小咄

小咄

くろねこ太郎の落書き部屋 小咄ページです

2月12日

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【芝居小屋】





皐月「ちょい誰かー 小道具の手伝い頼むわ間に合わへーん!」

テオドール「はいはいはーい! 力仕事以外ならお手伝い出来ます」すたたたたっ


粋「あいつ良く動くよなー」

皐月「せやな。
これで色々器用なら助かるんやけど」

テオドール「Σぎゃーっ!?」
がしゃーん!!


皐月「ムチャぶりもエエとこやから言わんでおいたろ。」あーあ。

粋「なんで何も無い所ですっ転がるかなあ」うーん。



テオドール「も、持ってくる様言われましたネジ箱は死守致しましたっ」よろろっ

小道具「えっと。 ありがとう」引。

粋・皐月(Σ死守するような物じゃないっ!)





つつじ「しっかし あの人頑張りますなあ
なんや偉い人見知りや言うから 雑用とは言えバイト出来るんかと心配しとったんやんどな。」

白「責任感は凄いから仕事とか頼まれたってなると 人見知りよりそっちが勝つみたいだぞ
そのせいか 1人で買い出し出来る様になったし」

つつじ「ちょい待ち。買い物も出来へんかったん?」えええっ

白「基本俺等居ないと外歩けなかったぞ」きっぱり


つつじ「あんさん そげな子よう雇え言うたな」ジト目。

白「最悪俺居るし どうにかなるかなー?って」

つつじ「Σなるかなー?っで紹介とかされる方の身にもなっとくれやす!!」


白「結果オーライだ
化けた化けた」うんうん。

皐月「どんくさいのは変わらんけどな。」


テオドール「すみませーん。救急箱はどこに御座いましょうか?」血ぃだらだらっ

粋「Σうっおう!指どしたのお前!」ひいいっ

テオドール「大道具さんのお手伝いしようとしましたら 目測謝って金槌で思いっきり指をガスッと「Σ聞いてて痛え!うっわ爪の色ヤバくなってるっ」ひいいっ


白「それ生まれつきらしいぞ。」

粋「Σあ。」はっ


皐月「Σああこら!そのまんま手袋したらアカン!爪剥がれんでっ」

つつじ「コンプレックスなんか。
吸血鬼やねんから 爪赤黒いのしゃーないやろになあ」うーん。





間。






テオドール「前も魄哉さんに指全部血豆と間違えられてめちゃ心配されましたし」どんより

白「あ。それでいっつも手袋つけてるのか」成る程。

テオドール「いえ。手にでも日光当たると灰になりますので」

つつじ「難儀やなあ」うわあ。



粋「悪かったって。
お前常に生傷たえねーんだもんよ
そうやって怪我するのによくあんだけ動き回れるよんっとに。 ほい出来た、後は気になるなら診療所行って飛天に診て貰えよ」応急手当よしゃっ

テオドール「ありがとう御座います
私も粋さんくらいあれやこれやこなせたら良いのですがっ」くうっ



つつじ(向上心は有るんやな。どんくさ過ぎてから回っとるけど。)うむ。

皐月(つかあれもこれもそれもって 焦り倒すから怪我して上手くいかんのちゃうか?コイツ)うーん。


粋「ま、今日は大人しくしとけよ
って言っても無理だろし。 兄貴等の出番中に楽屋の掃除と片付け頼むわ
役者のテンション保つのにめちゃ大事な仕事だからな」びしっ

テオドール「Σおお!かしこまりました!!」


皐月「ほんまサポートやらせたら有能やな」わお。


テオドール「あ、ではそれまではどう致しましょう?
下手にそこら触って血がついてはいけませんし」

つつじ「あー せやな。
怪我はしゃーないし 大人しくしといた欲しいんやけどな」

粋「あ、じゃあ 今の内 前からコレ意味解らんねえわってなってた日本語勉強しとけば?」

テオドール「Σ仕事中に御座いますよ!?」えええっ

粋「だからだよ。
ほれ こういう団体で仕事するにはコミュニケーション必要だろ?
そう考えたら言葉伝わんなかったら困らねえ?」

テオドール「Σ確かに!」目からウロコッ



皐月「うわ凄っ
結果的に大人しくするやんコレっ」おおっ

つつじ「確かに 休んどけ言ってもじっとしとる御人やない! やりおるなっ」おおおっ


白「けど、あいつその辺別に計算して無いんだよな」うん。



粋「つー事で勉強頑張れよー
コミュニケーション取れりゃドタバタもしなくなるだろしよ」へらっ

テオドール「Σマジで御座いますか!頑張りますっ」きらきらっ



皐月「いや どんくさにコミュ力関係ないやろ」

つつじ「ポンコツなんか有能なんか ちょいちょい判断に困る御人よなあ」うーん。




間。





皐月(ホントに大人しく勉強しとる。)おおっ



テオドール「・・ん? これは」ふむ。


粋「よっしゃ!兄貴の着付け終わりっ
Σ やべ開幕前の床チェックしてくる」すたたたたっ

つつじ「はいよ。頼んだでー」



テオドール「え、えーと」きょろっ

白「ん?どうしたんだ?」

テオドール「あ!今お手すきに御座いますか!?」

白「ん?うん。 ちょっとならな。」



テオドール「『当て馬』ってどういう意味に御座いましょうか?」真顔っ

白「暴れ馬の仲間じゃないのか?」


皐月「Σこらそこっ解らんのなら適当言うな!」


白「えーと。じゃあ あれかな。
将棋のコマの何か ワザ?」えーと。

つつじ「ひょっとして桂馬の事かいな。
ワザてなんやねん」

白「さあ?」



テオドール「??」

皐月「Σあかん! どんくさ混乱し出した!」

つつじ「Σテオはん落ち着きい!また知恵熱出すでっ
知識系は白はんに聞いたらあかーん!」ひいいっ



彬羽「場合に寄り多少意味は違ってくるが
よく使われるパターン、主に芝居小屋で使われる色恋沙汰に関し言うなら
『対象に嫉妬をさせるためだけに利用する異性の役目』これが当て馬だ」

皐月「Σおお!あっきーさすが歩く耳年増っ」おおおっ

彬羽「Σ誰が耳年増だ!!」むかっ

つつじ「すんまへん。言いえて妙やわ」うん。

彬羽「Σ納得するなそこ!!」


テオドール「へー。そんな意味で御座いますか。
難しゅう御座いますねえ」メモメモっ


白「そういや出前頼んでたっけ
ちょうど良いな」にやり。

彬羽「ん?何がだ」



白「テオ良かったな。日本語の先生捕まえたぞ」

テオドール「Σよろしいのですか!?誰に聞けば良いかと調度困惑しておりましてっ」おおおおっ

彬羽「Σ待て待て待て!俺もバイト中Σおいこら期待に満ちた目やめろっ 」



テオドール「Σあ、そうで御座いますよね
無茶を申しまして申し訳御座いません」苦笑。

彬羽「Σう」



つつじ「ほう 白はんやりおるな」ふむ。

皐月「へ?」



つつじ「ぶっちゃけ彬羽はんみたいなタイプは 素直に謝られたり引き下がられると罪悪感感じるねん」

皐月「あー。普段クソ我が儘マイペースに振り回されてる分余計にやろな」成る程。




彬羽「し、仕方ない 少しだけなら付き合ってやる」ふんっ

皐月「なんでツンデレ口調やねん」





粋「兄貴 マジで嫌な所頭回るよな」雑巾絞りっ

白「俺に聞かれても 俺も大概言葉知らないしな。」

粋「Σあ。苦肉の策だったの!?」




彬羽「で、どれが解らねえんだ?
思い付く奴ちゃっちゃと言え 説明してやるから。」

テオドール「わーい。助かります
ちゃんとこちらにピックアップしております。えーと」メモがささっ


皐月「まあイザ意味説明せい言われたら 意外とムズいもんやしなあ
ホンマ教えるんはあっきー向きかもしれん」うん。

つつじ「あー。日本語は難解や言いますどすからなあ」うんうん。



テオドール「えーと。まずは相対死に とはなんで御座いましょうか?」

彬羽「いきなりエグいのが来たな
あー 芝居小屋的な言い方だと心中物だな。」

テオドール「Σ成る程で御座います!

ではでは こちらの『破れ傘』とは?」

彬羽「そりゃ今の心中物の事だ
破れ傘の相合傘してる男女ってのが心中物のトレードマークみたいな物でな」


粋(Σそうなの!?)えええっ

白(知らなかった。)へー。



テオドール「なんとっ ではこちらの『追い腹』と言うのは」

彬羽「それはさっきの心中物の 片方が先にいったんで追い掛けて腹をって待て待て待て待て
なんだお前ら 次の演目はそっちか!?」えええっ

一同「違う違う」首ぶんぶんっ



白「テオ お前何見て勉強してるんだ?」あれ?

テオドール「辞書持ってきてませんし何か無いかとそこらあさっておりましたら 見習いさんが愛読書貸して下さいまして。」心中物極厚全集っ


皐月「なかなか闇の深い見習いおるな」わお。

彬羽「気を付けろよ
役者業は影響受けた若手がちょいちょい未遂やからすからな?」

つつじ「どすな。気を付けたらんと」うわー。




テオドール「しかし日本語はホント奥深い物に御座いますねえ
私も気を付けませんと」ふむ。

皐月「気を付けるって 何をやの?」

粋「Σいやそれは大丈夫だろ! 確かにお前メンタル健康とは言いにくいけど そういうそんな大それた真似は「何の心配をされておられるので御座いますか。」


粋「へ?」きょとん。

テオドール「Σきょとんしないで下さいませ!
私が言ってるのは『破れ傘』に御座います!
日除けの番傘が必須ですので そんな意味が有るのなら間違っても破かない様にとかそんな言おうとしたので御座います!!」ぷんすかっ

粋「Σあ、そっち!?」

テオドール「Σだからその反応っ 私至って健康に御座います!!」うがあっ




彬羽「しかしコイツも これだけ言い返せる様になったか」しみじみ。

白「たまーに 人見知りの子供育ててる気分になるよな」

つつじ「アンタ等 どこ目線やの」


彬羽「ほぼ初対面で手袋投げ付けられて決闘申し込まれたがな。まあ 色々勘違いらしいが」

白「あー あったなそんなの」うんうん。

皐月「なんでそれがああなるねん。」わお






粋「Σあれっ でもお前それ
んなデリケートな愛読書貸してくれるくらい その見習いに親しい奴と思われてるって事じゃね?
ダチと思われてんじゃねえ?」

テオドール「Σえ。あっ!確かに」はっ






彬羽「無意識に社交性が身に付いていたか」おおっ ※子育て中につき父親目線。

白「バイトさせて良かった良かった」うん。※大概長男属性。



皐月「要するに 過保護な保護者なんやな アンタ等」ああうん。







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