小咄

小咄

くろねこ太郎の落書き部屋 小咄ページです

3月26日

 

 

 

【割烹春一】

 

シロ「お。雨だな」芋剥き剥きっ

ひな「あら 庵さんが出前に行ってくれてるのに」あちゃー

朱禅「彬羽が休みの日はあいつ率先して行くからなあ

なんなら俺が行くのに よっぽど体力に自信が有んだなあ。」ネギ刻みっ

 

ひな「お馬鹿。

そして料理する人が居なくなるでしょ」

朱禅「Σあ」はっ


シロ「後 出前の場所だな。
割烹に出前頼む奴なんぞ そうおらんしな」芋剥き剥きっ

朱禅「あー そう言う

Σってうわ 芋の皮薄っ!!」

シロ「ふっ。大根の桂剥きでは彬羽に勝てんのでな
芋の皮をいかに薄く長く剥けるかで勝負する事にした」どやあっ


ひな「あの、出来たら調理に回って欲しいんですけど」

シロ「Σえ゛ で、出来るだろうか!?」びくっ


朱禅「なんだろう、なんか物凄く雑用バイトのまんまのが良い気がする」嫌な予感っ

 


シロ「良し!善は急げだ
食い物を作れば食い物が出来るはず 精進有るのみ!!」料理酒醤油すちゃっ

ひな「はい、まずは下ごしらえをしましょう」


朱禅「うん。教えられる気がしない
今度彬羽と出勤日かぶったら教えて貰う様にしとくから」

シロ「Σせっかくやる気になったと言うのに!!」がーん!

 

 

入り口がららっ


ひな「あ。庵さんお帰りなさい
雨冷たかったで    ん?」

 


庵「うっへっへー」にっへー。

 

シロ「嫁入り前の娘が何て顔を」引っ

庵「うん。今時そんなの表で言ったらフクロにされるよ 

まあチビッ子は生意気な口聞く物だし良いけどねー」ごきげんっ

 

シロ「Σちびっ!?」うぐっ

庵「尚、カルシウムを摂っても背は伸びないそうです。
その分骨は頑丈になりますけど」

シロ「Σ知っとるわい!伊達に色々試しとらんわ!!」うがあっ

朱禅(試したのか。) 

 


ひな「で、雨は大丈夫でしたか?
傘持って行って無  Σあらっ」


庵「傘じゃ無いけど 貸して貰ったから大丈夫。」きっちり畳んだ羽織っ


朱禅(Σ察した! あんの魔王こんなだから無駄にモテんのか!!)おおっ

シロ(Σ何も考えずこれをやるから恐ろしい!!) ひいっ

 

庵「見るからに高そうなんだし
コレ私が下手に洗って返したらヤバいよね?」うーん。

ひな「確かに高そうですが、
雨よけに貸してくれる時点でそこまで神経質にならなくても良い気も」

 

シロ「物の価値が解っとらんだけに1票だな」うむ。

朱禅「お前が言うんならもうそれで決まりじゃねえの?」うっわー

 

庵「あ、いやいや貸してくれたって言うか」

ひな「? 剥ぎ取って来たんですか?」

庵「なんでそっち?

いやそれが わーにわか雨だー!
てやってたらさ

かぶってけって 着てたのポイって」ふっ。

朱禅・シロ(Σあの天然スケコマシ!!) ひいっ

 

 

ひな「成る程。話したくてしゃーないですね そりゃ」ああうん。

庵「そりゃもう」ふふふふふっ

 

シロ「なんであろう
いわゆる恋バナを聞かされておるはずなのに
何かこう 怖いのだが?」困惑っ

朱禅「女も同じ生身の生き物だからなあ
あんま夢見るなよ

・・俺もひなくらいしか解らないけど。」

シロ「それ、おそらく一番エグいタイプの女だろうがな」

 


ひな「あら 無駄話してるから全然進んでない。
私もお芋剥きましょうか?」包丁きらーん。

シロ「Σうおおすまん!作業に戻る!」ひいっ

 

 


庵「どうやって返そうかなー?」うきうきそわそわっ

朱禅「しかし あの魔王がねえ

青春だなあ」しみじみっ

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

【芝居小屋】

 


テオドール「お。雨が上がりまして御座います」おおっ

粋「マジか今かよ。
うわ、お客さん等 帰るの大変だっただろなあ」空見上げっ

 

皐月「ほな 今道ぐちょぐちょやろし 見世の前の掃除は明日でエエか。

んじゃさっさと私等もハケよかー」伸びっ


テオドール「お疲れ様で御座います」小道具よいせっ

ひな「アンタどんくさいんやから 足に落とさんときや
帰る前が1番油断するからなあ」はーどっこらしょ。

粋(女の皐月の方が 重いのひょいひょい持ち上げてんの凄いな) うわ。


つつじ「皐月はん あのわてやりますんで置いとってエエんですえ?
小柄やし なんか見てて悪い事しとう気が」困惑っ

皐月「役者組は手ぇ出すな。

アンタ等がケガしたらそれこそ大事!」指差しびしっ!

つつじ「Σ分かったから片手やめておくれやす!!」ひええっ

 

 

白「だな。皐月の言う通りだ」うん。

粋「うん。兄貴見事に手伝わねえな
バテてんだろけどさ。 主演お疲れさん」苦笑

白「そっちじゃない」

粋「へ?」

 

 

 

 

 

庵「お。営業終わったっぽい」おおっ

ひな「ついつい着いてきてしまいました。
これで何か進展有ると良いですね」わくわくっ


庵「いやー。それは無いでしょ」悟りの表情っ

ひな「・・なんか ごめんなさい

頑張って返して来ましょうね?」えーと。

庵「いや頑張るって何を


ん?」

 

 


入り口がらどしゃーん!!


強盗「オラオラ金出せや! このガキがどうなっても良いのか!」

見習い「Σあああすみません捕まりました!押し込みですーーっ!!」うわああっ!

 

 

庵「空気読め。」 びすっ!

押し込み「Σぐほあっ!」


ばたーん!


押し込み下っぱA「Σ首トン1発だと!?」ひいっ

押し込み下っぱB「Σなんだこの女!!」ひええっ

 

 

つつじ「えっとあの
庵はん? なして受付の影に?」えーと。

庵「Σえ。あ その
貸して貰った羽織を返しにっ!」

つつじ「は? なして羽織?」ん?

 

 

粋「察した。」ああうん。

テオドール「道理で途中から薄着になられたと」はいはいっ


白「なんだ律儀だな。

どうせまた春一に昼食べに行くのに」

皐月「ほんまのアホかアンタ」きっぱり

 


ひな(演技なのか、本気で何とも思ってないのか この男。)ジト目っ


白「なんで俺は睨まれてるんだ?」ひそっ

粋「えーと。
うわ説明しづらい」うへえ。

 

 

押し込み大将「Σコラ餓鬼共 ワシ等を無視して青春するな!!」うがあっ!

 

テオドール「青春してないから揉めてんのが解らないので御座いますか?」

押し込み大将「Σ知るか! それよりほれ! お宅のガキの命が惜しくば今日の売上さっさと渡せや!!」

見習い「Σあだだ腕折れる折れる!」じたばたっ

 


つつじ「あんさん。未来有る若いのにケガさせて貰たら困りますわあ」刀ちゃきっ


粋「Σうおヤバい!
おっさん謝れ バラッバラにされんぞ!!」

押し込み大将「Σケガするとかじゃなくバラッバラ!?

下手な脅しに乗るか!馬鹿野郎!」おらおらっ

 

ひな「あら?あれは模造刀ですよね?」ひそっ

皐月「せやで 小道具や

あいつの腕なら 刀身さえ着いとれば竹でも人でも まばたきする間にスパパーンやけどな」


押し込み大将「Σどこの剣豪!?」ひええっ

つつじ「どうせあの世に行く身や
餞別代わりに教えたると 元アサシンどす。」

押し込み大将「Σ押し入る見世間違えた!!」ひえええっ

 


粋「ごめん兄貴

疲れてるだろけど代わりに頼める?」ひそっ

白「だな。
店血まみれだと またしばらく営業停止になるし」うん。

テオドール「お仕事熱心ゆえに 仕事関係で地雷踏むと怖い御方に御座いますよねえ」苦笑。

 

 

庵「手慣れてんなあ この店のスタッフ」うわー。

ひな「此処等辺 治安悪いですからねえ」あらあらっ

 

 

白「よしつつじ、 お前ちょっと頭冷やせ

代わりにしばいとく」よいせっと。

 

押し込み大将「Σおお 上等だ!
表出ろ!!」ちょっとホッ

ひな(そっちのが万倍ヤバいんですけどね。)

 

白「えーと。出来るだけ穏便に か。
素手だと余計危ないし 扇子も刺さるし

テオ」

テオドール「かしこまりました。
こちらお使い下さい」番傘ささっ

 

粋「Σあ。ちょっと 外晴れて来てんのに お前日除け!」はっ

テオドール「Σあっ」あわあわっ

 

白「あ、そうか

庵 タイミングばっちりだ。」

持ってきた羽織ひょいっ

庵「へ?」

 

 

白「それ被ってろ」

ばさっ。

テオドール「Σこれはっ 

なんと畏れおおい!!」おおおっ

 


庵「」

ひな「・・ドンマイです。」肩ぽん

 

 


白「じゃ さっさと片付け

 

庵「だおらっしゃあああーーーっ!!!」

渾身の飛び蹴りっ

押し込み大将「Σぐはああっ!」げふっ

 

 


白「・・あれ?」きょとん。


皐月「まあ 今のは怒るわ」うん。

 


見習い「凄い!1撃っ!!
助かりました 姐さん!!」感激っ


庵「女なめんなああ!!!」 どすっ!ばきゃっ

粋「Σストップストップ!
もう失神してるから!!」ひええっ

テオドール「ちょっ 庵さん!何故にそんなブチ切れ
庵「Σ黙れ!ヒロイン属性のあざと男!!」くわっ

テオドール「Σどんな属性に御座いますか!!」えええっ!?

 

 

ひな「冷たそうに見えて 意外と誰にでも優しいタイプですか
うわ、始末に終えない」ほー。

白「俺はなんで怒られてるんだ?」

 


つつじ「なんやまた拗れとるな」うわ。

皐月「春やしな」うん。

 

 


ひな「庵さん もう止しましょう、
此処までとは思いませんでしたが そこそこ解ってた事じゃ無いですか」よしよしっ

庵「・・ウン。ソダネー」棒読みっ


粋「あの、なんか色々ごめん そしてその強盗そろそろ離したげて」どうどう。


押し込み大将「」白目っ

押し込み一味「」ガタブルッ


皐月「お。ようよう役人来よったわ
遅いっちゅーねん。」けっ

押し込み一味「Σ助かったああ!!!」うわああっ

同心「Σ何事!?」びくっ

 

 

庵「ほんじゃ帰るか

なんか今日 凄い疲れた」ふっ。


白「季節の変わり目って奴か
遊んで無いでしっかり休めよ」

庵「・・ そだね」うん。


ひな「すみません ちょっと黙ってて貰えますか?」ギロッ

白「なあ。俺なんかしたか?」

 


見習い「あ、あのー」おそるおそるっ

庵「ん?」

 


見習い「あのっ 先輩が通われてる割烹の店員さんですよね?

今度自分もお邪魔してよろしいでしょうかっ」キラキラっ

庵「へ?

あ、お客さんならそりゃなんぼでもいらっしゃいませだけど?」はい?

 

一同(Σ勇者が居る!!)えええっ

 

 


ひな「こっちのが可愛げあって良くありません?」ねえ?

皐月「外野がとやかく言う事ちゃうしなあ」うーん。


つつじ「ちゅーか また嵐を呼びそうなんで他所でやってくれへんどすか?」

 

粋「春って怖え。」しみじみっ

 

 

 

くろねこ太郎の落書き部屋 [フォレストページ+] 夢小説対応・簡単オシャレな創作サイト作成サービス <サイトトップへ戻る