小咄

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くろねこ太郎の落書き部屋 小咄ページです

7月18日

 

 


【町外れ 神社周り】

 

粋「おお。今年もやってるやってる!」おおおっ

テオドール「ジャパニーズ夏祭りに御座いますねー!」

 

 

一二三「ほんとは七夕前からやってるだども ここんとこ雨が凄くかったから 屋台のおじさん達お休みしてたらしいだよ」

白「そうか。

バカラスに金魚でも取ってって帰るか」すたすたっ

大嶽丸「いやそれ またあいつが世話する物が増えるだけなんじゃ」ええー。

 

粋「カラス あのバテ方じゃ人混みとか無理だよな」苦笑。

テオドール「今からが暑さのピークだと申しますのに
大丈夫で御座いますか あの方」

 

 

子供「おかあちゃーん。 あのお兄ちゃん 猫だー」指差しっ

母親「あー お祭りだから 顔に模様書いてんだねえ

うちの子がすみません」ぺこっ。

 

大嶽丸(Σホントに素顔で来ても問題無い!)おおっ

白「お前 顔隠して来るの暑苦しいだろ

結果オーライだった。」一二三肩車すたすたっ

 

大嶽丸「Σ待てこら! 結果オーライって自信無いのに素顔で問題ないって言ったのかお前!」えええっ

 

テオドール「ご本人もついうっかりで 人前でツノ出される方に御座いますし」

粋「まあまあ。ほれ 冷やし飴でも飲めって 奢るから」どうどうっ

 

テオドール(構って欲しそうにちょろちょろしているから 我が主が気を遣って連れて来てくださったと言うのに
うるさいニャン公に御座いますねえ。)ちっ

大嶽丸「Σ舌打ち!!」

 

 


屋台のおっちゃん「お。お嬢ちゃん高い所で良いねー。
ん? お兄ちゃん・・ なのかな? 」えーと。

 

一二三「全員おらの彼氏だべ。」

大嶽丸「Σぶっ!」冷やし飴ぶばっ

 

 

屋台のおっちゃん「おーそりゃ凄えや

将来有望だなあ。よし人数分 リンゴ飴やろう」

一二三「良いんだか!?」おおっ

屋台のおっちゃん「良いんだよー おっちゃんは今日はそろそろ帰るかからよ。
無駄になるから食ってくれ」ほらよっ

粋「Σうお すんませんっ」わたわたっ

 


白「じゃ その金魚飴。
有るだけ全部買う」真顔っ

屋台のおっちゃん「いやあの んな気を遣ってくれなくても
つか全部って」ええー。


テオドール「御安心下さい
その方普通に甘党で御座います」真顔

屋台のおっちゃん「Σそうなの!?」ええっ

 


大嶽丸「いやアレを全部って
アホかあいつは」引っ


白「Σしまった。持ちきれない」はっ

大嶽丸「それ見ろ」

 

粋「買ったんならどうにかして持って帰らねえと。
何本かここで食う?」えーと。

白「よし。頑張れ荷物持ち」

粋「Σこれ以上持てと!!」既にごっちゃりっ

 


大嶽丸「飴もあれだけ有ると見てるだけで 気分悪くなるな

俺は金魚なら本物のが」ちらっ。

 

一二三「いくらにゃんこでも 金魚すくいの屋台で踊り食いしたら髪の毛に飴ちゃんくっつけて ベリッ!と行くだよ。」飴はぐはぐ

大嶽丸「Σどんな英才教育受けさせたら 息をする様にこんなの出てくる幼女が出来上がるんだ!!」ふぎゃああっ

 

粋「主に うちの兄貴の影響」ふっ。

大嶽丸「Σ末恐ろしいっ!!」

 

 

テオドール「しかし ホントにお店が多種多様に御座いますねえ。

金魚すくいに 的当てくじ引き
あ、射的も

結構生き物が景品だったりするので御座いますね」おや。


粋「あー 虫とか金魚な。
こう言うのって小さい頃なら欲しいって思うんだろけど

なんつーか この歳で見ると景品扱いで可哀想な気もすんだよなあ」

 

大嶽丸(さっき うっかり落としたのか草むらで金魚がくたばってたのは黙っとくか) ちらっ。

一二三「?」

 

テオドール「楽しい事だけではない
人間世界の縮図に御座いますねえ。

ん?どうされました。」

 

 

 

大嶽丸「あ。いや

ひょっとして人間の祭って 呪詛とか行ったりするのか?」真顔。

粋「Σいや何の祭!?」

 

白「場所によっては そう言う祭も有るみたいだけど
ここは単に 飲み食いして遊ぶだけだぞ。」

粋「Σいや有んのそんなの!?」えええっ


テオドール「お祭りは本来 神様に何かを御供えしてお願いしたり 御礼を言う為の儀式に御座いますし。」

粋「Σ確かに」

 


大嶽丸「ああ成る程。

なら場所的にも 何が起きても不思議じゃないのか」


地面ぴししっ。

 

一二三「Σ地べたに割れ目がっ」ひえっ


テオドール「Σ地面の亀裂からすえた妖気っ!」びくっ

 


ぴしししっ


めきゃ ずおおおおおっ!!!

 

粋「Σうおおお!巨大ムカデ!!」ひええっ

 


一般客「Σぎゃあああっ!!」ひえええっ

 


白「足元来るな」

踏みつけっ。


ムカデ「Σギエエッ!!」かはっ

 

ムカデびちびちっ!

 

テオドール「Σうわキショい!
何で御座いますか!!」ひええっ


大嶽丸「よく見ろただのムカデじゃない

顔とかほれ どっちかと言えば他の虫の
粋「Σお前よく平気だな!!」ひええっ

 

大嶽丸「平気なわけないだろ!
ほれそこも気を付けろ! 地中から生き物の這う音が聞こえる」指差しっ

粋「Σえ。」


ぴししっ!


ずぼっ!!


白「今度はでかい蛇か?」ひょいっ

 


大嶽丸「んにゃーーっ!!!」ずびしっ!!

蛇もどき「Σきゅうっ!?」  びたんっ!じたばたっ

 

 

テオドール「平気なわけないってそっちに御座いますか。」うわ

粋「Σ狩猟本能必死に抑えてたの!?」ひええっ

 

 

テオドール「しかし これもよく見たら蛇では御座いませんね
何か色々混ざって御座います」ふむ。

蛇もどき「」ぐったり。

 


白「どう言う事だ?」

 

大嶽丸「この場所は誰かは知らんが神の領域、
つまり清められた特殊な場所なんだろ?

そこに これだけ小さい生物を連れ込み 
そして景品扱い、粗末な扱いを受けたのも少なくはない 


となるとだ。」

 

テオドール「Σ蠱毒に御座いますか!」はっ!

大嶽丸「お。良く知ってたな」


テオドール「その手のエグい呪詛は結構好みに御座います故」

大嶽丸「・・そうか。」ああうん。

 

粋「あの 蠱毒って?」えーと。


一二三「確か たくさんの虫さんや蛇や蛙なんかを 1個の壺に放り込んでエサやんねーで放置して

他のを全部食って生き残ったのを使う呪いだべ」えーと。

白「一二三物知りだな」へー。

 

大嶽丸「Σ心底その子供 どんな躾してんだ!!」ひええっ

 


テオドール「つまり楽しく催されてる祭の影で 犠牲になった小動物達の魂が特殊なこの地に留まり、
蓄積されて形を成した。と言う事に御座いましょうか?」

大嶽丸「だな。

ここには それを呼び起こせるだけの『神』が居る事だしな」


白「ん?ひょっとして俺か?」
大嶽丸「他に誰が居る 破壊神。」

 

 

粋「え?ちょっと待って
つまり兄貴が此処に来たせいで キメラ虫や蛇が目覚めたって事は

つまり」えーと。

 

 

大嶽丸「まあ普通に お前の兄貴目指してどんどん沸いてくるな。」


地べたばりんっ!!

ずぼっ!ずるるるるるるるっ

 


粋「Σめちゃめちゃ出てきたあっ!!」鳥肌ぞわああっ!!

 

 

一二三「Σうわ。皆でっかいだ!
周りが見えねえだよっ」うわわっ


白「だな。落ちるなよ一二三。」

一二三「Σえ。 あ、はいだべ

Σあ。」


べちゃっ!


一二三「・・髪の毛にめっちゃ飴ちゃん着いちゃっただ。ごめんなさいだよ」

白「・・・後で散髪するから良い。」うん。

 

 

 

粋「Σ呑気にやってる場合かよ!!

ちょ兄貴! うおっどんどん出てくるしっ」 ああもうっ

大嶽丸「あいつなら心配無いだろ!

ほれ人間共巻き込んだらまずいのだろが!!」ぶちっ!

粋「Σ音がエグい!」ひえっ


大嶽丸「Σ狩っとんのだからしゃーないだろがあっ!!」

 

テオドール「我が主に危害を加えようとは 百年早い虫ケラ共がああっ!!」 

グシャッ!メシャアッ!!

 

 

大嶽丸「ほら見ろ!あっちのが俺より万倍エグいぞ!!」ほれほれっ

粋「Σ吸血鬼なのに其処らの石ってお前!!」

テオドール「虫はたたっ潰すに限るので御座います!!」うがあっ

 

 

 

一二三(皆 虫さん達への慈悲がゼロだべ) うわ。


白「足元から来られると 踏んづけて逃げ回るしか出来ないな」

めしゃっ!


でかカマキリ「Σギギッ!!」


白(一二三が居るからあんまり火とか派手に出来ないし) むう。

 

 


粋「で! 此処で出店出てたのがヤバいのは良く解った
んで どうすりゃ良いんだよ」

大嶽丸「どうって。

 

・・え。どうしよ。」冷や汗っ

 

 

テオドール「Σそこまで解ってて 対処法無いので御座いますか!?」えええっ

大嶽丸「Σいやこんな有る意味奇跡 そうそう起きんだろ!
前例無いのとか晴明でも無きゃどうにもならんって!!」

 

粋「Σとか言ってる間に 兄貴の周りに でかい虫の壁がああ!!」ひええっ

 

 


一二三「Σぎゃっ!またわらわら出てきたべ!!きりねえだよっ 
周り虫だらけで逃げ場ねえべ!!」ひええっ


白「どれだけ生き物適当に扱ってたんだ

 

よし。 物は試しだ」

一二三「へ?」

 

 


白「来い。『ヤマモト』」

 

 

粋・テオドール「Σへ」

 

 

 

爆風どむっ!!!

 

山本五郎左衛門「『ヤマモト』じゃなく『サンモト』だと言うとろうがあっ!!!」うがあっ!

 

白「ヤマモト呼びで返事しちゃうならもうヤマモトでいいだろ」しれっ

山本五郎左衛門「Σしまった!罠だったか!!」

 


一二三「え?

このおいちゃん 何処から沸いたべ?」きょとんっ

山本五郎左衛門「Σおいちゃん!?」ガーン!

 

白「良いから周り見ろ。

さっさと片付けないと食われるぞ」

山本五郎左衛門「ん? Σうおっ!?
なんだこりゃ

いや こんなで呼び出されたのか!?お前が自分で吹っ飛ばせば

白「お前と違って 俺がエネルギー吸い上げるの龍脈だから
コイツ等やっちゃおうとしたら 此処等一帯更地になるな」うん。


山本五郎左衛門「Σ小回り効かなさすぎるだろ!!

だあくそやってやるが 次からサンモトな  サンモト!!」うおおっ!

 

 

 


粋「今 うちの兄上

山本召喚しなかった?」ええー。

大嶽丸「時空でも歪められるのか お前の兄貴は」ええー。

 

 

 

 

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テオドール「Σはあああ!? 契約!?」


白「うん。
こいつ 昔は結構暴れてたらしいし
残り四つの封印解かれて暴れられたら面倒だからってバカラスが晴明に頼んで」えーと。

 

山本五郎左衛門「昔は魔王と呼ばれた我が
今や式神の扱いとは」くうっ!

大嶽丸「またド偉いのがド偉い物を。」うわー。

 

 


テオドール「召喚なんぞ出来るのなら何故に私でなくこんなポッと出のをそんなのにしたので御座いますか!!
納得出来ません!」うがあっ!


大嶽丸「Σ式神なんかになりたいのか!?」えええっ

テオドール「式神と言うかっ

下僕としてこんなんに負けるとか」ギロッ

 

山本五郎左衛門「Σ!!」びくっ


粋「おーい。毎度毎度やめてやれよ。

新入り虐めしない」はいはいっ

 

 


一二三「別に式神になんかしなくても テオさん常に白さんの腰巾着だから呼び出す必要ねえだよ。」

テオドール「Σあ。」はっ!


白「だな。

でもって 晴明が言うには 何匹も連れてると何処で誰出すかこんがらがるし」

粋「兄貴だしな」なるほどっ

 

 

 

白「そう言う事で 契約うまくいってたみたいだし
また何かあったら呼び出すからよろしくな」しれっ。

 

山本五郎左衛門「Σいやよろしくって 召喚ってあんないきなりなのか!?
お前 風呂とか厠とかだったら
白「そこは 諦めろ。
そんな呼ばないだろし そこは運だ」

山本五郎左衛門「Σ心底自分勝手だなお前!!」えええっ

 

 

粋(また兄貴のワガママの犠牲者が) あちゃー。

 


白「そう言う事でよろしくな
あ、ちょうど良いから 金魚飴持つの手伝ってくれ

・・えーーっと?」

山本五郎左衛門「『サンモト』だ!
あれだけおちょくっといて忘れるな!!」

 

大嶽丸「でも ちゃんと持つの手伝ってくれるんだな。」

 


テオドール「膝カックンかまして差し上げましょうか」けっ。

粋「やめなさいての。」

 

 

 

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