると申します故」にこっ。

粋「Σまたんな事ねえよと強要しづらい言い回しを!!」

 

 

白「大丈夫だ お前なら行ける。
頑張れ囮。囮慣れてるだろ
後 なんかやらかす奴もお前相手ならやりやすい」どやっ

粋「Σやる気マイナスになるから 兄貴は黙っててくんねえ!?」ああもうっ

 

 

店員「あのー、とりあえず料理持ってくれば良い感じで?」

テオドール「おお。適応力のある御方で助かります

あちらの茶髪の方へお願い致します」

店員「はいはいお待ちを!」すたたっ


粋「Σうおお引っ込みつかねえ!

くっ!やってやるよ畜生っ」ううっ

 

店員「へいお待ち!!」お盆どんっ

粋「Σう 早いっ

ま、まあそんないきなりって事も無いだろうし
まずはリラックスして」 

 

ぱくっ。

 

 

粋「Σーーーーッ!!!!」

床ごんごろごろっ!


テオドール「なぜに自ら解りやすいフラグを立てられるので御座いましょう」

 

彬羽「こちらとしちゃ助かるがな。

おい、見えたか?」

白「んー。 石燕でも連れて来た方が良いかも?」


粋「Σまさかの仕切り直し!?」げっほごほっ!

 


彬羽「いや さすがに俺も考えて来てるからな。

鏡子頼んだ」

手鏡すっ。


鏡子「はあーい

怪異の元をくっきりハッキリ写せばいいんですね」どろんっ

 


店員「Σえ。鏡の中に女の子!?」ぎょっ


白「気にするな
実はコイツの裏の顔は祓い屋なんだ。」

粋「Σまた俺!?」えええっ


店員「Σえ。すごっ 絵草紙みたいで格好いい!

ああそんでうちの店に!成る程そう言う事で!!


是非とも解決お願いします!!お礼ははずみますんでっ」

粋「Σえ。あのっ」えええっ

 

 

テオドール「あー。絶対に断れなくなりましたね。これは」おやまあ


白「って 俺が丸投げする所まで読んで鏡子出したろ。」

彬羽「手前は面倒なのは大概弟に投げるからな」ふふんっ


テオドール「彬羽さんもそう言う所さすがに御座いますねえ

 

はい。ではテイク2で御座います」


店員「へいどうぞ!!」お盆どんっ

粋「Σあの これいちいち食べなきゃダメ!?」

白「じゃなきゃ辛いか解らないしな」うん。

 

粋「Σあああ店員が縋る様な目で見てる!!

 

ああこうなりゃヤケだ!こんだけ注目されてて んな連チャンで来るわきゃねえええっ!!」

ばくっ!

 

 

粋「Σもがーーっ!!!」じたばたっ

 

白「安定の変なのホイホイだ。

鏡子。」

鏡子「はいはーい。 あの辺ですね
せいやっ!!」鏡ピカッ!


店員「Σ写すって鏡にじゃ無いんですか!?」えええっ

 

 


どろんっ


幽霊「ああ これなら新メニューに調度いい」わくわくっ


テオドール「Σなんで御座いますか!?この影の薄い幽霊!」ぎょっ

鏡子「めちゃ影のうっすい人だったんで ピント合わせてどうにか見える様にしましたー」ふう。

 

白「あ 控え目過ぎて見にくかったのか。

なあ影薄いの お前何してるんだ?」


幽霊「え? 手製の七味と一味をかけてます。」

唐辛子ばっさばっさ。


粋「Σそりゃ辛えわ!!」げほおっ!

 


彬羽「本体だけならともかく
唐辛子まで一緒に霊体になってるとか有るのか?

いったいどんな理由があってそうなった」

 

店員「Σくおらあんた!!
人の店で何やってくれてんだ!」

幽霊「はい?ここはうちの店ですが?」

 

 

テオドール「ん? 元ここにあったお店の方とかで御座いますかね?」

鏡子「みたいですねえ。
なーんか 結構昔の事みたいで 記憶も姿もボヤけてるみたいですけど。」あらまあ


白「それで影薄かったのか。

なあ、お前 辛いの人に食わせたかったのか?」


幽霊「辛いの?

ええそりゃもちろん!」にこっ

店員「Σだから何でだよ!!」

 


幽霊「いえね。巷じゃ流行りでしょ?
辛い物って体をあっためるんですよ。
ほら、秋だし これからだんだん冷えてくる
私はお客さんに うちで飯食ったら暖まって帰って欲しかったんですよ」遠い目っ


粋「Σえ。まさかのいい話!?」口ひりひりっ

 

 

幽霊「ただその

昔から私のやる事は地味とか 面白くないって言われてたんで

ちょっと頑張ってサプライズで唐辛子ドバーッとか やったらウケるかなー?とか思ってウキウキしてた矢先

厨房で滑って転んで打ち所が悪くって」あっはっは。


テオドール「普通にクレーム案件に御座いますそれ」引。

白「普段普通すぎて 変な事したらウケると思っちゃったんだな」ああうん。

 


彬羽「その、料理人として 客を喜ばせたいと言うのは解ったが。

つまり その唐辛子入りの物を食って貰えなかったのが未練で
そんな薄くなるまでこの世に留まってたのか?」困惑っ

幽霊「ですね。」きっぱり


鏡子「あー。成る程 
冗談ド下手なくらい真面目な方なんですねえ」ほうほうっ

 


粋「あの、俺食ったんだけど。

なに?あれじゃダメなの?」ひりひりっ

幽霊「え?あー だってほら
ちゃんと食べて貰って無いじゃないですか」

粋「へ?」

 


店員「Σ確かに!
ぱくっでドターン!とか

作った者としては 1口でも残されるとスッゴいモヤるのに!!」はっ

幽霊「Σおお!解って貰えますか!!
それ!そうなんです!!」うんうんっ

 

テオドール「ん?あれ?

これってつまり」おや。

 

彬羽「完食しろって事か。」チラ見っ

唐辛子てんこ盛りっ


粋「」

 

 

 


白「・・・行けるか?」えっと。

粋「ふっ。
俺を甘く見んじゃねえよ」ふふふっ


彬羽「Σばっ! あんなの食ったらまた腹下すぞ!!」

粋「Σ問題ねえ! 

よっしゃこれでようやく1個 兄貴に勝ったああ!!」 

丼がしっ。

がしゃがしゃ掻き込みっ!

 


テオドール「Σひえええ あの真っ赤な丼飯を!」ぞわっ


鏡子「あの 唐辛子で見えなかったんですが
あれ 何丼なんです?」

店員「優しい味わい 親子丼です。」


白「優しさ 真っ赤に染まってるな」うわ。

 

 

 


幽霊「Σあああついに完食されたっ!!

感想は!?」わくわくっ

粋「・・・あ、あづいっ」げほっ


幽霊「暖まったと!!
あああ良かった!」

 

きらきらきらっ!

しゅおおおおっ

 

テオドール「Σあ。成仏なさいました」

鏡子「自力で閻魔さんの所に行く方 珍しいですねえ」あらまあ。

 

 

店員「助かりました!ありがとう祓い屋さん!
なんか思ってたのと違うけど!!」感謝っ

粋「良いから み、水うっ!」かはっ

 

 


彬羽「ホントに完食しやがった。」うわ

白「俺はあいつなら行けると思ってたけどな」ふふんっ

彬羽「は? なんだいきなり
押し付けといて兄貴面か?」えええっ


白「そうじゃなくてな。

前に俺がワサビ嫌がってた時 魄哉が言ってたんだ

『辛いのは痛いのと同じ感覚』だってな」

 

彬羽「・・・あー。」納得。


白「あいつ普段から痛い目に遇いまくってるし
痛いの慣れてるから平気かなって」どやっ

彬羽「確かに手前は 診療所の採血すら暴れまわって嫌がるしな。」成る程っ

 

 


鏡子「その痛い目に遇わせてるの 主に白さんなんですけどね。」

テオドール「そこは反論致しません

しかし心底 そう言うのが似合う方では御座いますよ」ほら。

 

 

店員「ありがとう御座います!
ちょい経営苦しくて今現金はアレですが
こちら うちの丼無料券となってますので!!」

粋「Σごめん 丼はもう嫌だああ!!!」ひえええっ

 

 

 

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