小咄

小咄

くろねこ太郎の落書き部屋 小咄ページです

9月28日

 

 

 

【芝居小屋】

 

 

つつじ「はー。そうなんどすか
それはまた」にこにこっ

商人「はいー。そんなわけで今回は是非とも御一考頂きたく」にこにこっ

 

 


テオドール「誰で御座いますか?
あの成金ぽいオッサン」

皐月「しー。
見ての通り成金や

この芝居小屋に融資したい言ってきててな」

粋「融資?金出すって事?」へー。

 

 

白「その割りに、めちゃめちゃキゲン割るそうだな」こそっと覗きっ

皐月「まあ 商売人が親切で金出してくれるワケ無いしな」

 

 

商人「ーーーと言う事で
融資する代わりにと言っては何ですが 共同経営者。と言う形にしてみてはどうかと


あ、いえ 私は経営に口出ししませんので 今までどおり好きにして頂いて構いませんので

つつじ「すんまへんなあ。
わてもオーナーから代表的な扱いで任せられとるだけで、そう言う権限は持ち合わせとらんのどすわー。」にっこり。

 

 

テオドール「ん?
コレってつまり」

皐月「金出して色々手助けしたるから儲けの半分寄越せやな。

直訳すると。」うん。

 

白「それで口出ししないとか無いだろ 絶対。」

粋「Σえ゛」

皐月「せやな。向こうもプロや

契約さえすりゃ後はなんぼでもとか思とんのやろ」はーやれやれっ

 


テオドール「Σはっ!万が一そうなったら 強盗は蹴り倒し 
チンピラのアゴ蹴り割ったり大通りで乱闘したり
長屋の屋根の上疾走したり 町破壊したり

瓦版にゴシップ欄常連の貴方様はかなりヤバイのでは!?」ひえええっ

白「まとめ役がつつじだから許されてるのは有るだろうな」うーん。


皐月「誰も許しとらんで」きっぱり。

 

 


粋「兄貴 それでよく芸能人やってられるよな」しみじみっ

白「俺の生き様がエンターテイメントだ。」どやっ

皐月「せやな。規制食らわんようにな」はいはいっ

 

粋「え?それ大丈夫?
この店ってよくあちこち壊れるし
支援して貰えるならありがたいとかってなっちゃわねえ?」冷や汗っ


皐月「つつじの奴もアホやないわ。
アレ見てみい

完全に営業スマイル ハリボテや。」

 


つつじ「しかしまあ。
わざわざウチにそげなご提案を
偉いお元気な御方どすなあ?」にこにこっ

商人「Σえ」

 


白「?」違和感っ

皐月「京弁で 『お元気な御方ですな』

は『ウゼえ』や。」

粋「Σ京怖っ!!」

 

 

つつじ「いんや。こんなお話面と向かってされたん初めてなもんで
思わず感心してまいましたわあ。

さすがは名うての商人はんや。
いやーええべべ着てはりますしなあ」

商人「は、はあ。」冷や汗っ

 

 

白「アレは?」

皐月「『うっわダッサ!』や」

テオドール「Σあんな爽やかな笑顔でんな事を!?」青ざめっ

 

 

商人「は、はあ
ではその、オーナーさんと言うのはどちらに?

私としましては 日付はいつでも構いませんので
是非ともお話をさせて頂きたいのですが」

つつじ「えー お宅あの大店でっしゃろ?


お忙しいのと違いますのん?」にこっ

 

皐月「『こっち来んな』や。」

 

 

商人「あ、いえいえ其処はお気になさらず。

私共としましても これはビッグビジネスのチャンス
時間など惜しみませんので」

 

 

白「嫌味 全然通じてないぽいな?」

粋「こんなん付き合い長い俺でも解らねえもん」ひええっ

 


つつじ「・・・」

 

白「あ。イラついてるな」

テオドール「Σ今ほんの一瞬アサシンの目されませんでしたか!?」ひええっ


皐月「あいつしつこいの嫌いやねん
基本一太刀で首跳ねるタイプやし」

粋「Σそれ短気だからだったの!?」えええっ

 

 

つつじ「不躾ながら

商人はん どちらから来はったん?」

商人「へ? 
店からですが?」きょとん。

 


皐月「直訳すると『この田舎者が』
やな」あちゃー。

粋「Σあのおっちゃん首大丈夫!?」ひえええっ

 


白「確かにしつこいしな
イラつくのも解る」うん。

 


つつじ「確かあの御店は えーと何代続いたんどしたかなあ。

店主さんは何年目ですのん?」

商人「あー 私はもう18年目で「おやおや ベテランはんどすなあ」にこっ

 


皐月「『18年もやっててその程度か』。」

粋・テオドール「ひえええええっ」背筋ぞくりっ

 

 

店主「で、そのオーナーさんとはいつお話出来ますんで?」ずいっ

 

 


テオドール「Σあの方 空気読むとか出来ないんで御座いますか!?」ひええっ

皐月「いや逆やな

客商売である以上 こっちがキレてキツうに追い返せん事を理解して その上でごり押しして来よる

18年の実績は伊達やないか」ちっ

 

 


つつじ「そげに焦ってまあ

どないしはったん?」

 

皐月「『頭確かか手前。』やな」ありゃ

粋「Σこっちも全て理解した上でブチギレてる!!」ひええっ

 

 


商人「いやー いい話だとは思うんですよホント
こちらは流行ってらっしゃるのに 店は小振り。

ハッキリ言って非常に勿体ない。
このままでは埋もれたままの才能も多いでしょう

 

ですので! 規模を大きくして 前に前にと新人も出す事で
更なる繁盛!そして新人がデビューしやすい環境で有る事をアピールし 更にそちらで育成機関など

 

白「思いっきり やり方に口出ししてないか?」

皐月「商人やからな。
つかこれ うちや無くてエエなもう。」うん。

 

 

つつじ「はー さすがしっかりしてはる」感心っ


テオドール「Σえ。つつじさん乗り気に御座いますか!?」ひえっ

皐月「残念。『うっわ。ガメツっ』やアレ」

 


つつじ「いやホンマ 夢を語る言うんはええどすなあ
偉い楽しそうやわあ」

皐月「『うるせえよ』。」


つつじ「それ。よりによってウチに持ってこられるとは
いやはや独創的どすわー」

皐月「『うちに持ってくるんおかしいやろ。』」

 


商人「いやー そう言って頂けると 嬉しい限りですな」はっはっは。

 

テオドール「Σあの方マジで気づいておられないのでは御座いませんか!?」ひえっ

皐月「プロなめんな。
こう言うのは化かし合いやで。」ふっ


粋「Σ怖え!もう何の業界か解らねえけどこっええええ!!」ひえええっ

 

 

つつじ「はあ。」ため息


商人「ん?」


一同「Σ!?」びくっ

 

 

つつじ「がっかりしたわあ。」ふかーいため息っ

皐月「あかん『マジギレしました。』や

とめんと。」


粋「Σそんくらいストレートに言えよ!!」

 

 

商人「Σえ。ちょ

良いんですか!?うちを敵に回すと業界でやってけなくなりま

つつじ「ハッキリしてはりますな
好きにしはったらエエわ。」

 

皐月「『態度がデケェ。もう許さん』」

テオドール「Σ通訳はもういいので仲裁を!!」ひええっ

 

 

 

つつじ「よう見たら ぶぶづけお好きそうどすな?」にこっ

商人「Σえ”」びくっ

 

皐月「あ。ワケわからんオリジナル出た」

粋「Σ煮えたぎったぶぶづけを無理やり鍋から直で流し込みそう!!」ひええっ

 

 

 


白「あーしまった。

見習いの出来が悪いからー」棒読みがしっ


粋「Σえ。ちょ

Σっぎゃああああー!っ!!!」


どがしゃーん!


商人「Σっわーーっ!!!」ひええっ

 

 

 


ぱらぱら

からんっ

 

 

白「なんだ客か

ごめんな。うちの店では新人はがっつりシゴいて1人前になってから出すって決まりだから。
半端な物 客に見せられないからな

力みすぎた。うっかりうっかり」いけしゃあしゃあっ


粋「」白目っ

商人「Σさ、左様ですかあっ!」ひええっ

 

 


つつじ「せやなあ。
やっぱうちの店とは 根本的に合わんと言うかなあ?

もっぺんよう考えはった方がええんかも?」ちらっ

 

商人「そ、そうですね

ではまた 今度オーナーさんのおられる時にでも改めて」あたふたっ

 

 

白「ちょっと待て」

商人「Σはいいっ!?」声裏返りびくっ

 

 

白「茶 いるか?」ふっ


商人「Σすんません!失礼しましたああ!!」

襖ぴしゃん!だだだだだだだっ!!

 

 


テオドール「?

 

お茶?」きょとん。


皐月「茶が要るんか本人に聞くんは『失せろ』や。

茶は出される物やからな。」

テオドール「Σ成る程!!」おおっ


つつじ「なんや あんさん
よう覚えとったな」へー。

白「これ聞いた時、
短気なのに めちゃめちゃ回りくどくて性格悪いなって思ったからな。」うん。

つつじ「反論出来んわ

いや あんさんが瓦版で有名な問題児で助かったわ」苦笑。

 

 

 

粋「あの、こんな回りくどいのしなくても

オーナー天海坊だから マトモに商売出来ねえぞ。  で良くね?」ボロッ

 

つつじ・白「権力使って勝っても面白くない。」きっぱり。

粋「Σ結局どっちも性格悪っ!!」

 

 


皐月「上手いこと言いくるめて 金だけ引き出したったら良かったのに」ちえー。

テオドール「凡人には着いてけない世界に御座いますねえ」ひええっ

 

 

 

くろねこ太郎の落書き部屋 [フォレストページ+] 夢小説対応・簡単オシャレな創作サイト作成サービス <サイトトップへ戻る