小咄

小咄

くろねこ太郎の落書き部屋 小咄ページです

1月29日

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テオドール「要はクレームに御座いますか?」

粋「Σ人聞き悪いだろ! 向こうが不良品持って来たんだからちゃんとしたのと交換しろって言うだけだって!!」


テオドール「確かに あーコレとか細工が酷う御座いますねえ
日本の工芸品は異常なくらい出来が良いはずで御座いますのに」ふむ。

粋「だろ? 芝居小屋だぞ? その手の煩い奴しか居ねーての そんな所にこんなん納品有り得ねえわ
その分かっちり高い金払ってんのによ」すたすたっ



テオドール「成る程、つつじさんが見たら般若に御座いますね」納得。

粋「見つかる前に処理しねえと物理的に小間物屋の首飛ぶわ」背筋ぞわっ


テオドール「見習いは大変に御座いますねえ」しみじみ

白「ここまで気使いまくる見習い他に居ないけどな」


粋「いや兄貴 なんで着いてきてんの?」

白「クレームの入れ方覚えようかと思って」

テオドール「へ? クレームに作法とかあるので御座いますか?」



粋「兄貴の場合 なめた真似したら命に関わるからな」遠い目。

テオドール「相手の安全確保の上での話ですか
確かに難しそうに御座いますね」苦笑。

白「この町治安悪いからな」しれっ





間。






【小間物屋】



店主「いやー わざわざ御足労申し訳御座いません
当店のお納めした品に不備があったとの事ですが
此方 これが正しい形なのですよ」営業スマイルっ

粋「Σえええ!いやいやいやっ 明らかに駄目だろ
ココとか凄えガタガタだろ もげるぞこんなの!」

店主「ですからこう言う物なのですよ
繊細故に大事に扱って頂かないといけないとう

見たところ お使いを頼まれた見習いさんの様ですが
失礼ながら 一流の方に見て頂ければ一目でお分かり頂けるかと」

粋「Σぐ」



テオドール「負けてらっしゃいますね」うっわ。

白「嫌なやり方する奴だな」ふーん


テオドール「出られます? 江戸城に呼ばれる一流役者様で御座いますし」

白「あの愛想笑い親父 ベコベコになるけど良いかな「申し訳御座いません。マジでやめて下さいませ」


白「まあ 必要無いと思うけどな」ふーやれやれ。

テオドール「はい?」





粋「おっさん。人が大人しくしてりゃヘラヘラベラベラ好き勝手抜かしてんじゃねえぞ?」ああコラ?

店主「Σうおおお暴力反対ー!!」ひいいっ



白「あいつ元々めちゃガラ悪いからな」

テオドール「スラム育ちなの忘れておりました」わお。



粋「そんな言うなら試してみっか?
ちょいそこの育ちの良さそうな姉ちゃん等 コレどう思うよ
俺みたいに育ちの悪いのには解らねえ高級品らしいんだけどよー?」けっ

客「Σ!?」びくっ


テオドール「Σ他のお客さん巻き込んじゃ駄目で御座いますよ!!」ひいいっ


店主「Σちょ やめて下さいよ!営業妨害で訴えますよ!!」

粋「んだコラ上等だ お白州で白黒つけっか!?」ぶちーん!




白「うん。何の勉強にもならなかった。」

粋「」きゅうっ


店主「Σ容赦ないカカト落とし!!」ひいいっ





石燕「Σうお!聞きなれた声がしたと思えば!!」のれんめくりっ

テオドール「Σ石燕さん!いい所に」おおっ

石燕「何があったんすか? つか何したんすかこの人」つっつきっ

粋「」白目っ



白「不良品掴まされてクレーム入れたら 三下には解らないとか煽られてキレた元ヤンだ。」

石燕「うっわ。いい商売っすねー」


お客「えー 酷くない?」ヒソヒソっ

店主「Σでかい声で営業妨害やめてくれませんか!?」


白「じゃ聞くけど コレホントに一級品なのか?」

店主「ですからそうですってば!
いい加減にしないとホントに訴えますよ!」


テオドール「どうで御座いますか?」

石燕「屋台で売ってる土産もんレベルっすね」即答っ

店主「Σいやアンタもか! だから素人には解らんと言ってるでしょ 何様ですかアンタ!!」



白「浮世絵師の鳥山石燕だ。」

石燕「見る目がなきゃ絵なんて描けないっすよ」真顔。


店主「Σ化け物画の第1人者ーーっ!!」えええっ



テオドール「成る程 他所ジャンル違えど商人の方には名が知られておられるのですね」ふむ。

石燕「あっしが一番ビビってるっす」わお。


お客(Σ化け物画なのに 見ないと描けないってどういう事!?)






白「じゃ、やっぱ高い金取って安いの出して来たんだな?」

店主「え、えーと それはその」冷や汗だらだらっ

石燕「敵にした相手が悪いっすよ
つか状況証拠だけでもう真っ黒っす」



店主「いいいやその 此方にも手違いくらいありますし そのー」

白(往生際悪いな。)むっ

テオドール(Σあああ破壊神がムカついてらっしゃる!)わたわたっ





つつじ「おんや 皆はん先来てはったん?
アカンなあ 証拠隠滅するなら伝票も始末しとかんとー」


白「だから早く片付けてやろうと思ったのに」ちっ

テオドール「Σ首が飛びますー!!」ひいいっ




店主「おお良かった お宅の人達どうにかして下さいよ
うちが悪どい商売してると言っ「せやな。 確かにド三品納品されとりましたな。
何かの間違いなら早いとこ交換しておくれやす。」粋の風呂敷包みチラ見っ

店主「Σう゛」

テオドール「Σ物凄くスムーズに御座います!!」おおっ

石燕「笑顔が怖いっすね」うっわ。

粋「怖いのは笑顔だけじゃねえよ」頭さすりっ

テオドール「あ、おはようございます」



店主「すみませんねえ 手違いで。
いやしかし このような真似をされますと此方も困りますのでね? 襟首掴まれまして怖い怖い
下の人の教育はお願いしますよ?」


一同(この親父 いけしゃあしゃあとっ)イラッ

つつじ「おんや。それは失礼

しかしペラペラペラペラお口はよう動きはりますなあ?その調子やとどっこもケガされとらん様で何よりどす」にっっこり



テオドール「あのー」ちらっ

石燕「この場合直訳すると 『黙れクソオヤジ。なめた口聞けねえ様にすんぞ』っすね」


テオドール「これが京のぶぶ漬けどないどす文化に御座いますか」おおっ


つつじ「ホンマ毎度毎度助かりますわあ
いやさすが一流のお店の旦那はん
着てはるべべも さっすがお高い奴どすなあ」にこにこっ

店主「Σえ。」


粋「『てめえ毎度大概にしろよ
たちの悪い商売で似合わねえ悪趣味なクソ高い着物着てんじゃねーよ』
だな。」うん。



つつじ「ああでも ちいと最近うちの店趣向変わりましてん
もうちょい伝統的言うか そう言うのの方がエエかなーと思いましてな? いや長い事お世話になりましたなあ」

粋「えーっと『手前の店とは縁切るから
信用できる老舗の店に乗り換えるわ じゃあな三下
店主「Σ通訳やめろ! 二重にダメージ来んだろ!!」


つつじ「おんや。お客はんが見てますえ?
はずかしなあ」ぷーくすくすっ


店主「Σあ」はっ


一同(えげつなっ)ドン引きっ

テオドール「違う意味でぶった斬られましたね」わお。






つつじ「あんさんらも 何処でお客はん等見てるか解らんのえ?
ガラの悪い真似は程程にな」返金じゃららっ

白「お前にだけは言われたくない」きっぱり。




石燕「この町ホント治安悪いっすからねえ
商人もマジでタチ悪いんすよ」ため息。

テオドール「あー 石燕さんもよく買い叩かれておられますよね」ふむふむ。

石燕「そっすよ
ちょっとボレそうだと思うと押し切りに来るんで
最近 用心棒に同行して貰ってるっす」

彬羽「ん?なんだお前らも居たのか?」のれんめくりっ

粋「何してんのお前。」わお



石燕「特に何も言わなくても 後ろで立ってて貰えるだけで いちゃもんも無理な値切りも無いんで大助かりなんす」

テオドール「あー。 2メートル黒づくめの破壊力に御座いますね」


白「あれ?じゃお前も始めからオラオラしてた方がなめられないで済んだんじゃ?」

粋「Σあ」

つつじ「やめい言うとるやろ お里が知れるわ!」ああもうっ


白「お里が知れるって そもそもお前エセ京弁「Σしーっ!!」




白「成る程 苦情言う時はなめられないくらいで ガラ悪くならない様にか
難しいな」ふむふむ。

彬羽「なんでそういうワケ解らん事は積極的に学ぶんだお前は」

白「面白そうだから」きっぱり




石燕「あ。んじゃ試しに実践してみるっすか?
今からあっしの納品行くんで彬羽さんの代わりに着いてきて欲しいんす
八割絡まれるんで 練習に持ってこいっすよー?」へらっ

つつじ「いやアンタ なんちゅー所と取引しとん」

彬羽「この手の業界はどこもそんなのらしいぞ」

粋「マジかよ 石燕レベルでそこなのかよ」うええ。



白「んー。じゃあやってみるか」ふむ。

テオドール「白さんファイトに御座います!!
」おおっ

粋「いや兄貴 見た目は派手だけどちっさ「何だ。」
粋「Σすんません!威圧感ぱないっす!!」ひいいっ


彬羽「まあ 揉めたら俺が出りゃ良いだろ
要らんとは思うが。」

つつじ「ん? なんや変な所信頼しとんやな?」










どがっ!!

絵画商「Σどわーっ すんません!すんませんでしたっ!!」 ひいいっ


白「じゃ 契約時の値段で買うな?」

絵画商「勿論で御座いますっ!!」土下座っ




つつじ「スマートに蹴り1発か」うわ。

彬羽「この町じゃ コレくらいが調度いい」ため息。






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