小咄

小咄

くろねこ太郎の落書き部屋 小咄ページです

9月24日

 

 

 


【某屋敷 屋根裏】

 

挿音(Σやべっ しくった!)はっ

 

 

警備一同「Σ曲者おおおおお!!」どどどどどっ

 

警備A「奥方様!大丈夫ですかっ!」

警備B「屋根裏だああ! 者共槍だ薙刀だ!
突けえええーーーっ!!」うおおおおっ!

 

 

 

 

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粋「Σげ。どしたのその怪我」ぎょっ

 

挿音「ちいーっと、しくじってよ

手先の器用さには自信があったんだけどなあ」ため息っ

 

白「器用さって 忍の仕事で大工仕事とか有るのか?」はて?

挿音「まれに。」

テオドール「有るので御座いますか」わお。

 

彬羽「忍は作業早くてナンボだからな
それ、秀吉の1夜城とかも有るだろ

速さは時に戦況すら変えるからな。」瓦版のコラム書き書きっ

 

粋・テオドール「いちやじょう?」 きょとん。

彬羽(こう言う層にこそ向けた 解りやすい記事も必要かもしれんな) ふむ。

 

 

千様「あらあら。意外と知らない子は知らないのねー

ん、白君は解るのー?」あらあ?

白「もちろん知らない

けど、知らない事のが多いし もういいかって。」しれっ

 

彬羽「知らないと言う事を知っていると言うのも 大事な事では有るんだが

手前の場合はな」うーん。


挿音「彬羽 逐一頭固えよ。」

彬羽「その怪我で頭カチ割れてねえ手前が言うか」

 


千様「Σえ。そこまで大ケガしてんのアンタ!?」ぎょっ

テオドール「で、御座いますねえ

血の匂いがまだまだ真新しく」くんくんっ

 

挿音「吸血鬼にそれで判断されんの 何か嫌なんだけどよ」

テオドール「御安心下さい
匂いがクドそうなのであなた様の血は食欲湧きません」真顔っ


挿音「・・あっそ。」何となくムカッ

 

 

粋「つーか しつこいのダメなテオが絶賛してる兄貴って 
どんだけ血サラサラなんだよ。」

千様「どっちかと言うとー

薄そう?」にこっ。


白「喜んで良いのか?それ」

 

 

 


彬羽「血液検査の話はもういい

で、お前がそこまでケガするって 何があった?」 


テオドール「彬羽さんは夏の間に確実に血液ドロドロなので 充分に水分摂って運動して下さいませね」

彬羽「すまん。話が進まんので黙ってくれ

あ、でも確かに」思い当たるあれこれっ

 

 


挿音「あー、そんでお前らに相談なんだよ。

どっちかと言うと お前らの管轄だしよ」

白「ん?何処かの屋敷に潜入してたんじゃ無いのか?」


挿音「それがよ。そこの家主がいわゆる幕臣なんだけどよ

すっげえ愛妻家で 嫁さんに贈り物したんだよ」

粋「ん?何の話?」

 

 

挿音「それが何でも豊臣の家臣の家に伝わる すっげえ珍しい石でよ。

それを西洋風に 首から下げる飾りに仕立てたんだが
コレを、贈られてから その嫁さんの周りに不幸が起きまくっててよー」 はーやれやれっ


千様「あーそりゃ 確実に呪われた宝石だわ」ああうん。

 


挿音「おう。ぶっちゃけその旦那
つまり贈った幕臣に重点的に呪いが来てるみたいでよ。


江戸城に登城した途端 庭木から大量の大量の毛虫が降って来たり、 代えたばっかの畳の目で滑って 親父の前で股裂き状態になって すんげー気まずくなったり

その帰り道で馬の糞踏んで滑って転んで川に落ちるわ

コレもう不運じゃ済まなくね?てなって調査したらそんなだったと」


粋「Σまた地味に嫌なのばっか!」ひえっ

 

 

白「それその旦那が どんくさいだけじゃないのか?」

挿音「俺も最初はそう思ったんだけどな

あの首の飾り 俺が見ても普通じゃ無かったしな」

テオドール「と、申されますと?」

 


挿音「それがな

親父に それが怪しいからと言われてたから半信半疑で天井裏から釣糸垂らしたんだよ。

で、引っ掻けて 外してパチろうと」

彬羽「思ってた数倍器用だな。」ほう。

 


挿音「そしたらよ 

外れそうになっ途端 首飾りが 『ギャアアアアッ!』っとこの世の物とは思えない悲鳴をっ
」くわっ!

粋「Σうっぎゃああああっ!!」びくううっ!

 

 

千様「説明ついでに粋君脅かすんじゃ無いわよ」ジト目っ


挿音「普通に話しても面白くねえだろがよ」キセルすぱーっ

テオドール「意外と余裕しゃくしゃくに御座いますね」


粋「Σ毎度毎度ひっでえええ!!」どちくしょおおおっ

 

 


彬羽「成る程。そりゃ 警備も集まるしフクロにもされるか」納得。

挿音「おう。結局何の声だったんだってなってたぽいけどよ」

千様「耳元でそれは 奥さんビビったでしょうねー」あらあらっ

 

 

白「えっと。つまり 前に飛天が育てようとしてたマンドラゴラみたいなもんか?」

挿音「マンドラゴラなら抜こうとしたらくたばんじゃね?」

彬羽「いや手前 一歩間違ったらくたばってるぞ」


挿音「Σあ」

 

 

 

白「ん?石が原因って解ったんなら

『天海』の権限とかで その石差し出せって言ったら良いんじゃないのか?
上納だ上納。」な?


挿音「いやそれがよ

旦那の方がそれは飲み込めねえ。
自分が嫁にやった以上 それを取り上げるってのは自分の旦那としてのなんちゃらに関わるとかゴネてよ

どうしてもって言うなら腹切るとか 愛妻家過ぎて話になんねえわ」はーやれやれっ


千様「まーた面倒な人ねえ」

粋「渡した方が自分の為なのになあ」うええ

 


彬羽「そんな奴となると 呪いの大半が自分に向いてると知っても手放さんか。

と言うか 下手すりゃ嫁にそんなのやったの悔やんで腹切りかねんな。」困惑っ


挿音「そう言う事よ。
ったく 親父もそんなで無くしたくねえ部下だから困ってんだよなあ」ため息っ

 


テオドール「有能な方って 何かしら難儀だったり致しますからねえ」
彬羽「何故こっちを見た「気のせいに御座います」

 

 

白「じゃ、その石をどうにかして回収すれば良いんだな?」


挿音「だな。
幕府のもんじゃ下手に手出せねえわ。
化物には化物で頼むわ」

 

 

彬羽「ん?何だ やる気か珍しい」


白「幕府の頼みは 後が美味しいからな

じゃ今回は 亥乃橋屋のわらび餅な。 大きい包みの方」

挿音「おう。毎度安上がりで助かるわ」にやっ

 

 

千様「白君 ひょっとして、毎度報酬お菓子なの?」

挿音「パッと決めらんねえ時の為にカタログもあんぞ。」カタログどすっ。

 


粋「Σえ。俺等でも金1封なのに!?」えええっ

テオドール「お金よりお菓子のがお好きな方に御座いますからねえ

あ、私 クロデットクリームに最適なバターでお願い致します。」


彬羽「お前のあの無駄に凝った洋菓子の材料 幕府からだったのか。」納得

 


挿音「へいへい。

毎度こっちのが高いんだよなー
じゃよろしく。」報酬メモメモっ

 

 


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【件の屋敷 中庭】

 

 

粋「で、忍び込んだは良いけどどうすんの?」茂みでがさごそっ


白「俺等は徳川関係ないし やり方色々有るだろ

ほら飛天から眠り香貰って来たし
彬羽「普通に泥棒じゃねえか」

 

 

テオドール「物を盗る為に忍び込んでる時点で泥棒に御座います。

えーと。こう言う時はほっかむりの結び目を鼻の下に」うきうきっ

粋「お前 楽しそうだなあ」苦笑

テオドール「ジャパニーズネズミ小僧に御座います!」どやっ

彬羽「ネズミ小僧は盗んだ物を庶民に配る盗賊だがな」


白「マンドラゴラ石なんて配ったら偉い事になるな」うん。

 

 

 

彬羽「しかしまた 警備が厳重化だな。」チラ見っ


警備 うろうろぞろぞろっ

 

粋「愛妻家の家で奥さん襲撃されたらそりゃあなあ」うーん。

 

 

テオドール「やはりこう言う時は 陽動に御座いますかね?」

白「だな。
他のに気を向けさせて母屋に入り込もう」うん

粋「え?石でも投げんの?」

 

 

 

白「よし。頑張れバカラス 」

足ばらいぱしっ!


彬羽「Σえ」


テオドール「大丈夫で御座います
彬羽さんならくたばりません!」背中どんっ

 

 

彬羽「Σんなっ

 コラ手前らあああ!!!」ずざざっ!

警備「Σうおお曲者おおー!!」 警笛ピー!ピイイッ!

 

 

 

白「良し。今の内だ」すたこらっ

テオドール「彬羽さんがデカくて目立ってよう御座いましたね」すたたたっ


粋「Σ二人揃って良心はねえのかよ!

うおおカラスごめん!気張れええっ」だだっ!

 

 


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【屋敷内】

 


粋(そして秒ではぐれたああーー!!!) 絶望っ!

 

 

裏庭わやわやっ

 


粋(カラスが派手に暴れてんのか 見事に誰も居ねえから助かったけど

兄貴はもちろん テオは吸血鬼だからスピード全振りだし。
あー 2人揃ってめちゃ速いの忘れてた)とほほっ

 


床板ぎしっ。

 

 

粋「Σ!!」心臓どぅんっ!

 

 

 

奥方「あのー 貴方はどちら様

粋「Σすんませんしたああーーっ!!!」どどどどっ

 

 

奥方「Σえ。いえあのっ

もし!」たたっ

 

 

 

 

白「あれ? まずくないか?」飾り鎧の兜かぽっ

テオドール「で、御座いますねえ」屏風の裏こそっ

 

 

 

 


粋「Σえ。ちょ嘘っ!

奥方追ってくる!? まさか泥棒捕まえる気かよ アクティブ!?」ひえええっ

 

 

奥方「待って待ってそこの人ー!!」
たたたたっ

 

 

女中A「Σ奥方様何事ですか!?」ぎょっ

奥方「え?ああ気にしないで

ちょっとダイエットを」すたたたっ


女中B「Σいやダイエットって裏庭で曲者騒ぎがっ」

奥方「だから外に出られないでしょう?
そして こうやって準備運動していれば また何かに襲われた時に即座に走れるでは有りませんか」すたたっ

 

女中A「な、成る程?」

女中B「Σいや奥様 既に全力疾走じゃないですか!
準備運動ってレベル Σ早あっ!!」ひえっ

 

 


粋(なんか良く解んねえけど
え?1人で捕まえる気!?

つか万一此処で捕まったら 俺どうなんの!?人の法的に斬首じゃね!?)ひえええっ

 

 

 


テオドール「助けた方がよろしいのでは?」屋根裏這いずりよいせよいせっ

白「んー。
いくらあいつでも 人間の女に捕まる様なヘマしないだろうし

相手が疲れるの待って 石と粋回収した方が

 

 


奥方「待ってと申しますに」

行灯の油ていっ!

 

白・テオドール「Σ!?」

 


奥方「せーの」

 


行灯つるるーん

 


がっしゃん!!

粋「Σぐほあ!」げふっ

 

 

 

 

白「あ。やられた」

テオドール「Σ奥方強い!!」ひえええっ

 

 

 

粋「あだだだだ。
え、うっそ
あんなお淑やかそうなのに いでで」よれれっ

 


奥方「あのー もしやと思いますが

貴方泥棒さん?」ずいっ


粋「Σひいっ!

うおおおごめんなさいごめんなさいごめんなさいいいっ!!」土下座っ

 


白・テオドール(一瞬で力関係が出来上がってしまった。)うわ

 

 

 


奥方「いえ ごめんなさいでなく

貴方前にこの石を盗りに来た方?」首飾りしゃらんっ

粋「Σいやそれは俺じゃな

じゃなく!その節は誠に申し訳が」あわわわっ

 


奥方「あげます。

ほら捕まる前に早く逃げて」石握らせっ

粋「Σへ?」

 

 

 


白「あれ?

石を渡す為に追いかけて来てたのか?」ひょこっ

奥方「あら。天井にも泥棒さん」


粋「Σ兄貴!居るんなら助けてくれよ!!」涙目っ

白「いやこれ 何をどう助けたら良いんだ?」

 


テオドール「あのー ひょっとして その石処分に困っておられました?」

奥方「ええ。
盗みに来たのならお分かりだと思いますけど

確かにそれレアですよ? 綺麗ですよ?  けど


徳川の天下で豊臣系の所から持ってきて それが来てから亭主が生傷絶えず更に耳元で叫んだり

普通に考えて気持ち悪くて仕方ありませんわ」ふっ


白「確かに気持ち悪い」うん。

 

 

奥方「更に言うと 私日本文化を愛するタイプ
西洋風は苦手ですの。

しかし亭主がお前に絶対似合うからと仕立ててくれたし 何となく気に入らなくてもつけなきゃいけないし

その上、その石地味に重くて肩凝るし
泥棒に盗られたのなら 亭主も納得するしかありませんでしょ?」ため息っ

テオドール「愛されるのも大変に御座いますねえ」うわあ。

 


白「ん?つまり持ってって良いんだな?」


奥方「あー 旦那の愛と石が重い」ぶつくさっ

テオドール「良さそうに御座いますね」ああうん。

 

 

 

粋「なあ。俺 油まみれになる必要あった?コレ」 デロデロぬるぬるっ

 

 

 

 

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千様「へー。それは大変だったわねー」あらあらっ

粋「おうよ。
あー つっかれた」ぐったり。

 

家康「また大変な事お願いしちゃったみたいでごめんね。

で、その石ってどうなったの?
そんなの城にも置いとけないし」あれっ?

 


白「それならあっちだ。」指差し

家康「ん?」

 

 

 


彬羽「Σ報酬なんぞいらん!

持ってくるな呪われる!!」うがあっ!

 

挿音「そう言うなよ。今回のMVP。

お前報酬の希望言わなかったろ?
んで、面倒だし現物支給」 呪いの石ぶらんっ

彬羽「Σ要るかあああ!!!」

 


挿音「いやーこんなでも石としての価値だけは有るらしいぞ?」な?

彬羽「Σさては手前 処分に困ってるだろ!!」

 

 

 

 

白「バカラス なんだかんだカラスだし
変わった石集めるの趣味だし」

千様「白君の案なのね」ああうん。


白「喜ぶと思ったんだけどな」はて?

テオドール「呪いとセットのコレクションはさすがにいかがな物かと」苦笑。

 

 


彬羽「ったく!どいつもこいつも!!
人を囮にするわ 呪いの石押し付けようとするわ
つか毎度毎度毎度毎度手前じゃねえか!!」ぎりぎりぎりっ

白「悪気は無いんだ許せ痛い痛い痛い」

 

粋「お前さ。とっくに兄貴に呪われてるようなもんだし 今更じゃね?」

 

 

 

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