【割烹春一】
庵「Σあ。ごめん」
入り口の戸外れ みしりっ。
粋「Σうおお兄貴 戸板突き破ってる!!」ひいっ
白「入り口近くに座ったのがまずかった」がたたっ
粋「Σいや戸を外してら動こ
ひな「Σああっ!足が滑った」つるりっ
お茶ばしゃーっ!!
テオドール「庵さんの貧乏神体質 忘れた頃に効果が出やがりまして御座いますねえ。」うわ。
庵「自分でも大丈夫な時とそうでない時の違いが解らない
ホントごめんなさい」とほほっ
粋「とりあえず兄貴 距離取って取って。」戸板ごとずーるずるっ
庵(Σ仕方無いけど露骨で結構キツい!!)ううっ
朱禅「そもそも何で白限定で発動するかな?」怪訝っ
ひな「私が思うに
想いの強さは呪いになる 的な?」真顔っ
庵「Σまたデカい声で!!わー!わーー!!」あたふたっ
一同(Σいやとっくにモロバレッ)
テオドール「定期的に 床下天井裏で発見される時点でお察しに御座いますよね。」ジト目。
ひな「あの、店内は可能な限りやめて下さいね
修理費かさみますんで。」ね?
庵「Σだから自分の意思じゃないんだってば!!」ああもうっ
粋「せめてリターンが有ればなあ」戸板よっこらせっ
ずぼっ。
白「今日は朝から卵焼きが出てきたツケかな 」
テオドール「当たりだとすれば卵焼きの対価が今こんなのだと。
ハイリスクローリターンに御座いますねえ」おやまあ
ーーーーーーーーーーー
挿音「お。調度良い
お前等ちいっと ここの賭場見張っててくんね?」
粋「Σこの町賭場多くない!?」
挿音「おう。ガッツリ違法なんだけどよ
やるなって言うとやるのが人間だしな。
手続きやら何やらで今日の夕方にゃ検挙の予定なんだけど それまでに逃げられちゃまずいしよ」
テオドール「私は構いませんが。
逃走さえ阻止すればよろしいので?」
挿音「そうそう。ま、盛り上がってるみてえだし
俺等忍の動きがチンピラ共に読まれてる事はねえと思うが
転ばぬ先の杖よ。頼んだわ」すたすたっ
粋「お前も大変だ Σもう居ない!?」きょろっ
白「忍ってめちゃめちゃ忙しいらしいからな
特に夏は」うん。
テオドール「あー 暑さで変な事やらかす方が多いので御座いますねえ」成る程っ
白「真っ裸で大通り走り回るのとか 下ネタ叫びながら半鐘鳴らしまくるのとかな。」うん
粋「そんなのまで忍の仕事なのかよ」引。
白「役人も近寄りたがらないからな そんなの」うん。
テオドール「公務員は大変に御座いますねえ」へー。
白「そんなんだからちょっとくらい手伝ってやっても良いと思う
この町の治安悪いの 俺等のせいなのも有るし」
粋(俺等つか 八割くらい兄上のせいなんすけどね。)
テオドール「では あっつう御座いますし そこの茶屋で日除けをしながら
ん?どうなされました?」
白「いや。何か」
親父「良っしゃ勝ったああ!」うおおおっ
ちんぴら「おお!兄さんやるじゃねえか!!
此処で引くって事ぁねえよな!?」
親父「当たり前だ! 待ってろお千代! 父ちゃんが今薬代を持ってってやるからな!!」うおおおおっ
粋・テオドール(Σ解りやすくカモられてるーーーっ!!!)
白「もうちょい勝たせて スッテンテンまで間違いないな」あーあ。
テオドール「てか 賭場はご法度に御座いますのに 外に丸聞こえで御座いますねえ」苦笑。
粋「問題そこ?
えー親父さんも 普通に働いて薬買えば良いのに」
彬羽「世の中には この薬は珍しいからとかってボッタクリやってる医者も少なくないからな。」
粋・テオドール「Σうっわああ!!」びくうっ
彬羽「何を驚いてんだ
ほれ どうせそこの賭場を見張ってるんだろ
静かにしろ 気取られるぞ」
白「あれ?何でバレたんだ?」はて。
彬羽「手前 1度ゆっくり鏡で自分の姿見てこい」
粋「Σあ。見馴れてマヒしてた
そっか 兄貴素で派手っ派手だった!」はっ
テオドール「Σ道理で通行人の視線が痛い!!」おおっ
白「そうか 忍と正反対だったな俺達。
ん?あいつも何で 俺等に頼んだんだろ?」はて?
テオドール「挿音さんも色々ド派手な方に御座いますし 感覚おかしいのでは?」
粋「そんなのに隠密やらせてていいのかよ」えー。
彬羽「しかし娘の薬か。
飛天の所行きゃ 代金幕府持ちで治療も可能だってのに」やれやれっ
粋「まだまだ診療所も浸透してねえのかもなー」
彬羽「ともあれ 哀れと思わなくは無いが
・・何やってんだ」
白「どぶ板が腐ってた。」びしゃっ。
テオドール「Σうっお大丈夫で御座いますか!? 一走り足袋買って参ります」すたたたたっ
白「暑いから裸足で良い って速いな吸血鬼」足袋脱ぎ脱ぎっ
粋「うわ兄貴珍しい
いつもならドブ踏み抜いたり何なりどんくさいのは俺なのによー」わははっ
白「なんでちょっと嬉しそうなんだ?」むっ
彬羽「暑さで頭ボーッとしてるんじゃないのか
気を付け
ガンガラがしゃーん!!
町民「Σああっ! すんません!
お得意さんに届ける荷物が荷崩れをっ」ひいいっ
白「痛い。」たんこぶっ
粋「Σ痛いで済むの凄えな!!
Σつか重っ! この長持ち重っ!」ひええっ
町民「マジすんません!あ、この荷車に乗っけて
粋「Σちゃっかりしてんなあ!!」どちくしょおおっ
彬羽「石頭で助かったか
ん? そうかこの感じは」はっ
テオドール「Σ危ない!上から1点爆撃がっ!!」
番傘拡げスライディングずざざざっ!
スズメ「ちゅんっ!」ぱたたっ
ぽとんっ。
粋「Σうおお嫌な落とし物セーフ!!」
どがしゃーん!!!
白「Σあ。勢い余ってゴミ捨て場に」
粋「Σテオおおおおお!!!」うわああっ
彬羽「やはりそうか
庵何処だ!」
廃屋の戸べりんっ!!
庵「Σお察しのとおりっ!」ひいっ
粋「Σやっぱお前かああ!!」
庵「いやその
ほら 春一に根付け?みたいなの
仕事の衣装かなー?ての忘れてったから 届けに来たんだけど
何か幕府の仕事的なのしてるし声かけて良いのかなーって」そのー。
彬羽「頼むから気にせず声かけてやってくれ
命に関わる」
庵「Σそこまで!?」えええっ
テオドール「そこまでで御座います
マジで命の危険感じます故 そこは一思いに
Σあ。日光」
灰どしゃっ。
粋「Σあああ日傘向こうに転がってるから!」ひいっ
婆ちゃん「あらやだごめんよ。
いや あっついねー。」水撒きびしゃ
白「そうだな。」水ぽたぽたっ
庵「すんません。以後空気は読みません」ひええっ
ーーーーーーーーーーー
【賭場】
ちんぴら「ほーう。新顔だな
まあ、そう緊張しなさんなって
ほれ奥に奥に
(よっしゃ金持ってそう。カモだカモっ!)」ほくほくっ
粋「Σ何でこうなったの!?」えええっ
彬羽「そりゃ賭場の真ん前であれだけ騒いでりゃな
不審がられるだろうな」げんなりっ
庵「あのー 嫌な予感しかしないんだけど
私 帰った方が良くない?」おそるおそるっ
テオドール「で、御座いますね」真顔。
庵「Σいや自分で言ったけど ホンット正直だよね!?」
粋「Σあ。さっきの薬のおっさんじゃねえ!?
うわ 案の定スッテンテン!」ひえっ
親父「・・・。」アザだらけっ。
テオドール「私達が ドブ板や長持ちや鳥の糞と格闘している間にまた悲惨な事に」うわ。
白「良し。
とりあえず 有り金全部」財布どんっ
ちんぴら「Σうお!勝負師が来たぞーっ!!」うおおっ
粋「Σいや兄上 いきなり何してんの!?」
白「賭場で賭け事しなくてどうするんだ
それに胸くそ悪いから 夜までにあのオッサンの分取り戻してやろうかなって。」しれっ
粋「Σいや今の兄貴 運マイナスだから!!」
テオドール「万一の場合、お上が動く前に私達がやっちゃっても合法に御座いますよね?」
彬羽「合法とは言いがたいが
まあ 正当防衛でゴリ押せる か?」うーん。
白「て、事で 全額半。」適当っ
ちんぴら「あいよ! さあさあ
はったはったはった!丁無いか丁!!」
ーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーー
【夜】
挿音「いやーマジ助かったわ。
つーか。賭場の奴等なんか生気無くなってて張り合い無かったんだけど 何かあったのかよ?」
白「夏バテかな?」さあ?
テオドール「こちら我が主より いかさまで取られた分をお返ししますとの事。
それと娘さんは幕府公営の診療所で無料で診て頂けますよ」しーっ
親父「Σあっ ありがとうございます!!」じーんっ
庵「へ?
何で?」えっ?えっ?
彬羽「おそらくだが
お前の不運は 対象を良い目にあった分酷い目に合わせる。
逆にお前の能力で悪い事が起きりゃ その分幸運が着いてくるって奴じゃないのか?」
庵「Σ何それ めちゃめちゃ使いにくそう!!」
白「つまり めちゃ良い事起こしたければ 俺が半ゴロシになればいいんだな。」うん。
粋「兄貴をそんなのに出来る事象が この世に有るかな」うーん。
テオドール「え?そんな命懸けの運の上げ下げ
いったい いつ気付かれたので御座いますか?」
白「ん?
朝の卵焼きので ひょっとしてそれかな?って」
粋「Σ確証なかったのかよ!!」えええっ
彬羽「ギャンブラーなのだけは 間違いない様だな」ああうん。
くろねこ太郎の落書き部屋 [フォレストページ+] 夢小説対応・簡単オシャレな創作サイト作成サービス <サイトトップへ戻る