小咄

小咄

くろねこ太郎の落書き部屋 小咄ページです

8月7日

 

 

 


家康「ーーでね
その神社の境内に 物を埋めたら絶対掘り出してはいけないんだって 神様が怒って取り返しに来るから。

 

それで吹っ切りたい思い出の品とかを埋めるって 縁切り的な意味で埋める人が多いらしいんだけど

 

これやっぱガチ?」真顔。

彬羽「ガチだ。

頼むから やる前に相談してくれるか」困惑っ

 

 


千様「えー 殿、縁切りなんてしたの?
やだ意外 いったい何を?」えー。

家康「それがね。
若い頃無茶してた時の 人妻さんと火遊びしてた時の文が出てきて

テオドール「それは決別したい過去に御座いますね」わお。

 

 

白「そっか。

家康の人妻フェチは昔っからか。」へー。

粋「いや問題そっち?

つか んなもん敷地に埋められても要らなくね?
取り返しに来る神様ってどういう事だよ?」困惑っ

 

彬羽「分かりやすく言うと 熊と犬だ」

粋「へ?」

 


テオドール「ああ。熊は獲物に対する執着が凄いので御座いますよね

山で熊の食べ残しを見ても近寄ってはいけない
近寄るとベアクローで頭粉砕そのままバラアッと吹っ飛ばされると聞きまして御座います。」にこっ

粋「Σ解りやすいけど いちいちエグい!!」背筋ぞわっ

 


白「昔 そうと知らずに肉落ちてるって寄って言って血みどろになったな」遠い目。

粋「Σうおお山育ちの体験談!!」ひえっ

 


テオドール「ちなみにおいくつくらいの時のお話で?」おずおずっ

白「一二三くらい?」えーと。

一二三「人で言う六歳くらいだんべか」

 


白「おかげで冬は暖かく越せた」うん。

一同(Σ熊返り討ちで 毛皮まで有効利用する幼児!!) ひえっ

 

 

彬羽「まあ。野生で1匹で生きて来たなら それくらい逞しくなきゃ無理か」ふむ

家康「自然は厳しいねえ」うっわあ。

 

 

千様「で、犬って言うのはー?」


彬羽「小太郎の小屋の中を見てみろ」

 

粋「へ?なんかあるの? Σうおっ!」

テオドール「Σ何で御座いますか! 下駄やら草履やらが奥にワッサーっと!!」ひえっ

 


彬羽「下駄や草履てのは犬に取っては齧りがいの有る良い玩具らしくてな。
ゆえに犬にとっては大事なコレクションであり財産だ。

なんで、取りあげると怒らなくてもしばらく拗ねるぞ」

 

千様「よく解ったけど
小太郎君あのガタイで下駄あぐあぐ齧ってんのねえ」うわー。

家康「頭部以外 骨格大男なんだけどね」ひええっ

 

 

彬羽「そう言う事だ。そこの神もそんな物だろ
端から見ればそこまで執着せんでもと思っても その生き物にとっては掛け替えの無い『財産』である事も有る

つまり、その手の物には 『財産』を横取りされるのがアウトって事だ
くれぐれも掘り返すなよ?」


家康「いやー。万一掘り返す時は昼ドラばりのドロドロで呪いどころじゃないと思うよ」へらっ

千様「殿の若い頃ってゴリッゴリの戦国よね?
命のやり取りしながら何してんの」引。

 

 


ーーーーーーーーーーー

 

 


粋「で、此処がその神社かあ」へー。

テオドール「何故に怖がりなのにわざわざ来られるのですか」

粋「いや 俺何も埋めてねえし
そんなら怖い事ないだろ?」へらっ

 

白「ビビりって ビビりの癖に好奇心旺盛だよな」

テオドール「毎度そのパターンで痛い目みられますのに」ほんとにもー。

粋「Σ今回は大丈夫!!
埋めねえから呪われ様がねえし
なあ兄貴!


・・何見てんの?」ん?

 

白「いやあれ。


あの女 何を掘り返してるんだろ。」指差しっ


女「Σああっ あった!!」よしゃあっ

テオドール「Σちょ! 此処に埋まってる物を掘り返しては!!」ひえっ

 


めりっ

めりめりめりっ。

 

 

粋「Σ地べたが不自然に盛り上がって!」ひいっ

 

めりめりめりっ。

ぴしっ!

 

 

白「あ、まずいなコレ」

 

 

どむっ!!!


ずぞぞぞぞぞぞっ!!


テオドール「Σうおおミミズタイプ!!」ひいっ!

 

 

土地神『かーえーせええええーー』ずぞぞぞぞぞっ!

女「Σっぎゃーっ!!!」ひええっ

 

 


白「逃げた方が良いぞ泥棒。」

襟首掴みすたたたっ

 

女「Σぐえっ!?

誰が泥棒だよ! ちょ締まる締まるっ!!」ぐええっ

 

 

テオドール「あの? ぶん殴られ無いので?」すたたたっ

白「財産取られて怒ってるのに
それ殴ったら俺強盗の仲間だろ」すたたたっ

テオドール「Σ成る程で御座います!!」おおっ

 

女「ぐ。だから違っ やば意識が」がくんっ


テオドール「あ。落ちまして御座います」

白「あれ?」

 

 


粋「いやめっさ締まるっつってんだから襟首やめてやれよ!」だおりゃあああっ!!

土地神『Σ火いいいい!』ぎゃああっ

 


粋「よっしゃ!思ったとおり
土の中のミミズは眩しいのに弱い!!」よしゃあっ

 

テオドール「あの あれ?粋さん?

なんでそんなノリノリでバトッておられるので?」えーと。

 


粋「オバケは怖えけどミミズは単にキモいだけだし よく見りゃ平気。」真顔っ

テオドール「おどろおどろしくなきゃ結構大丈夫なので御座いますね」ああうん。

 


白「え?こいつ 顔結構怖いぞ」ざんばら髪の毛よいしょっ

粋「Σうおおお!ミミズなのに人みたいな顔!!」ぞわあっ!

 

土地神『た、祟るぞお前ら。』よろろっ

 

テオドール「うわキッツイ

あれ? あのー先程の女性は?」おや。

 


白「あ。一旦そこに置いて

土地神『かえせええええええ!』ずぞぞぞぞっ

 

粋「Σ兄貴のアホー!!」うわああっ


女「うげほっ

Σうおお来た! 
絶対渡すもんか! 第一こりゃ先にアタシが盗まれたもんだーー!」だだだっ

 


粋・テオドール「Σへ?」

 

 

ひょいっ

白「ん?お前 埋めてある貴重品掘り返してた泥棒じゃないのか?」

女「Σだから違 帯もやめろ締まる締まるぐええっ」

 

白(女って何処持てば良いんだ 文句が多いな) むっ。

 


テオドール「あのすみません

説明を」ひゅんっ

女「Σうお早っ!
いやこの櫛は アタシが大事な人から貰った物なんだけど

それを妬んだ嫌な女が盗んであそこに埋めちゃったって」

 

白「ん? なんだ。じゃあお前完全に被害者か」

女「Σなんだじゃないわ!
何度も言おうとしたんだけど!?」

 

 

土地神『かーえーせええええ』ずずずずっ


白「あ、追ってきた」 うわ。

女「Σひいっ!?」

テオドール「Σ何処までついて来る気に御座いますか!!」ひええっ

白「逃げ切れるかな?」すたたたっ

 

 


粋「Σえ。ちょ早っ

えー。2人共 よく全力疾走しながら会話出来るな」ひええっ

置いてきぼりっ

 

 

 

 

 


テオドール「しかし経緯はどうあれ 神クラスの方は変な所融通が効きません。

その櫛は諦められた方がよろしいかと」すたたたっ

女「Σはああ冗談じゃない!
これを捨てるくらいなら化物に食われた方がマシ!

なんせこれはっ あの松之丞様があたしに下さった そのっ 」


白「ん? 松之丞?どこかで」あれっ


テオドール「あー 
貴方様と同じお役者ですが

『有る意味』めちゃ有名な方に御座いますねえ」ふむ。


白「今何処に居るか解るか?」

テオドール「んー。私は雑用に御座いますから

その手の情報なら粋さんの方が詳しいのでは と。」

 

 

 

 


粋「ん? 戻ってきた?」あれっ

 

どどどどどどどっ!

 

 

テオドール「粋さん すみません!!
葵屋の松之丞 何処に居るか御存じ御座いませんか!?」だだだだっ

女「Σえ。ちょ 松之丞様を巻き込む気かいアンタ!」えええっ

白「耳元でうるさい」耳キンキンッ

土地神『かえせといってるだろがああああ』ずずずぞぞぞぞぞっ!

 


粋「Σぎゃああ来んなあああ!!」ひええっ


テオドール「Σ良いから松之丞の居場所!」くわっ!

粋「Σえ あのっ
いつもなら葵屋の裏の茶屋の座敷にって おい何を!?」

 


白「葵屋どっちだ」

テオドール「案内致します!!」先導すたたたっ


土地神『いい加減かえせええええええええ』ずぞぞぞぞぞぞっ!

 

 

 


しーん。

 

 


粋「・・マジで何。」ええー。

 

 

 


ーーーーーーーーーーー

 

 

 

【葵屋裏の茶屋】

 

 


茶屋のおかみ「座敷はいつものかい?」

店員「ですねー。

毎度毎度 飽きないものですよ」ため息っ

茶屋のおかみ「んっとにだよ
ばれたらまた瓦版とか大騒ぎ

 ん?」

 

 


白「邪魔するぞ。」

 

壁ばきゃんっ!!


おかみ・店員「Σ何事!?」ひえええっ

 


テオドール「おそらく二階と思われます!」だだっ

店員「Σえ。ちょっ」


白「ごめんな。修理費は松之丞で。」すたたっ

おかみ「Σいやアンタいったい何

Σっぎゃあああっ!!」腰抜けっ

 

土地神『かえせえええええええ!』ずずずずずっ

 

 

 

 

襖すぱーん!!

 

松之丞「Σうおおお何だお前等

え、 あ おしの!?」ぎょっ

女「・・あの、 松之丞さん
その女はいったい」えっと。

 

派手な女「はあー?本命の彼女ですけどアンタがだれー?」

女「」

 

 

白「良い感じに修羅場だな」うん。

 


土地神『かーえーせえええええ』ぜーぜー。

テオドール「あ。階段登ってさすがにバテて御座いますね」

 

松之丞・派手な女「Σうおお何々!?!」ひいっ

 

 


女「うん。 のし付けて返す。」

土地神『Σえ。』

 

 

松之丞「Σなななな何だありゃああ!!」へたりっ


女「利子ついでにアレ持ってって貰っても構いませんから
いやほんと 大変失礼しました。」ぺこりっ

松之丞「Σおいこらおしの!お前何言ってやがる!!」


土地神『要らない要らない。』首ふるふるっ

 

 

女「うっさい女の敵!
ちくしょう 瓦版屋にネタ売ってやる!!」どちくしょおおおっ

松之丞「Σ待て待て待て待て!これ以上の不祥事はさすがにヤバイ!!」ひええっ

 

 

 


土地神『・・えっと   


帰る。』ずぞぞっ

白「うん。気を付けてな」


テオドール「神様ドン引きされておりますねえ。」わお。

 

 


おかみ「あのー 松之丞さん
修理費はアンタが出すって

かなりかかるけどコレ 払えんのかい?」そろばんぱちんっ

松之丞「Σへ!?
ちょい待てさっきの2人 Σうお居ない!?」きょろっ

派手な女「え?アンタ借金持ちになんの?
マジで?いや無理 さいならー」すたすたっ

松之丞「Σえ ちょっ!」えええええっ!!

 

 

 

 


白「確かに 悪縁切りの効果はあったな
あの神社」すたすたっ

テオドール「Σあ。確かにで御座います

効果覿面に御座いますね!!」おおっ

 

 

 

 

 

粋「・・あの。俺、縁切られてないよな?」ぽつん

 

 

 

くろねこ太郎の落書き部屋 [フォレストページ+] 夢小説対応・簡単オシャレな創作サイト作成サービス <サイトトップへ戻る