小咄

小咄

くろねこ太郎の落書き部屋 小咄ページです

7月8日

 

 

 

女の子「と言う事で
当旅館はイタズラな幽霊に悩まされておりまして。
毎年夏になるとお客さんが遠退いて遠退いてしゃーないんです」ふかーいため息

 

 

白「で、なんで芝居小屋にお化け退治の依頼送りつけてくるんだ?」御手紙っ

女の子「あなた方妖怪バスターの噂は 裏世界では有名ですので」

 


粋「Σあ。前に情報収集の為に俺が適当に名乗ったアレかっ」はっ!

 

テオドール「裏世界とは
あの。見たところ歳の頃は10か其処らとお見受けしますが いったい
女の子「世の中には深追いしない方が良い事も有りますよ」

 

 

彬羽「まあ生者に迷惑をかけてとなると
閻魔の管轄だろうしな

今は盆の準備で向こうもてんてこ舞いだ。遅かれ早かれこっちに泣き付いて来るだろ」

白「どうせ回収してもすぐ盆で帰ってくるのに」むすーっ

 

粋「え。えーっと
その手の手練れが揃ってるんで

今回俺パス!」だっ!

 

テオドール「Σあ。面倒の元凶逃げまして御座います!!」むかっ

粋「人里離れたオバケ屋敷はさすがに無理ーーっ!!!」すたたっ

 

 

女の子「あ。外真っ暗ですんで提灯をお持ちください」提灯よいせっ

闇夜に浮かび上がる 墓石ぼうっ。


粋「Σっぎゃーっ!!!」ひいいっ

 

 


テオドール「Σこれはっ!?

この旅館 墓地の中に建っている!?」あわわっ

女の子「ですんで『夜お越しください』と明記したのです。
これ見たらベテラン退魔師でもビビって来ない可能性もありますし。」

 

白「そもそもなんでこんな所に宿建てた「安かったそうです。」

彬羽「そりゃあな。」引。

 

 

 

女の子「と言う事で
1人で帰れます?」

粋「Σ無理いいいいっ!!」ちくしょおおおっ


女の子「では 退治の方お願いしますね」すたすたっ

 


テオドール「強い」おおっ

 

 

 

粋「兄上 色々とよろしく」しくしくっ

白「面倒だから宿ごとドーンて
彬羽「その宿守る為に駆除頼まれてんだろ馬鹿野郎。」

 

 

 


間。

 

 


テオドール「いやー。それにしても」

 

天井からオバケでろんっ。

 

 

テオドール「その辺居るのが丸見えと言うか 数多くて隠れきってないんで怖くも何とも御座いませんね」

聖書のカドでがんっ!


オバケ「Σあうっ!?」

 

彬羽「あれだ。室内に虫が居ると不快だが
虫が居る前提の林の中ならさほど気にならんと言う

粋「Σいや無理めちゃめちゃ気にな Σあーーッ!!」ぎゃああっ

 


白「こいつら驚すのが目的みたいだし
ぎゃーぎゃー言うともっと来るぞ」べちんっ!

粋「Σんな蚊を叩くみたいに!」ええっ

 


テオドール「はいはい。ぶん殴られたくない方は 大人しく我が主の開けられた鬼門内にお入り下さい。

道なりに真っ直ぐ行くと閻魔殿が御座いますので ガイドに従って下さいませねー

ふんっ!!」

聖書でばきゃっ!!

 

幽霊軍団「Σ!」どよっ

 

 

粋「Σお迎えってこんなで良いの!?」

彬羽「言ってもお迎え無視してこの世に留まってたか 迎えが来た後逃げた奴等だしな」

 


白「なんだかんだでテオがエグいから 結構皆自分で鬼門に入ってるしな」

鬼門にわらわら幽霊群がりっ

 


テオドール「言う事聞かないドキューンな方は 口で言うより此方のが早いと
何処ぞのダミアンで学びました故」ふっ。

粋(Σ色々思い出して怒り再燃してる!!)ひいいっ


白「しばらく大江山には連れてかない方がいいな」うん。

彬羽「だな。」引。

 

 

テオドール「しかし 片付けても片付けても。
どんだけこの周りの墓地広いんで御座いますか」げんなりっ


白「死んでみたら皆成仏してないし
自分もここでどんちゃんやってよう とかってどんどん増えてったんじゃないか?」

粋「幽霊ノリ軽いな」ええー。

白「宿なら脅かす奴に困らないし
暇潰しにもなるしな」


テオドール「なぜそこまでオバケの気持ちがお分かりなので?」

白「俺ならそうだろなって」真顔

粋「悪霊よりタチ悪いよ 兄貴。」

 

 

彬羽「成る程。そう言う土地なら
根本からどうにかせんと また溜まる可能性は有るな」ふむ。

白「この場合の根本って


墓石壊すとかか?」扇子すちゃっ。

彬羽「更に成仏しなくなるからやめろ 鈍器を仕舞え。」

 

 

テオドール「そもそも集団とはなぜ集団になるので御座いましょうか?
大人数の集団に属した事が無い故 イマイチ解らないので御座いますが。」

粋「何で俺に聞くの?」

テオドール「コミュ力おばけだからに御座いますよ」

粋「いや俺は普通だと思うけど

 

んー そうだな
集団ってなんやかんやボスが居るんだよ。
ほら、俺らも兄貴ってボスが居て その周りに立場違えど下っ端やら 下僕やらって

役割や立場は多少違うけど 基本は皆同じのはず?」

 


白「じゃ。ボスを見つけて鬼門に放り込めば終わるのか?」

彬羽「理論上はな。」うむ。

粋「まあ 下っ端は残されても
結局つるむ奴が居なきゃ何処か行くし、
人間の場合はだけど」

 


テオドール「で、ボスってどうやって見分けるので御座いますか?」

 

白「解らなくても来るんじゃないか?」

テオドール「へ?」


彬羽「霊体ってのは 人間と言う枷から離れて 性質が妖怪に近くなるからな
これだけ縄張り荒らされればそろそろ」見上げっ

 

みしっ。

 

 

女の子「あのー  言い忘れてましたが
あんまり良く出るので封印された2階が有るので気をつけて」こそっ

粋「Σどう考えてもそこ根城じゃないかなあ!?」ひええっ

女の子「Σあ。」

 

 


テオドール「結局御宿壊れるので御座いますね。」血液アンプルちゃきっ

白「だな。」扇子すちゃっ

彬羽「営業出来なくなったら気の毒だ
手前等は壊すなよ」指ばきべきっ。

 

 

粋「Σうおおやる気満々!
嬢ちゃん逃げて逃げてーーっ!!」ひいいっ

 

 


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白「無駄にでかいから鬼門通らないし
何食べたらあんななるんだ。」やれやれっ

テオドール「3人がかりで尻蹴り倒してようやく通るとは
傍迷惑なメタボに御座います」ふう。

 


粋「最早成仏でもなんでもねえ!!」ずーん。

 


彬羽「お前の兄貴は転生すら出来ん様 粉々散り散りに砕いても咎められん立場だが?」

粋「Σまさかのまだ優しい対応だった!」ひえっ

 

 

テオドール「しかしホントにボスを捩じ込んだら残りは大人しい物で御座いましたねえ

あ。朝日」

灰ざらっ!

 

白「一晩かかったのか」あくびっ

彬羽「数が数だったしな  ん?」

 

 

 

宿の主「おや?あなた方は?
本日ご予約入ってましたかな」あれっ

粋「あ、いやあの

あ!あの子の親御さん?
えーと俺等娘さんに頼まれてそのー

 

宿の主「うちに娘は居ませんが。」はい?

粋「Σえ」

 


宿の主「あ。ひょっとして 
その娘って おかっぱで赤い着物の?」

粋「Σそうそうそうそう!うわ一瞬ヒヤッとした
あ。此処の子じゃなくて近所とか親戚の子とか?」

 


宿の主「いやー 恥ずかしながらうちの宿はやたらオバケ出る物で。
その中でもお客さんが他のオバケに脅されてると助けてくれる 女の子の幽霊が居るそうで」はははっ


彬羽「同類から見てもやりすぎだったと」成る程。

 

 

白「お前 気がついて無かったのか?」

粋「」

彬羽「珍しく見えてると思ったらコレか。
さて、片付いたし帰るぞ

あ、此処には多分もう幽霊は出んので安心しろ」テオ灰ざかざか回収っ

宿の主「Σへ!?」

白「おせっかいなおかっぱ娘に感謝しろ」うん。

 

 

 


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【閻魔殿】

 

 

女の子「こわっぱ殿が毎夜毎夜
あんな騒音だしてヒャッハアヒャッハアと何が楽しいのやら

近頃の若い霊は品がなくていかんわ」ふんっ

 

閻魔「はあ。
それで 皆まとめて連れてきてくれたのはありがたいんだけど

その、君もお迎えから逃げたらそんな事には「享年9歳に無茶言うな」


閻魔の孫娘「あー。 オバケって見た目死んだ歳のまんまだからなあ

 

つか中身いくつだよアンタ」

 

 

 

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