小咄

小咄

くろねこ太郎の落書き部屋 小咄ページです

1月11日

 

 

 

【某 幕府重鎮屋敷】

 

 

粋(なんでこんな事になったんだろう)冷や汗だらだらっ

テオドール(年がら年中この国どんだけトラブルまみれなので御座いますかっ!)正座っ

 

幕臣「いや御待たせして申し訳ない
して、天海様からのお使いと
人ばらいをしてとのお話とはいかような?」

粋「Σえ、えっとそれがそのっ!」ぎくっ


テオドール「Ich werde mein Bestes tun, um Zeit zu gewinnen」

幕臣「Σはい?」びくっ

 

粋「えーとそのっ!
こちらその 天海坊の旧知の外国の人でその
直でお話しした方が良いかなーって話なんだけど緊張してるみたいでっ!」

テオドール「Japaner werden nervös, wenn sie fremde Sprachen hören(訳:日本人は外国語を聞くとパニクりまして御座います。)」

幕臣「Σえ!?あのっ」おろおろっ

 

粋(Σすっげ 思ったより効果有る!
カラスの作戦さすがっ
よっしゃ兄貴 今の内に頼んだぞ!!)おおおっ

 

 

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【その頃 幕臣の部屋】

 

 

白「何処だろうな?」ごそごそっ

彬羽「無闇に荒らすんじゃねえ
自分なら手放すにも不安な物を何処に隠すか
それを考えて捜せ」がたたっ


白「お前は筆入れの中とか あんま読んでない本の間に隠すのか」へー。

彬羽「おい。なんだその目は」

白「別に」ふっ

彬羽「Σ手前!後で漁ろうとか思って「しーっ」

 

 

家臣A「何か此方で物音が」廊下すたすたっ

家臣B「おい。殿に近寄るなって言われてるだろ 怒られるぞ!

そもそもこの警備じゃ誰も入れんわ!」

家臣A「あー。それもそうか」

足音すたすたっ

 

しーん。

 

 

白「セーフ」ふう。

彬羽「すまん。地声がでかいのを忘れ
ん?俺が悪いのか?」

白「細かい事気にするな
けど、徳川忍って今が正月休みなんだな」ごそごそっ

彬羽「そりゃあいつ等は正月に一気に休めねえからな
休暇も数班に分けて順番にだそうだ
それで人手足りねえってんなら まあ仕方ないだろ」

白「だな。正月休みは必要だ」うん

彬羽「特にあいつ等は常日頃命張ってるしな
・・さっさと1仕事片付けてやるか」

白「頼まれた時は面倒だと思ったけど そう考えたら仕方ないな
で、


何捜すんだっけ?」

彬羽「おい。」

 


襖がらっ!

家臣A「やっぱ何か話し声が
殿 失礼しま Σおう!?」

 

ばたーん!

 

 

彬羽「よし。捜し物は俺がやる
お前はそいつをスマキで猿ぐつわ噛ませとけ」

白「解った」ふん縛りっ

 

 

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幕臣「よっしゃ!辞書を持ってきました!
言葉から察するに独逸の御方ですな!
これなら時間はかかりますが仰ってる事は解るはず
さあ!どんどこお話し下されっ」どやあっ


テオドール「Σえ」ぎくうっ


粋(Σヤベえ! テオが話せんのドイツ語と日本語だけだし 
適当言ってるのバレちまう!!)ひええっ


幕臣「ん?どうなされた?
あ、緊張されておられるのでしたな」

テオドール「あ、えー」えーと。


粋(兄貴等まだ!?コイツに応用力とか期待出来ねえぞ!?)きょろっ

 

 


テオドール「Wo ist die Toilette?」 真顔っ

幕臣「へ?あー 厠は向こうの突き当たり
えっと ここをこう行って こっちにぐいっとですな」ゼスチャーささっ


粋(Σ思いの外 頑張ったー!!)おおっ

 


テオドール「スミマセン イッテキマース」ぺこりっ

幕臣「はいはい。
いやー日本語は難しいと言いますからなあ」あっはっは

粋(うん。ホントはペラっペラ!

つか 何 時間稼ぎは良いけど俺しばらくこのオッサンと2人?
何話せば良いんだよ)ええー。

 


幕臣「で、失礼ながら そこもとはどの様な?
侍 には見えないのですが」えーと。

粋「Σへ!?
あ、いやその 俺は あいつの友達って言うか
その、外国で1人とかやっぱこう不安だし? でしんどいだろから 付き人的な?」

幕臣「あー成る程。
それでは侍では 堅苦しくて勤まらぬかもしれませんな」ほうほうっ

粋「そうそうっ!
コミュ力だけが武器なもんでっ」

幕臣「ほー それはそれは」

 

粋(Σなんかいい人ぽいんだけど!
だああ良心が痛むっ!)

 

 

間。

 

 


幕臣「えらく遅う御座らんか?」えーと。

粋「・・そっすね。

(あんの馬鹿 時間稼ぎとは言えどんだけ便所に隠れてんだよ!)」ひええっ

 

幕臣「Σはっ まさか
外国とは厠の形態が違うのかも 
最悪落っこちとるのでは!」

粋「Σえ。あのっ」

幕臣「ちょいと失礼しますぞおおおっ!!」だだだだっ

粋「Σうおお思いの外親切!
待った待った!!」ひいいっ

 

 

 

テオドール「ニホンノドアは全部スライド式トオモッテマシター」ヤケクソHAHAHA

幕臣「Σややっこれは失礼
開けられんでおられましたかっ!」

 

粋(Σめちゃ頑張ってる!)おおおっ


テオドール(そろそろ精神的にキッツイです!
白さんお早くーーっ!!) 

 

 

 

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彬羽「なんでねえんだ。」ごっちゃり。


白「なあ。
そこら荒らすなって言いながら 部屋の中もうひっくり返ってるぞコレ」うわー。

彬羽「どこにもねえんだ
仕方ねえだろ」むっすー。

 


白「なあ、お前知らないか?」

家臣A「むぐーっ」じたばたっ

彬羽「いや 家臣が知ってたら不味いだろ
と言うか あんまり手がかりになる事喋るなよ手前」

 

 

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粋「えーと。すんません
飯までご馳走になって」ひきつり笑いっ

幕臣「いえいえ。
こちらの不手際でお時間を取らせてしまいましたので
さあ、外国の御方も腹が膨れれば落ち着いて話せましょうぞ」にこにこっ

テオドール「あ、ありが Σアリガトウゴザイマース」

粋(カタコト わざとらしくねえかな。)うーん。

 


幕臣「では 落ち着いてお食事出来ませんでしょう
一旦私は離席させて頂きましょうか」よいせっと

粋「Σあ。色々とすんません」ぺこっ

幕臣「いえいえ
おくつろぎ下さい」

襖すすっ。

 


テオドール「・・良い方に御座いますねえ」ほう

粋「だなあ。
なんかコソコソ騙すの気が引けるや
ともあれ 一息つけ

ん?」あれっ

 


テオドール「Σちょっ!私達の役目は あの方を此処に引き付けておく事では!?」

粋「Σやっべ!あのおっちゃんが部屋戻っちゃったら


家臣一同「日本語ペラっペラではないか!!何が目的だ貴様らーっ!!!」襖すぱーん!

粋・テオドール「Σうっぎゃーーっ!!」

 

 

 

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彬羽「だああ何処にもねえ!
あんなの地味に場所とるだろうに!! 」うがあっ!

白「なあなあ 捜してるのってどれくらいだ?」

彬羽「手前ホンットに話聞いて無かったな!?
あー これくらいの おそらく巻物

白「じゃ俺なら此処かな」畳ずばんっ!


彬羽「Σ躊躇無くひっくり返すな!!」

白「今更だろ
ほら、あった。」床下につづらっ

彬羽「Σあ」

白「人の部屋の畳なんて 普通外さないからな」どやあっ

 

 


幕臣「Σややっ!これは何事か!!」びくっ

 

彬羽「Σしまった!」はっ

白「あいつ等とちったか」むう。

 

幕臣「曲者か! おのれそこになおれいっ!」刀すちゃっ!

彬羽「待て。俺等は敵じゃない

アンタが頑として出したがらねえから 上の頼みで拝借しに来ただけだ」

幕臣「Σ上 と言う事は!」はっ

 

 

彬羽「アンタが庇って 罪状を肩代わりしようとしてる 娘婿の横領の証拠書類
確かに確認した。」巻物べらんっ

幕臣「Σうわああ!お慈悲をーーっ!!」ぎゃああっ

 

白(おうりょー て何だったっけ?)えーと。

 

彬羽「すまんが 政務の上では天海の右腕と言われてる身でな
これは見逃せん」

幕臣「Σなんと! どうにかなりませぬか
娘は私が男手1つでそのっ」


白「よく解らないけど 娘の旦那が何かやらかしちゃってて
それを嫁の父親のせいにしてオッケーて奴なら どっちにしても娘不幸になると思うぞ」

幕臣「Σぐ!」

 

彬羽「ワケ解らん癖に正論責めすんな。

まあな、正式にお取り調べじゃなく俺等に影でって事は 表に出る前に色々と手心加える気が有るって事だろ。
娘婿と一緒に呼び出しには素直に応じる事だ」


幕臣「くっ!
お手数おかけして申し訳ないっ!」くううっ

 


白「さて、こっちは片付いたけど
あっち大丈夫かな。」

彬羽「だな。何やら騒がしいしな」ふむ。

幕臣「Σはっ!
と言う事はあの来賓の方々も。 
いかん!うちの家臣共は気が荒いのですぞ!!」

 

 

 

 

 

 


テオドール「片言であっても無くてもワタクシVIPデース!
この幕府の紋所が目に入らぬか
Σうわーー!!」

粋「オラオラ お偉い海外VIPにケガさせたくなきゃー 得物置いて下がりやがれえっ!!」ヤケクソっ!

テオドール「ノー! 責任問題!外交問題になりますっ クレームガンガンに御座いますよー!!」

 


家臣C「Σせ、責任っ!?」ぎくうっ

家臣D「え、えっと 隊長 
がんばっす」おずっ

家臣E「Σこれ始末書で済む!?
あこそのっ こう言うのはまず殿にお伺いをそのっ」ごにょごにょっ

 

 


彬羽「日本人は責任に弱い。
困ったらその辺を突けとは言っといたが」うーん。

幕臣「平和ボケしておりますなあ」複雑っ

 


白「責任かあ。
バックレれば良いのに 面倒な生き物だな。」ふーん。

幕臣「あ。白髪の貴方も海外の方で?」

白「んー。だいたいそんな感じだ」すっとぼけっ

 

 

 

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