小咄

小咄

くろねこ太郎の落書き部屋 小咄ページです

11月1日

 

 

 


【芝居小屋】

 


粋「今日から11月かあ

なーんか 何もねえのに焦るよな」わははっ

テオドール「今年も後2ヶ月
本年も1人前としてのデビューは 「うんやめて。来年こそは頑張るから」

 


テオドール(この方 裏方作業は率先してされますのに
お役者見習いとしては 何してるのか?って感じで御座いますよねえ) うーん。

 

粋(つーか。見習いの皆って何をどうやってんだろ
今度聞いてみ って この業界ライバルになり得る奴に教えてくれるとかあんのかな) うーん。

 


テオドール「ライバルになり得るかは微妙なので 案外教えて下さるやも?」

粋「Σ口に出してた!?

てかうっせえよ!!」

 

襖すぱんっ!!

 

テオドール「おや 皐月さん」

粋「Σぎゃーすんませんすんません!
万年見習いでマジすんません!来年は本気だしますううっ!!」土下座っ

 

 


皐月「・・アンタ 雑用やら衣装やらは得意やったな?」ギロッ

粋(Σえ。 完全に裏方に回れとかそう言う話!?) ひえっ

 


皐月「ちょいロリっぽく見えん着物選んでくれん!?」くわっ!

粋「Σごめん 全く意味が解らない!!」


テオドール「ぽく見えないって
よろしいでは御座いませんか?

女性はお若く見られたい物に御座いましょ 「Σ限度があるわい!!」うがあっ

 

粋「あの、マジで 何が有ったの?」ひええっ

 

 

 

間。

 

 


テオドール「つまりは 着物のカブりに御座いますか?」えっと


皐月「せやな
あのおかっぱ 寄りにも寄って 一二三ちゃんの友達に 
『皐月はーん、あ すんまへん 着物同じなんで間違えましたわ』とかやらかしよってな。」けっ

粋「Σ推定6歳其処らと間違えられたの!?」えええっ

 

皐月「せやで! いくら何でも酷すぎひん!?」

テオドール「つつじさんには皐月さんが 6歳児に見えておられるとか?」

 

 


皐月「なんや 6歳児並のぺったんこや言うんか?」ああん?

テオドール「Σではなく!
見た目が幼いと言うか
華奢で小柄でおおせられるのでっ」ひええっ

粋「うん落ち着け 日本語おかしいから

どっちかってーと、着物のかぶりより つつじの感性がおかしい話だろそれ」ええー。

 

 

テオドール(と言うか、
負担からアレだけフラれ倒していて そのお相手を6歳児と間違えるとはどういう) 困惑っ


皐月「いや あいつの感性がおかしいのは解っとんねん。

私のが年上やのに 幼見えてかいらしわー とか平気で言ってくる奴やしな」

粋「頼むから少しは動じてやって」うん。

 


皐月「問題は

6歳児と着物かぶってもた方や。」くうっ

テオドール「Σ考えてみれば確かに辛い!!」うっ!

 

皐月「普段あんまお洒落せえへんから 深く考えとらんかったけどっ
確かに 大人が着る柄やないかもしれんわっ!」くうっ


粋「つかお前

前から気になってたけど 何処で着物買ってんの?
女物は良く解らんねえけど 偉く小さい造りのもあんだなあ」ふむ。

 


皐月「裾とか詰めるんも限度有るし 子供用」真顔。

粋「そりゃかぶるわ」ああうん

 

 

皐月「ちゅー事でや

1度気付いてもたら さすがにこのまんまじゃアカン気がする。

んで、溜め込んだので 大人向けの反物で 小さめに仕立てて貰おか思うんやけど」

 

テオドール「えー。皐月さん 可愛らしい柄のが似合われますのに」

皐月「チビに『可愛い』は禁句やねんで?」

 

粋「ん?
じゃあ呉服屋行けば?
俺に相談しなくてもプロに聞けばさ」

皐月「いやー それがなあ。」

 

 

白「そっか
こだわり無いと 結局前と似たようなの選んじゃうもんな」うんうん

皐月「そう言う事や 
こだわり無い癖に油断すると際限無く派手になる男。」ふっ

 

 

粋「Σあ。それで俺に見立てて欲しいの!?」

皐月「せやで
あの派手な兄ちゃんの衣装を 毎度何なとまとめとる その腕とセンスを見込んで頼むわ」


粋「え。ええー

でもなあ
人に寄って似合う柄って違うしなあ」うーん。

 

 


白「俺 そんな基準になるくらい酷いか?」えー。

テオドール「貴方様はそれがお似合いなのでよろしいかと思われます

今日も ド派手な牡丹柄に御座いますね」にこにこっ

 

 

皐月「アレこそ 何処で買ってきたん?
其処らの舞台衣装より派手なんやけど。」

粋「呉服屋の客寄せの看板的な無駄に派手なの 兄貴が気に入っちゃって」苦笑。

 

 

白「ド派手だから迷子になっても 1発で解る優れものだぞ」えへんっ

皐月「アンタはその前に白髪で解るやろ」

 

 

粋「えー。皐月に似合いそうなので大人っぽい柄?

んー。大雑把かつ 色使い鮮やかでシンプルな 
あーいや 大人っぽくなりすぎると本人との差が」ぶつぶつっ


テオドール「Σ 見本も無いのに既にシュミレーション始まってらっしゃる!!」ひえっ

 

 

 

つつじ「へー。皐月はん

粋はんと お着物買いに行かはるんやあ。
なんやカレカノみたいやなあ」襖の影からゴゴゴゴゴゴっ

 


白「なんか妖怪みたいの居るぞ」うわ。


粋「Σふっ 2人じゃねえから!!

ほら兄貴とテオも行くし!」

テオドール「Σえ」

 


つつじ「そうどすか。
わては仲間はずれと」ゴゴゴゴゴゴッ

粋「Σうお面倒くさっ!」

 

 

白「バカだなお前
こう言うのは出来上がってから 見せたいのが女って奴だろ。

身支度の途中で見たら怒られる物だぞ」

つつじ「Σへ

あ!そう言う事なん!?」はっ!

 


テオドール「何か偉く都合の良い方に解釈されましたね」おや。

粋(Σ相変わらず 咄嗟の口から出任せ上手っ!!)

 

 

皐月「うわ。嫌な誤解されたやん

ちゅーかアンタ
誰にそんなん聞いたん? さては弟等に隠れて遊び回っとんのか?」

白「千様がそれで何時間も風呂場占拠してて 挿音と喧嘩してた」どやっ


皐月「あー。千ちゃんは
相手おらんでも 身支度逐一長そうやんもんなあ」納得。

 

 

つつじ「ほな 皆はん気を付けていってらっしゃいやで。

楽しみにしとるわ」にこにこっ

皐月「顔面にグーパンかましてええ?」イラッ

 

つつじ「Σなして!?」ええっ

粋「お前が6歳児と間違えるからだよ。」

 

 

 


ーーーーーーーーー

 

 

【某 山奥】

 


皐月「なあ。着物選ぶのに何で山奥?」絶壁よじ登りよっこらせっ

白「無理な注文で選ぶ奴がぶっ壊れたからだろ」

 


粋「子供体型で大人っぽく
どうやっても ガキが厚化粧してるみたいな違和感が
いやきっと色合いの問題だ パーソナルカラーてのが西洋には有るって聞いたような」ぶつぶつぶつぶつっ

テオドール「無理めのお題に真面目に向き合い過ぎて 脳がオーバーヒートしておられる様で御座いますねえ」わお。

 

 

白「普段 そんなの考えて選んでるのか」へー。

皐月「私はどんだけ厄介やねん

よっしゃあ!上着いた!!」がしっ

 

 

 


織姫「あら? お客さん?」あらまあ。

皐月「誰や この別嬪さん」

白「織姫だ」

 

皐月「Σって あの七夕の!?」えええっ

 


織姫「はいー。その織姫です

牽牛こと彦星いちゃつき過ぎて

仕事しないでお父様に怒られて七夕しか会えなくされた 親不孝な娘です」

 

テオドール「うわ。またコメントのしづらい」

粋「え?兄貴 会った事有るってマジだったの!?」えええっ

 

織姫「魔王さん所のお嬢さんのお着物なんかも よくカラスさんから御依頼頂いております」にこっ

皐月「Σ一二三ちゃんの着物アレ織姫作なん!?」ひえっ

 

テオドール「安定の過保護に御座いますねえ」うわ。

粋「つか 織姫って確か天界のお姫様だろ?
そんなんに制作依頼ってめちゃめちゃかかんじゃねえの?」


皐月「Σえ。私のなんてほど程でエエで!?
むしろ少しでも多く貯金に回したい!」


テオドール「商人としてさすがに御座いますが
ひょっとして それでお子様着物買っておられました?」

皐月「うん。安いから」頷きっ

 

 

白「やっぱお前に頼む程の事じゃ無いかもしれない」真顔。

織姫「えーと。
要らないなら要らないで此方としては構わないんですが」困惑っ

 

白「ちなみに金はかからないぞ

織姫 金には困ってないからな」

皐月「Σえ」


テオドール「こんな山奥に幽閉されておられる割に金銭は与えられていると。

過保護な父君なので御座いますね」なるほどっ

 


皐月「え?じゃあアンタ

織姫なんて いかにも機織りしますって名前で、あんだけネームバリューあって
更に一二三ちゃんのみたいなごっつい反物折れるのに金取らん と?」わなわなっ


織姫「あの、喜ぶのでなくお怒りに見えるのは何故でしょう?」


皐月「Σ当たり前や勿体ない!

そこはキッチリぼったくったらんかい!!」くわっ!

織姫「Σ私なんで怒られてるの!?」ひええっ

 

 


白「どうどうどう。

えっとな 織姫は別にタダで仕事してないぞ
料金は金以外で払えって事だ」

皐月「へ?

あ、そか。金は有るから他のでって事か。
ん?金より価値有る物?」はて?

 


織姫「ぶっちゃけ、貴女の周りにムカつく男とか居ませんか?」きらーん。

皐月「おるな。悪気無く 逐一神経逆撫でする奴がな。」けっ

 

 

粋 「え?」冷や汗っ

 

白「なんかな。
最近彦星とうまく行ってないらしくて
男叩くの楽しくなって来たらしくて」

粋「Σ拗れカップルのストレス発散方法こわっ!!」ひええっ

 

テオドール「それで良く 彬羽さんの依頼受けて下さいますね」うえー。

白「それがな。

 

あ、調度来た」見上げっ

粋「何が?」ん?

 

 


彦星「織姫えええ!あれは違う!あの女はそう言うんじゃなくその  アレだからっ

今日こそは話を聞いてくれええっ!!」

牛「もーー!」どどどどどっ!

 

 

テオドール「Σ牛の群れ引き連れた 空飛ぶ巨大牛に乗った男性が!!」ひえっ

粋「Σどっから見ても彦星!!」


皐月「いや どっから見てもおかしいやろ彦星。」

 

 


白「七夕以外に会ったら 織姫が帰れなくなるって言ってるだろ」

火球どむっ!


彦星「Σぐはああ!!」げふっ

 


粋「Σお宅の彼氏 火の玉モロ食らったけど!?」

織姫「仮にも天人

アレくらいならボディーブロー食らった程度かと。」

テオドール「あ。思ったより効いておられるので御座いますね。」わお。

 

 

織姫「と言う事です 
お帰りください。 」くるり

彦星「そ、その前に話をっ「魔王様 その牛全部 焼き肉にして構わぬそうです」

牛軍団「Σぶも!」びくっ

 

彦星「Σわー!わー!すんませんでした!!
帰るぞ皆っ

お、織姫 じゃあ次の七夕にっ」あたふたっ

 

ぶもー どどどどっ

 

 

しーん。

 

 

 

 

織姫「・・結局 私より牛かい。」けっ!

 

 

テオドール「根が深そうに御座いますねえ」

粋(けど、ちゃんと毎年会ってるって事は
未練はあんだな) ああうん。

 

 

白「バカラスの場合は こうやって彦星撃退して それが代金になってるんだ。」

皐月「あの兄ちゃんも牛も 良うミンチにならんな。」

白「一回 間男呼ばわりされて鯖折りにしかけてたらしいけどな。」うん。

 


織姫「ったく 手前の彼女も信じられない奴が信じろとか言ってんなっての!」スルメがじがじっ

白「昼間っから酒飲むな。」

 


粋「えーと。 腹減ってるとイライラするし 何かささっと作ろっか?

あ、台所お借りしまーす」いそいそっ


織姫「お、兄ちゃん 気が利くなあ」けけっ

テオドール「最早キャラ変わっておられますよ」引。

 

 

 


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つつじ「Σえ! 結局なんも買わんと帰って来たん!?」なしてっ

 

 

皐月「タダや言うんは魅力やけどな。
あそこで 女のエグさ全開で男の悪口言ったら
あの2人元に戻れん気がしてなあ。」

つつじ「すんまへん。何がどうしてそうなっとんのか 微塵も解らんのやけんど。」困惑っ

 


テオドール「タダに飛び付かれるかと思ったので御座いますがね?」ほう。

粋「何だかんだで人情派なんだよ」苦笑

 


つつじ「なんや。そしたら可愛いらしい 新作お着物御披露目無しかあ
残念やなあ」ため息っ

皐月「そう言うの普段から言うから響かんのやで」ずばりっ

 

 

テオドール「いちゃこいてると見てよろしいので?」

粋「凄えの見た後だから そう見えるだけじゃねえかなあ?」うーん。

 

 

白「あ。新しい着物なら有るぞ 一応」風呂敷包みっ

 

皐月「へ?」

 

白「前にな。バカラスが 初めて一二三の頼んだ時に
子供だからすぐ大きくなるだろって 偉く大きく頼んじゃったんだけど

そもそも一二三妖怪だからすぐ大きくならないなってなってな?」

皐月「いや、あっきーどんだけ浮かれとったん。」

 


白「あいつ時々ボケだからな。
で、少し大きくなっても着れるのなら お前に調度かもって」着物の包みがさっ

 

テオドール「Σ成る程!
変に背伸びするのではなく ロリ可愛いよりちょっと大人くらいのデザインで!」おおっ

粋「Σあいつボンボン育ちだから趣味良いし

え!これ期待できんじゃね!?」おおおっ

 

 

皐月「え? 私貰ってエエの?」え?え?

白「気に入ったら良いらしいぞ

一二三のは その時また彦星殴って仕立てて貰うらしいし」

粋「あ、彦星はずっとあんなの確定してんだ」ああうん。

 

皐月「え。なんや ちょっと嬉しい

どんな柄やろ  ん?何やの?」

 

 

つつじ「へえ。
彬羽はんから 皐月はんに贈り物  
しかもお着物  と。」ほー。

皐月「今の話で何でその言い方になんねん」

 

 

テオドール「どちらかと言えばプレゼントと言うより リサイクルのような? 」

白「だな」うん。

 


つつじ「せやかて! 彬羽はんあの図体で あのちんまい一二三ちゃんを偉い可愛がっとるやないどすか!

絶対ロリ好きやて!そしたら皐月はんも大概危な 「Σエエ加減ぶっ飛ばすぞ腐れおかっぱ!!」

 


粋「いやー その前に こっちにブッ飛ばされんじゃねえかな」冷や汗っ

 


彬羽「誰がだ 手前と一緒にすんな このマニアのド変態が!」くわっ

 

つつじ「Σんなっ! わては単にちんまい皐月はんがカワエエなーくらいで あんさんと違って幼女趣味は「だから違うと言ってんだろが!クソマニア!!」うがあっ

 

 

 

皐月「なあ。2人まとめて殴ってエエかな?」

 

 

 

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