小咄

小咄

くろねこ太郎の落書き部屋 小咄ページです

8月15日

 

 

 


【町中】

 

長屋の奥さん「あら先生
往診帰り? 調度良いわ これ食べて下さいなー」ほくほくのふかし芋っ

飛天「うわー!ありがたい」おおっ


飴店のおばちゃん「今日も暑いねー
あ、1杯どうぞ おばちゃんの奢りだよー」冷やし飴っ

飛天「Σおお!助かるっ」


八百屋の奥さん「おや先生
調度良い所に。
売れ残り持ってくかい?」

飛天「Σえ!いいの!?」わーい。

 

 

彬羽「すまん。過剰に甘やかさんで貰えるか?」

飛天「Σあだだだだだっ」ぎりぎりぎりっ

 

 

八百屋の奥さん「あら。先生のイトコさん」

彬羽「甘やかすとますます自活出来なくなるんで あまり食い物を与えんでやって欲しい」 真顔っ


奥さんトリオ「だって。ほっといたら死んじゃいそうで」えー。

 

 

 

飛天「人の親切は素直に受ける物だろ?」いででっ

彬羽「Σお前のは過剰過ぎる!
端から見たら貢がれてるみたいだろが!!」うがあっ!

 

白「バカラス落ち着け
頭グリグリし過ぎて飛天が潰れる」どうどうっ

 

長屋の奥さん「Σああっ この人芝居小屋の!」おおっ

飴屋のおばちゃん「Σぎゃー!今年酷暑で芝居小屋休みだからっ
あのっ! 再開したら見に行きますっ」きゃーー!!

八百屋のおばちゃん「あのっ 浮世絵持ってます!」きゃーきゃーっ

 

 


飛天「あっちは良いのかよ」むすーっ

彬羽「アレはその
そう言うのが仕事だしな」えっと。


粋「うちの兄貴をジゴロみたいに言うのやめてくんね?」

テオドール「我が主はモテモテに御座いますねえ」御満悦っ。

 

 

 


間。

 

 

 

飛天「なんで邪魔するかなー

こっちは常に貧乏なんだし ああいう周りの親切でどうにか生き延びてるって言うのに」むっすー。


彬羽「黙れ高級取り。」

飛天「仕方ないだろ 今年里に何羽の子カラス生まれたと思ってるんだよ」

 


粋「いや 仕送りするのも最低限の生活費残して送るとかさ」苦笑。

 

飛天「言っても外から仕送り出来そうなのって俺1人だしなあ

でもって里長だろ? そりゃありったけ送りたくもなるっての 
チビ達育てるにゃなんやかんや入り用だしなあ」ため息っ


テオドール「あ。別に生活能力無さすぎて適当にやってるワケではなかったので御座いますね。」ほー。

飛天「まあ 計算面倒臭いのは有る」

白「やっぱ飛天だった。」ああうん。

 

 

彬羽「だからってお前な アレはさすがに

飛天「お前だってあの嬢ちゃん育ててるんだから解るだろ?
育児って 物すごーーーく大変だぞ?」

 

 


彬羽「・・・まあな。
1人でアレなのに複数   か」ごくりっ。

 

テオドール「あ。言いくるめられまして御座います」

白「バカラス落ち着け
一二三絡むと馬鹿になるぞお前。」

 

 


粋「考えたらそっか。

カラスも飛天も どっちも子育てで苦労してんだな。
自分の子じゃねえのに」

 

白「ん?

カラス天狗って 未婚のオスが子育てするとかそんな生き物なのか?」あれっ

飛天「いやんな決まり無い無い」

彬羽「生物学的には 1番子育てから縁遠い属性のはずなんだがな。」うーん。

 

 

テオドール「イトコ御揃いで なんとも皮肉な運命と申しましょうか。」苦笑。

白「あれ?お前等って 
イトコでどっちが族長になるかって 周りの大人に振り回されながら育ったりで結局大喧嘩したんだよな?

結局どっちが勝っても 子育てコースだったんだな」へー。


飛天「Σ言われてみれば確かに!」おおっ

彬羽「Σ待て待て待て待て!俺は同族ってだけでガキ何匹も養うとか無理だぞ!?」えええっ

 


粋「じゃ やっぱ負けて良かったよな」真顔。

彬羽「Σぐっ

それはそうだがっ」ううっ

 

 


テオドール「運命とは皮肉な物に御座いますねえ」へー。

白「だな。
バカラス里を追放されてるから 安心して一二三だけ可愛がってられるし」うん。

 


彬羽「・・毎度は無理だが その今回少し援助は出来るが」そのっ

飛天「いやお前は 先祖の墓参りも表立って出来ない身だし 気にすんなって。
どうにかなるなる」へらっ


粋「あ。立場逆ならカラスの胃が限界突破してんな

世の中うまく出来てるなあ」うわー。

 

 

 

 

白「そういや 今日盆最終日だな。」真顔っ

飛天「これでもかと話の流れぶったぎって何 魔王様?」

 


テオドール「ある意味話繋がっております。

その大変申し上げにくいのですが」ちらっ

 

 

子供等わらわらわらわらっ

 

彬羽「Σうお何だこいつ等!
おいこら掴むな」ぎょっ

子供A「帰りたくないい!」裾掴みびえええっ


飛天「え?どしたどした あ、さっき貰った飴要る?」ほれっ

子供A「わあっ」ぱああっ


子供B「Σああズルい!おいらもーー!」

子供C「あたしもーー」

 

飛天「うわ。そんなに無いんだけど 

どしよ?」苦笑。

 

白「出来るだけ沢山買ってこい

早くな。」財布ずしっ。

粋「兄貴 ホント子供の扱い苦手だよな」ああうん。

 


飛天「で、この子等何?
見たところ人間じゃなさそうだけど」よっこら肩車っ

白「だから盆だって。」

彬羽「成る程 あの世の奴等か
年齢的に 賽の河原で石を詰んでるタイプの」チラ見っ

 


子供A「また石詰んで詰んで詰んで 鬼に崩されるのいやだー!!」つわーん!!

子供B「帰りたくないよおおお!」びえええっ

子供C「あたしだって長生きしたかったよー!!」うわーん!

 


飛天「お前なあ」あちゃー。

彬羽「Σいいいや!ホントの事だろ!
え おい!どうすりゃ良い!?」おろおろっ

白「俺に聞くな」むう。

 


テオドール「石?
あの 状況が解らないので御座いますが。」おそるおそる挙手っ


彬羽「それは  その、だな。」ちらっ

 

子供C「あたし達 親不孝なんだよ」ぐすっ。

テオドール「Σはい!?」

 

子供B「親より先に逝くのは親不孝なんだって
だから 罰として石を綺麗に詰むまで許して貰えないんだけどっ

いっつも鬼が来て倒しちまうんだ」えぐえぐっ

 


テオドール「ちょっと閻魔様1発ブン殴って参りま
子供A「Σやめてえええ!余計鬼が来る!!」ひええっ

 

 

テオドール「何なので御座いますか!
子供相手に理不尽なっ
だいたいくたばりたくてくたばるガキなんてそうおらぬで御座いましょう!」ぷんすかっ

 

彬羽「それはそうなんだが

初対面の子供相手にどうした 珍しい」どうどうっ

テオドール「私も理不尽な子供時代に御座いましたので 思い出してムカつきまして御座います」むかむかっ

 

 


白「なんで閻魔はそんなの許してるんだ?」

彬羽「何か考えがあっての事だと思うが

まあ、閻魔自体がかなりの年寄りだしな。昔の価値観そのまんまで刑も更新されて無いと考えれば」ふむ。

白「その昔の価値観が解らないぞ」むう。


飛天「まあな。集団の決まりってのは 関係ない奴から見たら理不尽な物だよ」うんうんっ

 

 


粋「兄貴ー 飴買ってきたけど 

Σどわあああ!!!」


子供DEFGHI以下略「あめだまーー!!」わらわらわらわらわらっ

 


彬羽「そりゃ あの世じゃ菓子も無いだろしな。」ああうん

飛天「つか、この子等なんで実体化してんの?」

 

テオドール「相当この世に未練が
と言うか あの世に帰りたく無さすぎて悪霊化しているのでは?」

 


粋「Σえ!?この子らオバケ!?」ええええっ

白「今か。」

 

 

彬羽「その可能性は大だな。
なら、早めにあの世に帰さないと
完全に悪霊化したら駆除するしか無くなるぞ。」

飛天「あー 子供にそれは嫌だなあ

よし。飴玉もっとやるから 一緒に帰ろうか 送ってってやるからな?」ひょいっ

 

 

子供C「Σきゃー!ひとさらいー!!!!」


通行人「Σ!?」ざわっ!


飛天「Σえ。ちょっ!?」えええっ

 

 


子供C「ちかーん!ろりこーんっ!!
たすけておかーさーんんんっ!!!」うわーん!


テオドール「Σあああ子供の癖になんて手を!」ひええっ

 

 

 

同心「あのー ちょっと職質良いかな?」


飛天「Σ医者ですけど!?」

同心「あーはいはい 子供相手にお医者さんごっこかあ

ちょっと番所まで来て貰おうね」

飛天「Σええええ!」がーん!

 

 

粋「Σ飛天がしょっぴかれた!!」ひえっ


同心「さてお嬢ちゃんもお話を Σあれっ!?」きょろっ

 

子供C「ふっ。」物陰にやりっ

白「これかなり悪霊化進んでるな」うわ。

 

 


子供B「飴玉もっと欲しい!」懐にひょいひょいっ

駄菓子屋「Σああこら!どこの子だい!?」ひええっ


子供A「支払いはあの人達で!」指差しっ

粋「Σええええええ!?」

 


子供軍団「逃げろー!!」わーい。

 

粋「Σちょっ待っ

駄菓子屋「お代。」がしっ!

 

 

 

彬羽「Σこら手前等! それ以上悪さをすると本当に取り返しのつかない事に 

だああ!ちょこまかと すばしっこい!!」くっ!

テオドール「彬羽さん落ち着いて下さいませ!
貴方様の馬鹿力では子供達がケガを致します
此処は私めがっ!」

 

彬羽「Σお前の猛スピードで突っ込まれても大概大怪我するだろ!落ち着け!!「だってこの流れ 次辺りは私で御座いますもん!そりゃビビるで御座いましょうよっ」

彬羽「Σ否定は出来ん!」うっ

 


白「仕方ない。

 

止まれ。子供でも容赦しないぞ」くわっ

子供軍団「Σ!!!」

 

 


蜘蛛の子を散らすようにだだだだっ!

 

 


白「・・あれ?」きょとんっ。

 

彬羽「Σそりゃガキは逃げるだろ!!」

テオドール「申し訳御座いません!
それが効くのは 逃げても燃やされると理解してる大人のみで御座います!!」ああもうっ

 

 

白「ダメなのか
やっぱ子供は難しいな。」ふむ


彬羽「いや、そんな難しいか?


Σはっ!調度良いところにっ」おおっ

 

 

 


子供A「まいたかな?」ぜーぜー。

子供B「かな?
なあ、俺等なんか悪い事してない?」

子供C「Σだってあの人達 閻魔の知り合いみたいだったよ!
連れ戻されたら またずーーっと石詰んで崩されてだよ!?」

子供D「あれもう嫌だああ!」びええっ

 

子供E「ねえ。お盆が終わるまで逃げきったら どうなるの?」

子供F「んー。絶対戻らなきゃダメとしか聞いてないけど
ひょっとして お盆しか入り口開かないとかなんじゃ?」

子供G「Σじゃあ逃げきったら戻らなくて良いの!?」おおっ

 

子供軍団「・・かな!?」どきどきっ

 

 

 

酒呑童子「いやー 世の中そう甘くはねえんだわ。」ひょいっ


子供ABCDE「Σわーーっ!!」じたばたっ

 


子供FGI以下略「Σうわあああ!!」ひええっ

茨木童子「うん。 とりあえず悪い事したらごめんなさい
石詰みより先に そこから始めようかな?」

木の蔓うにょうにょずるずる縛り上げっ。

 

 

 


ーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーー

 

 

 


閻魔の孫娘「話は解った。

じゃ ガキんちょ共は今日ギリギリまで回収待つから


それまでガッツリ可愛がってやって。」


粋「既に全力で可愛がられてるんだけど。」あのー

酒呑童子「おっしゃガキ共!
この手の木にはカブトムシ居んぞ カブトムシ!!」

子供軍団「Σマジで!?」おおおっ


茨木童子「足場作ったからな。1歩ずつ ゆっくり上れよー。」木に蔓しゅるるるっ

 

 

 

千様「鬼族って 子供好きだったわねー そういや」あらあらっ

家康「だねー。
何? 妖怪って 独身オスが子育てする物なの?」


飛天「・・実は そうなのかも?」えーと。

彬羽「否定しきれなくなってきたな。」うーん。

 

 


テオドール「あの それで我が主は何処に参られたのでしょう?」きょろっ

閻魔の孫娘「あー うちの爺ちゃんとお話中。」

テオドール「Σさては 子供達の処遇について!?
何とお優しい!!」じーん。

 

 

 

 

白「で、答えは?

はい だな? はい だよな?
それ以外無いよな?」

ゴゴゴゴゴゴッ!

 

閻魔「Σちょ 瞳孔縦長になってる!
そう言うのは話し合いと言わな Σぎゃ衝撃波で壁があっ!!

解った!解ったからっ
子供達のアレは 伝統とか無視して考え直すから!閻魔殿崩れるもうやめてええええーーーーっ!!!」ひえええっ

 

 

 

くろねこ太郎の落書き部屋 [フォレストページ+] 夢小説対応・簡単オシャレな創作サイト作成サービス  <サイトトップへ戻る