小咄

小咄

くろねこ太郎の落書き部屋 小咄ページです

11月14日

 

 

テオドール「うわ寒っ!
今のが木枯らしに御座いますか

ん?どうされました?」


粋「・・・。」

 

テオドール「何をガン見しておられるので?

ん?何のビラに御座いますか
?」おや。

 

 

 


【芝居小屋】

 

皐月「で、年末年始に家族旅行いかがっすか的なビラ拾ってきたんか」ふーん。

粋「Σ拾ってねえし!
飛んできたのが引っかかってたつか「思いきし拾っとるやん」

 


テオドール「で、家族旅行御希望と

まあ、一家離散の上、スラム育ちでそう言うのとは無縁だったと聞いてはおりますが」


皐月「あのお兄ちゃんと爺ちゃんと本気で家族旅行したいんか アンタ?」真顔っ

粋「Σそれはっ!」うっ

 


つつじ「無縁やったから 家族旅行っちゅー響きに憧れとんやろなあ」苦笑。

テオドール「ま、どちらにせよ
ご家族でお出掛けなら 私には関係御座いませんがね」お茶ずずーっ

 

粋(Σはっ!そうかコイツも家族つか そもそも親も兄弟すら居ねえし!
いや 無駄にエッロいイトコの姉ちゃんは居るけどっ

え?そんなガキの前で 俺めちゃ空気読めてなくねえ!?)はっ

 

テオドール「何か?」

 

 

粋「大丈夫!お前は弟みてえな物だから!
お前もうちの家族だからっ!!」

テオドール「いえあの ありがたいんで御座いますが
なんで泣いてんで御座いますか」ドン引きっ

 


皐月「気使ってばっかやとハゲんで」あーもう。

つつじ「こん人 やたら感受性豊かやからなあ」あーあ。

 

テオドール「ん?と言う事は

私 我が主のご家族っ 弟に御座いますか!!」ぱああっ

粋「Σ華麗に俺スルー!」

 

皐月「な?こういう子やから そげに気使うな言うとんねん」

 

 

テオドール「しかし、家族旅行
詳細はともかく

年末年始は無理では御座いませんかね?」


白「年末年始は仕事びっしりだ。」

粋「Σしまった! 兄上役者の稼ぎ時!!」ううっ

 

白「だいたい 家族旅行って

俺が金出すのか?」えー。

 

皐月(今年は色々吹っ飛ばしとるからさすがにキツいんやろな) ああうん。

つつじ(何が怖いて
この人の稼ぎで焦るくらい 金が飛んでくこの子等やなあ。)チラッ

 


テオドール「あ!年末と言えば
私もこう言うビラを」 はいっはいっ!

 

何が高いのか解らん 無駄に超高級おせちのチラシびらっ

 

白「Σ!」ぎょっ

皐月「キツイもんはキツイ言うてエエと思うで。」


つつじ「おせちは彬羽はんがこんなんよりエエのこさえてくれはるやん?

他所で頼んだら失礼やわあ。」にこっ

テオドール「それもそうで御座いますね」おおっ

 

皐月「世の中知らんガキは怖いなあ」

 


粋(そっか。 兄貴にぶら下がりっぱなしで忘れてたけど

この世は何するにも銭っ!!)

つつじ「いやアンタはそこ忘れんなや。」

皐月「兄ちゃん可哀相やろ
エエ加減家族旅行奢れるくらいの男にならんかい」けっ


粋「Σド正論の追撃やめろよ!つか何で普通に心読んでんの!?」
皐月「全部顔に出とる」きっぱり。

 


つつじ「あんさんはもうちょい顔に出してエエんやで?」

白「顔の筋肉って動かすのダルくないか?」えー。

 

 

テオドール「Σあ。」

皐月「今度は何や?」

 

テオドール「魄哉さんが良く 私も粋さんも あのお屋敷の皆さん全員我が子同然と申されておりますよね?

私が弟扱いでしたら 皆さんももちろん
粋「Σやめて!ホンワカな夢から現実的になってきて 色々キッツイの思い知ってからの追撃やめて!!」ひええっ

 

皐月「安宿でも あの人数はキッツイでー」うーん。

つつじ「せやなあ。

ちゅーか ちょいちょい魄哉はん 皆でお出掛けやて引きずり回しとるけど

やっぱセレブな御人なんやなあん人」しみじみっ

皐月「天海やしな。」うん。

 

粋(Σ強制面倒くさいと思ったりしてすみませんでしたあっ!!)頭かかえっ

 

 

テオドール「おや。そろそろ昼休みも終わりかと。

お昼からの部頑張ってくださいませ
あ、ちょい失礼します」襟直しっ

白「だな。

よし、稼いでくる」

皐月(今年 マジで散財したんやなあ) 

 


つつじ「男っちゅーんは。
いや、世の大黒柱ちゅーんは大変なんどすえ?」

粋「Σもう解ったよ!

ほら お前も幕開くぞ!!」しっしっ

 

テオドール「つつじさんの役は前半で死亡となっておりますが?」台本っ

皐月「あんたなあ。
演目の流れくらい把握しときや。

そんなやといつまでたっても小銭しか稼げんで?」


つつじ「白はんも なんやかんやで漢字読めへんのに流れは理解しとるで?
あん人も何気に頑張ってはるわ」

 

粋「いや 兄貴のはカラスが読み仮名売ってる上
読み聞かせさせられて刷り込まれてるっつか」

テオドール「我が主は 長いお話聞くと寝てしまわれますので 睡眠学習に御座いますよ。」

 


皐月「頼まれたからて 覚えるくらいやっとるあっきーも凄いな」うわ。

テオドール「お人好しに御座います故」

 

粋(うん。兄貴が苦労かけてるし

俺が 稼げる様になったらカラスも いや、ホント遠い未来の話だけど

 

・・・いつになるのかなあああっ!!) 頭かかえっ


皐月「やから ハゲんで。」

 

 


テオドール「で、お話変わりますが」けろっ

つつじ「マイペースどすなあ。」苦笑


テオドール「この芝居小屋、年末年始は毎年強盗や何やはいられますよね?
この町治安クッソ悪う御座いますし」

皐月「せやな。
もうそれをいてこますの見るんも お客さん等楽しみみたいやわ」うん。


粋「やっぱ この店の客怖え。」うっ

 


テオドール「で、思ったので御座いますが

人間にはガンガン襲われますのに
意外と妖怪のカチコミは御座いませんよね?

我が主は この国の妖怪のボス。そして妖怪とは 強ければどんどん上に行けるシステム

なれば 我が主に喧嘩を売りに来る身の程知らずも 突撃かましてくるのでは?と思うので御座いますが?」


粋「ん?
あー確かに。

結構 兄貴のやり方に文句有るって ここの外では喧嘩売られるよな

この店なんで無事なんだ?」あれっ

 


皐月「そらーなあ?」

つつじ「どすな。」うん。

 

 


酒呑童子「おう。
まーた変な客来てたぞ  ふん縛ってカラスの奴に渡しときゃ良いのかよ?」熊(本物)のキグルミかぽっ

妖怪「Σげふっ!」どしゃあっ!

 


粋・テオドール「Σ用心棒バイト居るの忘れてた!!」ひええっ


酒呑童子「おうよ。これなら腹も冷えねえし ぬっくぬくよ」わははっ

テオドール「なんでそんなで裸族されてるので御座いますか。」えー

 


酒呑童子「しゃーねえだろ
山も年末年始は入り用なんだしよ。
人の町のもん買うにゃ 人の金稼がねえとなあ」熊の頭かぽっ

 

粋「あ、お前も年末年始の準備なんだ」ああうん。

酒呑童子「おう 割烹の用心棒だけじゃなあ」


皐月「アンタも大変やなあ
あ、あんたチビッ子受けええおかげで 親御さんが気軽に来てくれてな

売上エエから 給料上げるわ」

酒呑童子「Σマジか!」おおっ

 

テオドール「あの、ひょっとして
この方 用心棒兼託児所的な?」えーと。

つつじ「人は見かけに寄らへんよなあ」うんうんっ

 


粋(人里に出てきたばっかの酒呑童子のが 稼げてるんじゃねえのこれ!!) ずーん!

 


酒呑童子「あ?」

皐月「気にしたらんといて。
今ちょいナイーブやねん」


つつじ「思い詰めても上にゃ上がれんでー。
ほれ 兄ちゃんの舞台でも見て 見取り稽古せえな?」

粋「う。うん」ずーん。

 


テオドール「芸能界は大変に御座いますねえ」おやまあ。


皐月「この子 まだ未成年やからエエけど
もちょいしたらどうやって生きてくんやろ」ジト目っ

テオドール「地獄太夫さんより 舶来物好きな遊郭の皆様の疲れを癒すホストにならないかとの話が

つつじ「悪い事言わん やめとき」冷や汗っ

 


テオドール「えー。ホストは儲かるそうに御座いますよ?
そしたら 我が主の懐も潤うかと」

つつじ「Σダメージ与えとる自覚有るなら もちょい色々考えたりや!」

テオドール「申し訳御座いません
私 この国の物価はまたいまいち理解が」

皐月「あー。そう言う事かあ

ん?」

 


裏口すぱーん!!

強盗A「おうおうおう!命が惜しくば有り金全部出してこいやあっ!」包丁ぶんっ

強盗B「お!なんだこのガキ 

よっしゃ!こいつの命が惜しけりゃ言う事聞きやがれ!!」


粋「うーん。最低1人1泊 観光地だと」えーとえーと


テオドール「Σまだやっておられた!!」

酒呑童子「え?何 どっか行くのかよ?」

テオドール「行けないからややこしいので御座います!!」


酒呑童子「は?」

 


強盗A「こらああ!ワシ等を無視するな!

良いのか!人質がどうなっても


Σえ。あのっ」びくっ

 

皐月「おっちゃん等
その子今ちょい メンタルやばいんで虐めんといてくれるか?」

つつじ「うちのかわええ見習いどす。
店のもんにとっちゃあ 家族も同じどすえ」

 

強盗AB「∑え。あのっ」



 


強盗A「Σぐほあ!!」べしゃっ!

強盗B「Σ巨漢の兄貴があんなチビ女に!?

Σうお!?」 ドスぱらららっ


カランカランカラーン!!

 

 

酒呑童子「お。すげ
長ドス 細切れ」おおっ

つつじ「伊達に神速名乗っとりまへんわ」刀チンッ

 


テオドール「皐月さん
柔道がお得意だったので御座いますねえ」おおっ

皐月「微妙に違うけど エエわそれで。」はーやれやれっ

 

 

粋「Σまた家族増えた!」ひええっ


皐月・つつじ「は?」

 

 


酒呑童子「えーと。

何か煮詰まってるみたいだし
とりあえず話聞くか?」

粋「Σ聞いてくれる!?」おおおっ

 


白「うわ。熊と思ったら酒呑童子
危ない。殴り倒す所だった」ふう。

酒呑童子「Σうおお晩飯にされる所だった!!」ひえっ

テオドール「出番お疲れ様に御座いまーす」

 

 

 


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【妖怪温泉】

 


千様「あらー ここも久しぶりっ」


粋「今の俺じゃ 移動や何や考えてもこれが精一杯かなって」ふっ。

石燕「いや充分すよ

うわ、あっし歳上なのに そんなん考えた事なかったす
いや立派っすねえ」肩ぽんっ

粋「Σえ。マジで!?」じーん。

 

 

シロ(此処は確か そこそこ高級志向だったような?) あれっ


魄哉「しーっ。」

蒼月「そう言う事かよ オーナー」


魄哉「こう言うのは気持ちが嬉しいんじゃないですか

さーて。存分に羽を伸ばさせて貰いますかねえ」にこっ

蒼月「いやアンタの持ち物

つかアンタが羽伸ばしたら 建物倒壊するだろ鳳凰。」

 

一二三「ほら 連れてきて貰ってグチグチ言わねえだよ
寒がり蛇さんには 有りがたいでねえか」

蒼月「Σう。幼児に正論吐かれた」ううっ

 

 

粋「ひいふうみいよー

よし。まずはこれで5銭!」小銭じゃらじゃらっ


コマ『あの パピーは出世払いで良いと』筆談っ

 

家康「もう 受け取ってあげた方が良いと思うよ?」苦笑

 

 

 

シロ「すってんてんで年越す気か あやつは」うわ。

 

白「新年早々 なんぼか貸してくれって言われるなコレ」ため息っ

彬羽「ま、まあ 手前が養えてる間は良いんじゃねえのか?」困惑っ

 

 

 

 

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