小咄

小咄

くろねこ太郎の落書き部屋 小咄ページです

2月27日

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【遊廓】



地獄太夫「・・・。」

彬羽「・・・。」むっすー。




地獄太夫「わちきは主さんに御願いしたはずにありんすが。」深ーいため息。

彬羽「あいつは仕事だ」きっぱり。

地獄太夫「おんや 売れっ子のお役者は大変にござんすなあ
に、しても 周りの人等の中で1番此処が苦手そうな人を寄越さなくても「誰のせいだ。」


地獄太夫「あ、やっぱりわちきが毎度なんなと仕掛けるからにござんすか
さすがに警戒さりんした。と」ふむ。

彬羽「Σあ、いや そういうわけじゃ」

地獄太夫「その態度で状況証拠としてはバッチリにありんす。
副官やるならポーカーフェイスを身につけた方がようござんすよ」しれっ


彬羽(人が気を使ってやってるのに この女っ)イラッ

地獄太夫「まあ 副官殿の態度見る限り嫌われてるまでは行ってない様でござんすな
しばし主さんへのアタックは控えると致しんしょ」はーやれやれっ


彬羽(Σこの女 何処までお見通しだ!?)びくっ

地獄太夫「だから いちいち態度でモロバレだと言うてるのでござんす。
正直なのも考え物にござんすよ?」



彬羽(そこまでバレッバレか!?
いやむしろ 普段は常に眉間に皺よっててキゲン良いのか悪いのかも解りづらいとか何とか)困惑っ

地獄太夫「えーと。そうそうお嬢さんはお元気にありんすか?」にっこり。

彬羽「気を遣って話を変えんで良い
良いから用件を言え用件を!」



地獄太夫「おやおや 助け船には素直に乗る物でござんしょ?
男さんは変な所で繊細にありんすからなあ」くすくすっ




遊女A (太夫さん。さりげに意地悪してる) 隣の部屋でこそこそっ

遊女B(黒づくめの兄さん可哀想に。完っ全に八つ当たりだね) あーあ。






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【芝居小屋】


つつじ「Σは!? 1週間で着物20枚!?」ええっ

彬羽「だな。最低20だ。
仕立てられそうな店知らねえか?」

つつじ「えー。そりゃ呉服屋はんなら紹介出来るけんど
20か。ちなみに最高やとどのくらい「50とか言ってたな」


皐月「物にも寄るけど無理ちゃう?
そんだけ縫える職人集めるのも大変やで
そもそもそれ何処で何に使うん?」

彬羽「俺も無理だとは思ったんだが急ぎらしくてな。此処ならそっち方面詳しいだろうとな
用途は遊廓で

粋「Σえ。」

彬羽「そこ。アホな勘違いするな」



皐月「Σぎゃー!糞真面目が女でおかしなったー!!」ひいいっ

粋「こういう真面目な奴程 一回タガが外れると怖いんだよ!! 何50枚て どんだけ貢ぐ気お前っつかカモられてるからそれ
つつじ「どうどうどうどうどうどう。」まあまあっ
彬羽「コイツ等いっぺん泣かす」

テオドール「見世壊れますので。
てか皐月さんはワザとに御座いますよね?」


皐月「ごめん。あっきーからかうとオモロいんやもん」しれっ

彬羽「Σ面白がるな!!」

皐月「ほらそれやリアクションがなー 」

彬羽「Σえ。待て 俺はそんな解りやすいのか」

皐月「? 今頃何言うてるん?」



白「あれ?煩いと思ったら来てたのか
頼んでた奴 ってあれ?お前どうした?」

彬羽「いや、ちょっと気分がな」ずーん。

白「?」



彬羽「・・どうしたらお前並に表情顔に出なくなる?」ずーん。

白「お前大丈夫か?」えーと。



粋「あの? カラスが変な女に引っ掛かってるぽい話してたはずなんだけど
何か俺だけ違う?」混乱っ

白「おかしくなった原因お前か」ああうん。



つつじ「直接の原因は解らんけんど、どっちか言うと皐月はんちゃうか?」

皐月「えー。ちょっとからかっただけやん?」


テオドール「皐月さん 彬羽さんによく懐かれておりますねえ」苦笑


つつじ「Σはっ まさかアンタ等っ!」後ずさりっ

皐月「待てこら何邪推しとんねん 腐れおかっぱ。」

白「これ以上ややこしくしない方が良いと思うぞ」


彬羽「Σやめろ縁起でもない!
だいたい普段から散々言われてるが俺はロリコンの気は無 Σだっ!?」
皐月「誰がロリやねん。」薙刀すちゃっ



テオドール「もうぐっちゃぐちゃに御座いますね」おやまあ。

粋「引き金引いたのお前じゃね?」うわー。



見習い「あの 桔梗さんもうすぐ出番です」びくびくっ

白「よし。調度良い
戻って来るまでに収まってたら良いな」すたすたっ




彬羽「Σ待て待て待て待て! 言葉のアヤだアヤ!!」白羽取りっ

皐月「やかましわ!誰がチビの幼児体型じゃボケええええー!!」きいいっ

つつじ「Σ気にしとったん!?むしろそれは誇る所 Σあだあっ「黙れ変態!!」



テオドール「あのー つつじさんももうすぐ出番に御座いますよー」

粋「Σえ。俺等でカラスと皐月なだめんの!?」えええっ






間。







皐月「で、何の話やったっけ?」暴れてスッキリ。

粋「えーと。カラスが変な女に
彬羽「それはもういい」



皐月「んー。最低20か
とりあえずうちに納品してくれとる店全部当たるけど新品やないとアカンの?」

彬羽「いや どうだろうな?
メインの奴等は少なくとも新品だろうが」ふむ。

テオドール「メイン?と申されますと?」ずぞぞぞ復活っ


皐月「あれ?アンタ灰になっとったん?」

テオドール「Σ皐月さんの薙刀が鼻先かすめたせいに御座いますよ!!」

皐月「え。マジか気いつかんかった
ごめんごめん」あっはっは


彬羽(女は恐ろしい) たんこぶ。





白「えーと。遊廓で着物沢山

あれか どうちゅう?か」ふむ。


彬羽「お。察しがいいな」

テオドール「お帰りなさいませ
道中 とは?」はて。

皐月「えーとな。売れっ子の姉ちゃん等がめっちゃ着飾って列成して歩くイベントやで
そっか。それやるんなら 着物沢山要るわな」成る程


粋「へ?でもこんな時期にやんの?それ」

テオドール「そもそも雪めちゃめちゃ積もってますが やって大丈夫なので御座いますか?」のれんそっとめくり

白「此処も客よく来れるなってくらいだもんな」うん。

見世の前 雪こんもりっ




彬羽「まあその 色々有るって事だ。
でもって着物の調達もだが
ついでにお前も貸りたいそうだ。」

粋「Σへ?俺!?」えええっ


皐月「なんでまた」

彬羽「一言で言うと 急にやる事になったんで人手が足りんらしい
スタイリスト不足だ」

テオドール「成る程。粋さんは見習いと同時に白さんの専属スタイリストに御座いますしね」ふむ。


彬羽「それもあって手前と話したかったらしいが
白「あ、いいぞ。勝手にどんどん使え」即答っ

粋「Σ俺の意思はよ!!」



皐月「あれ 嫌なん? アンタ歳上の姉ちゃん主基やろ?」

粋「Σ嫌いじゃねえけど! サクッと言うな恥ずかしい!!」だあもうっ

テオドール(こっちの御二人もやたら仲良く感じるのは黙っておきましょう。)ふむ



粋「あの 情けない話だけど
俺あそこ怖いんだけど」おそるおそるっ

彬羽「奇遇だな 俺もだ」

粋「Σそうなの!?お前で無理なら俺平気なワケねえだろ!!」どちくしょおおおっ


皐月「情けない男共やなー。」けっ



粋「あの、俺行きたくないんだけど
他にその 誰か代役で御願い出来ないかな?」

彬羽「言ってもな
向こうがお前指名なんでな センスが良いと気に入られてるみたいだぞ」

粋「Σう そりゃ嬉しいけどっ

その、こんな真冬にんなドタバタしなくても良いんじゃとか思わなくもないかなーっとか」しどろもどろっ


白「あ、そっか 時間が無いのか」ふむ。

粋「Σえ」

彬羽「まあ そんな所なんだが」



粋「・・・・。」




皐月「お、悩んどる悩んどる」

彬羽「まあ 世間一般じゃあそこの女共は儚いイメージだろうからな
こいつのやたら繊細な精神じゃ 病気で余命幾ばくもとか そっちと思うだろうな」ぼそっ

テオドール「ちなみに実際には?」ひそっ

彬羽「寿退社だ」ひそっ

皐月「笑ろたわ。」ぶはっ






粋「ちょっと行ってきます。」すっく。

白「着物用意出来てからじゃないのか?」

粋「Σあっ」


一同(心底良い奴か。)しみじみっ





皐月「ま、そう言う事なら衣装のはどうにかして都合つけたるわ
町中の針子集めたらどないかなるやろ
太夫に伝えとってんかー」

彬羽「そうか。行けそうならそれでいいんだが」ちらっ

白「ん?」



彬羽(まさか 最終手段で匂わせろと地獄太夫に言われた手をこいつが使うとは。)

白「どしたお前。」



彬羽「つくづくアホなのか冴えてるのか解らん」うーん。

皐月「何悩んどんか知らんけど 弟苛める事に関しては天才的やで そのお兄ちゃん」

テオドール「好きな事のみ天才的な方っておられますよね」苦笑。




つつじ「むしろ わて等の周りそんなんしかおらんのちゃうか?」

皐月「お。出番お疲れーい」







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