小咄

小咄

くろねこ太郎の落書き部屋 小咄ページです

11月27日

 

 

 

【京の都】

 

酒呑童子(笠装備)「ほれあの家 何でも鬼が護ってるから繁栄してるって噂らしいんだけどよ」

茨木童子(虚無僧笠すっぽり被り)「へー。」すたすたっ

酒呑童子「へーってお前「頼まれても無いのに首突っ込む物じゃないだろ、
その家の奴等も鬼に護られるの許容されてるから 今現在繁栄してるんだろ?」


酒呑童子「そ、そりゃそうだけどよ」むう

茨木童子「だいたいそう言うのは あの白髪魔王の仕事

アレに頼まれたなら俺等に拒否権は無いけど、頼まれて無いなら人に手を貸す理由も無いだろ?
お前は最近あの連中に毒され過ぎ

ほれ、あとお前の酒だけな
さっさと買い出し終わらせて帰るぞ」すたすたっ

 


酒呑童子「ドライってより 気力に乏しい年寄り」ボソッ

茨木童子「おおっとー 買い出し忘れだー」くるりすたすたすたっ

酒呑童子「Σえ、ちょ だああ地獄耳っ」ひいっ

茨木童子「そりゃ耳ほぼエルフだもんよ青二才」指ばきっ

 

 

 

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白「とか言いながら結局 様子見に来ちゃったのか」へー。

茨木童子(あの野郎 しっかり連絡してやがるしっ)ちっ。

 

 

粋「で、鬼と契約って何で?」

テオドール「悪魔との契約と同じなら
何か対価 つまり贄を捧げる事で富と繁栄を約束されてるという奴に御座いますかね」

粋「Σ贄って!」ひいっ


彬羽「確かに この辺で行方不明者が定期的に出てるな。
しかも数十年は余裕で続いてると来た」ふむ。

白「何で知ってるんだ?」

彬羽「こんな事も有ろうかと 家康の印籠を貸りて来た」印籠ぶらんっ

粋「成る程 役所から何からフリーパス」わお。

 


白「んー。つまり
この家の奴等は 自分達が儲ける為に家の外の奴等拐って 贄ってのにしてるって事か?」門見上げっ

彬羽「状況証拠のみだが そうなるだろうな」


テオドール「中に何かが居るのは確かの様に御座いますがね」怪訝っ

粋「うん。例によって全く解らねえ」


茨木童子「じゃ、お前達が来てるなら出る幕じゃなさそうだし
俺はこの辺で」そそくさっ

 

がしっ。

 

粋「いや鬼とか怖えし! 危なくても毎度兄貴助けてくれねえし 
頼むから一緒に来てくれよおおっ!」必死っ

茨木童子「Σいやいやいや おかしいおかしい!
俺もその怖い鬼だから!!」えええっ


彬羽「鬼の中でもかなり高クラスの鬼だな。確かに」

テオドール「親しみやすい方に御座いますからねえ」うん。

 

白「ま、いいや。めんどくさいしちゃっちゃとやろう

えーと。

御用改めである!」くわっ

玄関ばーん!


一同「Σわーっ!!」

 

家人「Σえ!何事!?」ひいっ

白「この紋所が目に入らぬか。」印籠ぶらんっ


彬羽「Σあ!あの野郎いつの間に!」はっ

茨木童子「てか何 あの喋り方」

テオドール「おそらく 役になりきっておられるのかと
幕府の役人と思われた方が 調べやすう御座いますし。」

粋「さすがプロの役者と言いてえけど
俺等みたいにアウトローな見た目の役人無理がねえ?」

 


家人「え、えっと お役人様で?
あの 我が家に何の御用で「この辺で行方不明事件が「Σえ、当方存じませんがっ えーと お疑いでしたらまずは奥にっ」ささっ

 

茨木童子「あ。凄い ゴリ押した」おおっ

テオドール「迫力勝ちに御座いますね」

 


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テオドール「おお。凄い池に御座いますねえ」感嘆っ

粋「兄貴頼むから寄るなよ
また落ちるし 」

白「寄らない寄らない」そそくさっ

彬羽「そこまで逃げんでも 池は襲ってこんだろ」

 

 

家長「お待たせ致しました
して、行方不明者の捜索だとかで?」

彬羽「この辺で定期的に 親の無い子供、田舎から出てきたばかりの若い使用人等が居なくなるという話があってな

昔と違い幕府の目も細かい所まで届くようになり ただの失踪、職場からの逃走かもしれんが一応調べを との話でな。」

 

テオドール(おお!さすが 咄嗟にそれっぽいお話をっ)

粋(まあ正面から言っても吐かねえわな) うんうん

 

 

白「で、ぶっちゃけお前等
やったろ?」真顔っ

がいんっ!

 

彬羽「すまん。こいつの言う事は気にするな」


家人(Σ問答無用で殴り倒した!!)ひいっ

 


白「痛い。」たんこぶっ

彬羽「当たり前だ ド阿呆!!」うがあっ

 

家人「えーと。つまり我が家が疑われておりますので?

いや此処は京に御座いますよ
平安の昔より悪鬼羅刹が住む都。行方不明の方々は 気の毒にも道端のモノノケに食われてしまったのかも知れませんなあ」

 

テオドール(の、割には 家の中に妖気が充満しておりますがねえ) くんくんっ


家人「申し訳御座いませんが 商いが御座いますのでこれにて
我が家をお疑いならどうぞご自由に散策下さい」にこにこっ

粋「え。自由に見て良いの?」へ?


家長「構いませんとも。お勤めご苦労様です。

 

あ、そうそう

お役人様方もお気をつけ下さい
この太平の世にあっても何が起きるか解らんのがこの都です。

では失礼致します」ぺこりっ

 

 

茨木童子「あれで脅しのつもりか」ふーん。

粋「Σえ!あれ脅し!?」

彬羽「お前素直過ぎるだろ」引。

 

テオドール「役人の1人2人消えても 何処ぞのモノノケの仕業にしてしまえば良いって所に御座いますかね。
お金持ちなら揉み消しも用意に御座いましょうし」ふむ。

白「ぽいな。
じゃあ勝手に捜すか」

粋「あの、俺 霊感ゼロだから探索系はちょっと」

 

白「探してもそんな簡単に見つからないだろ

面倒だし その辺荒らせ
家の守護が契約内容なら 家壊せば出てくるだろうし」

畳ばりんっ!

 

家長「Σちょ アンタ何してんですか!!」だだっ

白「えーと。床下に死体が無いか調べて 「Σもうちょい普通に捜してくれませんかね!苦情入れますよ!!」

 


彬羽「地道に捜すか」すたすたっ

茨木童子「なあ、お宅のボスが1番悪鬼ぽくないか?」

 

 


間。

 

 


粋・テオドール「何もないっ!!」ぜーぜーっ


白「全体的に胡散臭いのにな」うーん。

彬羽「屋敷全体に濁った空気が蔓延してるみたいで イマイチ気配が絞り込めんな」困惑っ


粋「茨木、同じ鬼なのに 何処に居るのか解らんねえの?」ぐったり。

茨木童子「鬼にも色々有るからなあ
俺等とはタイプの違う鬼かも?」

テオドール「へ? 鬼にも種類があるので御座いますか?」

 

茨木童子「簡単に言うと鬼ってのは 陰の気を持つ物『陰(オヌ)』が語源だと言われていて 
古来じゃ 悪い物全てが鬼だったんだよ

で、俺等みたいな人に似た肉体有りで自我を持つ鬼も居るけど 悪霊みたいな鬼も居る
その名残で 俺等みたいな鬼も何からでも生まれて来るだろ?」

白「お前は桃から生まれて来たんだっけ?」
茨木童子「うん それ鬼の敵の方な」

 


彬羽「そう考えると 今回の鬼は実体が無い可能性もあるのか
晴明でも呼んできた方が良いのか」ふむ。

テオドール「で御座いますかね

やはり鬼には陰陽師で御座います」うんうんっ

粋「それかシロかな。
鬼切持ってるし」

茨木童子(Σそれは俺がキツいんだけど!?) びくっ

 

 


家人A(Σ鬼切!? それに陰陽師って!)物陰っ

家人B(てか何あいつ等 同じ鬼って!?)えええっ

家長(うわ思ったよりバレとる
これは帰すとまずいな) ふむ。

 

 


テオドール「茨木さん あそこの池の葉っぱとかと会話出来ないので御座いますか?
アレだけあれば目撃してると思うので御座いますが」むう。

茨木童子「いや植物属性でも 会話は無理無理
言語が違うし」

粋「植物に有んの?言語」

茨木童子「解らない方が良いんだよ
物食えなくなるから」ふっ

彬羽「・・だろうな」ふむ。

 

白「ん?

なあなあ さっき茨木
ここの鬼は悪霊的なのかもって言ってたよな?
悪霊が生きてる人間バリボリ齧るのか?」

茨木童子「へ? いやそこは
体は残ってて魂だけ食らうとかじゃ」

白「あ、だから 何か腐ったみたいな臭いするのか 此処」成る程っ

粋「Σそんなのしてる!?」ひええっ

テオドール「あ、コレ 腐臭に御座いますか。」くんくんっ

茨木童子「さすが野生動物とコウモリ」おおっ

 


彬羽「てか最初に言え

つまり 何処かにそう言う奴等が隠されてる場所が有ると

 


家人C「お茶で御座います」

粋「Σっぎゃーーっ!!!」びくううっ

 

家人C「これはすみません。驚かせてしまいましたか

お勤めご苦労様です」にこにこっ

白「善きにはからえだ」どやっ

テオドール(Σ我が主 それ役人じゃ御座いません!) ひいっ

家人C「面白いお役人様で。

お仕事の息抜きに庭でもご覧になられてはいかがでしょう?
つい先日 庭師に手入れをして貰った所ですし」

彬羽「ありがたいが気遣いは要らん
確かに見事な庭だが」ちらっ


家人C「左様ですか?
では、存分にお調べ下さいませ」そそくさっ

 


彬羽「?

どういう事だ?」

白「庭を調べろって言いたいのかな」


茨木童子「じゃ遠慮無く」すたすたっ

粋「Σえ。ちょっと大丈夫かよ!!」

茨木童子「人間ならともかく 俺ならそんな危ない事は無いだろ

しかし この池の蓮か
また偉く繁って

ん?」ぴくっ

 

粋「Σ茨木!上うえっ!!」ひいいっ

彬羽「Σこの家植木の中に大量の槍隠してやがる!!」はっ

 

槍ズバババッ!

茨木童子「Σうっおう!」池に飛び込みっ


彬羽「うわ 庭中どんだけ仕掛けてんだこの家はっ!!」槍なぎ払いっ


白「茨木が溺れる。
テオ 一気に吹っ飛ばせ」指先血だらりっ

テオドール「Σおおっ」きらーん!


粋「兄貴それどうし「さっき畳に爪引っ掻けた 痛い。」

 

 


突風ごうっ!!

 

家人A「Σ化けた!!」ひいっ

家人B「Σ何あのでかいコウモリ!」

家人C「やばっ 仕掛けごと庭木がバッサバサ倒れてく!!」ぎゃああっ

 

 

 

テオドール「お庭丸裸 完了に御座います」ばささっ

粋「うん  モロ悪魔。
吸血鬼化するとお前怖いわ」うわー

テオドール「変化後なら粋さんのが万倍恐ろしゅう御座いますよ?」えー。

粋「変化?」へ?

 

 


白「茨木浮いて来ないな」

彬羽「あいつの事だし 仮に2、3本刺さってても大丈夫だとは思うが」

 

 


家主(不味い コイツ等本物の化け物だっ
始末出来んとなると此処は一旦逃げて鬼神様に)コソコソッ

 

 

白「あ。咲いた」

粋「何が?   Σげ!」ひいっ

 

 


茨木童子「贄の奴等 見いつけた」

ざばばば蓮の花にょろにょろぶわわわっ


家人一同「Σぎゃああああ!!
!」ひいいっ

 


テオドール「うっわ 蓮にド偉い数の骸骨が絡まって」ひええっ

粋「Σぎゃー!ぎゃあああっ!!」ひいいっ


白「池の中か。
そうか。肥料いっぱいで蓮 元気だったんだな」へー。

彬羽「もうちょいマシな言い方は出来ねえのか」引。

 

 


茨木童子「はいはい何処へ逃げるのかなー?
いや、この時期の水泳はキツかったわ。なあ?アンタ等」

骸骨まみれの蓮の葉っぱにょろにょろ絡み付きっ

家主「ひいいいいいっ」泡吹きっ


茨木童子「ん?案外根性ないな。
こちとら無理な植物操作の対価にこーんなでかいサカムケ出来たってのに。」けっ

テオドール「Σ茨木さん怖っ!」ひいっ

 

 

 

彬羽「さて、仮に悪霊系だったとしてだ」

白「ん?」


彬羽「贄を求める奴等は己に捧げられた獲物に酷く執着するもんだ

それが 骨とは言え横からかっ拐われたとなるとだ」

 

粋「Σあ、水面が」はっ

 

ざっぱん!!!

 

白「・・・。」水ぼとぼとっ


一同(Σ バカ鬼に同情する!!)ひええっ

 


白「・・えーと。
骨とは言え コイツ等も葬式出してやらないとな」水ぶるるっ

彬羽「は? ああそうだがっ」冷や汗っ

 


白「火葬でいいな

ちょうどよく燃えそうな物が有るし」

粋「Σえ。あのちょっ 俺なんか髪伸びてぎゃあああっ!!!」

 

 

 

茨木童子「あの、燃えそうなって 屋敷?」

白「こんな家が有るから悪い」きっぱり。

テオドール「水お嫌いなのに頭から被られてしまいましたし
確かにこの屋敷の存在が悪に御座います」手拭い渡しっ

 

鬼「Σげふっ!!」


彬羽「おい。姿見る間も無く 勾陣に何か焼き尽くされた様だが」

テオドール「我が主に水ぶっかけるからに御座いますよ。

粋さんやはり あの姿だと恐ろしゅう御座いますねえ」しみじみ

 


茨木童子「で、この後どうすんの?
大火事だけど 」

白「幕府にチクって揉み消す」ふっ

茨木童子「・・まあうん。
揉み消しには揉み消しだよなあ」ああうんっ

 

 

 

 

 

 

挿音「あの、京の大火事だけどよ

焼け跡から尋常じゃない数の骨が出たっぽいんだけどよ

幕府的にどう処理するよ コレ」えーと。

 

魄哉「そのまんま 猟奇的な御屋敷が『偶然』火事になって 『偶然』にも被害者の方々の骨が見つかった   でしょう?

いやー悪い事は出来ない物ですねえ」しれっ

家康「うん。手慣れてるねえ」

 

 

 

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