小咄

小咄

くろねこ太郎の落書き部屋 小咄ページです

9月6日

 

 


【芝居小屋 楽屋】

 

 


白「人探し?」

 

粋「そうなんだよ

そこで迷子になってるおばちゃんが居てさ

話聞いたら 都会で成功するだ!って村から出てった息子から連絡無いとかでさ
この残暑厳しい中、1人はるばる山いくつも越えて旅して来たんだってよー」

 


白「そうか。

妖怪絡みじゃないなら さすがに俺知らないぞ」真顔っ

粋「そこを兄上の人脈つか妖脈でどうにか」真顔。

 


白「ムチャ言うな
その息子が めちゃ妖怪と絡んでるならともかく

妖怪もいちいち知らない人間なんて認識してないぞ」むう。

テオドール「で、御座いますねえ

例えるなら粋さんとて よく買い物に行く店でも そこの家族関係とかまで認識されておられないで御座いましょう?」

 


粋「へ?」

テオドール「Σ認識してるので御座いますか!?」えええっ

粋「いや 家族ぽい人居たら挨拶するし
何ならその場で駄弁るし」えー。

テオドール「Σこの方のコミュ力なめておりました!!」ひええっ

 


白「な?お前はこんなビビられるくらい普通じゃない

普通はそんなの気にしてないんだぞ」

粋「まさかの兄貴に普通を諭された」うわー。

 


テオドール「と、ともかく
人の事は人に聞くのが1番に御座いますよ

それでも見付かるのは微妙に御座いますが」

粋「あー 妖怪よりは関わってそうか


よし、ちょっと行ってくら

おばちゃんごめーん! とりあえず番所行ってみよか!」たたっ

 

テオドール「Σご母堂そこで待たせてたので御座いますか!?」


皐月「Σくおら見習い!何処行きよんねん!!」うがあっ

白「あいつ、仕事中なの忘れてるな」あーあ。

 

 

 


間。

 

 

 


粋「そんなワケで 噂好きの近所のおばちゃん達に聞き込みみたら コレが大当たりで
息子の所在地解ったんだけどさ」ぼろっ。


テオドール「はい。皐月さんどうどうどうどうっ」ひええっ

皐月「Σおどれホンマクビにすんで!!」うがあっ

 


白「で、何で 母親楽屋に上げてるんだ」困惑っ

母親「まさか息子がお坊さんになってるなんて
しかも門前払い あの子にいったい何があったんだか」しくしくっ

 

粋「だって!こんなの其処らに放り出せないだろ!!」床ばんっ

皐月「だからって職場に抱え込ますなや。」

 

テオドール「コミュ力おばけのお人好しバカはコレだから困るので御座いますよね

えーと。お母様的には今後どうされたいので?」


粋(Σ今ストレートにバカって言った!?)

 

母親「えっとその

どうしたいも何も想定外で

見つかるか解らない、見付かるならとりあえず美味しい物でも食べさせて と思ってたんですが
まさか親で有る事まで拒絶されるとは」ううっ。

 

白「坊主って そんな極端なのか?」

皐月「そらな。
俗世と縁を切りたくてなる奴もおるしな」

白「そうなのか。
そんな真面目な坊主見た事ないから知らなかった」へー。

 

テオドール「さりげに魄哉さんディスられ倒しておられますね」

 

 

粋「あんなん真面目じゃねえよ!
はるばる訪ねて来た母ちゃん相手に どちら様ですか とか」ぷんすかっ

母親「もう良いんです

息子も何か とても辛い事があって過去の全てを捨てたいんでしょう
ならば無理に関わるのも酷と言「親不孝のが万倍酷!!」くわっ!

 


皐月「?

えらい食いつくな」

白「あいつ 親の記憶無いから」うん。

皐月「Σあ! アンタ等1家が離散したのて アンタが3歳そこらの時やっけ!?」はっ!

 

 

母親「お兄さんも苦労したんだねえ」よしよしっ

粋「Σやめて! 泣くからやめて!!」

 


テオドール「あのー
ひょっとしてそれ 知らんぷりでなく

純粋に記憶無くされてるのでは?」

母親・粋「Σえ」

 

テオドール「いえ確か お寺では行き場の無い人を僧侶とする事で 生活する場所を云々と魄哉さんが話されてた事が御座いまして。

何かの事故で記憶フッ飛んで路頭に迷ってたから 保護されたのでは?」


母親「Σ確かに!
親孝行なあの子にしては偉く冷たいと!!」

粋「Σやたら演技うまいと思ったらそういう事!?」えええっ

 

 

皐月「記憶無くすって。
普通に生きててそんなポンポン無くなるもんか?」えー。

 

白「そりゃ通り魔押し込み暴れ馬が毎日好き放題やってる町だし」うん。

皐月「普通の人間やったら飛ぶなそら 」ああうん。

 


テオドール「私達 普通の感覚忘れがちに御座いますからねえ
てか 普通って何に御座いましょう?」

皐月「やめよ。普通がゲシュタルト崩壊起こすわ。

んじゃ とりあえず皆でその息子さんと会ってみようや
御人好し1人じゃ 動じまくって頼りにならんし」

粋「Σえ。良いの!?」

 

皐月「後片付け終わってからな。
話聞いてもた以上 ここで放置はさすがに気分悪いわ

ほれ、アンタもサボった分今からちゃっちゃか働いて来い」ふんっ

粋「Σうおお!姐さーん!!」感激っ

 

 

テオドール「皐月さんがなんやかんやで 此処の皆さんに慕われてる理由が解りまして御座います。」 わお。

白「ちっちゃいけど 姐さん気質なんだよな」うん。

 

 

皐月「こら待て 誰のどこがちっさいねん」薙刀ぎりぎりっ

白「誰もそことは言ってない」白刃取りっ

 

 

 

 

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【町外れ 某寺】

 


僧侶「ですからお引き取りください

私は貴方の息子さんではありません」南無。

 

粋「あの、今更だけど
記憶喪失とか 知らないフリとか以前にマジでそっくりなだけの別人の可能性も有るんじゃ?」ひそっ

皐月「いくらそっくりでも母ちゃんまで間違うか?」

粋「Σう!それはっ」ぎくっ

 

 

母親「言われてみたら違う気も?」うーん。

粋「Σ息子の認識そんなフワッとしてる物なの!?」えええっ

 

 

テオドール「親御さんの記憶が無いだけに ドリームが凄いと申しますか」苦笑。

白「言って生身だし 解る方が奇跡なんだと思うぞ。

これじゃ解らなくて当然だし」

テオドール「で御座いますね
中身別物に御座います。」


粋・母親「Σえ!?」

 

 

皐月「あーそか。
アンタ見えへん人か

よっしゃ坊っちゃん歯ぁ食い縛りや!!」

坊主「Σへ!?
あのちょっ

おぐうっ!?」

どぐっ!!

 

母親「Σいやああ何してんのアンタ!!」ひええっ

 


テオドール「Σ皐月さん! 体は人間で御座いますっ
腰の入った腹パンはアウトで御座います!!」ひええっ

皐月「Σあ。そか」はっ

 


白「うん。やりすぎだな

息出来なくなってピクピクしてるし

けど、出た。」

 


霊体坊主「お、おのれえっ」

ずるるるっ

 


粋「Σうおお俺でも見える!」ひえっ


霊体坊主「この罰当たりめがっ

仏に使える我が身への無礼は仏への


白「うん。言い方が生臭だな

九尾。」


九尾「ほいさ」

 

ばくんっ!

 

霊体坊主「Σあ」

一同「Σ!!」ぎょっ

 

 


もぐもぐ


ごくんっ。

 

 


九尾「げぷっ

 

なんじゃ着いて来とるのバレとったん?さすがだーりんじゃ」ほほほっ

白「うん。オヤツ食べれたんだから満足したろ
もう帰れ」

九尾「はーいじゃ」どろんっ!

 

 


母親「あの?」困惑っ

粋「すんません うちの兄貴 実は陰陽師で」冷や汗っ

母親「Σあ!そう言う事なんですか!?」はっ

 

白「それ言われると晴明みたいで嫌だな」むう。

母親「Σ晴明!? 安倍晴明の事ですか!?え、お兄さん何者!?」えええっ

 

 

テオドール「あのーそれより
この人多分本物の息子さんだと思いますが 放置してて大丈夫なので御座いますか?」僧侶「」白目っ

 

粋「Σうおお忘れてた!!」ひいいっ

 

白「多分 あの坊主に体乗っ取られてただけで 記憶とか普通に有ると思う」うん。


母親「Σえ。ちょ
うちの息子こんなにしたのだれえええ!!」いやあああっ


皐月「やからごめんて。」

 

 

 


【診療所】

 


飛天「ん?あの寺って とうの昔に廃寺だろ?
坊主なんて居るわけないだろにさー」あーあ。


粋「Σ始めからこっちに相談しときゃ良かった!!」

飛天「地元に根を下ろしたお医者さんなめんなよー」わははっ

 

 


白「あいつあんなだけど腕は確かだから

息子すぐ治るから」な?

母親「・・本気で出家されたどうしよう」ずーん。

 

 

テオドール「アバラばっきばきってどんだけに御座います」引。

皐月「やからごめんて」

 

 

 

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