小咄

小咄

くろねこ太郎の落書き部屋 小咄ページです

6月14日

 

 

 

 

魄哉「あの、つかぬ事を聞きますが
死者が長い年月を経て 甦るとかあるんですかね?」

 

白「えっと。

長く生きてれば色々有るんだろうけど

はんごん?ってのは 大概失敗して相手ぐちゃぐちゃのゾンビになるから やらない方が良いってサタンが言ってたぞ」言い聞かせっ

魄哉「いえ僕の話じゃないですから
心底気の毒そうに言わないで下さい やりませんて。」

 


家康(毎月 月命日に墓参りしてるあの人かと思ったよ) ちょっとホッ。

 

 

 

魄哉「いえちょっと気になる事件が起きてましてね

その手口の記録が十年程前の記録と一致して犯人の目星はついたんですが

その人斬首済みなんですよね」

テオドール「先生。粋さんと家康さんが野太い悲鳴を上げられまして御座います」挙手っ

 

 

彬羽「返魂か。
それなら大陸の方にはその手の話が多いしな
無い事は無いと思うが」

白「ん?失敗するものじゃないのか?」


彬羽「そんなのやってのける能力が有り、 死者の冒涜と言う汚名をひっかぶるリスクを抱えてまで甦らせた奴が 
こいつは死体から甦らせたとかわざわざ吹聴して回る必要も無いだろ」

白「そう言う物なのか?」へー。

 


粋「Σいやさらっと何て話を!」

家康「死者が甦るって怖くない!?」えええっ


彬羽「なら聞こう
手前等はそれの何が怖いんだ?」

粋「Σえ!?」

家康「いやその

物語とかだと大概おどろおどろしいと言うか 」えーと。

 

彬羽「恐怖心ってのは本能に基づく物だ。
未知の物は何をしてくるか解らん
故に身を護る為に 恐怖と言う不快な感情を沸き上がらせ そこから離れようとする

つまり、未知で無くなれば恐怖はなくなる
反魂は言わば 器からこぼれた魂を器に戻すってだけの話だ。
ただ元に戻すのが難しいってだけでな」

 

家康「な、成る程」おおっ

粋「そう言われて見れば そんな怖くない  ・・かも?」ふむ。

 

 

白「じゃ試してみよう」手招きっ

通りすがりの幽霊「うらめしやあっ!」でろんっ


家康・粋「Σっぎゃあああーーっ!!!」ひいいっ

 

 

白「ダメじゃないか」

彬羽「いや幽霊の話してねえだろ。
人の話聞いてたか?「長いから適当に。」

 


魄哉「器に戻すにしても その器こと体がその何年も前に 刑場から消えてるんですがねえ」ぼそっ


家康「Σうおおしれっとホラーの上増し!!」

粋「Σ完っ全にデロデロゾンビじゃねえのそれ!?」ひええっ

 


魄哉「となると 最早妖怪の領分ですんで魔王様よろしくお願いします。
あ、ちなみに既に今回犠牲者出てますんで 」

テオドール「そう言うお話に御座いましたか」成る程っ

 

粋「Σだああ夏にはまだ早いのにいいっ!!」ひええっ

 

 

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【古寺】

 

粋(うおおめっさ古い墓石とかあるっ
風雨でぼろぼろで名前読めねえええっ) ひええっ

 


白「此処にそのゾンビが出るのか?」

 

彬羽「推測だがな。

資料によると、今回化け物に襲撃されたのは うまく隠しちゃ居たが元盗賊の1団。

残虐極まりない押し込み強盗で その内1人が捕まり 即座に刑に処せられてるな」


テオドール「ん? たった1人だけ捕まったので御座いますか?」

 

白「絶対そいつ囮にして他の逃げたろ」ずばりっ

彬羽「だな。そりゃ死んでも死にきれん」うむ。

 

 

テオドール「おや?という事は」ほうほうっ

粋「え?どういう?」

 


彬羽「そして その元盗賊共が襲われると同時に 
姿を消した遊女が居る

今も昔のそいつ等の活動圏内及び、定期的に情報交換をされていた旅籠のな。」

白「居るのバレてるぞ」廃寺の戸がらっ。


遊女「Σぎゃっ!くたばれ化け物おおおっ!!」短刀せいやっ!

テオドール「Σうっお また根性の有る!」ひええっ


粋「Σ生きてる人間!?
兄貴ツノツノ! 今更だけどっ」うわああっ

 


テオドール「どうどうで御座います

私達は敵では
あれ?えっと 敵では御座いませんよね?」

彬羽「微妙だな」


粋「Σあ!ひょっとして この姉ちゃんが反魂てのしたって事!?」はっ

 

白「こいつに出来ると思うか?」

遊女「寄るな化け物!」うがあっ!


テオドール「化け物認識されてるのに 勇敢な方に御座いますねえ」うっわー。

 


彬羽「俺の予想が当たってるなら 化け物にゃ馴れてるだろしな

おいお前 逃げた『化け物』は何処に居る?」

遊女「Σえ」ぎくっ

 

粋「逃げた?」へ?


テオドール「この方は至って普通の一般の人間に御座いますよ
もちろん術者には御座いません。

そして ここのお寺は 
件のモンスターが『生前』良く来ていた場所  と言う所に御座いましょうか?」


彬羽「察しが良いな」ほう。

 


粋「あの、話が見えねえんだけど

えーと。とにかく この姉ちゃんは何も悪い事してねえんだよな?
元盗賊の奴等やっちゃったのは 化け物なんだろ?」

 

 

遊女「Σやっぱ敵かああ!!」うおおっ!

粋「Σぎゃああ刃物はやめよう刃物は!!
なんで 何が敵っ!?」ひええっ

 

 


白「つまり酒呑童子達みたいに生まれた時からの鬼じゃなく

後から鬼になった奴って事か。」ふむ

テオドール「で御座いますね。
お仲間に裏切られ 囮にされて生命を失ったとか そりゃキレまして御座いますよ」

粋「Σそう言う事!?」はっ

 

遊女「そこまで解っててなんで放っててくれないんだ!
お前らも化け物だろ!!」くわっ

粋「いやあの
化け物の方はそこそこ解ったんだけど

あんたはどういう関係者?」えーと。


遊女「Σえ」ぎくっ

 


彬羽「その 資料に寄るとだ

その盗賊の1団が打ち合わせその他を行っていた旅籠には 専用の遊女が雇われていてな

今回の化け物の正体と思われる 若い衆とそこの遊女の1人がまあ、そんな感じでだ。」

粋「Σあ、生前の彼女!?」はっ

 

 

遊女「いや、その事件10年前なんだけど」

粋「Σ凄いマセガキ「Σんなわけ有るか!!」

 

 

彬羽「いや資料に寄ると
そいつは当時の その盗賊の女の下についてた禿。
つまり 見習いだな」


テオドール「つまりは お師匠様の彼氏に横恋慕してた系幼女

粋「Σそう言う事でかい声で言ってやんなよ!!」

 


遊女「・・・大体あってる」けっ

白「なんかごめんな。」

 

 


遊女「と、とにかく!そこまで解ってるなら復讐の1つ2つ!
追っ手がかかる程の事じゃ無いだろ 私はこれ以上喋らないからな!!」

テオドール「つまり 件の方の居場所を知ってると」ほう

遊女「Σう!」しまった!

 


白「別に痛め付ける気とか無いし 色々無理しなくて良いぞ」えーと。

遊女「Σ煩い! 同じ人間も信用できないのに 化け物の言う事なんて信用出来るか!!」

 


彬羽「そうか。
そんなに気が立ってては話も出来ん
まずは 腹ごしらえして落ち着いたらどうだ?」 おにぎりっ

遊女「Σうっ!」ぐーきゅるきゅるっ

 


テオドール「まあ。生きてる人間が 人里離れた山奥で潜んでたらそりゃあで御座いますね」

粋「人里の飯が恋しいよな」ああうん。

 

彬羽「昆布と梅干し、こっちは炊き込みだが?」ほれ

遊女「Σうううっ!!」くうっ

 

粋「畳み掛けの威力凄え。」うわー。

 

 

 


間。

 

 

 


遊女「そう言う事で
敵じゃ無さそうなんだけど」

粋「えーと。どうも」ぺこりっ


元盗賊「Σっわーーっ!!」びくうっ

 

 

テオドール「おやホントに 首に斬り傷痕が
しかし普通に動いて

あーと言う事は 斬首即鬼化して自ら刑所からとんずらした感じに御座いますかね?」


元盗賊「Σなんだなんだこいつ等は!!」ひええっ

 


彬羽「簡単に言うと この白いのが東の魔王。
つまり 西洋と勢力を二分した場合のこの辺の妖怪のボスなんだが」

元盗賊「Σそのおにぎり貪ってるのが!?「言うな。 自分にも寄越せと煩かったんだ」

 

白「えっとな。お前も色々大変だったみたいだけど 何個か聞きたくて」げふっ。


元盗賊(まずい! 今の魔王は穏健派。
人間と喧嘩するのは妖怪にとって望ましくないとかって
人間に危害を加えるな何とかっ)冷や汗っ


白「ん? 聞こえてるか?」あれっ

 


元盗賊(めちゃ危害加えどころか 血の海にした) どうしようっ!


遊女「あの、話せば聞いてくれる思うけど?」

元盗賊「Σまた首斬られろってか!?」

 

テオドール「斬られたらまたくっつければよろしいのでは?」

元盗賊「そんな何度も取れたり着けたり出来るか!!

くっ! こうなりゃダメ元だっ」煙幕ぼんっ!

 

粋「Σぶわっ!?」けほっ

 

 


白「今その体 死体か生身か解らないけど
どっちでも燃やしたら終わりだよな?」

元盗賊(Σ案の定即座に捕まった!!)ひええっ

 


白「この前煙幕のせいで間違ってバカラス殴って 拳骨食らったんだぞ。
本気でやめろ
あれ傍迷惑だから」不愉快っ

粋「兄上 怒るポイントそこ?」

 

元盗賊「くっ!
結局処刑の運命か」くうっ

遊女「Σえ!?」

 

彬羽「いや俺を見られてもな

さて、どうする魔王?」

 

白「んー。

死ぬ前 先に仕掛けて来たの向こうなんだし
勝った方が正義なのが『化け物』のルールだ

じゃあ別に良くないか?」しれっ

遊女「Σおおおおよっしゃ無罪放免!」ぱちぱちぱちっ!


元盗賊「Σんな屁理屈みたいなので良いの!?」えええっ

粋「うちの兄貴 常にこんなんだから」うん。

 


彬羽「じゃあ 今回のは『元盗賊』同士の仲間割れって事で
生存者無しだったって事にしておくか」メモ書き書きっ

遊女「こっちも処理馴れしてるね。」うわあ

テオドール「マジで馴れておられますからね」

 

元盗賊「へ?
じゃあ あの」えっと

白「だから無罪だって。

逃げなきゃさっさと話聞いて終われたのに」はーやれやれっ

元盗賊「」唖然っ

 

 

テオドール「所変われば人も法律も変わるものに御座いますよ
我が主が柔軟な方で良かったは御座いませんか。」にこっ

元盗賊「え。いやあの

え?良いのか?」困惑っ


彬羽「大ボスが良いって言ってんだ
大手を振って第2の人生好きに生きりゃ良い」


テオドール「で、御座いますねえ

昔なら問題があったやも知れませんが
妖怪化した今なら お歳的に問題の無い感じに御座いますし」


粋「あー 確かに」

遊女「Σちょ やめてよ。冷やかすんじゃないよ!」

ばちーん!

 

灰ざらあっ。


粋「Σテオおおお!!

ほんっと逞しいなこの姉ちゃん!」ひえっ

 

 


白「ある意味死んで良かったな」悪気無しっ

元盗賊「思ってても言わんでくれ。」複雑っ

 

 

彬羽「ちなみに今回は特例だからな。

妖怪化の理由その他で打消しって事で 盗賊云々は俺等は知らん。

その分何かやったら 次は遠慮なく燃やされるんで気を付けろよ」

 

元盗賊「なんか 凄い事務的と言うかドライと言うか」うわあ。

彬羽「妖怪なんぞ何処からでも生まれるのに 逐一深く考えてたらやってられん」はーやれやれっ

 

 

 

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