小咄

小咄

くろねこ太郎の落書き部屋 小咄ページです

6月3日






【某藩 某屋敷】







白「つまらない」特大ため息っ

粋「兄上 此処の奴等に聞こえる 聞こえるって」苦笑。




白「だってな
家康にあれだけ頼まれたし仕方無いけど
此処の奴等香炊きすぎて臭いし、やたら自慢ばっかしてるし もてなされてもゴテゴテしてて疲れるし
俺が食欲沸かないって相当だぞ」むう。

粋「あーまあ そこは同感だけど
ほら 兄貴御指名で是非にって招かれたんだしさ」



白「そもそも役者呼んで座らせて自慢話するだけって何が楽しいんだ?」はて?

粋「・・金持ちの道楽?」えーと。

白「それ別に名前売れてたら 俺じゃなくても良いよな?」むすーっ

粋「あ、気に入らないのそこなんだな」はいはい



白「帰ってバカラスのさっぱりした茶漬けが食べたい」ため息っ

粋「いやあれ旨いけどさ。 板前の茶漬けチョイスかよ」


テオドール「一息つけるお味と言う事なので御座いましょう

しかし、私も此処嫌いで御座いますねえ」

粋「ん? 何だよ偉くハッキリと」

テオドール「いえその、芝居小屋では雑用に過ぎませんし あまり出過ぎた事を言うのも と言いますか」えーっと。



白「じゃ職場の上司として
何がどうした?」
テオドール「このお屋敷 虐めっ子だらけで不快に御座いす」即答っ

粋「ああうん。そりゃーお前にゃ無理だわ」納得





テオドール「と言う事でこちらに御座います」手招きっ

白「言いつける気満々だったなお前」のこのこっ

粋「Σえ。ちょ兄貴! 席戻らねえと「派手に腹下して厠から戻れないとかそんなで頼んだ」

粋「Σいいの!?それでいいの!?」えええっ






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【裏庭】



女中頭「ほんっとトロい子だよ!
なんでこんな子が縁談まとまったのかね 趣味の悪い
ほら ここの木の手入れさっさとしなっ」

女中「Σえ、それはうるしっ
いやああかぶれますっ」ひいいっ

女中頭「煩いよトロい癖に! かぶれた顔で白無垢着るが良

Σあだあっ!」

ずしゃーー!



白「あ、ごめん。
厠捜してて前見てなかった」しれっ

女中頭「Σいやああ!うるしに顔から突っ込んだあああ!」ひいいっ



白「あれ?それ危ない木なのか?
え でも今こいつが手入れしようと」あれれ?

女中頭「Σえ。あ、それは
ほらこの子が解ってなくて触ろうとしてたんでやめなさいと調度ほほほほ
失礼 薬いいいっ!!」いやあああっ




テオドール「思い切り背中蹴り飛ばされましたね」わお。

白「嫁に行くなら今すぐやめろ
次は油くらいかけられるぞ」

女中「Σは、はい! ありがとうございましたっ」ひいいっ




白「けど、酷い所だな
でかい屋敷って皆こうなのか?」むう。

テオドール「日本のは解りかねますが
普通この手のは 周りにバレない様にする物だと思われます
私の経験上はで御座いますが」

白「ふーん。やっぱ 今のはかなり変なんだな」


テオドール「それが、実は 今の人だけでは無いので御座います」

白「へ?」





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侍「ほれ新入り
此処で働きたくば四つん這いでワンと鳴けーー!」だっはっは

新入り侍「Σんなっ!?」

侍「良いのか? ようやく決まった士官の先ぞ
老いた母御は喜んだであろう?
ほれ親睦を深めてやろうと言うのだ さっさと四つん這いに

あだだだだだ!?」

白「先輩なら手本見せてやれ」カカトでぐりっ。

新入り侍「Σ誰!?」びくっ

白「お前な こんな所でワンワン偉くなってもしんどいだけだぞ?母親泣くぞ?」

新入り侍「Σうっ!」



侍「Σちょお前誰だこら 武士を足蹴になどそこに直
白「黙れ 武士が何処に居る」魔王オーラ全開っ


侍「・・わ、 わんっ!」がくぶるっ

新入り侍「転職しよう」うん。




白「なんだ此処 こんなんばっかりか?」カカトぐりっ

侍「Σおぐうっ!」悶絶っ

テオドール「それが他にも「まだ有るのか」




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下働き「わははコイツこんな物大事に持ってやんのー きったね捨てちまえ!」

馬番「Σああ!それはおっかあが持たせてくれた御守りっ!」


白「やっちゃえ。」指差しっ

馬「ぶひひーん!」

パキャスッ!!

下働き「Σごふあ!」


テオドール「お見事に御座います」ぱちぱちっ







家臣「なんせ今持ち合わせが無くてのう
今回はツケにしておけ。」

庭師「Σええ!またですか こんなお屋敷でお代が払えないとか有り得ないでしょう!?」

家臣「む? 知らせが来とらんから勝手に金を動かすわけにはいかんと言う話じゃ

それとも何か?庭師の分際で我が殿を愚弄するか?」刀ちゃきっ!

庭師「Σえ、ちょ」


白「その割に偉く沢山持ってるんだな」財布じゃらん

家臣「Σえ。ちょワシの財布!?」えええっ

庭師「Σあ 庭の手入れ代って書いてる!
アンタ俺の給金を自分の懐に!?」


家臣「くっ!バレては仕方無いっ
全員まとめて口封 Σぐはっ!!」



テオドール「綺麗なアッパーカットに御座います」さすがっ










若君「ははは下賤の者めが我に逆らうからぞ
どれ 何処から切り刻んでや

白「もう面倒臭い。」
かかと落としっ!

若君「Σぐはっ!」ばたーん!

従者「Σ若様ーーっ!!!」ぎゃああっ



白「どうなってるんだこの屋敷」うんざりっ

テオドール「あの、これはさすがにヤバイのでは御座いませんか?」おそるおそるっ






城主「Σああっ息子よ!なんと言うっ

貴様何のつもりだ!城内で偉く好き勝手してくれておるそうではないか!!」くわっ

白「お前が何だ
下の奴等ちゃんと躾ろ 香が下品。」

城内「Σさらっと悪口混ぜるな失礼な!!」むかああっ




粋「ごめん、厠で誤魔化せなかったわ」あちゃー。

テオドール「はなから白さんも誤魔化せると思って無かったと思われますが」

粋「Σめっちゃ頑張った俺!」がーん!



白「で、何なんだこの城
管理不行き届きだぞ、虐めっ子とカツアゲと後なんだ?横領?てのだらけだぞ」むう。

城主「はあ?んな事知っとるわ」

粋・テオドール「Σへ?」



城主「この世は力こそ正義!家康公とて戦で天下を勝ち取ったではないかっ
強くなくては生きてゆけぬ!強くなくては奪われる!

故に我が城では 弱き者は強き者の糧となり より多くの弱き者を足蹴にした強き者には恩恵を!
そう指示しておる!!」どやあああっ



テオドール「世が太平になるとこう言うバカが出てくるので御座いますねえ」うわ。

粋「弱肉強食って点では 妖怪と同じなんどけどなあ」うーん。


白「幕府に護られて贅沢しててよく言えるな それ」うわ。

城主「Σやかましわ! 見ておれ ワシはこのやり方で最強の一軍を作り上げ 幕府なんぞ足元にも及ばぬ一大勢力をだな





白「聞いたか?」

挿音「バッチリよ。
じゃ その御高説 お白州でもっかいお願いするか」木からぶらんっ

城主「Σしまっ! 徳川の忍!!」ひいいっ



テオドール「Σえ!いつから!?」えええっ

挿音「お前らが此処に来た時から?」よっこらすたっ。

粋「Σえ。ひょっとして 俺等囮!?」はっ

挿音「おう。良い感じに引っ掻き回してくれてありがとよ」


白「それなら先に言えば良いのに」

挿音「いや 黙っといた方が絶対オモロくなんだろお前等」しれっ



城主「大人しくしょっぴかれてたまるか!
皆の者!苦しき弱肉強食の日々の成果見せてやれいっ!!」びしっ


粋「えーと。殴って良い感じ?」

挿音「おう、存分にな」指バキボキッ

テオドール「あ、お二人共 下がった方が良いかと思われます」


粋・挿音「へ?」



白「この程度の弱いもの虐めで弱肉強食とか世間知らずにも程があるぞ」くわっ

テオドール「猿山の猿に本物の野生を教えてやるって感じに御座いますねえ」うわ。

粋「Σ兄貴なんかめちゃめちゃ怒ってねえ!?」ひいいっ

挿音「あー 顔に出ねえから解んなかったけど
胸クソ悪かったんだな 大概」あちゃー。




城主「Σえ。あのっ」びくっ


白「幕府絡んでるなら揉み消し出来るな
よし。どれだけ強いかまとめて全員かかってこい」


粋「Σあ。ツノ出た」


挿音「やべ 俺等も避難すんぞ
無駄に高い所に有って良かったわこの城」すたたっ

テオドール「町から離れてて正解に御座いましたね」霧変化ぶわっ

粋「Σえ。ちょ 置いてくなよおおっ!!」





城一同(Σ微塵も勝てる気がしないっ!)がくぶるっ







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家康「Σありゃっ そんな大変だったの?
ごめんね。私も詳しく聞いてなくてさ」あちゃー。

粋「始めから藩お取り潰しが目的かよ
頼むから先言ってくれよ」あーもうっ




彬羽「成る程 ある意味俺が行かないで正解だったか」ふむ。

テオドール「彬羽さんがおられたらブレーキかけてしまわれますからね
今回は芝居小屋メンバーでのお仕事で正解に御座いました」苦笑。


彬羽「まあな。やり方は荒いが
トップが腐ってる上誰もそれに意見しない職場ってのは 叩き潰すしか無いからな
そう言う意味では上等か 」ちらっ




白「鯛茶漬け旨い」ずぞぞっ

粋「はいはい良かったな」うんうんっ



白「変な贅沢より 我が家が1番だな」うん。

彬羽「鯛は大概贅沢だぞ」きっぱり。

千様「魔王にしては質素じゃない?」






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