小咄

小咄

くろねこ太郎の落書き部屋 小咄ページです

12月20日

 

 


大江山

 


人魚「私を捜してる人が居る?」はいっ?

 

粋「みたいなんだよ。町中でこの辺に人魚はおらんかー!ってさ」

人魚「なんで魚を陸で捜すんですかねえ?」

テオドール「人間にとっ捕まったと思われて 行方を捜されてるお仲間とかでは?」

人魚「んー。確かに1度取っ捕まりましたが そこそこ長く干物だったんでそもそも皆生きてるんですかねえ」うーん。

粋「うん。凄い事言ってんのにノリ緩っ」


白「心当たりないのか?」

人魚「ですねえ。
ひょっとしたら その辺うろちょろしてる時に尾びれ見られて 人魚の肉狙いの人とかかもしれませんけど」

 

粋「あ、そっか
人魚の肉って」

人魚「不老長寿の効果があるって言いますからねえ
ホントにそんなの有るんなら 世の権力者は代替わりしてないと思いますけど」

テオドール「Σ確かに!」はっ

 


酒呑童子「本体が干物になっても水に浸けときゃ蘇生する辺りなあ。
人間から見りゃ 食ったらなんぞ加護が有るとか思うんだろな」

人魚「それなら 鳥食べたら空を飛べる様になっちゃいますね」あははっ

 

 

テオドール「人魚さん。それならこの山に住み着いて正解に御座いますね」ひそっ

白「その辺に1匹で置いてたら  人間に捕まってなかなか死なないの良いことに肉取られ続けて地獄だと思う」

テオドール「Σ有り得るから怖い!!」背筋ぞわっ

 

 

ダミアン「相変わらず発想の恐ろしい魔王だな」ドン引きっ

茨木童子「いや 充分有り得る有り得る
人間は鬼より怖いぞー?」

ダミアン「まあ確かに。特に日本の奴等は何でも食ら「食生活の話じゃなくて」

 


白「とにかく気を付けろ

年末は人間も妖怪も変なの多いからな」

人魚「はーい。
酒呑さんと茨木さんが一緒ですし絶対大丈夫ですけどね」


酒呑童子「Σいちいちくっつくな!」うがあっ

人魚「あ。茨木さん もはや避け方が匠の技っ」すかっ

茨木童子「ごめん。俺女は獣系じゃないと無理」

人魚「お魚も栄養たっぷりですよー?」ええー。

酒呑童子「この流れでその発言はどうよ」引。

 

ダミアン(平和であるなあ) しみじみっ

 

 

 

間。

 

 

 


ダミアン「しかしわざわざ知らせに来てくれるとは

酒呑殿と茨木殿の人望のなせる技であろうか」ふむ。

茨木童子「いや 普段からあの魔王は結構親切だけど?
無表情だから淡白に見えるけどさ」

ダミアン「私には大概ドライなのだが?」

人魚「あ、それ
ダミアンさんが 白さん苦手だからですー。
ああいう人は 自分を好きで居てくれる人には甘々ですけど 
そうでない人にはブリザードですよー?」のほほーん。


酒呑童子(そういや 相手がストーカーでも大概甘えわ あの魔王。)成る程っ

茨木童子「あー。なんか納得
お前よく見てるなあ。」へー。

人魚「海の生き物はコミュニケーション大事ですから。
ちなみに敵認識すると 容赦なく

ブッ●しに来るタイプです。」にこっ

 

ダミアン「・・比較的友好的に接するよう心掛ける」 背筋ぞくっ

人魚「それが利口ですねー」

 

 

 

酒呑童子「けどよ。気になるな。

ありゃあんなんだけど 表の顔は年末クッソ忙しいお役者サマだぞ?
それがわざわざ本人に言いに来るって事はよ なんぞ引っ掛かる事があんじゃねえ?」


人魚「Σ私がそんなに心配ですか!

なら ぎゅーってして離さないでくださーい!」ぎゅうううっ

酒呑童子「Σだああいい加減ドブに流すぞ手前えええっ!!」うがあっ

 


茨木童子「一理あるか
しばらく人魚は外に出さない方がよさそうだな。」ふむ。


ダミアン「酒呑殿 意外と頭使うタイプであるな」おおっ


酒呑童子「Σ意外は余計だ!」むかっ

 

 

 

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テオドール「彬羽さん どうで御座いますか?」紅茶っ

彬羽「すまん。俺は甘いものは「ご安心を お砂糖抜きに御座います」


彬羽「そうか。助かる」


粋「けどマジで?

人魚捜してる変な奴が目撃される様になったのと同時に ヤバ気な怪異の被害者出始めたって」

彬羽「俺の記憶が確かならな。

ふむ。やはり名簿には載ってないか
と、なると お前に従う気の無い奴等か
はたまた まだシメ切れて無い場所の奴等か。」

白「この時期に海は嫌だぞ」むっ

彬羽「だな。 手前が近寄りたがらない 水の奴等の可能性大だろうな」

白「Σゆうどうじんもん て奴か」はっ


粋「いや。単なる兄貴の自滅。」

テオドール「お水がダメだと海のモンスターとは縁遠くなられますよね」成る程

 


白「ん? じゃあ今回の犯人が水の奴なら

人魚を捜してるってのは やっぱり知り合いなのか?」

彬羽「同一人物ならな。
しかし、人魚を捜すのに人間に危害を加える必要は無いだろ」うーん。

 

 


晴明「ほう?どの様な被害じゃ?」ひょこっ

粋「あれ?晴明」

白「最近よく来るな」

晴明「おせちの試作とか作っとらんかなー?とな
ほうほう、これがその被害者リストと被害状況か
ほうほう これは。」にやっ


彬羽「心当たり有り か?」

晴明「うむ。あまり有名どころではないのでの
お前等が知らずとも無理はない

しかし、知名度そこ低いがまた厄介な者が」

テオドール「と 申しますと?」


晴明「さっさと取っ捕まえねば 今寝込んでおるであろう被害者達がくたばると言う話よ」

粋「Σげ。」

彬羽「で、犯人の正体は?」

 

晴明「影鰐じゃ。
己等も重々気を付けよ」ちらっ

白「? なんで俺を見た」ん?

 

 

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【町中 大通り】

 

わいわいがやがやっ

 


テオドール「うわー。もう年末の市が始まっておりますねえ」おおっ

 

粋「なあ、バケモノ捜しなのに昼で良いの?」てくてくっ

彬羽「晴明の言う通りならな

むしろ夜のが望み薄だ」

テオドール「人に化けられてるとすると この人混みで捜すのは骨に御座いますねえ」むう。


彬羽「相手の特性を考えろ
晴明の話だと 奴は水の近くでなきゃ何も出来ん」

粋「あ、そうか
なら この町の水辺
つまり町の真ん中流れてるこの川を見張ってれば

うん。兄貴 目立つから降りて来て」他所の店の屋根見上げっ

白「水か また水か
絶対嫌だ。」よじよじっ


店の親父「あのー。」

テオドール「うちの主様が申し訳御座いません」

彬羽「すまん。すぐ撤去する

ふんっ!!」ばりっ


粋「Σ力付くて引っぺがされた!!」ひいっ

白「人でなし。」むっすー

彬羽「喧しい。水相手ならお前が居た方が楽だろどう考えても」

白「水嫌いだって言ってるだろ」

 

テオドール「まあまあ。今回こそは水の被害が出ない様 私達も尽力致しますので」どうどうっ

粋「喧嘩すんなよ
ほら兄貴 あんま駄々こねると そこの川に投げ込まれるぞ」ほらっ

白「Σ!!」


彬羽「いや さすがに俺でも口論ぐらいてそんな

おい。何固まってんだ
やるわけ無いだろ 
白「違う


居た。」

粋「Σえ!早っ!!」

テオドール「どどどどこでございますかっ!?」あたふたっ


白「水だ水。

1人だけ 水に写ってる姿がサメみたいなのが居る」


彬羽「Σ成る程 あいつか!」はっ

 

 


影鰐「Σ!」はっ

 

テオドール「あ。ガン見してるんで気付かれた様に御座います」


粋「待てやこらああ!!」だだっ

彬羽「Σ馬鹿! 水に近寄るな!」

 


白(あれ? 水に写ってる方が) 


じゃばばばっ!


テオドール「Σえ。川に渦潮!?」

 


彬羽「伏せろ馬鹿野郎おおおっ!!」

下駄がいんっ!

粋「Σぶっ!?」べしゃあっ

 


渦潮ばしゃー。ごごごっ

テオドール「Σあ。収まりまして御座います

え、ひょっとして今のって」

白「あいつが頭に下駄ゴンっ!でコケて水に写らなくなったからだな」うん。


テオドール「えっと。晴明さんの説明では確か」えーと

 

 

一般人どよどよっ

 

粋「Σ何すんだよカラス!
頭パカーン!てなるかと思っただろ!!」頭くらくらっ

彬羽「Σ喧しい! お前は人の話をどう聞いてたんだ!!」

粋「どうって Σあ」はっ

 


彬羽「影鰐は水に写った姿を食らう。

食われたら魂を持ってかれるとあれ程言われたろうが!!」くわっ

影鰐「もう遅い お前も水の真横で仁王立ちだ!」わははっ

 

彬羽「Σはっ。しまった!」はっ

粋「Σカラスのアホーーっ!!」うわああっ

 

 


白「で、こっちが本体なんだな。」

その辺のでかい石ぶんっ!

ばしゃどぼんっ

影鰐「Σあいたあっ!」げふっ

 

 

テオドール「これだけ水面荒れてりゃバレまして御座いますよ」うん。


影鰐「え?ちょっと目の前に本人居るのに躊躇なく水の中狙う?」げほっ

白「だって水に写ったの食われたら終わりなんだろ?

今喋ってるお前 水の中に居ないし」ん?

影鰐「Σそんなら尚更でしょ!
え。何この人 視覚に頼らない人!?」えええっ

彬羽「常識に頼らん奴ではあるな」

影鰐「Σただの非常識!!」

 

 

粋「なんか 通り魔してんのにコイツの方が可哀想になってきた」うわー。

テオドール「普通では我が主には勝てません」どやあっ

 

影鰐「くっ!こうなれば

今の内に野次馬ばくんっ!!」ばしゃがぶんもぐもぐっ

 

野次馬ばたばたばたーん!!

 

彬羽「Σあ この野郎っ」


影鰐「からのー
ていっ!」水にばしゃんっ


白「Σあ。追いかけられない」

影鰐「わははは冬の水は冷たいぞー!悪い事言わんから諦めろっ

しっかし ここの奴等も違ったか。もうこの町に用は無い さらばだっ!」

ざばばばばばっ!!

 

 


粋「うわ あの速さじゃ泳げても追い付けねえよ!」うええっ

 

白「バカラス。」

彬羽「だな。
やはり読みが当たってたようだ」ふむ。

テオドール「はい?
さっきの此処も違うとか何とかに御座いますか?」

粋「こんだけ人に危害加えておいて何が違うんだよ

うわこれ飛天の所に早く運びこまねえと」

通行人うーんうーん。

 


白「確か 人魚の肉って食べると不老長寿になるんだよな?」

彬羽「俗説だが
食った奴が居るとなれば 不老まではいかんでもそこそこ頑丈にはなるだろうな」

テオドール「Σあ。そういう!?」はっ

 


粋「え?それってつまり?」

彬羽「タイミング的にも人魚の肉を食らった奴が居るかどうか 通り魔やって調べてた可能性が大って事だ」

テオドール「Σ人捜しでこの被害に御座いますかっ!?」ひえっ


白「なんで捜してるのか知らないけど
こんなまでして捜してるって かなり危ないんじゃないか 人魚。」ふむ。

 

 


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大江山

 

 

茨木童子「あ。草履の鼻緒が切れた」

ダミアン「不吉であるな」ふむ。

 

人魚「あら珍しい
普段茨木さんがあれだけ暴れてても切れたりしないのに」あらー。

茨木童子「そこの筋肉程は暴れて無いはずだけどなあ
あーこれ直すの面倒なんだ
えーと。これをこうやって」

 

水ぽたっぽたっ


茨木童子「あ。ちょっと水邪魔やりにくい

雨かな ダミアン笠持ってきて Σうおう!?」びくっ

 


影鰐「Σ此処にはなんで水少ないんじゃあああ!!」うがあっ

茨木童子「Σ山奥だからですけど!? 
てかどちらさん!?」

 


人魚「沢に行けば水場ありますよ

カッチカチに凍ってますけど」のほほーん。

影鰐「Σふおおっ!人魚殿っ」おおおっ

人魚「はい?」きょとん。

 


ダミアン「む?人魚殿の知り合いか?」

人魚「えーーっと?」考え中っ


影鰐「お忘れか!?
ほらあの昔、海で貴女と仲良くさせて頂いていた!」ほらほらっ

人魚「えーと。あの そのー」うーん。

 

茨木童子「あ、これ
記憶に無くても言い出しにくいパターンだ」

ダミアン「で、あるなあ」うわー。

 


影鰐「くっ!人間共に拐かされて居た長い歳月が貴女の記憶を消し去ったか!


貴女がいつも通る岩場の その影に住んでいた 影鰐ですっ!!」どやあっ

人魚「Σえ。誰」

 

茨木童子「ん?ちょい待ち

その、会話した事とか有る?」

影鰐「自分シャイですから」即答っ


人魚(え?岩場?
海の中って岩場まみれだし)混乱っ

ダミアン「おい。それはひょっとして」冷や汗っ

 

 

酒呑童子「あのよ。昔馴染みとの再会に口挟むのもと思ってたけど

お前 俗に言うストーカーって奴なんじゃ?」

影鰐「Σ何を言うか!失礼なっ
確かに家まで着けて行った事は有るが あれは人魚殿が変な男に危ない目に遇わされてはいかんと

人魚「Σひいっ!?」ぞわっ


茨木童子「うん。アンタが変な男です」きっぱり。

 


影鰐「ななな なんと失礼なっ

だいたいお前等は誰だあっ!!」むかああっ

人魚「私の旦那様達です。」さらりっ

 


影鰐「・・旦那様   達?」はい?


酒呑童子(まあ 普通の反応だよな)うん。

茨木童子(てか 俺もまだカウントされてるのかあ) うーん。

 


影鰐「おのれ鬼共!汚れなき人魚共に何をしたあっ!!!」しゃああああっ


酒呑童子「Σふざけんな!むしろこっちがされてるわ!!」むかっ

影鰐「Σうお下ネタか なんと不埒な!!「Σちっげえええ!!!」

 

 


茨木童子「うわ、どうするよコレ

ん?ダミアン おい?」あれっ

 

 

ダミアン「お前では萌えん!失せろサメ男っ!!」
杵フルスイングッ!

影鰐「Σぐほあっ!!」 


べしゃあっ!

 

 

人魚「Σああっ
お正月用の杵が血まみれっ」

ダミアン「許せ そこは不可抗力である。

そしてそこのサメえっ!!」くわっ

影鰐「Σ!」鼻血ぶしゃびくっ

 


ダミアン「お前ではビジュアル的キャラ的にも 人魚殿の相手は勤まらぬ

解らんのか。非常識なまでにぐいぐい行っちゃう天然系女子と 
腕力でなから拒否るの等簡単な癖に 嫌だ嫌だと言いつつ結局拒否らん まんざらでもないツンデレ筋肉自慢。

見ていてこれほど癒されるカップルがあるかっ!?」くわっ

 


影鰐「え?えっと。 あの?」引。

 


茨木童子「ああ。これが人間達の言うカプ厨か。」手ぽんっ

人魚「え。やっぱ嫌じゃ無かったんですか?」ぱああっ

酒呑童子「Σちがっ!
こらコウモリ変な事言うな!!」うがあっ

 

 

影鰐「えっと すまん、
ちょっと理解か追い付かないんだけど

え? なに? お前も人魚殿のファン?」えーと。

ダミアン「違う!!全く理解しておらんな! 下賤な魚めがっ」ふんっ

 

 


茨木童子「何?吸血鬼って基本的にこんなんなの?」

テオドール「一緒にしないでくださいませ。
私の信仰心は あの様な独り善がりな妄想の産物では御座いません。」

粋「兄貴を信仰してる時点でなあ」うーん。


酒呑童子「あれっ お前等いつの間に」


白「いっそ人魚の居場所バラして 来たとこ殴るかって思ったけど」うーん。

彬羽「またややこしい事になってるな」困惑っ

 

 


人魚「という事で 私人妻でーす

幸せに生きてますんで 諦めて下さいね」きゃっ

影鰐「Σくっ略奪「てか。さっきから言おう言おうとしてたんですけど

 

あなた マジで誰?」

 

影鰐「Σぐはああっ!!」

 

 

白「あ。片付いたな」

粋「Σえげつねええっ!!」ひいっ

 

 

人魚「嫌ですねー 独り善がりな愛情の押し付け。

こう言うのは双方の合意があってこそです。」ふーやれやれっ

酒呑童子「それ お前が言う?」引。

 

 

ダミアン「日本に来て『尊い』の意味が解った気がするのだっ」拳ぐぐっ

テオドール「あーそれは。

解らなくもないですがね」

 

茨木童子「ひょっとして 吸血鬼って基本オタク?」

粋「昼間棺桶に籠ってる生き物だし 趣味の世界に行きやすいんじゃね?」うーん。

 

 

 

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