小咄

小咄

くろねこ太郎の落書き部屋 小咄ページです

8月24日




晴明「と、言う事での
お前の幽霊を借りたいのじゃがの」

石燕「尋常じゃなく使い辛くてどんくさくて凡ミスしまくるヒトっすけど 大丈夫なんすか?」くわっ

晴明「糸目が開眼してまで言うレベルなのか」ちょっと不安っ


与一「失礼な」ふわふわっ

千様「確かに 与一さん慌てると壁抜け忘れてぶつかるしー
風が吹くと飛ばされるしー
弓の腕は確かだけど 幽霊としては結構ドジっ子って言うかー」うーん。



石燕「あの、与一さんが大ダメージ受けるとあっしにもダメージ来るんすけど」真顔

晴明「そうであったな。

普通にしておったらさほど危険は無い とは思うのだが」えーと。




小太郎「あの阿部晴明が不安になってるぞ」わおんっ

シロ「解らんでも無いが」うむ。

与一「Σんなっ!」かちーん。



晴明「正直何処ぞの魔王のが まだ安心では有るな
少し間違ったら其処ら焦土と化すがの」わははっ

与一「Σ私はどんだけ信頼されとらんのだ!!」むかあっ



白「嫌な引き合いに出された」むすーっ

彬羽「どっちもボケでは有るしな」うむ。


石燕「ま、プロの陰陽師さんっすし 大丈夫っしょ
ご自由にお使いくださいっす」

与一「Σおいお前 本人の承諾無しで
石燕「アンタ喧しいんすよ!
こちとら〆切前だって言ってんでしょが!!」うがあっ





テオドール「取り憑かれてると言うより 分身みたいな物に御座いますからねえ」苦笑。

彬羽「と言うか 与一は石燕を媒介にして生まれた変わり種の幽霊だからな
ある意味親 保護者か。」ふむ

白「似てない父子だな」へー。




石燕「つー事で 是非とも預かりお願いするっす。
あ、この子ホントどんくさなんでケガには注意で」

晴明「おい、私は託児所か」




ーーーーーーーーーーー




与一「あんのヒョロガリモヤシが覚えておれっ」けっ

晴明「あやつどつくとお前にダメージガ行くぞ?」

与一「Σぐ!」

晴明(逐一言わないかん辺り やはり人選を謝ったかの) うーん。



与一「ま、まあ良い
して、私は何を手伝えば良いのだ?」ふよふよっ

晴明「いやそれがな。
徳川の奴等に頼まれたのだが
特定の場所でちと妙な現象が起きておるらしくてな」

与一「妙?」


晴明「うむ。何でも何度朝目覚めても 日付が寝る前の朝に戻っておるとか何とかでな?」

与一「おい それ何処かで聞いた事が「8月の終わりには何故か多発するらしい
細かい事を気にするな」


与一「間違いなく怪異だとは思うのだが
そんな物私がどうすれば」えーと。

晴明「じゃから言ったろ?特定の地域じゃと

私が行って調べれば早いが 万一自分まで飲まれる事が有ってはどうにもならん。
ので、この世の生物ではない御主に調べを頼みたいのだよ」

与一「Σ成る程!」おおっ

晴明「流行り病の如く じわじわ範囲が広まっておるのでなあ
幕府も焦っておるようじゃ

あ、霊体とは言え無効であると言う保証はないからの
全ての呪いを防ぐ符を用意するでちと待 Σおいこら話を聞いとるか!?」

与一「此方から異様な冷気が Σうお!なんだ此処 薄い膜のような壁がっ」手突っ込みっ

晴明「Σいやだから ちょい待ておい!お前に何ぞ有ったら宿主にまで危害が」




とぷんっ。



晴明「」




粋「Σえ。ちょ 与一の奴変な所に入っちゃったけど大丈夫!?」ひええっ

晴明「おったんかい
あー 符渡すので待てと言うとるに アホめが」頭かかえっ

粋「Σマジかよ それねえとヤバいの!?

ちょい俺届けて来る!!」符ひったくりっ

晴明「Σえ」

粋「与一いいい!ちょっと待て待て忘れもーん!!」たたっ



晴明「Σおい待てそれ書きかけ


とぷんっ!





晴明「・・・これ 私の責任か?」ええー





ーーーーーーーーーーーーー




【繰り返しの町 内部】



与一「・・すまん。今日は何日だ?」げんなりっ

通行人「ん?今日は8月24日だね」

与一「Σまたかあああ!!」うがあっ!

通行人「Σ何が!?」ひいっ




粋「どうどうどうっ
何お前 何日目?」

与一「もう10日は同じ日を繰り返しておるな
お前が出てこんかったらそれすら解らんかったが」背筋ぞわっ

粋「へー。
やっぱ晴明の符って凄えんだ」

与一「解ったら解ったで頭おかしくなりそうだがな。

全く 生者にも見える様になっておって良かったわ」ぶつくさっ

粋「幽霊なのに頭どうにかなんの?お前
肉体ねえのに?」

与一「ん?

・・・うーん。」困惑っ



粋(与一がボケ倒してくれるお陰で さほど不安つかパニックにならねえで済むから有り難いなあ
俺ももう3日目だけど。)

与一「何か今失礼な事を考えなかったか?」むっ

粋「いや。ボケ属性が近くに居ると謎の安定感が「それ確実にお前の兄貴のせいであろう」


粋(兄貴かあ 助けてくんねーかなあ。
あ、でも同じ日繰り返してるとか外から解らねえよな あ、晴明は知ってるのか

ん?あれ?)ふと。


与一「なんだ?」

粋「あのさ。思ったんだけど

確かに此処の皆は同じ日繰り返してるし 気付いて無いよな。

けど、俺等って気付いてるから外に助け求めるとか 出来るんじゃね?」

与一「確かに!!」おおっ


粋「元々 同じ日繰り返してるって外の奴が知ったのもさ。
俺等みたいに何かで繰り返し気がついた奴が居たんじゃないかなーって!」ほらほらっ

与一「成る程。周りが繰り返しておるから 私等も繰り返しすしか無いのかと思っておったが
始めから私達はループから外れておったのだな!!」おおおっ




粋「問題は どうやって助けを求めるか
なんだけどな。」ふっ

与一「皆びっくりするくらい昨日 いや今日か。と同じ動きをしとるからなあ」



飛脚「あー。手紙運ぶのは明後日だねえ」

粋「うん、手紙でってのは延々明後日だなコレ」


与一「直接出ようとしたが
何故か村の反対側から入って来た事になるしな」うーん。

粋「空間捻れてんのかな

となると、この村にそう言う妖怪が?」

与一「どうであろう。
聞き込みでもするか?」むう

粋「んー。皆毎日同じ事して同じ事しか言わねえし

ん?」

与一「む?」



粋「お前。さっきの飛脚のおっちゃんと昨日の今日とか話した?」

与一「ん?話しておらんが

Σあ」 はっ



粋「Σお、やった!
こっちが話しかけたら前の日と違う事も話してくれる!」

与一「Σおお!それはもう繰り返しではないな!!」おおおっ


粋「うん。だけど
出られねえには変わらねえし
基本他と同じだしどうしよ?」

与一「其処らの奴に話しかけまくってはどうだろう?
こんな物繰り返しで無いと言うくらいまで引っ掻き回せば 何ぞ変わるやもしれんぞ」

粋「Σ成る程!! よっしゃ行くか!」おおっ






ーーーーーーーーーーーーー



【常春の里】


翡翠「あのー。長、また何を覗き見しておられるので?」えーと。


朔日「この子達の行動力

面白っ!」横向いてぷるぷるっ


旭「なんか解んねえけど。
また覗き見しててツボったらしいな」

夕霧「いい加減千里眼を覗きにつかうのやめろよ」引くわー。




ーーーーーーーーーーーーー







与一・粋(この町 人口多いっ!!)ぜーぜー。


与一「ふっ。霊体でも疲れるのだな」ぜひゅー。

粋「お前なんで自分の事なのに解ってねえの」ぜーぜー

与一「しゃーなかろう!
最近まで石燕の体貸りねば何も出来んかったのだぞ!!」うがあっ


粋「あー悪かったって
しっかし 村の奴等を前の日と変えたらと思ったけど」ちらっ




おじさん「おお。雨だ
こらいかん 急いでお稲荷さんに」水溜りばっしゃばっしゃ



与一「あの男 結局また神社に向かったな」げんなりっ

粋「おう、もう結構な人数の生活パターン覚えたわ」

与一「・・何日目だ?」

粋「俺もう10日目

そろそろあの宿 違う献立にしてくんねえかな」ずーん。

与一「生きとるとそう言うのも大変だな
と、なると私は13日目か」ふむ

粋「此処では1日も経ってねえんだよなあ
マジでどうなってんだよ
つか、外に出れたとして 俺等何日間後に出てきた事にな ・・あれ?マジでどういう」えーと。


与一「・・その場合私とお前は別々の日にちに放り出されるのか?」む?



粋・与一「・・・・。」






粋「・・Σえ。何コレ怖くね!?」ひいっ

与一「Σ時空が捻れまくってて理解出来ん! なんだこの町は!!」ひいいっ



石燕「いや怖がるの遅いっすって。」見えない壁ばきゃっ!

白「バカだろお前等」よいせっと



粋「Σ兄貴いいいい!!」うおおおおっ

与一「Σ石燕!お前どうやって!?」えええっ


晴明「お前とこやつはある意味同期しておるのでの

お前が取り憑いた状態ならば 思考も共有可能だと言うではないか

ので、ちと気張ってお前の思考をこやつ通して見せて貰ったのだ」

与一「成る程 ワケが解らん!」おおっ


石燕「いや 晴明さんさほどムズい事言ってないっしょ」苦笑

テオドール「ちなみに可視化には 私の水晶玉がお役に立ちました」わーい。

粋「Σえ。ひょっとして全部見られてた!?」

白「うん。 コイツ等元気だなーって 家康とかバカ笑いしてた」

粋「Σ見てないで助けろよ!
何日さ迷ったと思ってんだよ!!」ひいいっ

晴明「安心せい 1日も経っとらんわ」

粋「Σえ。外ではそうなの!?」


テオドール「いえ、粋さん達が入られてからは この中でも1日経ってないはず。との事で御座います。」

与一「? 意味が解らんのだが」




石燕「つまりは
全部夢っす!

蒼月さん!!」くわっ

蒼月「指図すんなよ! そこだねっ」蛇眼くわっ!!




ばりんっ!!



与一「Σお! あの壁が崩れる」おおっ

透明な壁 パラパラがらがらっ

テオドール「幻術返し効いたので御座いますか?」

蒼月「いや。弾かれた
ムカつくなあ」ちっ


白「だろうな」うん。

晴明「? お前の知り合いか?」




与一「幻術?」え?え?

石燕「与一さん等は 起きたまんま夢見てたんすよ

ほら 夢の中って何日も経ったつもりなのに 実際はほんの数時間っしょ?」

粋「Σえ!でも 実際人と話して飯食って
感覚も有ったし!」えええっ

晴明「それだけ術者が手練れであったと言う事であろ?

しかし」ちらっ


白「ん?」

晴明(狐の勘が 追及するなと言っとるし

解決したで良いか。)目そらしっ




彬羽「おい。手前等遊んで無いでとっとと手伝え
人間共が混乱してるだろ」


町人「あれっ あれ?
私は確か ん?届け物を何度も何度も?」

町娘「Σいやー! 働いても働いても休みが来ないいい!!!」ひいいっ



粋「Σ気がついたら気がついたで悲惨!!」ひいっ

石燕「よし蒼月さん
幻術で嫌な記憶消したげやしょ」肩ぽんっ

蒼月「Σこれ全員!?」ひいっ

晴明「あーまあ メンタル弱いのは発狂しかねんしな

どっちにしろピー助に頼まれるであろうよ」

蒼月「Σだああもう!
これだからジジイの頼み事は嫌なんだよ!!」




与一「で、お前等どうやってあの触ると取り込まれる壁を?」

彬羽「拳でだが?」真顔。

粋「Σ筋肉って凄え!!!」ひいっ






ーーーーーーーーーーーーー




旭日「あー。危なかった
ちょっとクラッとしたねえ」ふう。

翡翠「Σいったい何を見ておられたので御座いますか!?」ひええっ



朔日「いやちょっとイタズラしてたら 思わぬ人達がね。

いやー 縁とは不思議な物だねえ」にこにこっ


旭「ん?何したかしらねえけど アンタが自分から人間にちょっかい出すとか珍しいな。」

夕霧「だね。
脱走して遊びに行くのはよく有るけど」うん。



朔日「それが 人間達の作るサブカルってので面白い話を見てね
あ、コレ私もやってみたいなって」キラーン。

夕霧「端迷惑な遊びはやめろ」きっぱり。




翡翠「何だかんだで全能な方だけにな。」うーん。

旭「『カミサマ』ってのは 暇持て余すと何やらかすか解らねえから怖いな」うん。





>サイトトップに戻る