小咄

小咄

くろねこ太郎の落書き部屋 小咄ページです

8月22日





【芝居小屋】



粋「あー 今日も疲れたっ
ん?兄貴どしたの?」

テオドール「履物が見つからないで御座いま Σぎゃっ!?」ひいっ

白「根性有る奴が居るもんだな」へー。





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千様「Σはああ!?何 白君虐められてるの!?」

白「虐められてないない。」


粋「どっちかつと嫌がらせだよな
草履が針山みたいになってたしよ」 まち針ざらざらっ

千様「Σこんなに刺さってたの」うげっ



テオドール「芝居小屋は構造上
外履き、中履き、衣装と三種履き替えますので 外履きは結構放置になってしまうので御座います」ぶつくさっ

彬羽「解ったから藁人魚を仕舞え。
相手の名前が解らなきゃ使い道ねえだろ「遺留品のまち針を髪の毛代わりに使えないかと」

蒼月「効いたら効いたで怖すぎるだろ」



一二三「嫌がらせか ちょっと変態さんなファンの人だべかなあ?
よしよしだ。」よしよしっ

白「思い当たる事が多すぎてどれか解らない」うーん。


家康「とりあえず 続きそうなら外履きは楽屋に持って入ったら?」

粋「だなあ。
そう続かねえとも思うけどなこんなの」苦笑




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白「続いたな」ちょっとびっくり。

テオドール「Σ今回はヒト型に切り抜いた紙人形までまち針グッサグサに!
おのれえええーーっ!!」紙人形に五寸釘カンカーン!!

粋「あのそれ 効くとしたら兄貴に行かね?」ひええっ


つつじ「なんやタチ悪いなあ」 うわっ

皐月「物騒やから皆入ったら鍵キッチリ閉めとくか
さすがに物騒やわ。」むう

白「いや いい。」

粋「へ?」

テオドール「Σご自分で捕まえる気に御座いますか!?」おおっ

白「いやそれも良い

ほっといて良いし お前等も捕まえなくて良いぞ」すたすたっ

粋・テオドール「Σなんで!?」えええっ



皐月「?
え。不審者特攻かまして来たりせえへんやろか?」

つつじ「履物で満足しとるんなら中までは入って来んやろけど

ま、入って来たらどつき回したらええんちゃうのん?
被害者が手出すな言うとるしなあ」ふむ。


皐月「私も見張ったらアカンのやろか?」

つつじ「やめときやす。あん人の事やからなんぞ企んどんのかもしれんわ」





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粋「Σぎゃー!また!!」ひいっ

白「針抜けば履けるだろ 面倒臭いな」針ぽいぽいっ

テオドール「めちゃめちゃ穴だらけになっておりますけど よろしいので御座いますか!?」えええっ

白「帰る間履ければ問題無い」しれっ

粋「Σ俺なら嫌だよ!!」




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テオドール「あの、この辺にマキビシ撒いてもよろし「他の奴が踏むだろ」

粋「Σあ、くたばれってべったり書いてる」

白「筆まで持ち込んだか」ふーん。



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テオドール「・・・・。」

粋「あの、今度は砂糖水ぶっかけられたみたいで アリが凄いんだけど」ひええっ

白「中履きで帰るか」あっさり。






ねちねち中略。






テオドール「だあああ!!我が主にネチネチジメジメとしつこいっ
どこのどいつに御座いますかあああっーーッ!!」うがああっ

家康「Σどうどうどうどうっ!」ひええっ


千様「粋君までメンタルヤバいわー。」あらあらっ

粋「・・あ?」ギロッ

シロ「初対面の時並に荒んどるな」うわ。



粋「つかよ 兄貴も何大人しくしてんだよ らしくねえっ
だいたい見当ついてんだろによ いい加減こっちがストレス溜まるわ」けっ。

千様「え。見当ついてるの?」


彬羽「成る程 本人が手を出すなと言ってはいる物の、これだけ繰り返しても誰にも見付からず捕まらない。
明らかに現地で手の込んだ真似をして居るのでそこそこ時間かかっているはずなのにだ。

と、なると」


家康「ひょっとして内部犯行?」

テオドール「あの芝居小屋にあの方に逆らう度胸のある方はおられません」きっぱり。

粋「入ってすぐ全員まとめてシメたみたいだし」

千様「あー。言ってたわね」ああうん。



シロ「と、なると
どの時間に裏方に人が少なくなるか
どの辺で忙しくなり周りに目が届かなくなるか解っている人物
と、言う事は」ふむ。

蒼月「あ、同業者とか?」

粋「だろうな。そんなら嫌がらせする理由も解るしよ」けっ

彬羽「成る程 出前で行った事が有るが
芝居小屋なんてどこも似たような作りだしな」ふむ。


テオドール「こうなったら 片っ端から近くの芝居小屋に殴り込みかけて差し上げましょうかっ」イライラっ

家康「何もしてない所が迷惑だからやめようね?」どうどうっ



襖がらっ

白「あれ、お前等 ほら仕事だぞ」けろり。


粋「Σだからなんでこんなネチネチやられてる張本人がノーダメージなんだよ!!」ああもうっ

白「ネチネチって履物汚されるだけだろ」

テオドール「Σ充分に御座います!

手口もどんどんエスカレートしておりますし Σぐ!彬羽さんちょっと胃薬分けて下さいま うぐ」かはっ

彬羽「Σ大丈夫かお前!?」びくっ


家康「えーと。お前は堪えて無いかもしれないけど こういうのって周りも辛い物だしさ
そろそろ手を打った方が良いんじゃない?」テオの背中さすりさすりっ


白「ん? 堪えてないワケじゃないぞ
大概ムカついてるし」

シロ「うむ。毎度の事ながら全く解らん」


粋「Σへ。んじゃ 捕まえんの!?やって良いの!?」おおっ

白「別に頑張って捕まえなくても大丈夫だろ
どんどんやり口手が込んで来てるし かなり調子こいてるみたいだしな」


シロ「む?つまり自爆狙いか?」

白「ちょっと違うかな」ふふんっ



蒼月「今 凄い邪悪な笑みが見えたような」背筋ぞくっ

千様「・・気のせいよお きっと。」






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【芝居小屋】




不審者きょろきょろっ

こそこそっ


がたんっ!

不審者「Σ!?」びくっ



『おぎゃあ。』
不審者「Σえ」



子泣き爺「オギャアアアアアアッ!!」


ずどむっ!

不審者「ΣうぎゃΣおぐっ!!」べしゃっ





白「な? 油断してるから頑張らなくても捕まったろ?」

粋「Σこんなん俺でも固まるわ!!」

つつじ「はいはいテオはん
生身にダイレクト五寸釘はいけまへんえー」

テオドール「Σお離し下さいませ!後生で御座いますっ!!」じたばたっ


皐月「あーやっぱし
最近店が傾いてるって噂のあっちの店の旦那やん」ほっかむりべりっ。

不審者改め
他所の芝居小屋の店主「Σだああ しまったあ!!」ひいっ



つつじ「なんや 他所の店が繁盛しててムカついたんかいな
しょーもないなあ」うわ。

皐月「確かにポケッとして見えるけどな
狙った相手が悪すぎやで」


他所の店主「Σ煩い!お前等に何が つか何これこれ取ってええ!!」ひいいっ

子泣き爺「おぎゃあ。」のしっ。




見習い「Σうっお!何事ですか!?」びくっ

白「最近子泣き爺キャラで売り出し中のえーと。名前は あ、芸名まだだ。
役作りしてるだけだ気にするな」適当っ

見習い「あ、はい。

色々あるんだなあ」てくてくっ


他所の店主「Σ今ので納得するってこの店どうなってんだ!?」えええっ

つつじ「喧しわ。
商売敵の持ちもんに針刺す奴に言われたないわい」けっ。

他所の店主「Σうぐっ!」


白「正論でやるのも良いけどな

えっと 頼んでた計算出来てるか?」

粋「あ、うん。
ざっと計算しただけだけど」メモ書きがさっ




皐月「なになに?
えーと

『請求書
下駄 10足代金 約 3両2分2朱。』」

他所の店主「Σ普段使いでどんだけ高いの履いいてんだ腹立つ!!」ひええっ

白「プロだからな。」ふふんっ


皐月「『尚、速やかに支払われない場合
コネで即座に島流しに処す』」

他所の店主「Σどういう事!?」えええっ



テオドール「ひょっとして 庶民が一括で支払うにはキッツイ金額になるまで放置されておられたので御座いますか?」はっ

白「払えなくは無いけど 精神的にキツいくらいになるまでな」どやっ

粋「つか 10足で3両2分2朱 って

俺の草履なんて2足組20文なんだけど。」ひええっ

※3両2分2朱:だいたい15万ちょい。
20文:約500円




他所の店主「あ、あの
うちの店経営かなりヤバくて その今一気にそれだけ出すのはちょっと」

白「だろうな。
立て直しより先に嫌がらせしてたらそりゃキツいよな

えーと。ひがいとどけ か? 出すしか無いか
そっちの店の奴等が可哀想な事になるから内緒で済まそうと思ったんだけどな」ふーん。

他所の店主「Σひいっ!」



つつじ「この人絶対犯人知っとったやろ」

鏡子「あら バレました?」姿見鏡にどろんっ

皐月「あ。成る程
アンタやったらバレんで張り込み出来るわな」はいはいっ





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白「そういう事で下僕が増えた」ふっ。

他所の店主「見逃して頂いた所か お金まで貸して頂いて!」土下座っ

白「この際芝居小屋コラボでもやるか」

他所の店主「Σ良いんですか!?」えええっ



彬羽「プロの調教師か手前は。」ドン引きっ


白「その代わり 俺が情報提供頼んだら理由は聞かずに教えろ
良いな?」にやっ

他所の店主「勿論です旦那!!」びしっ。

彬羽(Σ 色々助かるが 完っ全に手懐けやがったこの魔王!!)




テオドール「素晴らしいっ 何処までが計算なので御座いましょうか?」感心っ

粋「兄貴 こう言う時は冴えてっから解んねえ」うーん。





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