小咄

小咄

くろねこ太郎の落書き部屋 小咄ページです

10月7日

 

 


【市】

 

大道芸人「さあさあお立ち会い!!
取り出しましたる この瓶の水!!」

 


彬羽「なんだありゃ」

庵「あーなんか今流行りの

まあ手品みたいなもん?
猛毒だったはずの水を飲んでもはい平気ー。みたいな奴」


彬羽「Σ劇物扱ってるのか!?なんでそんな毒物の営業許可出てんだ!!」げっ


庵「無許可だと思うよ

そんな事より 早く醤油と米とえーと後なんだ? あ、料理酒買って店戻らないと」ほれほれっ


彬羽「Σ良いのか!? 放置で良いのか!?」えええっ

庵(重い物ばっかなのスルーはさすが。

いやー 馬鹿力助かるわー) すたすたっ

 

 

 


ーーーーーーーーーー

 

 

 

野次馬ざわざわっ

 

彬羽「で、結局 お上に見つかって監査が入る事になったらしいんだが」

 

役人A「んー?ただの水だな」金魚鉢にちょろちょろっ

大道芸人「ですから 普段からヤバイ薬なんて使ってませんて」はははっ

役人B「いやしかし
お前が水を注いだ鉢の植木がみるみる狩れたと言う話「手品です。」

 


粋「Σえ その場で枯れるってどんだけ!?怖っ!!」ひえっ

彬羽「だな。
パッと見で解る方がウケがよく それだけ儲けになるのは解るが」うーん。

 

テオドール「で?その猛毒を売ってるので御座いますか?」きょとん。

彬羽「いや 売ったらさすがにとっくに檻の中だろ」

 

粋「普通の水とすり替えて一気飲みしてお捻りとかそっち?」

彬羽「だな。毎度荒稼ぎしてるらしいぞ」

 


テオドール「成る程
センセーショナルであればある程儲かると。

悪い事はしていなくても 素人がかような劇物所持。
それはそれで問題に御座いますねえ」ふむ。

彬羽「俺が見る限り違法薬物だったがな」

粋「Σうおさすが現役医師のイトコ!」ひえっ

 

 

 

大道芸人(ちっ!何処の誰だよチクったのはよ

さて、役人共が見当違いの所を探してる間に)


どんっ。


白「あ。ごめん」

大道芸人「いてっ 気を付け

Σあ!いや 良いんですよ すんません前見てなくってー」へらっ

 

 

粋・テオドール(あ。今確実に薬物スッた。)

 

 

大道芸人(Σん!?あれっ!?

Σまさか今の奴!!)はっ

 

 

粋「あの、カラス

ひょっとして兄貴に頼んだ?」

彬羽「団子3本でな」

テオドール「やっぱお上にチクったの彬羽さんに御座いますよね?」

彬羽「あんな物 素人に持たせてたらロクな事にならんしな。」きっぱり

 

 

大道芸人「Σ待てこら そこの白髪!
お前今何した!!」肩がしっ

白「何の事だ?」しれっ

大道芸人「Σしらばっくれるな
懐の物出してみろ!!」うがあっ

 

 

飴玉おはじきばらばらばらばらっ

通行人「Σ!?」どよよっ


粋「Σ兄上 飴玉そのまんま懐に入れてんの!?」ひええっ

 


白「後これか。」財布どすっ

大道芸人(Σ持ち物アホの癖に持ってんなあ!!)ひえっ

 


白「後 コレ。」センスすちゃっ

大道芸人「Σうおおすんません!すんません!
間違いでした!!ホントすんませんっ
悪かったから 小太刀みたいに首に当てるのやめてえええ!!」ひええっ

 


役人A「おーい。役人の前で喧嘩すんなー」困惑っ

役人B「またアンタか。
あんま派手にやんなよ」ホントにもー

白「出来るだけ頑張る」うん。


大道芸人「Σ役人と顔見知りって何この人!!

じゃなくて!」きょろっ

 


粋(Σあれっ?
兄貴がスり取った劇物は!?)はっ!

テオドール「あ、それなら此処に」指さしっ

彬羽「あの野郎ホント器用だな。」手の中に小さな巾着袋っ


粋「Σいつの間に!?」えええっ

 


テオドール「さっきあの芸人が 
お前だろうと 我が主の肩掴んで振り返らせたで御座いましょう?

その振り返り様に 指先でピシッと弾いて彬羽さんにパスしたので御座いますよ」


粋「Σどこのプロだよ!
つか受け止めるカラスも凄え!!」ひええっ

彬羽「慣れた」きっぱり。

 

 


大道芸人(え?となると落としたか?
うわマジか あれだけ即効性有るのめちゃ高いんだぞっ

くっ!水に溶かしたのもまだ有るっちゃ有るが
この状況だと川にでも流した方が いやさすがに全部無くすのは

どうにかして持ち出せねえ物かっ) チラッ

 

役人A「お?こっちにも瓶があるな。」

役人B「ん?全部出せと言っといたのに 怪しいな

よし。金魚だ金魚。」金魚鉢よっこらせっ


大道芸人「Σうおわ!すみませんっ
急だったんでそっちの忘れてましたっー!!」

 

 

白「ん?あっちのって」

彬羽「さっき見せてた『本物』の方だろうな」

粋「Σ本物って

うおお金魚のピンチ!!」うわああっ

 

 

ぱしゃんっ!


大道芸人「うおおお!金魚が跳ねたっ」ひいっ

役人B「んなビビらんでも。」

役人A「元気よくなきゃ 試しに使えんだろ」

 

 

白・彬羽・テオドール(金魚に注目を集めて 隣の瓶と入れ換えた。)

粋「なんで皆普通に見えてるぽいの?」ねえ。

 


白「普通に解る」しれっ

彬羽「手品の基本だろ」うむ。

テオドール「吸血鬼の動体視力に御座います。」キリッ

 

粋「皆人外バリバリだからなんだな。」ああうん。

 


白「お前も半端な人間とっととやめろ
そうすりゃ早い」

粋「Σ好きで半端者やってんじゃねーわ!!」

 

 

テオドール「人間ハーフは大変に御座いますねえ。

おや。あの役人さん達も気付かれておられない様に御座います」

彬羽「金魚は助かったがな。」うーん。

 

白「俺もっかい行くか?」

彬羽「手前は目立ち過ぎる
今度は俺が行くか」ふむ。

 

テオドール「彬羽さん
ご自分の身長考えて下さいませ。
あなた様は初詣の神社で目印になるくらい目立つ御人に御座いますよ」

彬羽「Σはっ!」


テオドール「ここは私が」

白「お前どんくさいし不器用だろ」

テオドール「Σあ」はっ!

 


粋(半端じゃない妖怪全開でもこんなんなんだよなあ。)うーん。

 

 

白「仕方無い

作戦。細かい事は気にするなで行こう


あ、ごめん当たった」


どん!

ばしゃあっ


大道芸人「Σああああ!!」


役人A「Σこらああ!!
ウロウロすんじゃないってば!」

白「ごめんごめん うっかりだ。」


役人B「さてはまた迷子か!
ほれアンタの職場はあっち!
真っ直ぐ行った所だっての」ほんとにもー

 

粋「Σうお兄貴凄え!
顔見知りなのを良い事に
役人の前で証拠隠滅

Σいやこれはこれでダメだろ!!」


彬羽「確かに あの芸人をしょっぴかせんと危なくて仕方がないと言う話だしな」うーん。

テオドール「いっそ 仕事用具の中に其処らの御客の財布でも捩じ込んできましょうか?」

彬羽「やめろ。可能だろうがお前まで罪を犯すな」


テオドール「吸血鬼って元から悪魔の1種に御座いますので
別に罪の1個2個 
彬羽「見てみぬふりをしたこっちがキツいん ホントにやめろ。」

 


テオドール「ちえーに御座います
ジャパニーズは繊細に御座いますね」ふんっ

粋「西洋が誤解されるから 1括りで言うなよ そう言う事。」引。

 

 


大道芸人(Σうおおめちゃ減った!凄い減った!!
おのれあの白髪っ さっきからちょろちょろと

ん? 待てよ まさかあの野郎。この薬が高級品だと知って?

目的は何だ嫌がらせか!?

 

と、なれば!!)

 

 


役人A「えーと。瓶は後何個だ
ちょいそこの貸してほら」

大道芸人「あ、はいはい。
ほいでは順番に。

(馬鹿め! 横のただの水のと入れ換え入れ換え
最後ダレてきた頃に 本物とそっちのただの水を摩り替えてやるわ! プロなめんなよ!!)」

 

白(ん? 気がついたのか。

向こう役人居るし こっちに背中向けてるしやりにくいな)むう。

 


粋「Σやべ。バレたっぽい」

彬羽「ふむ。相手も馬鹿じゃねえか」

テオドール「あーあれは正攻法では難しゅう御座いますねえ」

 


白「あ。躓いた」


がしっ。

粋「Σえ」


白「おっとっと。」

ぶんっ!!


粋「毎度毎度かよおおおお!!」どちくしょおおおっ

 


大道芸人「Σぎゃーっ!!」

瓶ごとがっしゃん!


役人AB「Σこらああああ!!」

白「ごめんごめん

調べた後の瓶 其処らに転がってるから躓いた」しれっ


役人A「Σう。

それはこっちも悪かったが」

役人B「あのな。
そもそもそこから入っちゃいかんからな?

ワシ等仕事してるんだから大人しくしててくれんかな?」あーもう

 


テオドール「まあ正攻法使われる方では御座いませんし。」うん。

彬羽「アレで許されるって
あの野郎 普段何やってんだ」冷や汗っ

 

 

 

 


大道芸人(やややばっ!!
隣のが毒入りだぞ!
こんなのかぶったら体が溶ける) 心臓ばくばくっ


粋(あただ。

兄貴、さすがにヤバいのどれかくらいは解って突き飛ばしてるよな?) 一抹の不安っ

 

 

役人A「えーと。偉い割れたな
コレ調べる意味あんのか

じゃあ次そっちの」

大道芸人(Σやべっ!いきなり向こうのと摩り替え!?

うおお距離有る距離有る!!)ひええっ


 

がしっ。


大道芸人「Σえ」

 


白「色々迷惑かけてごめんな。
持つの手伝う 重いだろ」しれっ。

大道芸人「Σこんの白髪ああああ!!!」ちくしょおおおおっ

 

 

役人A「えっとあの
確かにちょろちょろウザかったけど
事故だしね?事故」どうどうっ

役人B「今回はまだ 誰も頭もアゴも割られて無いしなあ」

大道芸人「Σ瓶ならガンガン割られとるわ!

てか何!? アゴや頭って何!?
なんでコイツしょっぴかねえの!?」えええっ

 


役人AB「毎度 割られる方がやらかしてる 

 

から?」おや?

大道芸人(Σ墓穴掘ったー!!!) 

 

 

役人A「アンタちょっと それマジで見せてみなさい
はい。床に置いて」

役人B「あ。小細工するなよ
はい。そのままそっと置いて 手は上に!」

大道芸人(Σいきなり調べが厳しくなった!
やべえ 摩り替えとか無理無理っ!!)

 

 

白「ふっ。」どやあっ

大道芸人(こいつ!

まさか 全て計算どおりだとでもっ!!)背筋ぞわっ

 

 


彬羽「偶然うまく転んだパターンだなありゃ」

テオドール「さすがと申しますか。」おやまあ

 

 

役人A「こら 早くそこ置きなさいってば」

 

大道芸人「いやその、これ商売道具ですし

沢山割れた後ですしそのあのー」

役人B「いや壊さないから
ほれ 中の水を金魚ちゃんの鉢にちょっと入れるだけだから」


大道芸人「ほんとですかー?
大事な商売道具なんですよー
やだな。欠けたりしたらやだなー」うだうだっ

 


テオドール「時間稼いでどうする気に御座いましょうかね?」

彬羽「それを今考えてんだろうな」

 


大道芸人「てかこれ 割れたの弁償ってして貰えますよね?
取り調べで壊れたんですし」

 

役人A「Σえ。それはっ」ぎくっ

役人B「Σ割ったのワシ等じゃないだろ!!
え?知らんぞ 始末書とか書きたくないぞ!?」えええっ

 

粋(相変わらず 公務員は責任に弱えなあ。)あちゃー。

 

 

白「面倒だから もう本人に中身飲んで貰ったらどうだ?

毒じゃないなら飲めるだろ」

大道芸人「Σえ」

 


彬羽「Σしまった!あの馬鹿 面倒臭くなりやがったな!!」うげっ

粋「Σえ!え!?どうすんの!?」あわあわっ

テオドール「お帰りなさいませ

ヤバいと解ってて飲む事は無いとは思いますが」うわー。

 

 


役人A「ん?飲めんないのか?」

役人B「ほう。

よし金魚ちゃん覚悟してくれ」南無。

大道芸人「Σえ。ちょ 違っ!」

 

白「じゃあ飲め ほれ」

大道芸人「Σうおおやめて傾けないで!!」ひええっ

 

白「問題ないなら飲めるだろ」ぐいぐいっ

大道芸人「Σわー!わー!!
すんませんムセるタイプだからっ
自分のペースで飲ませてえええ!!」ひええっ

 

役人AB(あ。これ黒だな) ああうん。

 

 

旅芸人「お?何の出し物ですかな?」ひょこっ

旅芸人の娘「Σあ!お水売ってるの!
よかったー 長旅で疲れちゃって
おっとう 払っといてー」

 

 

ばしゃごくんっ。

 

一同「Σあ」

 

 

 

 

彬羽「Σ医者を呼べええええ!!!」くわっ

粋「飛天んんんーーーっ!!」うわああどたばたっ

 


大道芸人「おまっ!腹がただれて死んじまうぞ嬢ちゃん!!」うわああっ!

旅芸人の娘「Σえ。」


役人AB「Σマジかああ!!」うわああっ

 


旅芸人「へ?

え?」顔面蒼白っ

テオドール「えっとその
えー 説明し辛い


ん?

何をされておられるので?」

白「いや。いきなり掬って飲むからタイミング狂って」えっと

 

ばっしゃり。

テオドール「・・・思い切り 劇薬の水に手突っ込んでおられませんか?」冷や汗つううっ

 

 

役人A「うおおおどどどうしよう!?」あたふたっ

役人B「いや待て

嬢ちゃん 何も変化がねえぞ?」ん?

大道芸人「Σへ?なんで!?」

旅芸人の娘「さ、さあ?」えっと。

 

 


テオドール「え?どういう事に御座いますか!?」

白「お前がどういう事だ」五寸釘白羽取りっ


テオドール「この際お腹を裂いて 悪い物を全て取り出そうかと「西洋の童話じゃないから普通に俺がくたばるそれ。」

テオドール「いえしかし

狼と七匹の子やぎでも 狼は腹を裂かれた後縫われて普通にしておりましたし。
まあその後井戸に沈むので御座いますが」錯乱っ

白「結末ダメだろそれ」

 

 

彬羽「Σそう言う事かっ!」はっ


白「どういう事だ?」

 

彬羽「水だ水!!
やたら沈むんで忘れてたが

お前 本来は水神だろ

無意識に毒水浄化したんじゃ無いのか!」

白「Σえ。俺そんな出来るのか!?」

 

テオドール「えっと、状況からするとそれしか無いような?

 

マジで御座いますか!?さすが我が主殿に御座います!!

またも奇跡を起こされたので御座いますねっ!」感激っ

 

白「受け入れ早すぎだろお前。」ええー。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 


【常春の里】

 


朔日(だから 何で私達 創世の神の一族でもないのに そんなポンポンあれやこれや出来ちゃうんだ この子はっ。)頭抱えっ

 

 

夕霧「また千里眼?」

旭「だな。
千里眼でなんぞ覗きしてたと思ったら 無表情から頭抱え出したなー

王手。」将棋ぱちっ

夕霧「Σえ。嘘っ」

 

 

翡翠「あのー
何をそんなに悩んでおられるので?
私で良ければお話をお聞きしますが?」


旭(覗きの内容を女に話したらさすがに退くわ)


朔日「旭?絶対何か勘違いしてるよね?」

旭「何を?」しれっ。

 

夕霧「あーもう!もう一勝負!!」うがあっ

翡翠「Σお前等少しは 我らの王を心配せんか!!」

 

 


朔日(そういやあの子 前に私と同じ先読みの能力も発現して無かったか?

ん?あれは結局どうなったんだ。
一時的な物だったのか?
え?何がどうなって?) 再び千里眼

 

 

 

 


白「ん? あれこれ何か前に見たような」あれっ

 

彬羽「ん? 自白してしょっぴかれてる芸人をか?」

 

役人A「はい。続きは番所で聞こうなー」

大道芸人「ううう!人の命取っちまわなかっただけ良しとすらあ!」どちくしょおおおっ

役人B「お前も良かったな 金魚ちゃん。」ほっ

 

 

白「んー。最近変な夢よく見るんだよな

起きたら忘れるけど」

テオドール「夢なんてそう言う物に御座いましょう」あははっ

白「それもそうだな。」あっさり。

 

 

 


朔日(先読みした上 即座に忘れまくってるのかっ!) 脱力っ

翡翠「Σ本当に大丈夫なのですかあっ!?」ひええっ

 

 


朔日「ダメだ まだまだこの世は不思議に満ちている
私程度じゃ理解が追い付かない。
でもって私ももっとパァならよかった」ずーん。

翡翠「Σ申し訳御座いません!一族の頭がパァだと私達本気で困ります!!」

 

 

夕霧「いや何覗いたらそんななんの?」引。

旭「ワケ解んねえけど もう覗くのやめろよアンタ。」

 

 

 

くろねこ太郎の落書き部屋 [フォレストページ+] 夢小説対応・簡単オシャレな創作サイト作成サービス <サイトトップへ戻る