小咄

小咄

くろねこ太郎の落書き部屋 小咄ページです

8月25日





【幕府公営診療所】




彬羽「おい。生きてるか?」



しーん。


彬羽「? 入るぞ?」

入り口がららっ



飛天「どどどどうしよう!」くわっ

彬羽「Σうお 居たのか!
何が!?」びくっ




飛天「それがそのっ

色々やらかし過ぎるからって 今度から診療所や周りに迷惑かけたら罰金って言われてたんだけどっ」

彬羽(そんなで釘を刺される事自体がおかしいだがな。)



飛天「またやっちゃった。」ほれ

診察室の壁に大穴っ

彬羽「Σ手前は爆発物使って何をどう治療しようとしてたんだ!?」えええっ


飛天「いやいや 意外と診療所にある物で爆発物作れるんだわ
まあ 俺の場合作ろうとしてたんじゃなく あ、昼飯作ろって思って間違えて薬瓶倒したんだけど」わははっ

彬羽「とっとと平謝りして罰金払ってこい」きっぱり。

飛天「払う金が有ると思うか」どやっ




彬羽「帰る。勝手に野垂れてろ 」すたすたっ

飛天「Σわーわー! 見捨てるなよ!それでもイトコか!!」

彬羽「Σ喧しい!世間一般じゃイトコの金周りまで面倒見ねえわ!
なんだ金貸せってか!?」くわっ

飛天「Σ違う違う!どうにかしてそれっぽい言い訳を「手前を甘やかすとろくな事がない
知らん!!」

玄関ぴしゃん!!






飛天「さすがの学習能力。」ちっ

粋「いや 解っててアレかよ」うわー。

飛天「ダメ元で知恵貸してくれないかなーって。
あれ?お前等居たの?」

テオドール「また食費尽きて診療所内で倒れておられるのではと

日本食の練習の物に御座いますが」お重っ

飛天「Σおおお!助かる!!」わーい。


粋「つかお前 どうすんだよこの壁と罰金」壁穴見上げうわあ。

飛天「んー。 給料八割里に送っちゃったしなあ

ホント足りるか足りないかの食費しか無いしどうしよ」もぐもぐっ

テオドール「仕送りも大事に御座いますが 御自分がカツカツなのもどうかと
飛天「ちなみにこの日本食練習って毎日やってたり?」キラーン。

テオドール「ぶっ飛ばして良う御座いますか?」

粋「つか、飯ならカラスに頭下げて春一でツケて貰えよ」ほんとにもー

飛天「怒らせちゃったし しばらく無理じゃないかなーって「なら何故に怒らせるんで御座いますか」



粋(駄目だ。コイツめちゃ勉強は出来るのに
それ以外は駄目なのの典型だ) うわー。

飛天「しゃーない バイトするか ゴチでした」げぷっ

テオドール「Σ食べるのはやっ」

粋「バイトって 診療所留守にして良いのかよ
俺もちょっと ホント雀の涙程なら貸せるけど?」


飛天「・・それ借りたら終わりって言うか
里の皆に合わす顔が無いから」ふっ

粋「Σどういう意味!?」


飛天「ま、運が良ければ一攫千金。
上手く行けばだけど 手伝ってくれたら分け前有るぞ」にやっ



テオドール「博打は元金が必要に御座いますよ?」真顔っ

飛天「アンタ何気に発想が怖いな」うわー。





ーーーーーーーーーーーーー





粋「うちの裏山?」きょろっ

テオドール「こんな所でバイトに御座いますか?」よいせっと

飛天「運が良ければなーっ て

あれ?」




茨木童子「Σあれっ?」

酒呑童子「お前等なんでこんな所に」びっくり。


粋「お前等こそ何で?」

茨木童子「俺等はお宅の魔王に頼まれ Σあ」はっ

テオドール「我が主が何か?」はい?



飛天「お。あったあった 良い感じの池」おおっ

茨木童子「ん?ひょっとしてアンタも頼まれたとか?」

飛天「何を?」へ?




粋「えーと。つまり 兄貴に池で何かしろって頼まれたの?お前等」

酒呑童子「Σなんで俺に聞くかな ちょ茨木Σ解りやすく聞こえないフリ!」うっ

テオドール「こっちのが口が軽いと判断致しました」きっぱり。



酒呑童子「えーと。それはその
ああもう俺悪くねえからな!言い付けんなよっ

あの白髪 此処のチビ妖怪から相談受けたらしいんだけどよ。
あの野郎 水怖 ・・嫌いだからよ
代打頼まれたんだよ」けっ


粋「あ、うん。
なんかごめん」ああうん。

テオドール(そりゃ私達には言いにくいで御座いましょうねえ) わお。



河童「何でも 主殿、お知り合いの陰陽師の占いでは 今日は水難の相が尋常じゃなく出てるそうで

変な事お願いしてすみません。」ぺこりっ

粋(Σ言い訳が徹底してる!)

テオドール(Σあの方は純然たるカナヅチなだけに御座います!!)




茨木童子「まあ 仕方ないっちゃ仕方ないけどな
話聞いたら水の中入らなきゃいけないぽいし
そもそもこりゃ無理だ」苦笑。

人魚「はーい。出番ですね
お任せ下さいっ」ひょこっ


粋「Σお。成る程っ」

テオドール「Σ水中のスペシャリストに御座いますね!!」おおっ



人魚「では行ってきますね
あ、河童さんは危ないので此処で待ってて下さいね」

ひょいっ

ざぱーん。


飛天「ん? 危ないってのは?」

茨木童子「いや何でも

此処に住み着いてる水妖がな
この河童達追い出して池独占しようとしてるらしくって」

酒呑童子「でっけえ流木に集団で憑依して引き潰すぞオラオラって突進してくるから危ねえとか何とか
テオドール「Σそれ人魚さん大丈夫なので御座いますか!?」えええっ


酒呑童子「いやあいつ 結構強えから。」



人魚「Σちょっ!いきなりぶちかましは酷くありません!?

ああもうっ 乱暴な人は嫌いっ!!」むかっ

粋「Σうおお水が渦巻いてる!!」ひいいっ


茨木童子「怒らせたら船ごと船乗りを水に引きずり込む生き物だしなあ」うん。

飛天「あの、 あの特大サイズの流木って
植物なんだからアンタが使役出来るんじゃ「とっくに枯れて化石だから無理」きっぱり。





白「お前等大丈夫か?」ひょこっ

粋「あれ、兄貴」

白「ん?お前等なんで」あれ?


酒呑童子「お。珍しい
普段は何があってもギリまで助ける気無しの癖によ」

白「水は怖いからな。
この世で一番危ない物相手に丸投げしたし さすがにな」うん。

茨木童子「世間一般ではそこまで怖くは無いとは思うけどなあ」苦笑。


白「あ、バカラス 紐離すなよ」

彬羽「俺はこんなのばっかりか。」げんなりっ

一同(Σ命綱つけられてるし!!)


酒呑童子「Σもう帰れよお前!」

白「ん? ホントに大丈夫なのか
なら良いけど 今どうなって


人魚「あーははははっ ほらほらほらほら沈んでおしまいなさいっ!」あははははっ

白「Σ!?」びくっ



飛天「あの人魚 こんな1面もあったんだな」へー。

彬羽「ん?手前なんで此処に居るんだ?」

飛天「ちょっと小銭稼ぎに」

彬羽「は?」



人魚「あーもうっ
なかなか沈みませんね しつこい
大きいからですかねー」ぷんすかっ

飛天「いや出来たら沈めないでくれるかな

俺も手伝うし。」

人魚「はい?」

飛天「こんな事も有ろうかと

コレとコレを合わせて と。」

手拭いに薬とぷとぷっ



酒呑童子「お前のイトコ何してんだ アレ」

彬羽「何だありゃ Σん?まさかっ」はっ


飛天「あ。ちょっと陸に上がってた方が良いかも

焼き魚になるし」

人魚「Σえ」


彬羽「まずい! 全員伏せろ!!」くわっ

一同「Σえ!?」



飛天「じゃ。いっきまーす

魔王殿 防御よろしく」薬染み手拭いぽいっ

白「え。」



粋「Σやべえ! 悪さしてる水の奴!池の底に逃げろおおおお!!!」

水妖「Σ!?」





水柱どむっ!!!


びしゃしゃしゃっ!

ぼとぼとぼとっ















飛天「沈香って言ってな
水の中に長く沈んで腐らずにいた昔の木って香木として高く売れるんだよな
ほら 表面吹き飛ばしたら凄い上等っ」わははっ

粋「Σやるなら先言えやあああ!!」びしょ濡れっ




酒呑童子「生きてっかー?」

人魚「はーい。いきなり御姫様抱っこだなんて大胆ですね」きゃっ

酒呑童子「空からアザラシ降ってきた気分だわ」あーはいはいっ


茨木童子「魔王殿の炎ガードのお陰で毎度の事ながら無事だけどさ
植物属性にはこっちのが怖い怖い」冷や汗拭いっ


白「あ。河童泣いてる」

彬羽「池 住めんのか コレ」うーん。


池吹っ飛びぐっちゃぐちゃっ。




粋「毎度 飛天が何かするとロクな事ねえなあ」ため息っ

テオドール「」灰っ







ーーーーーーーーーーーーー




大江山





ダミアン「おおおお!小判っ」ふおおおっ


茨木童子「迷惑料と分け前だとさ。」

酒呑童子「酒買って良「アホ程有るだろ 貯金を覚えろ貯金を。」


人魚「私のお仕事代だそうでーす」わーい。

ダミアン「Σ人魚殿!才女だったのだな!!」おおおっ





茨木童子「しっかし 池の修繕を人間の業者に依頼して それでこんだけ残るって、沈香てのは凄いんだな」ふむ。

酒呑童子「言わば木のミイラだろ?
人間てのは変わってんなあ」ふーん。







家康「で、大儲けしたはずなのに何で飛天はうちでご飯食べてるの?」

千様「大金にはしゃいで うっかり全額里に仕送りしちゃったらしいわ」



彬羽「頼むから 自分の事にも頭を使え!!」ぺたぺたご飯よそいっ

飛天「いやー、うっかりうっかり」わははっ



>サイトトップに戻る