小咄

小咄

くろねこ太郎の落書き部屋 小咄ページです

7月19日

 

 

 

【芝居小屋】

 

 

見習いA「この暑いのに衣装合わせって」えー

見習いB「呉服屋来てるけど反物とか汗つくんじゃねの? 誰も得しねえだろ
何もこんな暑い時にやんなくてもさー。」あっつー

見習いC「いや大丈夫大丈夫
なんか部屋めちゃ涼しいらしいし」襖がらっ


見習いA「いや 涼しいってのも限度が Σ寒っ!!」びくっ

見習いB「え?え?どうなってんのこれ!?
ここだけ冬!?

 


つか あのガキ何?」えっと

シロ(誰がガキか。) 冷風ひゅおっ!


見習いB「Σうお更に寒うっ!?」ひいっ

 

 

見習いA「用心棒だってさ。
ほらこの辺物騒だし 反物って高いだろ?」

見習いB「Σあ!確か此処等の道場に片っ端から道場破りかましてるガキ!」

見習いC「Σあれか!
うちの兄貴もボッコボコにされたんだ!!」ひえっ

 

見習いA「そなの?

なんか桔梗さんの知り合いらしいけど」

見習いBC「Σマジでかああ!!」ひええっ

 

見習いA「やっぱ売れっ子は人脈も凄いよなー

・・あの人の周り変なのしか居ないけど。」


見習いC「あー 菊さんも変つかたまに怖そうなのと話してるしなあ
派手な坊さんとか ガラ悪いキセルの兄ちゃんとか」

見習いB「やっぱ一流は違うんだよ 一流は。」へぷしっ

 

 

 

つつじ「まあ変な知り合いは大概共通のヒトやけんどな。」※菊さん

白「類友だ 仕方ない」うん。 ※桔梗さん

 

つつじ「え?わてあんさん等と同格なん?」ええー。

粋「そんな嫌なのかよ」

 

テオドール「はいはーい。皆さん 
あ、反物屋さんも御一緒にどうぞ。
せっかくの快適空間なので お茶用意して参りました」ティーセット1式かちゃかちゃっ

反物屋「いえあの仕事が。」あのー

 


シロ「これテオ お前も勤務中だろうに 遊ぶでないわ」

テオドール「ちゃんとシロさんの分も御座いますよ?

日本人は働きすぎに御座います。」てきぱきっ

 

つつじ「いやアンタ雑用でっしゃろ?
勝手に段取り帰れるんはちょい
テオドール「はいつつじさんもどうぞ」紅茶こぽこぽっ

つつじ「あ。冷やした部屋で飲む西洋茶うまっ」ほわっ。


一同(Σ負けた!!)

 

 

見習いC「やっぱ変なのしか居ない」ああうん。

 

 

 

ーーーーーーーーーーー

 

 


粋「って事があってさ

いやシロのおかげで 灼熱地獄にならずに済んで助かった助かった」

シロ「それは良かったが

お前等この夏講演できるのか?
この夏はこれから更に暑くなる予想だそうだが。」

 

テオドール「あー。それなので御座いますが」

シロ「ん?」

 

白「俺達はプロ根性でどうにかするけど 客が持たないから
夏場お前にバイトに来てくれって 言えって言われたんだけどな」えーと。

シロ「すまん無理だ。先約がある」即答っ

 


白「だな。バカラス無言でガン飛ばして来てるし」


彬羽「・・・。」ギロッ!

 


テオドール「シロさんがおられないと割烹内が地獄になりますので

暑がりの彬羽さんには死活問題に御座いますよ」苦笑。

粋「やっぱ 無理だよなあ」

 

シロ「だな。裏切らんだろうなの視線が背中にぶっ刺さってしゃーないわ。」ふっ

白「バカラス 子供に圧かけるな大人げないぞ」

彬羽「気合いでどうにか出来る奴にゃ解らん」真顔っ

 

 

千様「あらあらシロ君モテモテねー」のほほーん。

シロ「夏場のみだがな」うんざりっ

 

 


粋「そっか。なんだかんだで俺と兄貴は火耐性有るもんな
そんで皆より多少暑くても平気なのかも」火の玉ぼぼっ

テオドール「ああ。火の妖気をお持ちなので 火、つまり熱には慣れておられると

ん?


しかし血筋的には 水の眷属 水耐性?」おや。

白「カナヅチは 耐性あっても沈むし溺れるから別だ」きっぱり。

 


テオドール「あー成る程で御座います。
そもそも水耐性って何で御座いましょうねえ」あははっ

白「湿気?」えーと。

シロ「湿気と暑さに強いとは
つくづくこの国の夏向けだな」ほう。

 

 

彬羽(最近開き直って堂々としてやがるな ドカナヅチ。)うーん。

 

 

 

魄哉「ほうほう成る程。
君達 湿度を伴った暑さに強いんですか」ひょこっ

 

千様「あら また何処から生えたの?
てか坊主が盗み聞きするんじゃないわよ いやらしいわねー。」

魄哉「帰宅したら偶耳に入ったんでそのまま聞いてただけです。

さて、君達に折り入って頼みが有るんですが」

 

粋「へ?俺等?」

白「もう嫌な予感しかしない」

 

 

魄哉「すみません ちょっとうちの妖怪温泉を助けて下さい」

彬羽「よし。聞いただけで気分が悪くなりそうだ 離席する」すたすたっ。

 


粋「Σこの気温で温泉!?」ひえっ

魄哉「そうなんですよ
熱気と湿気がヤバくて従業員がバッタバタ倒れて
あ、白君何処いくんですか」がしっ。

白「さすがに嫌だ あれは嫌だ」じたばたっ

 

コマ『私の姉さん達、からくり娘達が居るので 最低限の事さえこなして貰えれば大丈夫なんですが。』筆談カタカタっ

粋「最低限って?」嫌な予感っ

 


魄哉「お掃除です。」


粋「Σ温泉レベルだと重労働!!」ひえっ

魄哉「ええ。しかもうちの旅館
無駄にテーマ別で湯船まみれです 。」キリッ


テオドール「Σ無駄だと思うのなら減らしたらどうなので御座いますか!?」

魄哉「非日常な贅沢が売りなので」

白「旅館内妖怪まみれの時点で非日常だろ。」じたばたっ

 

粋「あのー  さすがにそれは

ん?」

 

襖すっ。


シロぽいっ。

 


襖ぱたん。

 

 

千様「彬羽君がシロ君使いなさいって」あらまあ。

シロ「Σこら彬羽 お前俺の存在を何だと思っとんのだ!!」うがあっ!

 

魄哉「彬羽君もこうやって命綱を貸してくれてますし
是非よろしくお願いします。

ほっとくと床とかニュルッニュルのズルッズルになるんです」切実っ


白「それは大変だけど 俺に掃除とか出来ると思うのか?」えー。

魄哉「細かい所は粋君が居ますし」

粋「Σ俺確定!!」ひえっ

 

 

千様「あらあらー。逃がす気ゼロねえ 御愁傷様。

ん? あら 
いつもならこの辺で殿がへらへらしながら うちの天海がごめんねーって。」あら?

 


魄哉「ちなみにバイトが全員ぶっ倒れたんで
今殿にお掃除頑張って貰ってます」どやっ

テオドール「何気に酷い!!」ひええっ

 


魄哉「いえね。暇そうに転がってたもので。
殿が可哀想だと思うなら 代わりしてあげて下さい」ふふふふっ

白「お前 ホント酷いな」うわ。

魄哉「こうでもなきゃ信長公や秀吉公とやり合えてませんよ」メガネきらーん。

粋「Σやべえ 逃げらんねえ!」ひいっ

 

 

千様「とりあえずー
殿保護したら冷やしたげてね?」

シロ「あんのアホも毎度何故素直に言う事聞くのやら」はーやれやれっ

 

 


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【妖怪温泉】

 

 


家康「いやー ここで人生終わりかと思ったよ
あー涼しい シロありがとねー」ひんやりっ

粋「Σ思ってた数倍元気なの何で!?」えええっ


家康「?
くたばってた方がよかった?」あれっ

テオドール「良いとか悪いとかではなく」えーと。

 

白「お前ホントに人間か?」

家康「んー 暑かったよ?脱水状態起こすかと思ったけど

甲冑のが万倍重いし蒸れるから。」真顔。

粋「Σ将軍なめてた!!」ひええっ

 

 

 

白(あれ? 妖怪温泉って人間単品で居て大丈夫だったっけ?)はて?

 


テオドール「とにかく休んでいて下さいませ 
さすがにくたばります故交代致します

 Σあ、扉重っ」くっ

 


ぎいいっ


家康「あ。気をつけて

熱風吹き出して焼けるから」


じゅおっ。

 

 

灰ざらっ!


粋「Σテオおおおおお!!!」ひいいっ

 

 


家康「吸血鬼で良かったね
普通の人なら違う意味でで灰になってたかもよ」井戸水ぐびーっ

白「そうか、だから誰も中居なくて安心なんだな」成る程っ

シロ「Σいや家康 お前どうなっとんのだ!?」

家康「だから甲冑のが
シロ「お前の甲冑はファラリスの雄牛か!!」

 


白「ふぁらりす?」

テオドール「中に人入れてファイヤー的な拷問道具に御座います。申し訳御座いません。今回私はお役に立てそうには。
お気をつけて」灰さらさらっ

 

 

粋「Σねえマジで俺等入るの!?ここに入るの!?」ひえええっ

 

 


間。

 

 


白「うわ。あっつ」汗どばーっ

粋(めちゃめちゃ暑いのに結構平気な自分が怖え!!)ひええっ

 


白「で、ヌルッとしてるの磨けばいいのか?
風呂の掃除とかした事無いぞ」汗ぬぐいっ

粋「あ、うん 兄貴は家の風呂も破壊するから触んな言われてんだっけ」

白「いや普通に水が嫌いだ」きっぱり。


粋「えーと んじゃ簡単な所で
俺はかけ流しの湯をちょい止めて 水抜いて浴槽洗うから 兄貴はこの辺

 

とぷんっ

 

 

粋「・・とぷん?

 

Σはっ!!!」

 

 

ぶくぶくぶくっ


粋「Σだよな!兄貴だもんなあっ!
床ヌルってたら滑って転んでドボンで沈むよなあっ!!」どちくしょおおおおっ

 

 


間。

 

 


白「煮られるかと思った 」ずーん。

粋「熱湯つれえっ」ぜーぜーっ

 


家康「うん。源泉かけ流しだからね」あーあ。

 

テオドール「シロさん!リカバリーに御座いますっ!」

シロ「何かする前に負傷者が増えとらんか?」冷風びゅおおおっ


白「俺もうやらないからな」けっ。

家康「この子に至っては精神にダメージが」あーあ。

粋「Σ兄貴勝手に滑って転んでハマッただけだろ!
つか普段あんだけ魔王な癖にカナヅチ絡むと繊細だな!!」ああもうっ

 

 

テオドール「我が主は1度拗ねると無理に御座いますよ

これはもう 粋さんしか作業できないのでは?」おや。

粋「Σえ」

 

家康「だね。 私はこれ以上やるとさすがにお迎え来ちゃいそうだし」しれっ

粋「Σめちゃ涼しい顔してるのに!?」

家康「戦国では弱味見せると何処からグサッて来るか解らなかったから
ヤバい時ほど取り繕う癖がねー」

テオドール「つまり今相当ヤバいので御座いますね」成る程。

 

 

白「思うんだけどな

シロに旅館の中冷やして貰って掃除すれば良いんじゃないのか?」

粋「Σその手があったか!」はっ

 

シロ「Σえ゛」ぎくっ

 

テオドール「さすがにキツイので御座いますか?」

シロ「Σなっ 何を言うかっ
建物ひとつ分くらい容易に決まっておろうっ」冷や汗っ


粋「マジか 凄え!
さすが町で評判の道場破り!」おおおっ

シロ「う、うむ
大船に乗ったつもりで居るが良いっ!」ひきつり笑いっ

 

 

白「あいつ何であんなすぐ信じちゃうかな」あーあ。


家康「よし。危ないからテオちゃんは着いてくのやめとこうね」

テオドール「なんとなくオチ読めまして御座います」ああうん。

 

 

 

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ーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

彬羽「シロは根性でカバーこそしているが
瞬発力重視で スタミナは無いからな」あーあ。


シロ「ふっ。じゃぶじゃぶ涌き出て来る湯の熱気と蒸気に耐えられなんだわ 修行が足りん」くうっ


一二三「大丈夫だかー?」

粋「氷枕ぬるい」ぐーったり。

 


シロ「すまんな。

あ、もう無理と思った途端とっさに自分は氷の壁で防御したのだが
お前は距離が有ったのでな」

粋「うん。もういいよ
なんか名物爆誕したみたいだし」ぐーーーったり。

 

 


千様「へー 温泉で作った蒸し饅頭? やだ美味しい」もぐもぐっ

家康「待ってる間 暇だったからおやつに饅頭つくってたんだよね

そしたら蒸された粋が出てきたから 
あ!これだって」

テオドール「家康さん。実はめちゃめちゃ体調余裕有ったので御座いますね?」

家康「あ。バレた?」へへっ

 

 


白「そもそも従業員が倒れるなら 客呼んじゃダメだろ
芝居小屋と同じだ。」

魄哉「Σあ。だから今シーズン常連さんからの予約無かったんですね」はっ

 


粋「Σ俺が蒸された意味は!?」えええっ


彬羽「少なくとも夏場の収入源が出来たぞ」

一二三「妖怪温泉。夏場は饅頭工場だべなー。」饅頭もぐもぐっ

 

 

 

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