小咄

小咄

くろねこ太郎の落書き部屋 小咄ページです

9月23日

 

 


白「なんだあのゴテゴテした看板」 あれっ

粋「ゴテゴテしてんのはうちの芝居小屋も大概じゃね?

あー。見世物小屋かあ」

 

テオドール「見世物小屋
偽物のワーウルフとか 皮膚病の動物とかを妖怪として見せる的な アレに御座いますか?」えー。

粋「間違ってねえけど ガチ妖怪が言うと 何か複雑だなあ」

 

 


白「ふーん。作り物の化け物を見せる所か

見てみたい」きらーん。

粋「こっちはこっちでまた変な好奇心を」あーはいはい。

 

 

テオドール「本物を見慣れてる方が見ても何も面白い事は無いかと。

てかこの町、化け物だらけなので御座いますから 本物出してきた方が手っ取り早い気も致しますがね」のほほーん。

 

白「人間に捕まる様なトロいのそうそう居ないと思うぞ」

粋「あー確かに。

なんだかんだで 捕まりそうなのってちっさい付喪神の連中くらい?」

 

 

客引き「へいらっしゃいらっしゃい!!

ほらほらお立ち合い! このカゴをご覧ください
ほーら本物の妖怪だ! うちの店を覗きに来た所を捕まえたよー!!」

カゴぶらーん。

 

粋「Σ納豆小僧おおおおっ!!!」ひええっ

 

 

 

テオドール「納豆さん。好奇心に負けたので御座いますか」あちゃー。

白「めちゃ泣いてるな」あーあ。

 

 

 


客引き「はい!この様に 当店では凄腕の霊能者、陰陽師を雇い『本物』を多数取り揃えております!

さあさ もっとご覧になりたいと言う皆様は奥までどうぞっ」

 

客どやどや押し寄せっ!

 

 


白「どんくさいの めちゃめちゃ居るぽいな」やれやれっ

テオドール「あれはお助けせねばなりますまいね」すたすたっ

粋「Σこの町の人間 こっええええ!!」ひええっ

 

 

 

 

間。

 

 

 

客A「すごかったねー」ひそひそっ

客B「だね。
妖怪入れてる檻がいきなり燃えたと思ったら 凄い数のコウモリがブワッて

やっぱ本物は違うわー」うんうんっ

 

 

店長「Σ何いい!全員逃げられただと!?」えええっ

下働きA「逃げられたと言いますか
強奪されたと言いますか」そのー。

店長「Σ強奪!?誰に!!」

 

 

 

下働きB「鬼がっ白い鬼が!!」がくがくぶるぶるっ

下働きC「鬼がコウモリ連れて攻めてきたああ!!」ひいいいっ

 


下働きA「マジでそんなんでした。」困惑っ

店長「いや鬼がコウモリって どんな組み合わせ

ん? なんだ ワシの後ろに何か 

 

Σひっ!」

 

 

 

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【その頃 割烹春一】

 

ひな「彬羽さん?どうしたんです?」あら

彬羽「いや。何か嫌な予感が」冷や汗っ

 

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白「般若の面って便利だな。」かぽっと外し。

テオドール「ただの御仕事道具に御座いますのにねえ」のほほーん。

 

粋「まあ 普通は怖えだろなあ」

小妖怪の檻どっこらせっ。

 

妖怪達わらわらわらわらわらっ

 

テオドール「私達が脅かしてる間に強奪お疲れ様に御座います。」

粋「まさかこんなに捕まってるとはなー」はーやれやれっ


白「もう捕まるなよ?」


小妖怪達こくこく頷きっ

 

 

テオドール「しかし ちょっと派手に燃やしすぎたかも御座いませんね

ボヤ騒ぎになっております。
コレ 後で彬羽さんに叱られるのでは?」うーん。

白「Σ!」


粋「うん。鬼と間違えられた魔王を 一瞬でもビビらすカラスが凄えわ」

 

 

テオドール「めっさ水撒いておられますねえ。

ん?鬼火?

ああ、普通の火じゃなさそうだからビビって多めにかけていると。
そんな怖いならこっちの世界に手等出さねばよろしいのに」耳ぴくぴくっ


粋「吸血鬼の五感凄げ。 俺何言ってるか聞こえねえわ

ん?そういや そっちのプロの協力でコイツ等捕まえたとか言ってなかった?
そんなの居たっけ?」

 


白「向かってきたから蹴り倒したアレかな?」はて?

粋「うん。いつの間にか瞬殺されてた」わお。

 

テオドール「あー おりましたね。
秒殺過ぎて忘れておりました。」

 

 

白「まあ、妖怪誘拐されてたんだし
説明したらバカラスもそんな怒らな

ん?」ぴくっ


粋「ん?どしたの?」

 


白「?

気のせいかな?」 ふむ。

テオドール「ボヤの跡が何か?

んー。納豆の臭いしか致しませんが」くんくんっ


白「じゃ気のせいか

よし。長居したら面倒だ さっさと帰るぞ」くるりすたすたっ


ざわざわぞろぞろっ

 

 

粋「いや面倒になるから着いて来ねえの懐かねえの。

お前等も帰ろうな」はいはいっ

 

小妖怪達「Σ!!」

テオドール「ミニマム百鬼夜行に御座いますねえ」苦笑。

 

 


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白「え。
あの見世物小屋の跡 変なの出てるのか?」

彬羽「らしいな。

で、何で知ってる感じなんだ?何があった何をやらかした」ジト目っ

白「Σあ。」

 


テオドール「まだ話されておられなかったので御座いますねえ」おやまあ。

粋「うん。黙ってりゃ誤魔化せるとか思ってそう
俺が言っとくべきだった」あーあ

 

 


白「ちょっと待て 説明は後にしてだ

じゃあやっぱあの時の 変な感じ 気のせいじゃなかったのか?」ふむ。

テオドール「私は何も感じませんでしたが」はて?

 


彬羽「変なのって どう言う事だ?」

粋「えーと。なんかボヤ跡近くでチビッ子百鬼夜行になりかけてた時に 
兄貴が変な感じがしたとか何とか」


彬羽「待てこら手前 いったい何をした」首根っこひっ掴みっ

白「悪い事はしてないし。」じたばたっ


テオドール「逃げようとされるから疑われるのでは」苦笑。

 

 

 

彬羽「よし。詳しくは道々話せ

とりあえずその場に行ってみるか」

白「とりあえずで拳骨って。」頭じんじんっ

彬羽「黙れ 毎度ろくな事してないかやり過ぎだろが」


テオドール「よく解ってらっしゃる」おおっ

 

 

 

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見世物小屋跡】

 

 


粋「ーーつまり 今朝のボヤ騒ぎの後から此処等で若い男ばかりが襲われてる  と」うげっ


テオドール「あの、それ私達 来て大丈夫なので御座いましょうか?」

彬羽「手前等は仮にも妖怪だろうが。
自分の身くらい自分で護れるだろ」


白「それで捕まってた奴等見たばっかだしな

ん? あの変なの無くなってるな」きょろっ


粋「だから変なのって何?」困惑っ

 

 


テオドール「しかし若い男ばかり襲われるとは

仮説に御座いますが、あの見世物小屋に捕まっっていた妖怪がまだ居て、
それが男に恨みを持ってる と言う感じで御座いましょうか?」

白「でも俺もお前も どっちも気配感じなかったんだよな?」


テオドール「あー。確かに

ダブルチェック抜けは さすがに無いとは思うので御座いますが」うーん。

 

 

 

粋「あ。兄貴が蹴り倒した術者って 若い男だったとか?
恨まれるとしたらその辺?」手ぽんっ

テオドール「いえ。オッサンに御座いました」

 

彬羽「他に人間の男に個人的な恨みが有るのかもな

雨女のパターンもある」

白「雨女はアレ 恨んでなくてずーっと待ってるだけだろ」

粋「結果定期的に号泣して 洪水起こしてるけどな」うん。

 

 

テオドール「と言う事は偶然なので御座いましょうか?

偶然あの騒ぎの直後に何かの妖怪が人を襲い出しただけ?」はて。

彬羽「普通に考えたら 魔王が暴れた後にそんなのするかって話だが


ん?」ぴたっ。


粋「へ。どしたの?

 

あれ 兄貴もテオも

ん?あのボヤ跡野次馬してる姉ちゃんが何か?」きょろっ

 

 

白「晴明に教えて貰ったろ 狐の窓。」

粋「Σえ

えっと こうしてこうして
こう!!」指の間覗き込みっ

 

 


人魚「あらー? 皆さんお揃いで

と言う事はやっぱりこの騒ぎ 皆さんの仕業だったんですねー」ひょこっ

テオドール「おや人魚さん
御1人で珍しい。」


彬羽「調度良い と言うかタイミング良すぎるな

何があった?」

 


人魚「あーいえちょっと本能が。

縄張り荒らしの臭いがしまして」くわっ!

 


粋「Σちょ!あの姉ちゃん 人魚だ!人魚!!

Σってうお人魚の姉ちゃんいつの間に!!」びくっ

白「ややこしいな。」むう。

 

 

 


野次馬人魚「あのー お兄さん?
さっきから私をガン見してましたけど
え?熱視線?ナンパですか?」いそいそっ


粋「Σうおお 積極的!」ひえっ

 


テオドール「ホント人外にはモテる方に御座いますねえ」

彬羽「こいつも半分は妖怪だから喜ぶべき事なんだろうが」

白「毎度寄ってくるの 地雷だもんな」うん。

 

 

人魚「いえそれ白さんもです
そこは血です。 お可哀想に


それよりそこの新参人魚!」びしっ!


野次馬人魚「Σはっ お仲間!?」びくっ

 

 

人魚「此処は私の狩り場ですー!
有精卵を残したいなら 他の場所を当たりなさいっ!!」くわっ

 


粋「Σこの町何認定されてんの!?」ひええっ

テオドール「多分 私の縄張りです。とか言いたいので御座いましょうねえ

てか人魚って 繁殖優先なので御座いますか?」


彬羽「魚類だしな。」引。

 

 

 

野次馬人魚「Σんなっ!こんな陸に先住が居たなんて!

捕まってミイラにされて苦節30年
やっと水をじゃばじゃばかけられて 元に戻ったと言うのにっ」がーん!


人魚「Σくっ!それは同情しますがっ

それなら私も1度干物にされましたから!
不老不死になるにも このまんまじゃ食べ辛いとかって 軒下でカサカサになるまで干されましたからっ!!」なんのっ

 


白「人魚って 気軽に干物になりすぎじゃないか?」

 

テオドール「あのー 
それってつまり、人魚のミイラとして 見世物小屋に置かれておられたと?」

野次馬人魚「はい。目玉商品です
可愛い外国のお兄さん」すすすっ

 


白「それ未成年だからな
手出したら焼き魚な。」

野次馬人魚「Σう、それはさすがにっ」くっ

 

 

粋「え?つまり

ボヤ消す為の水で戻っちゃったのか ミイラ。」えええっ

テオドール「干物ってそんな簡単に生っぽくなるので御座いますか?」

彬羽「正月の棒鱈でも 数週間かかるんだがな」困惑っ

 

 


野次馬人魚「そこは人魚の生命力!
後は努力と根性!!」びしっ

人魚「努力も根性も良いですが 蘇生していきなり人の男性襲うって何ですか
はしたないっ」ぷんすかっ

 


粋「へ?

ちょい待って 襲うって通り魔とかそう言う感じの襲撃じゃなく?」

 

 

 

彬羽「まあ、そう言う感じの犯罪の方だな」目そらしっ

粋「Σ道理で詳しく話したがらないと思った!!」ひええっ

 

 


白「えーと。
ミイラになってて知らないかもしれないけど

今 妖怪と人間ギスるの無しなって事になってるから
そう言う通り魔も無しな。」指バッテン。

人魚「あ。こちら今の魔王様です」

 

野次馬人魚「Σえ。これは失礼しました!」ぺこっ

 


粋「犯罪起きてるのに何このユルさ。」

 

 

 

人魚「まあそんな感じなので
貴女のやってる事は色々アウトです!

これ以上罪を重ねる前にとっとと海にお帰りなさいっ」ふんっ

 


彬羽「すまん。それで勝手に無罪放免にしないで貰えるか」

人魚「本能に従っただけの上 この人何も知らなかっただけですし」


白「確かにそうだぞバカラス」キリッ

彬羽「Σ頼むからお前はこっち側に居ろ!!」ああもうっ

 

 

 


野次馬人魚「えー 海って。

また捕まって干物にされるかもしれないじゃないですかー
私も自分の身を守りたいしー」うだうだっ

テオドール「そこは 捕まったら我が主がまた救出して下さるかと」


野次馬人魚「魔王様。ついでに結婚しません?」さらりっ

白「そのノリで何で行けると思った」むっ

 


粋(Σさすがにイラついてる!) ひいっ

テオドール(ちょろい奴と思われたのがムカついたので御座いますね) 察し。

 

 

 

人魚「・・はー。」ため息っ

彬羽「人魚ってのは 皆こうなのか?」ドン引きっ

人魚「結構皆こんなですが

此処まで貞操観念ユルユルの人は少ないはずです。
頭痛い」ため息っ

彬羽(お前も酒呑童子茨木童子 両方の嫁になるとか公言してるだろうが。)

 

 

野次馬人魚「あのー。道端で襲うのが良くないんですよね?

なら 普通にお付き合いするなら良いですよね?」


白「良いと思うけど お前普通にとか出来るのか?」

野次馬人魚「・・何股までなら普通「もうアウトだ。」

 

 

 

 

人魚「もう面倒いんで この人食べて良いですか?」ふっ

テオドール「Σうおお人魚さんが 海の食物連鎖モードに!!」

粋「Σやべえ 頭からガリゴリ丸かじりされる!謝ってほら!!」ひえええっ

 

 

 

 

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遊郭

 


地獄太夫「・・そこのドブに捨ててよござんすか?」


彬羽「此処でもアウトか。」困惑っ

 

 

 


野次馬人魚「もう大人しく田舎で海の男誑かしますー」ちぇー。

白「だな。はしゃがないで大人しく生きろ」うん。

 

 

粋「Σそれもどうかと思うけど!
良いの? 本当に良いの!?」えええっ

 

 

 

 

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