小咄

小咄

くろねこ太郎の落書き部屋 小咄ページです

3月7日

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冬の海ざばーん。



白「帰る。」くるり

彬羽「逃げるな総大将。」


粋「近寄らなきゃ波に拐われたりしねーから」苦笑


白「この寒いのに何でこんな所に」ぶつくさっ


テオドール「行方不明者続出で御座いますよね?」

彬羽「だな。目撃者の話からすると完全に怪異の類だ
一方的に人間に危害を加えるなって手前のやり方に反してるだろ。ボスならボスらしくきっちり取り締まれ」

白「よし。任せた代理」キリッ

粋「Σ光の速さで押し付けんなよ!」


テオドール「あの場合に寄っては海に入らなくても良いと思われますので そこまで嫌がられませんでも」

白「絶対にか?」

テオドール「Σいえ言いきれはしませんがっ!」


粋「あーもう 解ったって。最悪俺潜るから」ほんとにもー。

彬羽「そもそもコイツは沈むだろ「Σ言わないでやって!」





テオドール「と言う事ですので ボスらしく座ってるだけでよろしゅう御座いますので」どうどうっ

白「それ俺要らなくないか?」むすーっ

粋「兄上 駄々捏ねんなよ」


彬羽「怪異が起こるのは決まって夜って話だからあっちの料亭に宿取ってるが ちなみに此処等の名物は海鮮の天ぷら
白「よし。行くか」しゃきっ


粋「さすが副官」おおっ

テオドール「扱い慣れておられますねえ」わお。





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テオドール「しかし 料亭とは。
彬羽さん割烹勤務に御座いますのに 他所でお食事に抵抗などは御座いませんので?」

彬羽「別に趣味でやってるわけじゃないからな」

テオドール「Σえ」

彬羽「お前は俺を何だと思ってんだ」

粋「器用な奴?」えー。


白「大概何でも出来る奴
と、見せ掛けて 出来ないとムカつくから意地になって何でも出来る様似してる奴だな」うん。

テオドール「意外と努力されてるので御座いますね」へー。

彬羽「いらん事言うな馬鹿大将。」

白「襟首掴むな イライラしてないで飲め飲め」熱燗っ

彬羽「Σあんだけ駄々捏ねといて料亭満喫か手前!!」


テオドール「切り替え早いと幸せに御座いますねえ
あのコレは何に御座いますか?ひょっとしてフナム
粋「シャコな。食いづらくなるからやめろ」



白「夜にならないとその怪異起きないんだろ
それまで暇だし あ、料亭なのに露天風呂有るのか此処」窓から外見っ

粋「めっさ満喫してんな兄貴」うわ。

テオドール「宿内で迷子になられるフラグに御座いますねえ」

彬羽(遠足の引率してる気分だ。)げんなりっ






間。






粋「うっわ。買い込んだなあ」

包みどっさり。



白「片付いたら帰るんだし 買うなら早め早めにだろ」満足っ

テオドール「これ全部温泉饅頭に御座いますか?」

彬羽「普通に近所でも売ってるだろが」引。

白「解ってないな
旅行はこう言う物だぞ」どやっ

粋「あーはいはい 兄貴 目的覚えてる?」

白「何だっけ?」はて。





彬羽「もういい キゲン良くやってるならそのまんまで良い。
そいつはあくまで御飾りだ 俺等で片付けるぞ」

テオドール「かしこまりました。今回3人で御座いますね」よっしゃ!

彬羽「・・いやお前は過納な限り大人しくしといてくれ 小遣いやるから」

テオドール「Σどういう意味で御座いますか!?」がーん。




料亭の中居A(いったいどういう団体なんだろう。)じーっ







更に間。






テオドール「日もとっぷりと暮れてしまいましたねえ」空見上げっ

粋「だなー。
何も起きねえよな」あくびっ

テオドール「そもそも怪異とは毎日起きる物なので御座いましょうか?
Σあ、サザエのツボ焼き美味しいっ」感動っ

粋「お前意外とよく食うよな」



テオドール「いえホント見た目はグロいですが 何で御座いますかコレ 旨味の塊で御座いますよっ
してその 何も起きなかったらしばし此処に滞在となるので御座いますか?」もっぐもぐっ

白「滞在したそうだなお前」

テオドール「ダメならダメで 割烹行って彬羽さんにオーダーお願い致します」もぐもぐっ

粋「サザエは高えぞ。」苦笑

白「んー 再現出来るか解らないし先に言っといた方が

って バカラス寝てる」あれ?

彬羽「ぐう。」座ったまんま熟睡っ


粋「Σ詳細まだ聞いて無いんだけど!!」えええっ



白「無理に薦め過ぎたか」ちっ

粋「Σぎゃっ 良く見たらとっくりめっさ散らばってる!!」

テオドール「酔い潰れに御座いますか!?」ええっ

白「暇だったから。
うっかりうっかり」酒ぐびーっ

粋「Σコイツもザルに律儀に突き合うなよ!」ああもうっ


白「さて困ったな
やる気なかったから 俺何も聞いて無いぞ
そもそも怪異って何が起きるんだ?」はて。

粋「Σ清々しい程の丸投げだな!」


テオドール「彬羽さーん。私達だけではどうもなりません 起きて下さいませっ」ゆさゆさっ



彬羽「あ?」ギロッ

テオドール「Σも 申し訳御座いませんでしたっ」びくびくっ




白「カラスって ほんとは夕方には寝るものだしな」うん。

粋「何でそれ解ってて飲ますかな!?」ひいいっ

白「コイツが酒弱いの忘れてた」きっぱり。


テオドール「どう致しましょう?
なんか本格的に寝はじめられましたけどっ」おろおろっ






白「えーと。
とりあえず見回り行くか?」

粋「うん。うっかり海にハマる所まで想像出来た
兄貴は此処で大人しくしてような。」

テオドール「で、御座いますね。」うん


白「そっか
じゃ お前もコレつけて行け。」命綱結びっ

テオドール「Σ私そこまで不安に御座いますか!?」

粋「うんごめん。普段が水場の兄貴並に不安」きっぱり

テオドール「Σそこまで!?」がーん。


白「よし。命綱離すなよ
俺此処で追加注文待ってるから」ふんぞり返りっ


粋「俺が持つのかよ この紐」えええ

テオドール「連行される罪人てこんなんに御座いますよね」どんよりてくてくっ




中居「Σ!?」びくっ


粋「あーもう視線痛え!!」早足すたすたっ






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【夜の海】





テオドール「特に何も無い様に御座いますよね?
てか人っ子1人見当たりません」きょろっ

粋「そりゃ行方不明者出るってなればな
皆わざわざ寒い中夜の海とか来ねえよなー」


テオドール「ん? ではいつまで経っても解決しないのでは」

粋「いや さっきのサザエとか採る奴要るんじゃねえの?
夜やる物か知らねえけど
とりあえず もちょい見回ってみよ」すたすたっ


テオドール(ん?人が居なくて当たり前だから怪異が起こらない
の、でしたら ひょっとしてこの命綱の意味は)





粋「Σあれ!何だあそこ ほら波打ち際 あそこだけ光ってる!!」ほらほらっ

テオドール「Σ嫌な予感しかしないので御座いますが!?」

粋「何だろ でかいクリオネとかかなっ?」のこのこっ

テオドール「Σそんなん居たらめちゃ怖いです!!」ひいいっ



ばくんっ


テオドール「Σえ」



しーん。


テオドール「え?え?」ぽつーん






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襖すぱーん!!

彬羽「Σ!?」びくっ


テオドール「大変に御座います!粋さんが何かに喰われまして御座いますううっ!!」うわあああっ

白「お。釣れたか」
テオドール「Σやっぱりに御座いますか!!」



彬羽「へ?ん?いつ寝てた?
俺が寝てる間に何があった?」寝ぼけっ

テオドール「一言で言いますと 釣り餌持ってかれました」

彬羽「Σは?」





白「大丈夫だろ
海の奴等って基本丸飲みだろ?」ふふんっ


彬羽「石鯛なんかは 貝もバリボリ噛み砕くが?」

白「・・バリボリ言ってたか?」えーっと

テオドール「言ってたらさすがに見捨てて帰っておりません」顔面蒼白っ



白「魚って歯有るのか」うーん。

彬羽「よく解らんが計算違いしたか
そもそも魚かどうかも解らんしな。
案外ラッコとか「それこそ叩き割られてぐちゃぐちゃだよな?」

テオドール「あの、ラッコは発光しないと思われます
とにかく現状に! 粋さん救出しませんとっ」だっ



彬羽「発光?」ん?

白「光るってお前言ってただろ。寝ぼけてるな」

彬羽「あ、そうか 酒で頭の回らねえな

しかし
手前には詳細教えたはずなのに何でこんな事になってんだ?」

白「下手に教えたからだな。」うん。





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テオドール「此処で御座います!この辺で

何を持って来られたので?」

白「鍋。」どーんと特大サイズっ

テオドール「Σお食事より粋さん救出のが先決では御座いませんか!?」えええっ


彬羽「安心しろ。そっち優先だ

話からだいたいの見当ついたしな。」包丁研ぎしゃっしゃっ

テオドール「へ? あの
何故にタスキを?」

白「料理するからだぞ」

テオドール「Σはい!?」





彬羽「じゃ 始めるか」


炎ぼぼぼっ!

テオドール「Σ海に!」おおっ

白「不知火だ不知火」ぼぼぼっ

彬羽「人に見られても こう言う漁が有るしな。いくらでも誤魔化せるだろ」


テオドール「漁 で御座いますか?
これで何を?」はて。

彬羽「俺の勘が正しければ 相手は此処を狩り場にしている、そしてそれ故すぐには『元の住みか』には戻れない」

テオドール「へ?何故に御座いますか?」




白「深海魚だからだ。」

巨大アンコウざばんっ!!


テオドール「Σうおお何で御座いますか!?」ひいいっ

彬羽「ちなみに急に深海に潜ると深海魚でも水圧で体がやられる。
故に すぐに潜るのは不可能だって話だ」

テオドール「Σ成る程で御座いますっ」おおっ



アンコウびちびちのたうちっ!

テオドール「あの、何か腹部ボコボコしておりますけどっ」ひええっ



アンコウ「Σうっ」



けぽっ!


勾陣「がうっ!!」きしゃああっ!

白「よし。 噛み砕かれて無かった」


テオドール「Σ粋さんご無事で!
内側で勾陣暴れさせたので御座いますか」おおっ

彬羽「そう言う事だ
さて。じゃあやるか」すたすたっ

テオドール「やる とは?」





白「鍋 何人前になるかな?」

彬羽「どうだろうな。コイツ等意外と身は少ないからな。」包丁じゃきんっ

巨大アンコウ「Σ!?」


どろんっ

粋「ん? あれ 俺どうし Σうお生臭っ」

テオドール「お帰りなさいませ
釣りエサになられておられた様に御座います」

粋「Σ餌!?」えええっ



テオドール「目の前で喰われられたのでビビりましたが
やはり我が主様 さすがに御座いますっ」感激っ

粋「Σいや陶酔する所!?」えええっ


テオドール「ちなみに不知火には何の意味が?」

白「魚捌くのって明かりいるだろ」

粋「Σ確かに要るけど また大仰だな!!」






白「さて、ごめんなさいするなら今回だけは許してやるかもしれないけど どうする?」くっくっく。

巨大アンコウ「Σ!」背筋ぞわああっ

彬羽「拒否するなら食うだけだがな。」

テオドール「アンコウ鍋 よろしゅう御座いますね」わくわくっ









中居「あら?お客さん
お帰りですか?」

粋「うん。料金は残りの奴等に言って」けっ。

中居「え? はあ あのずぶ濡れですが大丈夫ですか?」

粋「Σ今優しい言葉やめて泣きたくなるから!! ありがとよっ!」どちくしょおおおっ








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