小咄

小咄

くろねこ太郎の落書き部屋 小咄ページです

6月22日

 

 


【峠の茶屋】

 


テオドール「あのー 暑く御座いませんか?」


白「暑い。」むっすー。


茶屋の娘A「何あの派手な人」ひそひそっ

茶屋の娘B「お役者さんだって
ほら ちょいちょい騒ぎ起こしてる有名なあの白髪の」

 

茶屋の娘A「あー!この前瓦版で見た見た
盗賊に絡まれて逆に身ぐるみ剥がして役人に怒られたっての!」はいはいっ

 

 


粋「そこそこ町から離れてるのに マジで有名人だな兄貴」へー。

白「そこそこ離れてるなら こんな着込まなくても良くないか?」扇子ぱたぱたっ

粋「イメージが命の商売だろ
そこは手を抜くなよ」

 

 

彬羽「見てて暑苦しい」生ゴミ見る目っ。

テオドール「まあまあ
確かに今日は陽射しがキツう御座いますからねえ
私も日傘必須に御座いますよ」はーやれやれっ

 


茶屋の娘コンビ(あー 芸人の1団かあ。)成る程。

 

 

粋「な?この方がかえって怪しまれねえだろ?」

白「一般客にじろじろ見られてるけどな」うん。

 


子供「その傘で おめでとうございまーす。とかってやるの?」

テオドール「Σお、お正月のみに御座いますねそれはっ」ぎくっ

 


彬羽(話降られても俺は芸なんぞ出来ないぞ。)困惑っ

 

白「バカラス えんしゅうりつ ってどんなだっけ?」

彬羽「手前聞いても覚える気無いだろ

3.14159 26535 89793 23846 26433 83279 50288 41971 69399 37510 58209 74944 59230 78164 06286 20899 86280 34825 34211 70679


茶屋の客一同「おおおっ!」ぱちぱちぱちっ

 


茶屋の娘A「どんな一座?」ええー。

 

 

 


間。

 

 

 

テオドール「成る程。 ヤバくなると即逃げてしまう相手と
Σうわ足場悪っ」ずるんっ

彬羽「だな。

その上、逃げた先で犯行を繰り返すってタイプだ
故に 警戒されん様気をつけて近づき 取っ捕まえる必要が有るが」ひょいっ。


テオドール「ああ確かに

目立ちますね。私達」ああうん。」ぶらーん。

粋「そう思うんなら せめて足元気をつけような
気軽に山肌滑り落ちようとすんなよ」怖っ。

 

彬羽「どんくさいならそっちで木に捕まりつつ登れ 
最悪後ろの木に引っ掛かるだろ」

ぽいっ。

テオドール「うう。番傘が邪魔でっ」


粋・彬羽(置いてくりゃ良かった)

 

 

白「そんなこんなで かえってハデハデならああ、芸人だなってなって 警戒されないだろって話だけど
なんで俺だけこんな着込まなきゃいけないんだ」ひょいすたすたっ


粋「素で1番ド派手だからです 兄上」きっぱり。

テオドール「着込んでても山道すたすた さすがに御座いますねえ」わお。

 

 

粋「で、犯行って何すんの?その鉄鼠ての。

また人脅かしたりのしょーもないイタズラとか?」わき水ぐびっ

 

 

彬羽「人を食う」すたすたっ

粋「・・ああ
そりゃ大問題だ」水だばー。

 

 

テオドール「我が主が人と争うな派に御座いますからねえ
魔王のお達し無視して頭からガリゴリは うう斜面キツッ」ぜーぜー。


粋「リアルな擬音やめろよ

つかさ、前から思ってたんだけど
それって俺等が熊や猪食うのと同じ感覚なんじゃねえの?
なんか 理不尽じゃねえかなって」

彬羽「ん?

まあな。不快だとか感情論で食うなって言うなら確かに問題だが」

 

白「俺等みたいに喧嘩出来るなら良いけど
今の人間って家康みたいに銃とか使うから、敵視されたら弱い奴等から狩られて地獄だぞ」すたすたっ

テオドール「我が主は意外と考えておられる御方にございま あ。疲れた無理っ」べしょっ

灰ざらああっ。


粋「うん。真っ先に銀の弾丸撃ち込まれそうだよなお前」納得。

 


彬羽「そう言う事だ

確かに人を食うのが好きな奴からしたら理不尽かもしれんが こっちは物事の全体見てんだ。

文句があるならこのアホ倒して手前がボスになれ
そして勝手に滅んでいけだな」テオ灰ざかざか回収っ。


粋「お前無駄に考え深いのにちょいちょい大味だよなあ 」

彬羽「西洋なんざもっと酷いぞ

人間からは敵視されるわ、同族内で争って其処らに屍転がってるしな」


テオドール「まあ。向こうは血統家系で後押しはされますが
ムカつくなら手前の拳で語りやがれってのが妖に御座います。

むしろ血筋が良い程 負けたら身内にボコられますので御座いますよ」よっこら復活っ

 


白「俺は優しいだろ?」な?

粋「対比物が地獄過ぎんだろ」引。

 

 

テオドール「他人に配慮し過ぎると自分の領域まで犯されます故 ワガママくらいが調度に御座いますよ。

我が主はお優し過ぎるので御座います」はーやれやれっ

粋「俺一生日本から出ねえわ」ああうん。

 

 


彬羽「さて、とか馬鹿やってる内に 着いたようだが」

テオドール「お寺に御座いますか?」ほう


彬羽「鉄鼠は僧の姿をした

と言うか 僧を食らいその僧に化けて寺に住み着く習性が有ってな。」

粋「Σへ、坊さんて旨いの?」ぎょっ


テオドール「単に お坊様ならそこらの人より気を許されがちで 狩りがしやすいからでは?」苦笑。

粋「Σ成る程!」おおっ

 

白「じゃ 旅の芸人が宿探してってそんな台本だったな

たのもー。」勝手口がらっ!


粋「Σ台本斜め読みにも程がある!!」

彬羽「Σ相手脅かすなって言ってんだろが!!」

 

 


間。

 

 


坊主「ほう 旅の一座の御方と

いや それはそれはお困りでしょう。雨も降りそうですし、この寺で一晩ゆっくりして行って下さいませ」にこにこっ

 


粋(え? 普通に良い坊さんぽいけど?) ひそっ

テオドール「こう言う方が良いカモなので御座いますねえ」

坊さん「カモ?」


白「そういやそこでカモ取ったんだった
世話になるし土産だ」よっこらどさっ。

粋「Σいつの間に!!」

 

坊さん「いえ当方寺なので
いやでも折角ですし 本日は仏様も見てみぬフリして頂きましょう

ありがたく夕飯にお出ししましょうな」にこにこっ

 

粋「え?マジで 融通の利く良い坊さんじゃ!?」えええっ

彬羽「さてはお前 身近な坊主が破戒僧過ぎてハードルが下がりまくってるな」

 

白「魄哉 ですます口調だけど、肉食べるし酒飲むし酒乱だし
足癖悪いし短気だもんな」うん

坊さん「ん? お知り合いのお坊様とは?」おや

白「最高僧らしいぞ」

坊さん「Σえ。
あ、あー お名前は聞いたことがっ!!」あわあわっ

 

彬羽(Σいらん揺さぶりかけんで良い!!)

 

 

ーーーーーーーーー

 


粋「夜になっちまったなー
兄貴昼寝しっぱなしだし。

どうすんだろ?」そわそわっ


テオドール「取っ捕まえて お前やったろ的な自白に追い込み泣かすも有りにございますが

再犯防止の為には現行犯でボコって 次は無いと体に教え込むのが定石。と 彬羽さんは仰っておられましたね」


粋「Σえ。現行犯って
じゃあ 誰かが襲われるまで此処に居座んのかよ!?」

テオドール「さあ?」


粋「マジかよ

うわ何日かかるんだよ。芝居小屋の方何も言ってねえぞ 皐月にどやされる」ひええっ

テオドール「おや。どちらへ?」

粋「厠。
後の事考えたら ストレスか腹痛くなってきた」ううっ

 


襖ぱたんっ。

 

 

白「まあ。餌なんて 無けりゃ撒けば良いからな」ごろんっ

テオドール「あの方霊感ゼロなので
やっぱ 私達が妖気封じのお符貼ってるの気がついておられませんねえ」おやまあ。

 

 

 

 

粋「うー腹痛っ

やっぱ俺腹弱いよなあ。 今日は別に変な物食ってねえし冷やしても

Σあ。湧き水!?あれに当たった!?」はっ


しゃーこ しゃーこっ

 

粋「ん?何の音 


Σぎゃっ!」びくっ


坊さん「おや。お客さん

調度今 夕飯の支度をですね」にやっ


粋「うっわびっくりした 坊さんか
何?カモ捌いてんの?手伝おうか?」

坊さん「あーいえいえ 
むしろじっとしていて下さい」

粋「へ?」

 

 

 

 

彬羽「ん? 粋の奴は何処へ行った?」

テオドール「腹痛とかで お便所に御座いますよ」

彬羽「またか。
腹弱い奴が飲む物じゃねえぞあんなの

と言う事は そろそろか」

白「だな。

釣れたっぽい」畳に耳べたっ。

 

 


どどどどどどっ!!

 


粋「Σうおおお兄貴いいいい!!
坊さんが包丁っ 何の昔話コレ怖ああああ!!」ひえええっ


坊さん「待てやコラあああ!!」しゃああっ!

粋「Σぎゃああボコボコ半変化怖っええええ!!」うわああっ

 

 

足ガッ!

 

坊さん「Σぎゃっ

げふっ!?」べしゃっ。

 


彬羽「さすがの腕だ
今の内逃げろ」

粋「Σ助かったけど 何で褒められてんの!?」

彬羽「今話すとゴネるだろ
ほれ行け」

粋「ん?
まさかっ!お前まで 俺を囮に

Σうおおお!?」


包丁だむっ!!


坊さん「晩飯いいいっ!」ちゅー!!

 

 

テオドール「最早ただの袈裟着た大鼠に御座いますね」おや。

粋「Σただの鼠は包丁振り回さねえええ!」ひいっ

 


坊さん改め鉄鼠「Σぢゅっ!?
貴様等 何故驚かん!

さては ワシを退治に来た陰陽師

テオドール「ハズレに御座います。
同胞に御座いますよ」お符べりっ!

鉄鼠「Σしまっ!
魔王の手先かっ!!」ちゅーっ!

 

彬羽「いや手先と言うか」

白「現行犯だ。」頭がしっ


鉄鼠「Σぢゅううううううっ!!!」ひえええっ

 

 

粋(ヤベえ。ネズミに同情する) うわー。


鉄鼠「そんなっ白髪とは聞いてたけど
まさか こんなアホな格好したのがっ」じたばたちゅううっ

白「安心しろ 中身もアホだ。

でもってそんなアホにしつこく刃向かうお前もアホだぞ」


鉄鼠「Σ自覚有り!!」ちゅーっ!?

 

粋「いや何の話?」

 


彬羽「そもそも手前はネズミだろ。

他の物が食えんわけじゃなし
何でリスクしょってまで人間ばっか食らうんだ」

 


鉄鼠「・・グルメだから?」ちゅうっ

彬羽「最終警告。
今すぐやめろ」真顔

 

鉄鼠「Σ横暴だああ!
ワシが何食べるもワシの自由だあああっ!」ちゅうううっ


白「昼間説明したの また話すのめんどいな 」ため息っ

粋「えーと
その 人間って最近銃とか怖いの使い始めてるからその
お前は良くても他の妖怪まで敵視されたら「他の奴の事なんて知るか!
ワシはワシの食いたい物食うんじゃー!!」

 

 

テオドール「取っ捕まってるのに 大した度胸に御座いますねえ」


白「成る程。 他の奴の事なんて知らないか
じゃ仕方ない」ぽいっ。

鉄鼠「Σぢゅっ!?」べしゃっ


粋「Σえ?兄貴?
なんで離すの!?」ええっ

 

白「こいつが他の奴の事なんて知らないなら
俺もこいつの事なんて知らないから

『食いたい物食って良い』ぞ
九尾。」

襟巻きどろんっ!

 

九尾「そりゃのう。他者に配慮せん奴に 配慮する必要はないのう」こんっ。

 

鉄鼠「Σき、キツネっ!?」後ずさりっ

九尾「ふむ。なかなかに臭そうじゃが

それも一興 ほれほれ喰らうぞ喰らうぞ!」こーん!

鉄鼠「Σっぎゃーー!」どたばたっ

 

 

粋「着込んで暑いって言ってる癖に
知らないモコモコ着けて結構乗り気じゃねえのとか思ってたら」うわー。

彬羽「狐は鼠が好物だからな。

それも コイツがやめろと言えば止めるだろがな」

粋「いやお前の入れ知恵かよ」

 

白「自分が着込ませといて 見てて暑苦しいとか
ワガママだぞバカラス」むすーっ

彬羽「すまん。それはそれとして見てて苦痛なくらい暑苦しい」きっぱり。

 

テオドール「まあ。効いてはいるみたいに御座いますがね」


鉄鼠「Σすんませんすんません!以後坊主らしく 草の根っこでも齧って生きてきますんでお許しを。を!!」ぢゅーっ!!

粋「Σ誰もそこまで要求してねえよ!?」

 

白「よし。九尾 そこまでだ」

テオドール「ご褒美の煮干しに御座います」ぽいっ

九尾「こーん!!」わーいっ


彬羽「よし。
話は終わりだ 手前も食え」煮干しっ

鉄鼠「Σなんて荒い餌付け!!」

 

 

 


九尾「な?だーりんは優しい魔王であろ?」こんっ

粋「優しさって なんだろう」えー。


鉄鼠「ぢゅううううっ」がくがくぶるぶる煮干しぽしぽしっ

 

 

 

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