小咄

小咄

くろねこ太郎の落書き部屋 小咄ページです

5月15日

 

 

 

【芝居小屋】

 


白「・・・。」むっすーー。

 


皐月「どしたん?」ひそっ

粋「それがさ
来る途中で 町内の奴等が話してるの聞いちゃってさ」うーん。

皐月「あの能面ヅラが あんな不機嫌モロ出しにするよな何を?」

 

テオドール「なんでも そこのでかい料亭ご主人主催で
『町内大掃除』の名目で町中の野良猫を捕獲処分する計画が持ち上がっているらしくっ!」くうっ


皐月「あー。猫好きにはキッツイ」納得

 

 

 

粋「料亭とか飯屋が迷惑なのは解るよ?ゴミ漁るしよ
けど、ここの町じゃ正直他の駆除のが良くね?と思わ無くもねえし」うーん。

皐月「うちも年数回強盗入りよるしな」うん。

 


白「猫に厳しい町は 人も住みにくい」ぼそっ。

皐月「確かに言うけど そんなんばっか良う知っとるな」

 


白「それに 猫駆除した所で ゴミあさる人間も居るし意味ない」ふんっ

粋「裏路地行くとゴロゴロ居るよな」うんうんっ


テオドール「まあ猫は追い剥ぎしようと致しませんし
確かに意味有るのかに御座いますよねえ」

皐月「追い剥ぎゴミ漁りあんのが当たり前って考えやめえや アンタ等。」

 

 


白「いっそ全部壊してやろうか。
それで人と猫どっちが逞しいかそこで思い知れば

粋「Σうおお破壊神が変な所で火着いた!!」ひいっ

テオドール「我が主がご所望ならば
全力でお手伝いさせて頂きま

 

 

ゴッ!

 

つつじ「まさかと思うけど 全部てうちの見世の事もどすか?」ほほう?

白「お前今頭にカカト落とし 「お黙りやす。あんさんプロやろが
お客さん等滅ぼしたら仕事ものうなんで
ちっとは考えや」ったくもー。

 

 


粋(今刺激したら逆効果だと思うんだけど!?)ひええっ


つつじ「ほれほれ ぶーたれとらんと お仕事どすえ。ちゃっちゃと身支度しいや
にゃんこの事は終わってから存分にムカつきやす」

白「お前な」
つつじ「プロやろ?」

 


皐月「ああ言われたら白の性格上 これ以上愚痴れんな

アンタ等 仕事終りに愚痴聞き頑張りや」肩ぽんっ

テオドール「仕事終りにこの世が終らないと良う御座いますがねえ」うーん。

 

 


酒呑童子「ちいーす。
今日着ぐるみ着て列の最後尾に立ってる日だったけか?

つかよ そこで何処ぞ魔王が聞いたらキレそうな
粋「Σわーっ!わーーーっ!!」あたふたっ

 

 

つつじ「やるんならそこの料亭だけにしてえな?」にっこり。

白「お前 大概酷いな」

 

 

 

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【件の料亭】

 

番頭「あのー 旦那様。
町の大掃除と称しての 猫の駆除ですが
正直猫を駆除した所で 

Σあ!こらしっしっ!」

旦那様「何だねありゃ」うわ。

 


番頭「そこの芝居小屋に強盗に入って返り討ちに有ったゴロツキだそうで

役人に引き渡される所をどうにか逃げ出した物の
芝居小屋の奴等に見つかってボコられるのが恐ろしくて日向を歩けんらしく こうしてゴミ漁りを

旦那様「この町のその手の力関係 どうなってるのかね」引っ

 


番頭「基本弱肉強食です。

で、その ここで実際に商いをしていると
猫よりあっちのが数倍迷惑なのですが」

旦那様「そんなの知らん
人間は勝手に駆除出来んだろ。

それに 私は単に

猫が大嫌いなだけだ。」きっぱり。

 

 

番頭(Σそれだけの理由で大人数で町中の猫捕獲しろってか!?) えええっ

 

旦那様「今しょうもないと思ったろう

しかし これには深いわけが有るのだよ」ふっ

番頭「Σはっ!猫にまつわる過去エピソードとかで!?」

 

 

旦那様「昔、私が子供だった頃
屋敷の庭で野良猫が子猫を産んでな」遠い目っ

番頭(Σ悲しい過去の予感がっ)

 

 

旦那様「子供だし めっちゃ触りたいだろ 声だけミーミーミャーミャー聞こえるんだぞ

それで子猫の居場所見つけ出して触ろうとしたら親猫に見つかってな」ふっ。

番頭「飼い猫でも場合によっちゃ偉い目に遇わされますそれ。」

 


旦那様「結構本気で襲われて えっらいケガしてな
あの時の猫の顔 あれは猛獣よ微塵も可愛くなんぞない!

人の庭で勝手に子供産んだんなら 家のものに触らせるくらいせんかい!!」くううっ

番頭(いやそれ 相手が猫以外の獣だったら多分死んでます。)ドン引き

 

旦那様「と言う事で

私の店の周囲にあの様な獣がウロついてる等許せんのだ
てか誰に断って生きてんだあの畜生共っ

あんなの他の飲食店も迷惑だろ
町の大掃除と言えば歓迎こそされ 許否する奴なんぞおらん筈だ」ふんっ

 

番頭「あの。猫の居る風景壊すなってクレームが

旦那様「知らん 悪趣味な奴等め。

無視してさっさとまとめて処分してしまえ」すたすたっ

 

 

 

番頭「・・お坊ちゃんがワガママ放題に育つと  
獣にまでワガママ遠そうとする様になんのか」ああうん。

 

 

 

 

 

 


ダミアン「ーーーと言う話だったが?」変化どろんっ

白「良し。 報酬の飛天の所から買ってきた血液パック
あーるえっちまいなす? とかって奴だ。」

ダミアン「Σおお!レア物っ!!」おおおっ

 

 

粋「Σいや兄貴!?
マジでやる気!?」ひええっ

 

酒呑童子「お前な。あいつ怖えんじゃ無かったのかよ」

ダミアン「確かにあの魔王は苦手で有るが
最近川魚の血しか啜っておらんのでつい。

コウモリ変化して探るだけの簡単な仕事であるしな」

 

 

粋「あのさ兄貴

人間には人間のルールってのが有って いや今回のは確かにアホじゃね?と思わなくもねえけど。

猫が可哀想ってのは解るけど ほら、飲食店には飲食店の言い分がさ」どうどうっ

 

白「『俺等』から見れば人間は後からやってきて勝手に町とか作って 自分が支配者って思ってるただの猿だぞ。

その辺は妖怪も猫も同じだ」

粋「Σう 正論っ」

 

 


テオドール「まあ妖怪の世界は強いのが正義に御座いますからね

ムカついたら 喧嘩して勝った方が正義に御座いますよ」ははんっ

粋「Σ人間の世界ではそれが通じねえからやめろっつってんの!

俺かて内心これどうよって思ってるわ!」

 


酒呑童子「つかお前
普段俺等に 人間に喧嘩売るなって言っといて それってよ」ええー。

 

白「誰が喧嘩売るって言った?」しれっ

酒呑童子「Σへ?」

 

 

粋「Σあれ 違うの!?」ええっ

白「やるなら見付からない様に あそこの店の奴等殴るに決まってるだろ
わざわざお前等に言わないし」どやっ。

 

酒呑童子「いい性格してんなお前」うわ

ダミアン「無茶苦茶だが 勝てんからなあ」うーん。

 

 

 

白「て事で

バカラス シナリオ練れたか?」

彬羽「こんなの練る程のものじゃねえだろ。」ふんっ

 

粋「Σまさかのお前も全面協力!?」

彬羽「今回のは動機がアホ過ぎる。
よって 駆除側の弁護する必要は無いだろ」ふんっ


テオドール「そう言えば彬羽さん
動物がお好きに御座いましたねえ」成る程。

 

 

 

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【再び 件の料亭】

 


公人A「おい。聞いたか?
例の猫駆除の奴よ。

さっき町で捕まえてるの見たけど、こんなちっこい子猫までって 見てられなかったよ」とほほっ

公人B「あー 確かにゴミは漁るが
そこらで遭遇するとちっと癒されるもんなあ

俺はそんな嫌いでもねえよ。
何も根絶やしにしなくてもって思っちまうよなあ」

 

公人A「だよなあ。
猫は祟るって言うし あまり粗末に扱わねえ方が良いんじゃと


 ん?」ぴた。


公人B「どしたよ?」

公人A「今 猫の声が」

 

 

ちりんっ。


奉公人AB「Σ!!!」背筋ぞわっ

 

 

 

 

 


旦那様「さて、では後は頼んだぞ
この様な獣臭い所に長居する気は無いのでな」

番頭(さすがに店内までは猫臭く無いだろ
つか、臭ってたら問題だっての 掃除徹底してるっての) むっ。

 

旦那様「なんだお前 
最近反抗的な
返事はどうした返事は」むっ。

番頭「Σへ? あ、申し訳御座いません
ちょっと 効率的な害獣駆除の方法について考えてましてっ」

 

旦那様「ふむ?
ならば良かろう
次に私が来るまでには綺麗に掃除を終わらせておくのだぞ」ふふんっ

番頭(やんないと俺のクビが飛ぶんだろうなあ) ううっ

 

 

ことんっ

 

猫「にゃー。」

旦那様「Σおおうっ!?」びくっ


番頭「Σああこら しっしっ!!」

旦那様「なんと図々しい 店の中まで入ってくるとはっ

これあっち行けっ
ええい臭いっ」しっしっ

 

番頭「ん?臭い?

Σん!?これは何の臭いで?」きょろっ

 

旦那様「何って猫の臭いだろ! ほれ早くつまみ出さんかっ!!」

番頭「いや猫ってこんな薬みたいな臭いですか?

ん? 何か 向こうで光っ 

Σひいっ!?」


暗闇に猫の目ぎょろろろろっ

 


猫軍団『にゃーん。』ゴロゴロゴロッ

旦那様「Σまだこんなに居たのかああ!!」ひいいっ

 

 


番頭「Σいや論点違います!
あんな数の猫に襲われたら Σうおお襖が開かないっ!」ひいいっ

旦那様「Σ何いい!?

待て私は1匹に襲われてあんなだったんだぞ!?
ちょ 何でこんな建て付け悪いんだ!?」あわあわっ

番頭「Σ知りませんよ!私しゃ建ててませんからっ!」


旦那様「Σ主人に向かって何て口を!

ん?ちょっと今 話中っ!
やめんかこらっ!」手振りほどきっ

 


番頭「あの、誰と話してるんで?」青ざめっ

旦那様「Σえ

だって今 肩トントン   って」


おそるおそる振り返りっ

 

 

化け猫『にゃーん。』ちりんっ


旦那様「Σああああデカいいいいいーーーっ!!」うわあああっ

 

 

 

番頭「Σお!襖が開いたっ」すぱんっ

旦那様「ままま待て!私を置いて行

Σえ。何を立ち止まって」

 

 

 

 

『先に手出しをしたのはどっちだった?

あの時 息の根止められ無かっただけでも幸運と思えよ人間。』耳元ぼそりっ

旦那様「Σおおおお前まさかあの時のおおおおっ!!」トラウマフラッシュバックっ!

 

 

 

 

 

 

 

粋「番頭は巻き込まなくて良かったんじゃね?

見事に失神してんぞ」うわ。

彬羽「そこは不可抗力と言う事でだ。」

テオドール「お疲れ様に御座います

ま、夢と思われるよりは効果的では御座いませんかね?」

 


大嶽丸「俺は山猫なんだがなあ。 

ま、いっか」鈴ちちりんっ白粉拭き拭きっ


白「せっかく変装して来たのに
即伸びちゃったな」ちっ。

粋「うん。なぶらねえの」どうどうっ

 

 

ダミアン「まあ 喧嘩は売ってはおらん か。」ほう

酒呑童子「つか 店の奴等全員裸足で逃げ出すって

まだ殴られた方がマシじゃねえ?」うーん。

 


彬羽「まあこれで 計画は中断だろ。
止めないなら止めるまで脅かせば済む事だ。」しれっ

粋「うん。お前怖えよ」

 

 

白「だな。もう出来ないと思うけどな」

旦那様「」白目っ

 


彬羽「良し。撤収だ撤収

店の奴等が帰ってきたら面倒だぞ」マタタビの束ふりふりつ

猫軍団「にゃーにゃーにゃーにゃー」ぞろぞろっ


粋「Σうお すっげえ光景」

 

酒呑童子「しっかし 毎度よくこんなの思い付く物だわ。

理解出来ねえ」ため息っ

ダミアン「理解出来んと言えば 私にはもっと理解出来ん事が」ちらっ

酒呑童子「あ。解る」ちらっ

白「ん?」

 

 

一同(変装とは言え 躊躇無くネコミミ着けたよこの魔王!!) 目そらしっ

 

白「?」


テオドール「お似合いに御座います」にこにこっ

 


大嶽丸「お前、それで猫とか化け猫なめてるだろ」むっすー。

 

 

 

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