小咄

小咄

くろねこ太郎の落書き部屋 小咄ページです

8月8日






【海】




波ざぱぱーん。


粋「うっわ。さすがは猛暑」

彬羽「これだけ暑けれりゃ 水遊びしたい気も解らんでは無いがな」ふむ。



テオドール「皆さん見事に足が御座いませんねえ」うっわー。

彬羽「幽霊は水辺に集まる物だからな」やれやれっ


一二三「で、ここの人等が生きてる人等の遊んでる所に行ったり
ちょっかい出したり ナンパしたりしねえ様
見張ってて下さいだーって閻魔様にお願いされたらしいだよ。」

粋「成る程 で、お前はなんで居んの?」

彬羽「夏の海なら子供連れて来るべきだろうが」真顔。

テオドール「見事に思考が子育てパパに御座いますねえ」わお。


一二三「カニさんカニさーん」わーい

彬羽「危ないから遠くに行くなよ」

一二三「はーい だ。 あ、フナムシ」がしっ。

フナムシ「Σ!?」じたばたっ


テオドール「Σ躊躇無く素手フナムシを!!」ひいっ

粋「Σ一二三強え!!」おおっ



白「大和撫子に育てるなら アレまずいんじゃないのか?」

彬羽「怖くも無いのに無理にギャーギャー言うのの方が好かん」

粋「Σえ 兄貴来てんの!?」

白「そりゃ閻魔に頼まれたの俺だし」むすーっ

粋「うっわ。水嫌いなのに珍しく素直に
タスキまでして 兄貴も大変だな」うええ



一二三「あれタスキじゃねえだよ?」指差しっ

彬羽「目を離すとすぐ何処ぞに行くんでな」紐ぐいっ

テオドール「Σ犬猫に着けるリードに御座いますか!?」ひええっ

彬羽「仕方ねえだろ
ここの幽霊共が何かしても 責任者のコイツが居なきゃ俺等には止める権限も無いからな?」



粋「兄貴、最近扱いが完全に犬猫」複雑っ

テオドール「あ、でも 良いかも御座いませんね

確かに見てくれこそ何で御座いますが、お子さんに着けていれば安全に御座いますし
数百年も経てば普通に使われているやもしれません」ほう。

粋「いや お前自分の主様がリード付きってどうなん「私、人の目なんぞ気にする必要は無いと あの方に教えて頂きましたので」真顔っ





粋(あれ? コレ俺が恥ずかしい奴?)えーと。

一二三「価値観は人それぞれだべ
ほら 元気出すだ。アサリあげるだよー」どさっ

粋「Σうおお大漁!」

一二三「ここのアサリさんはおっきいだなー」あははっ




幽霊「あー それ私達の乗ってた船がそこで沈んだからですねー
栄養満点だそりゃ」あははっ

粋「Σひいっ!」背筋ぞわっ



彬羽「よし。戻して来い」

一二三「お味噌汁には無理だべ」アサリどさささリリースっ



幽霊「いやーすみませんねえ
なんかやっぱ バカンスしたくて海に来たからには 少しくらい遊んでからあの世に行きたくて」ひゅーどろどろっ

彬羽「構わん。
どうせすぐに盆だ
盆終わりに帰る奴等と一緒にあの世に来れば閻魔も手間が省けるらしいしな」


テオドール「あの世ってんな大雑把なので御座いますか?」

彬羽「この時期は出来るだけまとめて来て欲しいそうだ
解らんでもない」うむ。

粋「何気にすっげえ話してるよな」引っ



彬羽「と、言う事で 盆が来りゃ海とあの世が繋がるからな
あまり近寄るなよ たまに足引っ張る奴とか居るからな」

一二三「了解。捕まれたら踏んづけるだ!」びしっ

粋「大和撫子って何?」



テオドール「おや?」きょろっ

粋「ん? Σはっ!静かだと思ったら」きょろきょろっ

幽霊「おや? 白髪のお兄さん何処行きました?」あれっ



彬羽「ふんっ!」

紐びんっ


海からじゃばーん!!

どちゃっ!


粋・テオドール「Σ案の定!!」ひいいっ



テオドール「だだだ大丈夫に御座いますか!?」ひええっ

粋「音も無く落ちんなよ!こっえええええ!!」ひいいっ


白「フナムシ追っかけてったらワカメで滑った」けほっ

一二三「浜辺で走っちゃ危ねえだよ」頭よしよしっ




彬羽「やはり着けておいて正解だったか」ふう。

幽霊「子守りのプロの方ですか?」




白「もう嫌だ 帰る」むすーっ

テオドール「あー。拗ねられてしまいましたっ」あちゃー

粋「まあまあ 水に近寄らなきゃ被害受け様がねえか


油断した頃にあるある大波どっぱーん!!


一同「」



白「帰る。」べちゃべちゃぼとぼとっ


一二三「なんで白さん此処まで水に好かれてんだべか?」ずぶ濡れっ

彬羽「カナヅチの癖に水の眷属だからな」うーん。



テオドール「Σあああ傘流され Σあーー!」灰ざらああっ

幽霊「Σうおお ちょ この人波に持ってかれますよ!?」あわあわっ

彬羽・一二三「Σ!!」



彬羽「灰は八割回収出来れば蘇生可能だ!ザルか何か無いか!?」わたわたっ

一二三「え?え? えーと
粋さん何か持ってな
Σあれ?粋さん何処だべ!?」はっ




粋「Σぎゃあああやめ 俺はまだ生きてるうう!!」がぼがばっ!

彬羽「Σ閻魔の野郎!フライングであの世と繋げやがったな!!」

一二三「Σこっちはオバケにモテモテだべ!」ひいいっ





幽霊「あの、お連れさん方放って帰って良いんですか?」おそるおそるっ

白「・・・。」むっすーっ






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【閻魔殿】




閻魔「あの、何か脱走した亡者の人達 やたら大人しくない?
なんかやたら焦げてない?」えええっ

こーちゃん(閻魔の孫娘)「シャバではしゃいでキゲン最悪の白い魔王にガチギレかまされたらしいよ?
皆自ら帰ってきたよ」せんべいぼーりぼりっ

閻魔「Σ嘘こわっ!

あーそんなじゃ ヤンチャな亡者も大人しくなるよねえ」ひええっ







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